最近、東京は、急に寒くなってまいりましたが、風邪などひかれてはいないでしょうか。どうも、今年は、秋が短く、すぐに冬になってしまったような感覚がします。


さて、ビットコインの近況ですが、これまで、ビットコインの取引に関しては、取引所からビットコインを購入する際、消費税が課税されていました。しかし、近時の報道で、財務省と金融庁は、2017年春を目処に、これをなくす調整に入っているとの報道がされています。ますます、ビットコインが、実際の「通貨」に近づいてきましたね。



また、直近のニュースをみると、「ビットコイン取引所に対して、詐欺を行い、ビットコインを入手した者が逮捕された」などとも報道されています。

こういったニュースを聞くと、また、取引所にハッカーの攻撃があったのか!!??と思われる方もいるかもしれません。しかし、報道内容を見てみると、今回の件は、他人のクレジットカード番号等を入手して、単純に、ビットコインを購入しただけのようです。

古くから、他人のクレジットカードを(盗むなどして)、お店で商品を購入する、といった事件では、商品の購入行為に関し、詐欺罪が適用されてきました。ごくごく簡単に言えば、「本人じゃないのに、本人のように振る舞って、相手を騙した」ということです。

そのため、今回の事件は、言ってみれば、昔から「よくある話」であって、他人のクレジットカードで買った商品が、ビットコインだった、というだけの話のようです。報道のタイトルだけを見ると、何事が起きたのか!?と思ってしまいます。ちょっと、ミスリーディングですね。



ただ、思い返せば、過去、インターネットの黎明期では、インターネットに対するミスリーディングな報道が多くされていたように思います。今から見れば、どれもナンセンスな話ですが、おそらく、メディアや国民の多くが、当時、まだインターネットとは何かを知らず、使ったことも無い人が多かったため、得体の知れない物に対する不信感が募っていたのだと思います。しかし、その後、インターネットは爆発的に普及し、今では、生活に欠かせない存在になっています。

そうしてみると、ビットコインも、今、まさに、昔のインターネットと同じ道を辿っているのではないでしょうか。全く関心のないものについては、不信感もわかないので、ある意味、国民の関心が高まりつつあるのかもしれません。


ただ、メディアの報道については、注意深く見てゆく必要があるかもしれません。

定年後の再雇用と労働契約法20条の問題が争われた事案の控訴審(東京高裁)判決が、2日に出されました。運送会社のトラック運転手が、定年前と同じ業務であるにもかかわらず、賃金を引き下げられたのは違法であるとして、会社を訴えた裁判です。

 

私は、今年5月の労働者側が勝訴した第一審(東京地裁)判決も、メルマガ+ブログの記事に取り上げさせていただきました。

http://blog.tplo.jp/archives/47690816.html

この記事の中で、私は、第一審判決の判断について、以下のとおり、コメントしておりました。

「若干疑問に感じたのは、財務・経営状況(に問題がないこと)についての考え方です。定年後の継続雇用は、本来定年で退職になるけれども、年金との接続を図るため雇用を確保することを目的とするものですから、仮に危機的な財務・経営状況でなくとも、賃金コストを一定程度圧縮することは不合理とまではいえないと思われます。そこを圧縮しない(できない)とすると、継続雇用制度は非常に大きな負担になりますし、新たな人材採用等(新しい人材の雇用を確保することや現役の正社員等の待遇を確保・向上させること)が難しくなりますよね。

もちろん、同一の労働であれば同一の待遇を与えるべきであるというのは賛成なのですが、単なる有期雇用ではなく、定年後の再雇用という事情を考慮しながら、判断要素に従って、慎重に不合理性を判断すべきだと思います。

(中略)労働条件の相違が『不合理と認められる』と本当にいえるのかどうかが慎重に判断されなければなりません。

菅野教授も指摘しているとおり、労働契約法20条は、『合理的と認められるものでなければならない』と規定されているのではなく、『不合理と認められるものであってはならない』と規定されていることからすれば、不合理かどうか判断できない場合には、違法とはならないと考えるべきであり、同条の解釈としては『本条の趣旨に照らして法的に否認すべき内容ないし程度で不公正に低いものであってはならないとの意味』と理解するのが適切でしょう(菅野和夫著『労働法 第11版』337頁以下参照)。」

