先週、東名高速道路で、男が一家の乗った車の進行を妨害して追い越し車線に停車させたところ、後方からきたトラックが一家の乗った車に追突し、両親が死亡したという事故が話題になりました。
警察はこの男を過失運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)の容疑で逮捕したようですが、世間では、この行為は殺人なのでは?という声も強いようです。
しかし、刑法の解釈上、今回の事件に殺人罪を適用するのは難しいと思います。
では、なぜ今回の事件に殺人罪を適用することが難しいのでしょうか?以下、私見になりますが、少し考えてみたいと思います。

この問題を考えるにあたっては、まず殺人罪がどのような犯罪か考えてみます。
殺人罪とは、平たく言えば わざと人を殺す罪 のことを言います。
これだけを聞くと、わざと危険な追い越し車線に停車させる行為も、わざと人を殺した=殺人罪だと感じてしまいますよね。
しかし、殺人罪はそのような大雑把な要件で成立するわけではなく、殺人罪の成立には、①人が死ぬ現実的な危険性のある行為を②人が死んでもかまわないと考えつつやり、③その結果人が死亡したという事実が必要とされています。

これらの事実の中で今回特に問題になるのが、追い越し車線に停車させる行為が、①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たるか否かと、犯人が停車行為を②人が死んでもかまわないと考えつつやったか否かです。

まず、追い越し車線に停車させる行為が①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たるか否かですが、一般の人がその行為を見た場合に人が死ぬ可能性があると感じる場合には、その行為は①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たると解釈されています。
今回の事件の場合、具体的な現場の状況が不明ですので、はっきりしたことは言えませんが、例えば、現場の交通量が多い、停車させた場所の見通しが悪い、スピードを出している車が多いといった事情があるのであれば、追い越し車線に停車させることによって死傷事故が発生することが予測できます。特に、追い越し車線は、走行車線の車を追い抜くための車線であって、スピードを出している車が多いでしょうから、そこに停車させる行為は、大きな事故に繋がる可能性が高い行為と言え、一般の人から見て人の死亡の危険を感じる行為に当たる可能性が高いといえるのではないかと思います。
したがって、今回の事件の場合も、具体的な状況によりますが、①の要件を満たす可能性はそれなりに高いものと思います。

もっとも、①の要件を満たしたとしても、犯人がそれを②人が死んでもかまわないと考えつつやったと言えるかどうかは問題です。
①の要件を満たす以上は、一般人から見て人が死ぬ可能性の高い行為をしているのだから、犯人も当然人が死んでもかまわないと思ってやっただろう、と思われるかもしれません。しかし、本件の場合、犯人自身も追い越し車線に自分の車を駐めているようであり、かつ、被害者の車を駐めさせた目的は被害者を車からおろして因縁を付けることだったように見受けられます。つまり、犯人は、追い越し車線に被害者の車を駐めさせた後、被害者が死なないことを前提に行動していますし、そもそも、追い越し車線に車を止めれば死傷事故が起きるかもしれないと考えていれば自分の車を追い越し車線に止めるという行為に出ることも考えづらいのではないかと思います。
したがって、本件の場合、犯人には、人が死んでもかまわないとまでは考えていなかったと受け取れる行動が見られるということで、②の要件を満たしていると言うのはなかなか難しいと考えられ、②の要件を満たさない以上は、殺人罪も成立しないという結論になる可能性が高いものと考えられます。

今回の事件については、殺人罪の他にも、危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条)を適用して重く処罰できないかという議論もあったようですが、成立要件との関係で、適用はなかなか難しそうです。
結果として、今回の事件の犯人には過失運転致死傷罪しか適用できないと思われ、社会的な非難の程度よりも刑事責任が軽いという印象がぬぐえません。

このような事態になったそもそもの原因は、法律を作るに当たってこのような事件類型が(おそらく)想定されていなかったところにあると思われます。
今回の事件を機に新しい犯罪類型の創設が検討されるかもしれませんので、今後の動きを注視していきたいと思います。

1022日(日)に衆議院議員選挙・最高裁裁判官国民審査が行われましたが、皆様は投票に行かれましたでしょうか。台風が上陸したせいか、投票率は53.68%で戦後2番目の低さだったそうです(私は台風の中、雨に濡れながらも投票に行きました。自慢できることではありませんが…)。

さて、今回の選挙では、個人的に法律的な部分に着目しており、それは選挙権の年齢が「18歳以上」に引き下げられてから初めて実施される総選挙であるという点です。
平成276月に公職選挙法が改正されて、今まで20歳以上であった選挙年齢が、18歳以上に引き下げられました。

