ビットコインに関する最近の動き

さて、ビットコインについては、81日を乗り切った後も、日々、様々なニュー

スが報道されています。ビットコインに関する動きは本当にめまぐるしいです。

 

特に、最近は、海外での動きについて、多くの報道がされていました。

まず、フィリピンでは、仮想通貨取引所が開設され、エジプトでも開設の動きが

あるようです。

 

また、ベトナムに関しては、これまで禁止されていたビットコインの送金事業が

合法化される動きがあると報道されていました。

さらには、これまでビットコインに否定的な態度を示していたロシアでは、国の

後押しを受けて大規模なマイニング事業に進出することとされ、ICO(仮想通貨

を利用した資金調達)も実施されたとのことです。

 

 ※このICOとは、Initial Coin Offeringの略で、IPO(新規公開株)をもじ

ったものです。厳密な定義はなく、多種多様なスキームの種類があるので、

一概にこういうもんだ、とは断言できませんが、例えば、

   ・投資家:ビットコインなどの仮想通貨を払い込む

   ・企業 :対価として、独自の仮想通貨(但し、仮想通貨法の規制が及ぶ

      仮想通貨には限りません。)を発行するといったスキームで
        企業が資金調達
を行うものです。

  独自の仮想通貨には、その企業に関する優待が付与されていたり、また、将

来的に、独自の仮想通貨が高値で取引されるようになれば売却して含み益分

を儲ける、といったことも考えられ、その点で、投資家にとって魅力があり

ます。

  報道などによれば、このICOの手法によって、数時間で300円以上の資金

調達に成功した例などもあり、非常に注目されています。

  ただ、もちろん、詐欺的なICOもあり、リスクもあります。また、各国でも、

法整備は追いついておらず、また、国によっては、既存の法令上、金融商品

ないし証券に該当し、関連規制が及ぶ可能性もあるとされています。




さらに、エストニアでは、国家としてのICOを検討しているとのことです。

 

他方で、中国では、中国人民銀行が、ICOによる資金調達が違法であると通

告し、その後、仮想通貨取引所に対して操業の停止を求めたと報道されてい

ます。これによって、ビットコインの価格は急落しています。

 

その他、香港でも、ICOによる資金調達に、証券に関する法規制を及ぼす可能性

があるようです。

 

また、国内での最近の注目ニュースとしては、国税庁が、ビットコインに関する

タックスアンサーを公開しました。

 

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm

 

これまで、ビットコインの売却の際の含み益に対する課税は、譲渡所得になるの

か、雑所得になるのか、と見解が分かれていたようですが、国税庁の統一見解と

して、(事業所得等になる場合を除き、原則)雑所得であることが明示されたこと

になります。

ただ、そもそも、ビットコインに関する税金に関しては、ビットコインのやりと

りを頻繁に行う場合、計算が非常に面倒になってしまいます。法改正も含め、今

後の改革の余地がありそうです。

 

 

青春18きっぷの旅・2017 in Summer

と、ビットコインの話題はここまでにして、今回は、青春18きっぷの旅につい

て書きたいと思います。少し前の話になりますが、例のごとく、青春18きっぷで、

東北方面に旅に出てまいりました。

今回は、あいにく東北の天気が悪かったため、電車に乗っている時間を多めに設

定しました。途中下車するごとに色々と歩き回る旅もいいですが、カタンコトン

と一日中電車に揺られる旅も、それはそれでいいものです。ただし、慣れてない

人がこれをやると、しばらくの間、電車を見たくなくなるので、注意が必要です。

 

さて、具体的な日程ですが、まず、最初だけは、新幹線を使って、宮城県の古川

まで行きます。日程に余裕があれば、最初から青春18きっぷを使うのですが、1

2日のスケジュールなので、致し方ありません。

 

古川では、いよいよ、青春18きっぷの出番です。ここから陸羽東線に乗って、

鳴子温泉に向かいます。

 

 古川11:15→(陸羽東線)→鳴子温泉12:02

 

鳴子温泉では、以前にも行ったことのある潟沼(時間帯によって、水面の色が変

わる美しい湖です。湧き出す水の水質が、刻一刻と変わっているそうです。)と

いう場所に行きたかったのですが、駅に着いてから知りました。

 

 落石により通行禁止

 

と。

 

いきなり出鼻をくじかれましたが、駅前で足湯につかりつつ、次の電車を待ちま

す。乳白色で、温泉らしい温泉です。鳴子温泉を出ると、そのまま一気に日本海

側の余目まで抜けます。この区間は、山の中を走って日本を横断するため、山並

みや、森の緑が非常にきれいです。

 

 鳴子温泉13:05→(陸羽東線)→新庄14:09

 

 新庄14:14→(陸羽西線)→余目15:05

 

余談ですが、余目は、あま「る」め、と読むのですね。あま「り」め、だと思っ

ていました。

 

さて、この余目駅では、食料品店 兼 お土産屋さんのようなところで、食料を調

達しました。中でも、三元豚のメンチカツ(100円程)なるものを買ったのです

が、予想外に美味しくて感動しました。東京のスーパーでも見かけるような、揚

げた後にパック詰めされたもので、旅行者が食べるというより、主婦が食卓のお

かずとして買っていくようなものですが、無性に肉が食べたくなって買ってみた

ところ、大当たりでした。こういう発見があるのも、ローカル線の旅の醍醐味で

す。

 