 

さて、今回の東京高裁の控訴審判決は――。

結論としては、控訴審判決は、第一審判決を取り消し、労働者側の請求を棄却しました。要するに、第一審判決をひっくり返したことになります。

 

判決文を確認できていないため、報道レベルですが、控訴審判決は、以下のような考慮・判断をし、「不合理とは言えない」と結論づけたようです(ちなみに、杉原則彦裁判長とのことなので、東京高裁の第12民事部です。)。

 

・定年前と同じ仕事内容で賃金が一定程度減額されることについて、一般的で、社会的にも容認されている

・企業は賃金コストが無制限に増大することを避け、若年層を含めた安定的な雇用を実現する必要がある

60歳以降に賃金が低下した場合に補填する制度(高年齢雇用継続給付など)がある

・定年後の再雇用は、いったん退職金を支給した上で新規の雇用関係を締結するという特殊な性質がある

・会社が再雇用の労働者に「調整給」を支払うなど正社員との賃金差を縮める努力をしたことや、退職金を支払っていること、会社の運輸業の収支が赤字になったとみられることなどを考慮。

・賃金が定年前と比べて約2024%下がったことは、同規模の企業が減額した割合の平均と比べても低い。

 

第一審判決よりも、継続雇用制度の特殊性を考慮したものであると感じました。もっとも、同判決も、継続雇用制度による再雇用であれば、いかなる条件であっても労働契約法20条に反しないと判断しているわけではありません。今回の控訴審判決は、上記の報道レベルからもわかるとおり、会社の経営状況や賃金の減額の程度等の具体的事情を踏まえての判断であることは明らかですので、「定年後の再雇用は労働契約法20条の問題は生じない」というようなミスリードをしないよう、注意が必要であると考えます。

 

労働者側は、上告するとのことですので、最高裁がどのような判断をするのか、引き続き注目したいと思います。

社員のモチベーションをいかにしてあげるか―経営者や人事担当者が悩む問題です。この問題に関連して、「動機付け要因」と「衛生要因」に分けて考える理論をご存知でしょうか。

ちなみに、私が、初めてこの理論の存在を知ったのは、「イノベーション・オブ・ライフ」という本です(読んだのはもう何年も前ですが、面白かったです。)。


 


最近、手にとった「グロービスMBA組織と人材マネジメント」にも、この理論に触れられていました。


グロービス MBA組織と人材マネジメント
グロービス経営大学院
ダイヤモンド社
2007-12-14



 

さて、これは、アメリカの心理学者ハーズバーグによって提唱された、“欲求”からの分析理論です。欲求というとマズローの欲求5段階説を想起される方が多いと思われますが、それとは観点が異なります。

端的に言えば、

● 人間が仕事に満足感を感じる要因(動機付け要因)

● 人間が仕事に不満足を感じる要因(衛生要因)

は、全く別物であるという考え方です。前者は、「人間として精神的に成長したいという欲求」に基づくものであり、後者は、「動物として痛みを回避したいという欲求」にも基づくものとされています。

 

衛生要因をいくら解消しても、不満足の解消にはつながるが、満足感を高めること、ひいてはモチベーションを向上させるとは限りません。満足感を高めるには、動機付け要因にアプローチしなければなりません。

動機付け要因には、仕事の達成感、そのもののやりがい、責任、自己実現や自己成長などが分類されます。

他方で、給与等の労働条件は衛生要因である。その他労働環境等も衛生要因に分類されます。それから、組織の価値観や上司の存在・関係等の問題も衛生要因です。

衛生要因に目を向けることも必要ですが、これらの衛生要因のみに手を打ち続けても、必ずしも、モチベーションが向上するわけではないのです。モチベーション向上の観点からは、動機付け要因にどのようにアプローチするかという打ち手が必要となります。

以上のハーズバーグの理論も、完全なものではありませんが、経営戦略のうち、人事・組織論において、モチベーションとの関係では、衛生要因と動機付け要因を分けて考える、この理論があることを知っておいて損はないと思います。

 