これを受けて、民法の成年の対象年齢の取扱いも18歳への引き下げが議論されていますが、少なくとも裁判員の対象年齢は今までどおり「20歳以上」に維持されています。もっとも、この裁判員の年齢については、賛否両論あるようです。
個人的には、今回18歳以上に選挙権という民主主義の根幹を構成する権利が付与された以上、法的にも18歳以上は主権者として民主主義の担い手になったと考えます。裁判員として評議に加わるということも国政を決めることと重大性は異ならず、裁判員制度も民主主義の実現の一つだと考えれば、18歳以上であっても裁判員になれるようにするべきだと思います。(ちなみにアメリカの選挙権は18歳以上に付与されて、かつ裁判員よりも重責な陪審員になるのも18歳以上からになっています。)

さて、民法の成年の対象年齢の取扱いが18歳へ引下げられた場合、様々な影響があります。
未成年者は、法定代理人(多くは親)の同意なく契約を締結した場合には、その契約を取り消すことができます(民法第5条第1項、第2項)。この取消権は、事情がどうあれ取り消すことができるので、かなり強力な権利です。18歳が自分の締結した契約について責任を負うことになり、消費者トラブルの多い、サラ金、デジタルコンテンツやエステサービス等の契約を取り消すことができなくなります。この点は早い時期から法教育や消費者教育を行っていくしかないでしょう。

また、養育費の支払いを決める際に、今では成年の20歳を基準として、「20歳に達する日の属する月まで」と決めたりしましたが(大学進学を予定し「22歳」の場合もあります。)、今後18歳を基準にする場合が出てくるでしょう(養育費を支払う側からすれば18歳を基準にしたい)。

なお、民法で成年の対象年齢が下がったとしても、喫煙については「満20歳」にならないと認められません。というのも、未成年者喫煙禁止法は、喫煙できる者を、例えば「民法に規定する成年」と規定されておらず、「満20歳」(満二十年)と規定していますので、民法の成年が引き下がっても、連動して喫煙可能年齢も引き下げられるわけではありません。飲酒も同様の議論で、未成年者飲酒禁止法が定められていますが、飲酒可能年齢は「満20歳」(満二十年)と規定されています。

他には、男性は18歳、女性は16歳になると婚姻できますが、20歳未満だと父母の同意が必要になりますが(民法737条第1項)、成年が18歳に変更されると、18歳の男性が結婚する場合は、少なくとも男性側の父母の同意は不要になります。併せて女性の婚姻可能年齢も18歳に引き上げられるとの議論はありますが、現在の規定のままだと女性は16歳、17歳に結婚する場合には父母の同意が必要になりますが、18歳になれば父母の同意なく婚姻できるようになります。

選挙権が18歳以上に付与されるようになって、若者も国政だけでなく民主主義全体への関心が強くなればいいですね。今後も未成年者をめぐる法律の動きに注目したいと思います。

ビットコインですが、目下、ハードフォークがホットな話題となっています。

この記事を書いているのが平成291023日ですが、1024日には、ビットコインから、

 ビットコインゴールド

という通貨がハードフォークする予定です(なお、従前は1025日とされていましたが、公式サイトhttp://btcgpu.org/を見ると、24日に前倒しになっているようです。今後も変更の可能性があるので、気になる方は、最新のニュース等をご確認下さい。)。これは、Segwit2xのハードフォークとは別の話で、略称は、BTGなどと呼ばれています。

このビットコインゴールドが目指すところとしては、現状、専用に設計されたチップ(ASIC)を使って一部のマイナーのみにマイニングが集中している状況を回避し、より多くのネットワーク参加者がマイニングを行えるようシステムを修正し、非中央集権化を推し進めることにあるようです。

既に、各取引所も、対応を公表していますが、現状で、取引所によって、新たなBTGを付与する取引所、付与しない取引所が分かれていますので注意が必要です。

そして、11月に入ると、今度は、以前から言われていた

 Segwit2x

 のハードフォークが予定されています。こちらの方は、B2XS2Xなどと呼ばれています。この、Segwit2xですが、以前もお伝えしたとおり、取引台帳の1頁を物理的に大きくする、という修正になります。ただ、同じことは、既に、ビットコインキャッシュでやっているので、今、Segwit2xをハードフォークさせる意義は、以前より、薄まっているように感じます。

このように、ここに来て、ハードフォークが連続します。8月のビットコインキャッシュのハードフォークの際は、大きなトラブルが起きず、むしろ、ビットコインを持っていた人は、棚ぼた的にビットコインキャッシュを付与される、ということとなりました。そのためか、市場は、楽観的に捉えているようです。

ビットコイン価格も、ハードフォークによる新たな仮想通貨の付与を織り込んでか、

  1BTC = 68万円

まで高騰しています(平成291023日現在)。

ただ、一部、ネットメディア等でも指摘されていますが、今後も、味をしめてハードフォークが連続してしまうと、マズイのではないか、という懸念があります。

ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、目立ったトラブルはありませんでしたが、ハードフォーク自体、技術的にも、様々なリスクを伴うものなので、そうやすやすやっていいものでも無いように思います。