腹ごしらえを済ませた後は、日本海側を、新潟まで進みます。

 

 余目15:45→(羽越本線)→村上18:03

 

 村上18:49→(羽越本線・白新線)→新潟20:02

 

この区間(~村上)は、電車が日本海に沿って進むため、海の景色が非常に綺麗

です。指定席券を買えば乗れる快速列車「きらきらうえつ」も走っていますが、

今回は、あえて普通電車をチョイス。文字通り、カタンコトンと音をたてながら、

各駅停車の古めかしい車両で、新潟に向かいます。これぞ、電車旅、という感じ

です。

 

新潟に着くと、ホームの駅そばで腹ごしらえをします。東北や信州のエリアでは、

駅そばのクオリティが非常に高く、よく利用します。今回の新潟駅の駅そばも美

味でした。その後は、本日の宿がある、長岡を目指します。

 

 新潟20:24→(信越本線)→長岡21:38

 

この頃になると、感覚が麻痺してきて、電車で1時間なんて、乗ったうちに入ら

ないくらいの気持ちになっています。

 

この日は長岡で1泊です。

 

翌日、通常であれば、あっちいったり、こっちいったり、とするのですが、今回

は、早めに東京に帰る予定のため、まっすぐ東京を目指します。

 

 長岡8:36→(上越線)→水上10:32

 

水上駅ですが、接続する電車の乗り換え時間が短く、いつも下車せずスルーして

しまうので、今回は、1時間ほど滞在してみました。駅前には、いくつかお店が

並んでいて、お焼きや、現地の果物のジュースなどをいただきました。

 

その後は、高崎を経由して、東京(上野)に戻ります。

 

 水上11:35→(上越線)→高崎12:38

 

 高崎13:23→(高崎線)→上野15:09

 

 

これで、今回の旅は終了です。長岡→上野間の移動でしたが、意外と早く着いた

な、という印象です。特急を使っていないのに、朝に出て、夕方前には東京に着

くことができました。ちなみに、帰りの乗車時間のみの合計は、4時間45分ほど

です。

 

よく行くルートでも、電車に乗っている時間を長めにすると、また、違った感覚

が味わえますね。あまり動かない旅なので、健康的ではありませんが、楽ちんで

す。

 

次回は、日程に余裕があれば、西日本方面にも力を入れて攻略してみたいと思い

ます。

●●1. はじめに●●

最近、よくメディアでも取り上げられるようになってきた「ビットコイン」ですが、 私自身も、これまで注目しており、色々と情報の発信をさせていただいております。これまでの私の知識を整理する意味でも、2週間に1度くらいのペースで、ビットコインについて、シリーズとして記事を書いていこうと思います。これまでの記事と重なる点もあるかと思いますが、できるだけわかりやすく書こうと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

さて、ビットコインですが、皆様、どれほど馴染みがありますでしょうか。既に買っ て保有している・使っている、という方から、何か怪しい詐欺みたいなものでは ないか?と疑わしく思っている、という方まで、様々かと思います。

日本では、過去、ビットコインの取引所であるMt.GOX(マウントゴックス)が破綻したことが大々的に報道され、悪いイメージが染み付いている感が否めません。

しかし、このビットコイン、極めて革新的な技術であり、インターネットの発明に並ぶも のとも言われています。果たして、この、ビットコインは、どのようなものなの でしょうか。

今回は、このビットコインについて、その概要をご紹介させていただければと思います。


●●2. ビットコインって何だ??●●

ビットコインは、インターネットを介して送金可能な、仮想通貨の一種です。また、 現時点(この記事を書いた平成29年8月時点)で、世界で最も取引量が多い仮想 通貨です。

「仮想」通貨??バーチャルな世界のお遊びじゃないの??と思われる方もいるかも しれませんが、そうではありません。ビットコインは、現実の通貨にどんどん近づきつつあります。

まず、ビットコインで代金を支払えるお店が世界中に登場しています(数はまだ少な いですが)。日本でも、ビックカメラの一部の店舗で、ビットコインによる代金 支払を受け付けるようになったというニュースが、日経新聞などでも大々的に報 道されていました。

また、これが極めつけですが、現在、ビットコインと現金(日本円、ドル等)を交換する取引所が数多く開設されています。そのため、日本円でビットコインを買ったり、 買ったビットコインを売却して日本円にしたりすることができるようになってい るのです。

ちなみに、貨幣単位は、そのまま、ビットコイン(BTC)がよく使われますが、1ビットコ インが最小単位ではなく、0.1BTCなどでも送金することができます。最小貨幣単 位は、Satoshiで、1Satoshi=0.00000001BTCです。


●●3. ビットコインの何がそんなにすごいのか??●●

さて、単に仮想的(バーチャル)なお金、という話になれば、ビットコインは、目新しい ものではありません。Suicaなどの電子マネーは、日本でも広く普及し、使用さ れています。

では、ビットコインは、何がそんなに革新的なのでしょうか。この点は、説明の仕方は色 々あるのですが、よく挙げられる特徴としては、以下のものがあります。

1)24時間、世界中、どこにでも送金ができる

2)送金手数料が0若しくは格安である(そのため、特に、  手数料の高い海外送金で、メリットが大きい)

3)特定の中央管理者がおらず、かつ、ビットコインの 保有情報は、世界中のコンピューターがコピーを持っているため(P2P技術)、極端な話、住んでいる国が潰れたとしても、ビットコインは残る

4)銀行口座にあたるビットコインアドレスは、誰でも、誰の許可も得ずに作成することができる

5)ビットコインのシステムは、データの改竄や二重使用の防止の措置が施されており、2009年の利用開始から、現在に至るまで、一度もシステムが停止することなく、稼働し続けている


この中でも、特に革新的なのは、3)に記載した中央管理者がいない、という特徴です。たとえば、銀行預金を例にとれば、銀行が中央管理者になっています。交通系電子マ ネーであれば鉄道会社が中央管理者です。しかし、ビットコインには、そのよう な中央管理者がいないのです。

ええ??管理者がいないのに仮想通貨が発行され、交換できるなんで、そんなこと不可じゃないの??と思われる方もいるかもしれません。しかし、ビットコインは、これを可能にしたのです。この詳しい仕組みについては、今後、解説しますが、ごくごく簡単に言えば、

  ・解くのは時間がかかり、答え合わせは一瞬でできる問題が出題され

  ・それを世界で一番最初に正解した者が、取引台帳に、新たに発生したビットコインの取引を書き込むことができ、

  ・対価としてビットコインを受け取る(システム上、ビットコインが自動的に発行され、対価の一部として支払われる)

  ・以上のサイクルを約10分おきに繰り返す(問題は、
   毎回変わる。)

という仕組みを採用することにより、特定の中央管理者を不要としています。

そのため、ビットコインでは、「管理者が倒産して、仮想通貨が使えなくなる」という態は起こりません。上記にも書いたとおり、例え今住んでいる国が破綻したとし ても、ビットコインは残ります。そのため、電子化された金のようだとして、 「デジタルゴールド」などとも表現されています。現に、自国の通貨が信用でき ない国などでは、自国通貨の代わりに、ビットコインが流通しているところもあ ります。


●●4. 終わりに●●

いかがでしたでしょうか。ビットコインの概要について、ざっくりと触れさせていただき した。ビットコインの特徴が、少しでも伝わったのであれば幸いです。次回は、 実際の使用方法などをご紹介したいと思います。

●はじめに

いわゆる事故物件、例えば、マンション室内で過去に自殺や他殺などがあった場合、その事実を知らされずにマンションを購入した買主は、売主に対し、一定の要件のもと、瑕疵担保責任を追及することができます(また、仲介業者に対して説明義務違反の責任追及がされることもあります。)。

こういった問題は、人によっては、全然気にしない方もいるかもしれませんし、マンションの構造に物理的な欠陥が生じるわけではありません。しかし、多くの人にとっては、やはり、心理的に気になりますし、周囲で噂されるなど、住み心地の良さを欠く面は否めません。

こういった、物理的には欠陥はないのだけれども、心理的に住み心地の良さを欠く、という状況は、心理的瑕疵と呼ばれ、裁判実務でも、一定要件のもと、瑕疵担保責任が認められています。

よく例として挙げられるのが、冒頭に挙げた自殺などのケース(※)ですが、裁判例を見てみると、少し、イレギュラーなものもあります。それは、家がまだでき上る前、建築現場で自殺がおこったというケースです。

※なお、確かに、過去、部屋で自殺があったようなケースでは、心理的瑕疵が肯定される傾向にありますが、絶対ではなく、諸事情を踏まえて、瑕疵が否定される場合もあることには注意が必要です。



●東京地裁平成24年11月6日判決

この点に関する裁判例として、東京地裁平成24年11月6日判決があります。事案は、建築現場において、現場所長が自殺(足場に紐をかけた首吊り自殺)したというものです。具体的な経緯については、判決において、「隣地居住者からのクレームによりストレスを募らせ,それに抗議する趣旨で自殺を決意」したと認定されています。

論点は複数ありますが、心理的瑕疵との関連では、
  ・請負人側から代金請求がなされたこと
に対し、
  ・注文者側が、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権などをもって
   相殺を主張
して、争われました。

これに対し、裁判所は、瑕疵担保責任(心理的瑕疵)を認め、建物について3割の減価が生じたとして、その損害賠償を認めました。さらに、同裁判例では、請負人の使用者責任として慰謝料100万円の請求も認められています。

事故物件の例との比較では、マンションの室内での自殺か、室外の足場での自殺か、という違いはあります。しかし、この点に関して、本裁判例は、「本件事故がどの程度記憶に残り続けるかを判断するにあたり,建物の内部で発生した自殺と区別すべき理由はない」と判示しています。



●裁判例の分析

従来、事故物件などにおける心理的瑕疵に関しては、裁判例上、
  ・通常一般人を基準として、
  ・住み心地の良さを欠くと感ずるような心理的に嫌悪すべき事由
    ないし
   嫌悪すべき歴史的背景
が認められるかが、判断基準とされてきました。ごく簡単に言えば、人が嫌がるかどうか、ということですが、この基準だけではかなり抽象的です。

そこで、各裁判例では、上記要件を判断するために、さらに詳細な事実についても触れられています。明示的に規範が定立されている訳ではありませんが、心理的瑕疵については、
 ①死亡の態様
 ②報道により周辺住民に知れ渡っているか
  (特に死亡の態様が詳細に伝わっているか)
 ③(マンションなどの場合)事故は居住スペース部分で発生したか
 ④建物が居住目的のものか
 ⑤事件から年数が経過しているか
等々の細かな要素を踏まえて、総合的に判断されているようです。