また、ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、ビットコインから、ビットコインキャッシュが分岐した後、

  ・ビットコインキャッシュに数万円の価格が付き

  ・ビットコイン自体もその後値上がりした

ため、ある種、錬金術的なことを成功させたことになりました。しかし、今後のハードフォークで、市場が毎回同じように動くのか、という確証もありません。ハードフォークによって、ビットコイン価格が暴落するリスクは常につきまといます。

また、個人的には、派生したコインが、本当にその後永続的に存在するのか、という点も気になります。特に、支持者が少ないハードフォークの場合、ハードフォーク後、何らかの原因で、メジャーなマイナーや開発者が撤退してしまい、まともなネットワーク維持が困難になってしまう、という事態も考えられます。

取引所間で、ハードフォークの自主規制ルールのようなものができれば、不必要なハードフォークが防げるのかもしれませんが、取引所は世界中にできており、意思統一は難しいように思います。

今後、ハードフォーク絡みのニュースには、要注意です。

・・・と、目下のビックニュースに触れさせていただきましたが、それ以外にも、日々、ビットコインのニュースが報道されています。そのうち、私が気になったものでは、HISが都内38店舗で、ビットコイン決済の受付を開始したとのことです。

 

https://www.his-j.com/branch/bitcoin/index.html?cid=newsrelease20sep17_bitcoin_a 

 

ウェブサイトを見ると、ビットコイン決済限定のプランなども掲載されています。

旅行繋がりでは、既に、今年5月頃、LCCのピーチアビエーションが、年内にビットコイン決済を導入すると発表し、話題となっていました。

ビットコインは、仕組み上、決済が確定するまで10分以上要するため、即座に決済が完了しなくても良い取引に親和性があります。通販などもそうですが、旅行業界でも、決済から旅行までは、通常タイムラグがあるので、ビットコイン決済が導入しやすいのかもしれません。旅行業界でもビットコイン決済の導入が進んでゆくかもしれませんね。

標題のとおり、私が執筆に参加した『実務Q&Aシリーズ 懲戒処分・解雇』が労務行政研究所から発売されました。

Amazon  http://amzn.to/2x78yuo 

労務行政研究所は、人事に携わる方に多く読まれている雑誌「労政時報」の出版社です。労政時報のみならず、人事・労務系の多数の実務書を単行本・シリーズ本として世に送り出しており、今回は、「実務Q&Aシリーズ」として発売されました。

*労務行政研究所 https://www.rosei.or.jp/ 

 

本書の特徴について、「はしがき」から抜粋すると、

「本シリーズは、人事担当者を対象に人事労務管理上の問題に関し、労働関係法令や労働判例を踏まえて、どのように考え、対処し、解決すればよいかをテーマ別にまとめたQ&A集です。回答は最新の法令、裁判例、行政解釈を踏まえて弁護士など第一線の専門家の方々にご執筆いただきました。…………本書は、懲戒処分・解雇にまつわる現場から寄せられた相談を115問にまとめ、譴責・戒告、減給、出勤停止、懲戒解雇といった処分の種類ごとに、法令・判例に基づいて基本的な事項を押さえながら、課題解決に向けた対応策を平易に紹介しています。また、実際の非違行為・不祥事が発生した場合、類似の設問から懲戒の種類・程度や処分に対する判断のポイントがわかるように幅広くケースを取り上げました。」

とあるとおり、非常に実務に直結する本となっています。

章立てとしては、

【第1章】 懲戒処分・解雇の基礎知識 (Q1から35

【第2章】 懲戒処分・解雇の種類と対応 (Q36から67

【第3章】 従業員の行為と懲戒処分・解雇 (Q68から115

3章構成となっています。

懲戒処分・解雇の基本的な問題点や注意点を確認する場合には、第1章・第2章を先にお読みいただくとよいと思われますし、既に目の前に従業員の一定の行為の問題が顕在化している場合には、第3章に多く取り上げられているケースから類似しているもの・関連性があるものをご参照いただくという使い方ができると思います。

完全に宣伝となってしまいましたが、ご興味のある方は、私(萩原)までご連絡ください。

労働契約上の無期転換ルールをご存知でしょうか?
これは、2012年の労働契約法の改正により、新たに労働法18条に定められたルールです。

簡単に説明すると、契約社員・パート・アルバイトなどの期間が決められた労働契約をしている労働者(有期契約労働者と呼ばれています。)が、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、有期契約労働者からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。たとえば、 契約期間が1年の場合、5回目の更新後の1年間に無期転換の申込権が発生します。有期契約労働者が無期転換の申込みをした場合、使用者は、断ることができず、無期労働契約が成立することになります。

で、重要なのが、この労働契約法18条の無期転換ルールは、2013年4月1日から施行されたので、無期転換ルールにおける「5年間の期間」は、既に2013年4月1日から起算されており、来年2018年4月1日から無期転換権を取得する有期労働者が発生することです。

では、有期契約労働者が無期転換権を行使した場合、会社とこの労働者との契約関係はどのようになるのでしょうか?

労働契約法18条1項によれば、原則として、期間が有期から無期になること以外はそれまでの労働契約が適用されます。したがって、期間1年、週3日、1回あたり6時間、給料月額10万円のバイトが無期転換権を行使した場合には、単に期間が1年契約だったものが無期になるだけで、週3日、1回あたり6時間、給料月額10万円という労働条件には変更がないのです。

しかし、これには例外があります。すなわち、会社にこの無期転換権を行使した労働者(無期転換労働者)に適用される定めがある場合には、その定めが適用されることになります。たとえば、これまで正社員規則、契約社員規則、アルバイト規則しかなかった会社が、新たに、無期転換労働者に適用される規則を作れば、それが適用されることになりますが、もし特別にそのような規則を作らなかったのであれば、有期が無期になる点を除いて、従前は契約社員だった人には契約社員規則が、従前はアルバイトだった人にはアルバイト規則が、それぞれ適用されるということになるのでしょう。

というわけで、現在、来年4月1日以降に無期転換労働者が発生する可能性がある会社では、無期転換労働者に適用する規則を作っている会社も多いのではないかと推測します、その準備を後押しするために、厚生労働省では、ウェップで就業規則のサンプルを公開したりしていますね(http://muki.mhlw.go.jp/point/)。

ただ、ここで私には、どのように解釈したら良いのかわからない問題があります。

(1) たとえば、バイトばかりがいる会社が、バイトの無期転換権行使を阻止するために、無期転換労働者用の就業規則を作り、そこには、正社員並みの労働条件、たとえば、週5日労働、1回8時間労働、転勤命令に従う義務あり、残業命令に従う義務あり、もちろん給料は正社員なみに支払う、などと定められていたとする。そのため、多くのバイトは、事実上、無期転換権を行使できないでいる。このような就業規則は、実質的には、労働契約法18条の無期転換ルールの趣旨を没却するものであり、また労働契約の不利益変更禁止の精神も没却するから、無効なのではないか?

(2) IT業界では、案件をわたりあるく契約社員の方が正社員よりも給料が高い場合があるが、無期転換労働者規則において、給料は正社員並みにすることとした。しかし、そもそも無期転換権行使により給料を減額することは、上記と同様、無期転換ルールの趣旨を没却し、労働契約の不利益変更禁止の原則にも反するので、許されないのではないか?

労働法を専門にしている弁護士に、上記の質問を聞いてみましたが、まだ事例がなく、はっきりとした答えはないようです。

私の弁護士としての経験からすると、日本の会社は、上記(1)及び(2)のようなことは、法律上許されても社会からの非難を恐れてやらないところが多いのではないかと推測しますが、価値観の違う外資系の会社であれば、法律上許されるのであれば、実際にやるところが出てきそうです。
これからどのような解釈になるのか、注目してみたいと思います。

●●(1). はじめに●●

さて、前回、前々回と、ビットコインの概要などをご説明させていただきましたが、今回は、私の専門である、法律分野のお話をさせていただければと思います。


●●(2). 仮想通貨法とは??●●

ビットコインをはじめとして、現在、数百(あるいはそれ以上)の仮想通貨が登場していますが、仮想通貨に関しては、平成29年4月に、仮想通貨法(改正資金決済法の一部・仮想通貨に関する規定部分を、慣用的にそう呼んでいます。)が施行され、話題となりました。

この仮想通貨法ですが、巷では、「ついに仮想通貨が通貨となった」だとか、「仮想通貨取引全般が規制される」だとかいった声がありましたが、結構ミスリーディングな部分があります(一部では、大手メディアの報道でも、同様にミスリーディングなものがありました。)。

そこで、まず、基本的な部分の確認ですが、仮想通貨法により、ビットコインなどの仮想通貨が「通貨」になった訳ではありません。確かに、法令上、「仮想通貨」(仮想通貨法第2条第5項)といった表現はされていますが、日本における「通貨」は、今でも、貨幣及び日本銀行券(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第2条第3項)のままです。この点に変わりはありません。ただ、事実上、ビットコインなどの仮想通貨が、通貨に類似するようになってきている、と言うことはできます。

次に、仮想通貨法は、あくまで仮想通貨の取引所の規制であり、全ての仮想通貨取引を規制するような法律ではありません。まれに、仮想通貨法により、ビットコイン取引全般が違法になった、と誤解されている方もいたりしますが、そうではありません(というより、むしろ、現在では、仮想通貨で代金を支払えるお店が増えてきています。)。



●●(3). 仮想通貨法の詳細●●

では具体的に、仮想通貨法では、どのような規制がされたかといえば、大きな柱としては、

  ・「仮想通貨交換業」(法2条第7項)が登録制となり(法63条の1)