例えば、①死亡の態様が凄惨なものであれば、心理的に嫌だと感じる人は多くなるでしょうし(瑕疵肯定の方向)、②報道で死亡の詳細が周囲に伝わっていれば、周囲の噂などがたって、住み心地の良さは害されます(瑕疵肯定の方向)。逆に、③居住スペースとは離れた共用部分で人が亡くなったという場合は、嫌悪感も低下しますし(瑕疵否定の方向)、④事業目的であれば、居住目的と比べて、許容範囲も広がるという見方もできます(瑕疵否定の方向)。また、⑤事件から年数が経過していれば、心理的な嫌悪感は風化するとも言えます(瑕疵否定の方向)。

これらの要素は、建築現場のケースであっても同様に当てはまると考えられますし、上記裁判例でも、これらの点へ言及されています。

ただ、建築現場での自殺というケースでは、⑤については、何十年も経ってから紛争になる、ということは考えられません(何十年も経てば、そもそも、時効になってしまいます。)ので、わざわざ要件に挙げるまでもないかもしれません(つまり、当然、事件から年数は経過していない、ということになります。)。


さて、実際、上記裁判例を、この要素に従って分析すると、どうなるでしょうか。裁判例では、それぞれ、①~④に関して、以下のような判示がなされています。

 ①
  →注文者とも面識のある現場所長の首吊りによる自殺である

 ②
  →周辺住人などにも広く事情が知れ渡っている(そもそも、
   周辺住人からのクレームに起因して自殺した、という背景事情
   がある)

 ③
  →建物の内部で発生した自殺と区別すべき理由はない

 ④
  →子供と住むためであった


いずれも、心理的瑕疵を肯定する方向に働く事情が認定されていますね。結論的に、瑕疵担保責任が認められたことにも頷けます。



このように、裁判例では、細かな要素に基づき判断がされており、冒頭でも申しましたとおり、

  自殺=瑕疵

と安直に判断することはできません。心理的瑕疵があるか否かは、上記要素など総合考慮した、ケースバイケースの判断が求められ、自殺であっても心理的瑕疵なしとされる場合もありますし、不慮の死亡事故であっても心理的瑕疵ありとされる可能性はあると思います。

月や火星等の天体を所有することはできるのでしょうか。

“所有する”とは、法的に言えば、動産又は不動産に対して所有権を有するということですが、月や火星等の天体に対して所有権を有することはできるのでしょうか。

 

宇宙条約2条は「月その他の天体を含む宇宙空間は…(中略)国家による取得の対象とはならない」と規定しています。しかし同条は、あくまでも「国家による取得」を禁止しているに過ぎないので、私人による取得は禁止していない、と反対解釈することによって月の土地を販売する会社があります。

 

「(※私人による取得は禁止していないという)盲点を突いて合法的に月を販売しようと考えた同氏(※アメリカルナエンバシー社CEOのデニス・ホープ氏)は、1980年にサンフランシスコの行政機関に出頭し所有権の申し立てを行ったところ、正式にこの申し立ては受理されました。

これを受けて同氏は、念のため月の権利宣言書を作成、国連、アメリカ合衆国政府、旧ソビエト連邦にこれを提出。

この宣言書に対しての異議申し立て等が無かった為、LunarEmbassy.LLC(ルナ・エンバシー社:ネバダ州)を設立、月の土地を販売し、権利書を発行するという「地球圏外の不動産業」を開始しました。」

(株式会社ルナエンバシージャパン(http://www.lunarembassy.jp/shop/about)より)

 

月の土地を販売するには、月の土地に所有権を有していることが前提になります。そもそも土地に法律上の所有権を及ぼすには、その土地がその国の領土であることが必要になりますが、ひとまずそれは措いておき、今現在、所有権概念が(地球上の)日本の土地と同じように月の土地にも妥当するのかを検討してみます。

 

所有権とは、客体を一般的・全面的に支配する物権のことをいいますが(我妻榮著「新訂 物権法(民法講義Ⅱ)」257頁)、ある土地に所有権を有していると、その土地を売却・賃貸したり、その土地上に建物を建築したりする等、自由に使用収益できることになります。

 

この所有権は土地の上下に及びます(民法207条)。そのため、字句通りにそのまま解釈すると、地下はマントルを突き抜けて地球の核まで、上空は宇宙の果てまで所有権が及ぶ…といったら、常識的に考えてあり得ないことは明らかです。

例えば日本の法令でも、40m以上の地下は、行政から使用認可を得られれば、土地所有者の意思を問うことなく使用することが可能になりますので、この法令には、40m以上の地下は通常物理的に利用できないので所有権が及ばなくてもいいでしょ、という価値判断が反映されています。土地の遥か上空において、ヘリコプターや飛行機が通過する際にその土地の所有者の許可を必要とすることが妥当でないことも当然といえるでしょう。

そのため、所有権は、物理的に管理・利用が可能な範囲(所有権者の利益が観念できる範囲)に限って及ぶと考えるべきです。

 

この考えは、欧州では法律上明文化しており、ドイツ民法は「土地所有権は、これを禁止するについてなんらの利益のない高所又は深所における侵害を禁ずることはできない」とあり、スイス民法は「土地の所有権は、その行使につき利益の存する限度において空中及び地下に及ぶ」と明確に規定しております(我妻榮他著「我妻・有泉コンメンタール民法(第3版)」432頁参照)。

 