  ・登録せずに「仮想通貨交換業」を行うと刑罰が課される(法107条等)

という点です。ここでいう、「仮想通貨交換業」には、ビットコイン取引所の運営などが含まれますので、法律施行後の現在では、無登録でビットコインの取引所を作れません(なお、法律施行前から取引所を運営していた会社では、登録を得るまで、一定の猶予期間が設けられています。)。そのため、概して、今回の仮想通貨法は、取引所に対する規制といえます。

さらに詳しく見ると、仮想通貨交換業者には、仮想通貨法上、
 ・情報の安全管理(法63条の8)
 ・利用者の保護(法63条の10)
 ・財産の分別管理(法63条の11)
 ・事業年度ごとの報告書提出(法63条の14)
等々の義務が課されます。

ちなみに、あまり報道はされていない点ですが、今回の仮想通貨法では、日本で登録されていない海外の取引所が、国内の者に対して、仮想通貨売買等の「勧誘」を行うことも禁止されていたりします(法63条の22)。

これらの規定の趣旨は、例えば、
 ・取引所が破綻したり
 ・セキュリティー対策が十分に施されていない
  取引所からハッキングにより仮想通貨が流出
  したり
といったことを防ぎ、取引所の利用者を守る点にあります。

また、仮想通貨は、マネーロンダリングにも使われるため、マネーロンダリングを防止する趣旨も含まれています。



●●(4). 仮想通貨法に対する評価●●

仮想通貨法の評価に関しては、賛否両論ありますが、よく言われるマイナス面としては、ある程度資金力がある会社でなければ、取引所の開設は難しくなった、という点です。仮想通貨法に関連して定められた内閣府令では、仮想通貨の取引所は、最低資本金が1000万円とされ、また、様々な内規やリスク管理体制が求められることにより、物的・人的なインフラ整備にもコストがかかります。そのため、スタートアップ企業がいきなり取引所を開設する、ということは、ほぼ不可能ではないか、と言われています。

ただ、これに対しては、仮想通貨法の規制があることにより、取引所のセキュリティーや財産的基盤が、ある程度はしっかりしたものとなり、利用者としても、安心して利用できるようになる、という見方もできます(ただ、どの業界でもそうですが、100%信用できる、などと言うことはできません。)。また、所轄官庁やルールが明確になった点を、好意的に受け止める見方もあります。


●●(5). 取引所以外への影響について●●

以上のとおり、仮想通貨法は、主に、取引所への規制ですので、それ以外の部分に関しては、規制は及ばないことが原則です。

ただ、仮想通貨を繰り返し売買したり、他の仮想通貨と交換するようなビジネススキームは、取引所とやっていることは同じですので、取引所でなくとも、仮想通貨法の規制が及ぶ可能性があります。規制が及ぶとすると、仮想通貨交換業の登録が必要となり、これには、前記のとおり、多大なコストがかかります。そうすると、ビジネスを始めようにも、仮想通貨法の規制で、ビジネススキームが成り立たない、ということにもなりかねません。

そのため、もし、仮想通貨に関連したビジネススキームを考える際は、早い段階で、専門家や監督官庁である金融庁(実際の対応は財務局)に相談するなどの対応が重要となります。


●●(6). 終わりに●●
いかがでしたでしょうか。次回は、ビットコインの中核技術「ブロックチェーン」について触れてみたいと思います。

今回は、保釈についての記事になります。
 「保釈」という言葉は、皆さんもどこかで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
 刑事事件では日常茶飯事と言えるレベルで登場する「保釈」ですが、これは、簡単に言ってしまば、一定額のお金を裁判所に預けて、それと引き換えに、裁判が終わるまでの間、身体拘束を解いてもらうという制度です。裁判所が、被告人を外に出すにあたって一番懸念するのは、裁判から逃亡されてしまうことなのですが、保釈されるには、ある程度多額の保釈金を裁判所に納める必要があり、保釈中に逃亡したり、裁判に出頭しなかったりすると、保釈金が没収されてしまうことがあります(刑訴法962項)。そのため、被告人は逃亡を図ることがしにくくなり、裁判所としては、高い確率で被告人の出頭を確保することができます。そうであれば、わざわざ被告人の身体を拘束しておく理由はなくなり、保釈金と引き換えに外に出した方が、裁判所としても効率的ですし、人権保障の観点からも望ましいということになります。

 保釈は概ね上記のような制度なのですが、どんな人についても保釈が認められるわけではありません。保釈が認められるには、次のような条件が必要とされています。(①は必須で、加えて②又は③に当たることが必要です。)
①対象者が起訴されていること(「被疑者」ではなく「被告人」の地位になっていること)
②刑訴法891項各号のどれにも当たらないこと(権利保釈)

③刑訴法891項各号のどれかに当たってしまう場合でも、逃亡の恐れが高くない、罪証隠滅の恐れが高くない、といった保釈を認めるのが適当な事情があること(裁量保釈、90条)

 ①について、そもそも、保釈の請求の前提条件は、その人が起訴されて「被告人」になっていることです。起訴の前段階では、「被疑者」として、3日間程度の逮捕期間と最大20日間の勾留期間を過ごすことになりますが、この間に保釈の請求をすることはできません。(この間に外に出るための方法としては、勾留に対する準抗告というものがありますが、保釈よりもかなり認められづらいです。)したがって、保釈の請求をしたい場合には、起訴された後に裁判所に保釈請求書を提出しなければなりません。

 ②について、保釈は、法律が定める一定の事情に当たらない場合には、必ず許可しなければならないことになっています(刑訴法891項)。その一定の事情としては、

 ⅰ被告人の犯した罪が、一定以上の重大なものであるとき(1号)

 ⅱ重い前科等があるとき(2号)

 ⅲ常習性をもって一定以上の重さの罪を犯しているとき(3号)

 ⅳ罪証隠滅のおそれがあるとき(4号、5号)

 ⅴ氏名・住所が不明のとき(6号)

があります。したがって、初犯で、重大犯罪とまでは言えない類型の罪を犯した被告人の場合には、罪証隠滅のおそれが低いと認めてもらえれば、保釈が認められる可能性が高いということになります。

 ③について、②の保釈から漏れてしまった被告人(例えば、重大な罪を犯した被告人や、重い前科のある被告人など)にも③のルートで保釈の道が開かれていますが、こちらの類型の保釈については、細かい要件が決まっていません。裁判官が、個別事情を見て、この被告人は外に出しても逃げたりしないし、証拠のねつ造・隠滅等もしなさそうだ、となれば、保釈してもらえる可能性があるということになります。

 上記の要件を満たす人については、保釈請求があれば、裁判所が保釈を許可し、保釈金の額を指定します。被告人がこの金額のお金を裁判所に預けた段階で、被告人の身体拘束は解かれ、外に出られるようになります。
 なお、保釈金の額は、事件の類型や被告人の状況によって異なり、重大な事件ほど、お金を持っている被告人ほど高くなるのが一般的です。
 また、保釈の請求は弁護人がするのが一般的ですが、弁護人だけでなく、被告人や被告人の直系親族・兄弟姉妹等もすることができます。もし何らかの事情で弁護人が付いていない場合でも、被告人や親族が簡単な保釈請求書を書くことで保釈の請求は可能です。

 世間では、一度警察に捕まった人はずっと捕まりっぱなし(無罪にならない限り出てこられない)というイメージが強いように感じますが、保釈の制度を利用することによって、相当な数の被告人が裁判中に釈放されています。
 被告人が保釈されるかどうかは、被告人の生活の観点からも、弁護活動のしやすさの観点からも非常に重要な問題になってきます。ぜひ、自分自身の身を守る手段として、保釈という制度があるということがもっと広まってほしいと思います。

●●1. はじめに●●
さて、ビットコイン復習編ですが、前回は、ビットコインの概要についてお伝え致しました。

しかし、概要だけでは、いまいちイメージが掴みづらいと思います。そこで、今回は、どうやったらビットコインを入手できるのか?使えるのか?という点に焦点をあてて、ご説明いたします。


●●2. ビットコインの入手方法●●
 ビットコインの入手方法としては、大きく分けて、以下の方法があります。

(1) 取引所で日本円と交換(購入)する
(2) 他人からもらう
(3) 採掘する(マイニング)

このうち、(1)が最も現実的かつ確実な方法です。

現在、日本では、日本円とビットコインの取引所が複数できています。この取引所に取引口座を開設し、日本円を入金(銀行振込やクレジットカード払い等。取引所によって異なります。)した上で、パソコンや、スマホアプリから、ビットコインを購入することができます。インターネットを使って、株取引や外貨預金をする要領ですね。相場は、外国為替同様、日々上下しています。

ちなみに、平成29年4月に施行となった仮想通貨法(改正資金決済法で追加された仮想通貨に関する規定部分を、慣用的に、仮想通貨法と呼んでいます。)により、口座開設には本人確認が厳格になっています。取引を開始するには、本人確認書類を取引所に送ったり、居住確認のため取引所からの郵便物を受け取るなどの手続を経る必要があります。ビットコインは、便利であるがゆえ、マネーロンダリングに使われる可能性があり、これを防止する趣旨です。

(2)については、例えば、近くにビットコインを持っている気のいい人がいれば、少し譲ってもらうという方法も考えられます。この場合、取引所の口座開設は不要です。

(3)については、前回記事でも最後に少し触れさせていただきましたが、難しい問題を解いて、ビットコインの取引を取引台帳に書き込み、対価としてビットコインを得る方法です。しかし、膨大な計算を行う必要があるため、個人にとっては、現実的な方法ではありません。また、仮に高性能なコンピューターを用意したとしても、日本では、得られるビットコインの価値よりも、電気代の方が高くつくと言われています。