上記の会社も含め、私人で物理的に月の土地を管理・利用している人はいませんので、そもそも論として現時点では月の土地を対象とする所有権を観念することができないと考えられます。

そうすると、私人が月の土地を販売するにしても、「月の土地の所有権を移転させる」という内容の不動産販売であれば、(そもそも月の土地が米国や日本に編入されていないということもありますが、所有権概念からしても)その契約は実現可能性の無い契約として、無効ないし取り消し得る契約になってしまうでしょう。

 

この点、上記の会社のウェブサイトを見ると、

 

「私どもは、「月の土地」を楽しんでいただけることを目的としております。日本の不動産と同じように考えていただくと無理のある商品と思われます。」

http://www.lunarembassy.co.jp/faq/2008/08/nasa.htmlより抜粋)

 

としており、あらかじめジョーク商品であることを明示しています。ジョーク商品を楽しむという内容の契約とすれば問題なく成立するでしょう。

なお、ブラジルでは月の土地を販売した業者が逮捕されており、また、火星はイエメン人が所有しているというイエメンの神話があるようで、イエメン人が米国の火星探査の中止を求めてNASAを訴えた例があります(小塚荘一朗他著「宇宙ビジネスのための宇宙法入門」38頁参照)。

 

宇宙空間の利用はすべての国の利益のために行う(宇宙条約第1条)、という理念からすれば、私人が月や火星などの天体の土地を所有できるようになるのは難しいかもしれません。しかし、将来技術が進歩して誰でも月や火星に行けるほど人間の活動領域が広がるようになれば、私人による天体所有もあり得るかもしれません。

もっとも、その頃にはVR(仮想現実)技術も今より進化して、仮想現実空間で物を所有していれば、現実に物を所有しなくても別にいい、という感覚になっているかもしれませんね。

1.最近、私にとってはちょっと意外に思える判例と解釈論に触れました。

 それは、定期建物賃貸借契約における中途解約条項を無効と判断する判例と解釈論です。

 

 その判例というのは、東京地方裁判所平成25820日判決(ウエストロー・ジャパン文献番号2013WLJPCA08208001)で、確かに、「定期建物賃貸借契約である本件契約において、賃貸人に中途解約権の留保を認める旨の特約を付しても、その特約は無効と解される(借地借家法30条)。」と言い切っているのです。

 また、この判例と同様の結論を述べる文献にも触れました。それは、水本浩・遠藤浩・田山輝明編『基本法コンメンタール第二版補訂版/借地借家法』(2009年月、日本評論社)で、119頁に、「家主からの中途解約権を認める特約は、契約の終了期限が不確定なものとなるので、定期建物賃貸借契約の制度趣旨に鑑み、無効と解すべきである。」などと書いてあるのです。

 

2.しかしながら、私としては、どうもこの結論には納得できません。

 上記の判例のいう借地借家法第30条というのは、「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。」という規定ですが、普通賃貸借契約においても、賃貸人の中途解約権を留保するような特約は有効と解されており、なぜ普通賃貸借で許されるものが、定期建物賃貸借契約では許されなくなるのかが説明し切れていないように思います。

 おそらく上記の学説は、これに実質的な説明を示そうとして「家主の中途解約を認めると契約の終了期限が不確定となり定期建物賃貸借契約の制度趣旨に反する」という説明を試みているものと思われるのですが、定期建物賃借契約の制度趣旨は契約の更新のない賃貸借契約を認めようとするところにあり、更新の話と中途解約の話は別問題と考えることもできますので、この説明は説得的ではないように思います。

 

3.そもそも定期建物賃貸借契約の立法時の国会における議論を紐解いてみると、定期建物賃貸借契約であっても、普通賃貸借契約と同様、賃貸人・賃借人を問わず中途解約条項は有効であり、ただ賃貸人側から中途解約権を行使するには、借地借家法28条により正当事由が必要となるとの趣旨の答弁がなされており(第146回国会 参議院国土・環境委員会会議録438頁)、賃貸人の中途解約権を認める特約を無効とするような解釈はとられていません。

 

 また、文献上も、稲本洋之助・澤野順彦編『コンメンタール借地借家法 第3版』(平文社、20103月)301頁には、「賃貸人は、賃借人との合意によって中途解約権を留保している場合以外は、解約権を有しない。」と記載されており、合意した場合には賃借人の中途解約条項が有効であることが前提とされていたことは間違いありません。

 

4.そして、この問題にきちんとした理由を付して説明しているのが小澤英明、(株)オフィスビル総合研究所編『定期建物法ガイダンス』(住宅新報社、2005月)です。ここでは、小澤英明弁護士がとても分かりやすく説明してくださっているので、同書224頁〜225頁の該当箇所を引用したいと思います。

 

(以下、引用)

 解約権留保の定期建物賃貸借契約は定期借家契約に該当するのだろうか。例えば、「本契約は、期間を2年とし、更新しない。ただし、借主は6か月前の通知により、期間中といえでも本契約を解約することができる。」という規定がある建物賃貸借契約は定期建物賃貸借契約に該当するのだろうか。これは、期間の定めのある契約で、更新しないことが明確であるから、定期借家契約に該当する。中途解約権があれば必ずしも期間満了で終了するわけではないから、借地借家法新382項の説明ができないため定期借家ではないという屁理屈もあるかもしれないが、同条項はコウシンしない契約であることにつき不注意な借主による契約の締結を防止しようとする意図によるものであることは明白であるから、それ以上に同条項に意味をもたせるべきではない。