●●3. ビットコインの管理・使用方法●●
ビットコインを取引所で買った直後は、取引所がビットコインを管理しています。しかし、ビットコインを、取引所から引き出して、自分のビットコインの財布(ウォレット)に入れて、自己管理することもできます。

自分で管理って、どうするんだ??という方もいるかもしれませんが、難しいことではありません。例えば、スマホに、ビットコインのウォレット(財布)のアプリをインストールし、取引所から、そのウォレット宛に、ビットコインを送金するだけです。送金先は、銀行口座番号にあたるビットコインアドレス、という固有の英数字で特定されます。

また、さらに、ウォレットから、送金先を指定して送金操作をすれば、ビットコインを第三者に送金することができます。ビットコイン決済を受け付けているレストランであれば、お会計のときに、ビットコインの送り先(ビットコインアドレス)をQRコードで教えてもらって、ウォレットからQRコードを読み取り、送金操作をすれば、お会計完了です。

その他、投機が目的であれば、取引所でビットコインを買って、値上がりした際、取引所でビットコインを売却し、利ざやを儲ける、という使い方もあります。なお、ビットコインの価格は、
  ・平成28年1月頃 → 1BTC = 5万円前後
  ・平成29年1月頃 → 1BTC = 11万円前後
  ・平成29年8月頃 → 1BTC = 45万円前後
となっており、高騰しています。上下幅は大きく、1日で、数万円上下することも珍しくありません。もちろん、上がるときは上がりますが、下がるときは下がります。


●●4. その他の保管方法●●
ビットコインは、銀行口座番号にあたるビットコインアドレスに保管されます(このビットコインアドレスを管理するのが、ウォレットです。)。このビットコインアドレスには、秘密鍵(パスワード)が紐付いていて、ビットコインを送金する際には、パスワードが必須となります。

つまり、究極的には、ビットコインアドレスとパスワードさえ記録しておければ、ビットコインを保管している、ということができます。そのため、ビットコインの保管方法も、スマホのウォレット以外に、様々なものが有ります。

i.原始的には、紙に、ビットコインアドレスとパスワードを印刷して保管する方法があり、ペーパーウォレットと呼ばれます。

ii.また、専用の小型機械で、ビットコインを保管するものもあり、ハードウェアウォレットと呼ばれます。

iii.さらに、スマホ以外にも、パソコンのウォレットソフトで、ビットコインを保管することもできます。

iv.加えて、Web上でウォレットを提供しているものもあります。

ビットコインは、財布の形も様々なのです。


●●5. 保管上の注意点●●
ウォレットについては、兎にも角にも、バックアップをとっておくことが必須です。

ビットコインは、上記のとおり、ビットコインアドレスとパスワード(秘密鍵)で管理され、パスワードはウォレット上で管理されています。例えば、スマホアプリのウォレットであれば、特段、設定をしなければ、このビットコインアドレスとパスワードを内部で自動的に生成して管理してくれています。そのため、パスワードをあまり意識せずに使えてしまうかもしれませんが、いざ、スマホを失くしたり、壊したりしてしまうと・・・。パスワードが分からず、永久にビットコインを動かせなくなってしまいます。ビットコインは、中央管理者がいないので、パスワードの再発行などもできません。

そのため、パスワード(秘密鍵)を含めた、ウォレットのバックアップは必須です。中央管理者がいない、ということは、利点である反面、管理は自己責任なのです。

ちなみに、パスワードを第三者に見せることも厳禁です。パスワードが分かれば、ビットコインアドレスも分かってしまい、ビットコインを盗まれてしまいます。

また取引所にビットコインを預けたままにしておくことは、パスワードを自分で管理できないので、好ましくないとされています。取引所は、ハッカーたちの格好の餌食となっていて、過去、海外では、ハッカーの攻撃により、取引所からパスワードが流出し、ビットコインが盗まれる被害が発生しています。同じような話で、Web上のウォレットも、ハッカーの攻撃リスクがあるとされています。



●●6. 終わりに●●
いかがでしたでしょうか。特に、保管上の注意点に関しては、「やはり、ビットコインはリスクが高い」という見方も、「中央管理者がいない代償だから、自己責任というのも当然だ。」という見方もできるかと思います。

ただ、パスワードを失くしたり、第三者に知られたりして被害を被ることは、何もビットコインに限った話ではありません。今後、ビットコインが普及した場合は、お金は守られるもの、という考えから、自分で守るもの、という考えへの意識改革が必要になるかもしれません。

またリスクを減らすような、技術的・ビジネス的なスキーム(例えば、取引所におけるビットコイン盗難時の保険などのサービスも、最近提供されるようになっています。)も考える余地があります。