 それならば、借主に中途解約権がある場合はどうだろうか。これも同様である。問題は、中途解約権が貸主に与えられている場合に、中途解約権の効果が約定どおり認められるか否かということである。これは認められない。なぜならば、貸主による中途解約は借地借家法271項、28条および30条の適用があり、これを排除することは新しい借地借家法38条でも認められていないからである。つまり、中途解約権を行使する場合は、正当事由が必要である。もっとも、このような解釈に対しては、借地借家法271項は期間の定めのない賃貸借の場合の規定であり、また、28条は271項による解約の場合であるから、定期借家には適用がないのではないかという疑問も提起され得る。しかし、借地借家法271項および28条の規定は、民法の特則である。民法617条およびこれを準用している618条では、期間の定めのある賃貸借において、中途解約権が与えられている場合、解約申入れを行って3か月経過して終了することを定めている。これを貸主からの解約の場合は、6か月にして、かつ、正当事由の具備を求めたのが借地借家法271項および28条である。そうであれば、271項や28条は、期間の定めのある賃貸借にも適用がある。従って、貸主の中途解約権の行使には従来どおり、正当事由が必要と解せざるを得ない。

(引用終わり)

 

長々と引用しましたが、私としては、この小澤弁護士の見解が、立法時の考え方に最も合致しているし、とても説得的なので、適切であると思います。

 

5.なお、一番新しく出版された田山輝明・澤野順彦・野澤正充編『新基本法コンメンタール借地借家法』(新日本評論社、20145月)233頁〔吉田修平執筆部分〕では、賃借人の中途解約権を認める特約は有効であるし、しかも、その場合、中途解約をするには正当事由も要求されないとの見解が述べられています。面白い見解なので引用すると、

 

(以下、引用)

 本条〔注:借地借家法28条〕1項の文言上、「30条の規定にかかわらず」と定めていることで、本法26条および28条の規定が適用されないことが明確化されているから、定期借家契約においては賃貸人からの解約権の行使に正当事由が要求されることはない。

 そして民法618条によれば、当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方または双方がその期間内に解約をする権利を留保した場合には、同法617条を準用することになる。同法617条によれば、当事者の解約申入れにより、建物賃貸借は解約申入れから3カ月の経過によって終了する。

 すると、定期借家契約の場合については民法618条および同617条により、賃貸人からの期間内の解約権を定めたときは、解約申入れにより3カ月で終了するとかいすることになる。

 よって、賃貸人と賃借人が真に自由な意思によって合意した以上、その合意通りの効力が認められるものと解さざるを得ない。

(引用終わり)

 

 私としては、この見解に従えば、当事者間の合意により「正当事由」の有無の厄介な判断まで回避できるので、大変魅力的ではあると思うのですが、当初述べた通り、「更新の問題」と「正当事由の問題」は別と考えており、「30条の規定にかかわらず」と規定されていても、そこから、27条、28条の規定の不適用まで読み取るのは難しいと考えています。

 

6.ただ、いずれにしても、定期建物賃貸借契約の立法時の考え方、借地借家法と民法の条文解釈さらには普通賃貸借契約とのバランスからして、賃貸人側の中途解約権を無効とするような東京地方裁判所平成25820日判決の考え方には違和感があります。

 

この記事が、この論点を考えるにあたって一つの参考になれば幸いです。

 

さて、81日の波乱が過ぎた後、ビットコインは、またも、高騰しました。7月に、一時、1BTC=21万円台にまで下がっていたビットコインは、現在、1BTC=46万円台で、過去最高価格を更新しています(平成29816日現在)。

 

状況的には、81日の混乱を回避したことや、Segwitのアクティベートに向けて問題なくステップを進んでいること(Segwitの導入は確実になりましたがアクティベート=実際の効力発動はまだ生じておらず、8月下旬頃に予定されています。)などから、期待が高まっているようです。また、北朝鮮問題のような国際情勢も、価格に影響しているのではないか、という声もあります。

 

ちなみに、BitcoinCashに関しては、分裂はしましたが、特段ビットコインに問題は生じていません。分裂、という表現よりは、少数者が離脱した、という表現の方が近いように思います。BitcoinCash自体は、その後、支持を撤回する者も出てきているようです。

 

 

 

ただ、これで全てが終わったわけではありません。以前のメルマガでもお伝えしていますとおり、ビットコインは、11月に、ハードフォークを予定しています。

 

ハードフォークが実施されれば、さらに、ビットコインが2つに分かれることになり、その辺りで、また、混乱が生じるかもしれません。もっとも、これも、今後の状況次第でどうなるかは分かりません。今後、ハードフォーク不支持が多数となり、ハードフォークが起こらない(又は、起こったとしても、少数の離脱となる)可能性もあります。ハードフォークに関しては、今後も、注意深く動向を見てゆく必要があります。

 

 

 

ちなみに、11月の混乱に向けて、大手メディアの報道については、注意深く受け止める必要がありそうです。ブログにもかかせていただきましたが、今回、81日の騒動に関して、新聞等のメディアの報道は、過度にセンセーショナルで、ミスリーディングなものもありました。ビットコインに関しては、技術的にも新しく、また、情報が刻一刻と新しいものになっていることから、大手メディアといえども、正確な記事を書くのが難しいのかもしれません。そのため、11月の状況に関しても、1社のメディア報道のみを信じるのではなく、著名なビットコインニュースサイト等も見て情報収集をすることがおすすめです。

 

理想を言えば、ハードフォークのような大きな話題に関しては、仮想通貨の業界団体が、(簡単なものでもいいので)逐次ニュースを発信するような体制ができればと思いますが・・・

 

こういった点も、仮想通貨に関する、今後の課題のように思います。

昨年に引き続き、

8月14日から、飛田&パートナーズではインターンシップの学生さんを受け入れております。

今年は、K大学のTさんが1週間の執務体験をして下さっております。


理解を深めようと熱意をもって真剣に取り組むTさんの姿が、事務所に良い緊張感と活気をもたらしてくれています!

私たちの事務所での経験を今後の社会生活に役立てていただけたらと期待しております。
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最近、ちょっと残念だな、と考えさせられる判決がありました。

 

案件としては、(判決からは正確にはわからないのですが)大学の教授または研究者の夫と、公務員として働きながら大学院にも進学するような向上心溢れる妻の離婚の話なのですが、ともにプライドが高く、ことあるごとに衝突して、別居に発展。その過程で、妻が、当時、2歳4か月の長女を夫に無断で実家に連れ帰り、以後、5年10か月間、はじめの方に6回娘にあわせただけで、その後は、夫が娘に会うのを拒否し続けたという案件です。

 

この案件では、婚姻関係が破たんしていことは明らかですので、離婚自体は認められるのですが、問題は、娘の親権者を誰にするか?です。

 

原審の千葉家庭裁判所松戸支部は、夫が妻に対し100日程度娘に会うことを保障する計画を提出していることを重視して、親権者を夫にすることを認め、妻に対して長女を夫に引き渡すように命じました。相手に100日の面会権を認めるから、自分を親権者にしてください、というのは従来なかった非常に進歩的な主張であり、この判決も画期的だったのです。

 

これに対し、東京高等裁判所は、「長女は妻のもとで安定した生活をしており、健康で順調に生育し、母子関係に特段の問題もなく、通学している小学校にも適応している」とか「年間100日の面会は長女の負担になる」などといって、妻を親権者にするのが適当だと判決したのです。夫の面会権については判示していませんが、妻側は、月1回(年12回か?)などと主張しておりました。

 

で、最高裁はどのような判断をしたかというと、(私にとっては)残念ながら、二審の東京高裁の判決を支持して、夫の上告を退けたのです。

 

私は、一審の松戸支部判決も、二審の東京高裁判決も読んでみましたが、松戸支部判決の方がはるかに説得力があるように思いました。

東京高裁判決の看過できないのは次の点。

 

1.妻が長女を連れ去ったことや、夫と長女との面会を長い間認めなかったことを、別居した当初、夫が仕事に忙しく長女の看護を委ねるのが困難だったからとか、結婚関係が破たんに瀕していて話し合うことも困難だったからとか、夫がマスメディアに娘との面会が認められないことを報道してもらおうとしていたから、等といって正当化しようとしているように思われる点。(ハーグ条約の観点からすると、こんなこと言っていたら怒られますよ。)

 

2.年間100日間の面会交流について、妻宅と夫宅の往復で長女の身体に負担が生じるとか、学校行事への参加、学校や近所の友達との交流に支障が生じるおそれがあり、必ずしも長女の健全な育成にとって利益になるとは限らないとかと言っている点。(欧米では、これくらいの面接交渉の日数は珍しくないでしょう。例えば、Week Daysは妻宅、Week Endは夫宅などというのは良くある話です。)

 

3.逆に、月1回の面接交流について「当初はこの程度の頻度で面会交流を再開することが長女の健全な育成にとって不十分であり長女の利益を害するとは認めるに足りる証拠ない。」などといっている点(逆に、月1回で十分という証拠はあるのか聞きたい。東京高裁の裁判官は、自分の子供と月1回6時間程度しか会えなくて、それで良いと考えているのかしら?)

 

私が最も嫌なのは、東京高裁判決は、配偶者の一方が無断で子供を連れ去って、子育ての最も重要な時期に、長年、他方に会わせないという非常に残酷なことをしているのに、むしろ、それをして既得権益を積み上げていった方が良い結果がでるという「やり勝ち」を奨励する結論になっていることです。

 

でも、こういう「やり勝ち」を許していたら、なんで司法があるの?ということになると思うのですが、そうではないのですかね(悩みます。)

霞が関にある弁護士会館は日比谷公園の向かいにあり、休憩スペースからは日比谷公園を上から見下ろすことができるので、都会の中にある自然を観ながら休憩している方(多くは弁護士)をよく見かけます。

 

最近休憩スペースから日比谷公園側を観てみると、帝国ホテルの並びに一つだけ突出した巨大なビルが建設中でした。調べてみると新日比谷プロジェクト(仮称)という高層ビル計画だそうです。高さは約191mになるそうで、最近建設された渋谷ヒカリエが約182mなので、それよりも9m程度高い高層ビルになります。

この高層ビルはオフィスビルですが、低層階は商業施設になり、巨大な映画館も入るということなので、映画好きとしては今から楽しみです。

 

この高層ビルは日比谷公園沿いの他の建物と比較すると、一つだけ目立って高いので、そんなに高いビルが建てられるのかなぁと、違和感がありました。

というのも、ご存知の方も多いと思いますが、たとえ自分の土地だとしても、自分で自由に高さや大きさを決めて建物を建てられるわけではなく、建築基準法や都市計画法等の規制がかかり、ビルを建てるにしてもその高さには限界があるためです。