ビットコインは、システムを含め、業界全体が、めざましく進化しています。リスクへの対策も含め、今後も様々な発展があると思います。

萩原勇弁護士が、労務行政研究所の「労政時報」(第3937号)に「相談室Q&A[労働時間関係] 裁量労働制で、健康上の配慮から特定の時間以降は就業禁止とできるか」と題する記事を執筆し、掲載されました。

今月、国際宇宙ステーション(International Space Station。以下「ISS」。)にいるクルーの交替がありました。3名のクルーを乗せたロシアの有人宇宙船は、今月13日にロケットで打ち上げられ、その日のうちにISSにドッキングし、無事3名のクルーはISSに到着しました。最近ではクルーの交代はそこまで大きなニュースになりませんが、このことは昔に比べればロケット技術等が遥かに進歩したことの現れでしょう。

ISS計画は、G8サミット(主要国首脳会議)の全メンバーも参加している巨大なプロジェクトであり、ISSでは、様々な国籍の宇宙飛行士達がそこに居住しながら日々研究しています。16.5時間労働、土日が休みで、祝日はクルーの国籍に応じて各国の祝日を調整して決定していくそうです(JAXA(宇宙航空研究開発機構)ウェブサイトより。http://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/177.html)。

このISSですが多くの国が参加し、様々な国籍のクルーが居住しているため、権利関係の存否について疑義が生じた場合や、(考えたくはないですが)宇宙飛行士の間で紛争が生じた場合などのため、あらかじめ法的な取り決めをしていく必要があります。参加国は国際宇宙ステーション協定(以下「IGA」。)を締結しており、ISSでは、各国がそれぞれ登録した物体や、自国の国籍を有するISSにいる人員ごとに、各国の管轄権が与えられています。この管轄権は、(登録した)宇宙物体上で発生する事実や行為について、登録国の国内法が適用され、その国内法の遵守を強制する権限(法律を執行する権限)をいいます。

日本が登録しているISSにある実験棟のJEM(きぼう)内では、日本の国内法である民法等が適用されます。また、日本人搭乗員同士で喧嘩して損害賠償という話になったら、民法の不法行為(709条)等の規定を根拠に解決していくことになります。

仮に他国の搭乗員と揉めた場合には、IGAでは、当事国の政府間協議等での解決を目指し、この解決が不調に終わったら、紛争当事国間で合意された紛争解決手続(調停、仲裁等)で解決するよう定められています。

IGAは刑事事件に関する規定もあり、このことは以前取り上げたことがあるのですが、ISS内で犯罪行為が行われた場合は、ステーションのどの区画で犯罪があったかどうかは関係なく、被疑者である宇宙飛行士の国の法律で裁かれることが原則となっています(221項)。そのため、例えばA国の宇宙飛行士がB国の宇宙飛行士に傷害を加えた場合には、被疑者はA国の宇宙飛行士となり、このA国の宇宙飛行士はA国の法律で裁かれることになります。

なぜ被疑者の国の法律で裁かれるかというと、宇宙飛行士の活動は自国の国民から大きな関心が寄せられるため、他の参加国によって自国の宇宙飛行士が裁かれることは国際関係上好ましくないという理由から、属人主義(自国民による犯罪に対しては犯罪地を問わず自国の刑法を適用するという考え方)が取られています(小塚荘一郎著「宇宙ビジネスのための宇宙法入門」150頁参照)。

なお、日本人搭乗員が刑事事件の被疑者となった場合には、日本の刑法の定めが適用されますが、ISSは宇宙にあり日本国内ではないので、刑法の国外犯規定しか適用はありません。刑法の国外犯規定とは、日本国外の犯罪行為であっても日本の刑法が適用されるというもので、通貨偽造、殺人、傷害、窃盗、詐欺や強盗等が定められています。ISSで想定される刑事犯罪は基本的にはこの国外犯規定でカバーされていると思いますが、例えばISSで国内犯規定しかない賭博(刑法185条)が行われても、少なくとも日本人搭乗員には刑法の適用がなく不可罰になります。

最近は宇宙旅行が現実味を帯びてきましたが、並行して、法の適用がどのようになるのかを規定していかないと、例えば宇宙旅行中に旅行者間で賭博をしたり、国民が勝手に宇宙にカジノを作っても刑法の適用が無いなど、後から問題が生じることが増えていくことでしょう(“宇宙カジノ”という響きは魅力的に聞こえるかもしれませんが…)。

アメリカでは刑法の国内犯規定をISS内でも適用させるように、30年以上も前に刑法を改正しています。日本はえてしてこのような動きが遅いので、その行為が合法なのか違法なのかを明確にするという意味でも、想像力を働かせてどんどん法律を整備していく必要があると思います。日本は仮にも宇宙先進国の一つに数えられているので、世界にアピールする意味でも、今後の法整備を期待しています。

↑このページのトップヘ