 

建築できる建物の高さについて説明すると、まず建物を建てようとする土地の面積(敷地面積)のうち建物を建築することが可能な面積(建築面積)が地域によって異なります。この敷地面積に対する建築面積の割合を「建ぺい率」といいます(建築基準法53条)。例えば建ぺい率が60%だと、100坪の土地に、最大60坪の面積に建物を建築することができます。

次に、敷地面積に対する、建物の床面積の合計(延床面積)の割合も地域によって決まっており、これを容積率といいます(建築基準法52条)。この容積率によって建築する建物の高さの限界が決まります。ただし、延床面積のうち、例えばエレベーターの面積分は容積率の計算対象にはならない等の取扱いがなされています。

容積率は住居地域なら200%や300%程度になりますが、低層住居専用地域ならもっと低くなり、例えば田園調布の容積率は80%程度しかありません。商業地域は概ね600%~800%になるため、商業地域では高い建物を建てることができます。

 

さて、本件の日比谷の高層ビルの所在地である東京都千代田区有楽町一丁目1番の建ぺい率と容積率を調べてみると、建ぺい率が80%、容積率が900%と定められていました。

また、公示されている建築計画をみると、敷地面積は約10,702㎡で、延床面積のうち容積率の対象面積は約155,180㎡でした。

ここで容積率の対象になる延床面積から容積率を計算してみると、155,180㎡÷10,702㎡×1001450(%)となり、この地区の容積率900%を550%も超えていました!

 

それではこの高層ビルは違法建築なのか、というとそうではなく、実は「都市再生特別措置法」という法律によって、「都市再生特別地区」の都市計画決定を受ければ、容積率等の制限の緩和を受けることができるのです。

その観点から東京都千代田区有楽町一丁目1番を調べてみると、きちんと都市再生特別地区の都市計画決定を受けており、容積率が「900%」から「1450%」に緩和されています(都市再生特別地区状況一覧http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/toshisaisei/04toushi/h270401ketteijoukyou.pdf)。

 

この都市再生特別地区の都市計画決定を受けて、高層ビルや延床面積の大きい建物を建築している例は結構あります。上述の渋谷ヒカリエや、丸の内のJPタワー、銀座の歌舞伎座タワーやGINZA SIX、大阪のあべのハルカス等があります。

 

最近の高層ビルは、スタイリッシュなものが多く、どのように空間を生かし、どのような機能性を有しているのかを見るのは面白いですね。

今回の日比谷の高層ビルは、来年1月に工事が完了するそうなので、出来上がったら見に行ってこようと思います。

 

堀江貴文氏が創業者であり、役員も務めているインターステラテクノロジズ社が、観測ロケットの「MOMO」を730日に打ち上げました。

MOMOは全長10m、重さ1トンで、目標高度の100kmには約4分で到達できる能力を持つ観測ロケットだそうです。

打ち上げ当日は、多数の報道陣が集まっていましたが、MOMOは打ち上げ後、高度約20kmに達した時点で緊急停止した末に、沖合に落下してしまいました。

目標の100kmには遠く及ばず、打ち上げは“失敗”だったという声が叫ばれています。

 

しかし、MOMOは、地上から緊急停止コマンドを送るまで正常に作動していたらしく、また今後のロケット開発に多くの情報を提供して貢献するでしょうし、本当の意味での失敗とはいえないと思います。今回の打ち上げは、まだまだ民間企業のロケット打ち上げが一般的ではない中での打ち上げであり、しかも低価格でコンパクトなロケットというコンセプトを持って臨んでいる、いわば挑戦です。そのため、今回の打ち上げは、失敗ではなく今後の宇宙開発にとって大きな一歩になることは間違いないでしょう。

堀江氏やインターステラテクノロジズ社の方々には、まだまだ挑戦し続けて欲しいと思います。

 

ところで、今回のMOMOの目標高度である「100km」ですが、なぜ100kmかというと、高度100kmの空間は宇宙空間とみなされるからです。

もっとも、条約や法律のどこかに、高度100kmが宇宙空間である、と定められているわけではありません。

国際航空連盟(スカイスポーツの国際組織)が宇宙空間と大気圏の境界を高度100kmと独自に定め(この境界をカーマン・ラインといいます。)、その基準に皆が慣習として従っているに過ぎません。ちなみにアメリカのNASAもこの慣習に従っています。

 

慣習ではなく、早く条約で「宇宙空間」を定義してしまっても良いのではないかと思います(近年国連でも検討課題としているようです)。

この定義付けがなかなか進まない理由として、宇宙条約によって、宇宙空間の国家による領有が禁止されていることが挙げられるでしょう(宇宙条約2条)。

宇宙空間を国家が領有することはできず、宇宙空間より下が各国の領空になるため、厳密に宇宙空間が定義されると自分の国の領空が制限されてしまうとでも考えるのでしょうか。しかし、高度100kmまで領有権が確保できたら十分でしょう。

宇宙への進出という遠大な目的のために、まずは宇宙空間の定義を行うという一歩を踏み出して欲しいところです。

 

翻って今回のMOMOのロケット打ち上げは、宇宙開発にとって大きな一歩となりました。MOMOに触発された子どもたちが、将来宇宙飛行士や、宇宙開発の技術者・関係者になるかもしれません。

これからも日本だけでなく世界中の宇宙開発に期待したいです。

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