経営者サイドを離れて、個人の視点からしても、例えば、給与等の労働条件の向上のみを追い求めても、不満足は解消されるかもしれませんが、決して、満足感を得られるとは限らないということになります。よって、どのような組織で、どういうキャリアを描いて、働いていくのか、という考えの指針になるかもしれません。極端にいえば、お金のみを追い求め続けることによってずっと不満足を抱えて職業人生を過ごすこともありえます。

モチベーションを上げて、情熱的に仕事に取り組むためにも、仕事そのものに意義を見出したり、責任ある仕事をしているという実感であったり、自己実現や成長、達成感ということに目を向けることが重要といえます。

 

最近では、本屋に行くと「フィンテック」という文字の書かれている書籍が平積みになっているのをよく見かけます。すぐに頭に入ってこない言葉ですが、金融(finance)と技術(technology)を組み合わせた造語だそうです。フィンテックは、スマートフォンによる出入金の決済や、人工知能等を使った金融サービス、金融システムを指すものです。

このフィンテック発展には、リーマンショックが契機となっていると言われています。リーマンショックでは、多くの投資家が資産を失いました。これらの投資家は人間が主導して行う投資や金融に疑問を持ち、もっと信頼性のある新しい技術を作ろうと考え、このフィンテックの発展が進んだと言われています。

 

フィンテックの発展により、人工知能を使った資産運用や、スマートフォンを使った決済手続、顧客のデータ分析を駆使した融資等が実現し、確実に技術が進歩していっています。このフィンテックによる産物の一つに、ユニバーサルクレジットカードというものがあります。何枚何十枚もの、クレジットカードやポイントカードを一つにまとめたカードで、その一枚で全てのカードをまかなえるものです。まだ開始されたばかりのサービスで、日本ではまだ普及していませんが、早く使用できる日が待ち遠しいです。最近は多数のポイントカードがあり、コンビニ、カフェ、百貨店等に行くとポイントカードを求められることが多くげんなりします。ポイントカードを用意する手間や、どのポイントカードを出せばいいのか不明であったりするので(無い場合には、「無いです。」と言う手間)、このポイントカードに関するやりとりが省けるのは大きなメリットです。ポイントカードに関する手間や時間は社会的損失だと思いますので、有無を言わさず一枚のカードを出すことによりすべてが解決するのは魅力的です。個人の認証システムが進めば、カードを出す必要もなくなるかもしれません。

 

その他のフィンテックによる技術革新には、ビッグデータの活用があり、自動車の走行データに運用されています。これは、自動車に搭載された機器によって、運転手がどのように走行しているのか(急発進及び急ブレーキの有無、急ハンドルの有無、走行速度、アイドリングの時間等)のデータを収集して点数化します。このデータは自動車保険の保険料の算定等に用いられます。例えば、急発進・急ブレーキ等が多い人は、事故が発生しやすいタイプとみなされ保険料が高くなるというものです。さらに、そのビッグデータと人工知能の活用により、その人(運転手)の運転技術から性格まで分析し、さらに保険料を調整していくことにもなりそうです。分析結果次第では、保険契約書の内容自体も変えることがあるかもしれません。

 

このビッグデータと人工知能の活用については、弁護士も他人事ではいられません。弁護士の勝訴率や訴訟数、訴訟の進め方、苦手な相手方弁護士の種類、業界での地位等の情報も収集されてしまいます。これらの情報を人工知能に分析された場合には、その弁護士の性格や能力等も詳らかになってしまいそうです。そうなってくると、弁護士の報酬や保険料にも関わってきそうで、非常に恐ろしい話になってきます。

 

今では企業が従業員を雇う際に、その従業員の名前を検索エンジンで検索したり、SNSで情報を集めたりするそうですが、ビッグデータと人工知能による分析という概念は、個人情報の収集を益々加速させそうです。便利な反面、怖い面があります。最近ではグーグル検索で逮捕歴の削除を求める裁判がありましたが、忘れられる権利がそこまで重視されていない現在では、なるべくマイナスの情報が載らないように、慎ましく生活するのがベターです。

 

今はマイナスの情報をいかに残さないようにするかという話ですが、将来様々な場所でビッグデータの活用が加速すると、逆に、クレジットカードのように若いうちに作らずに高齢になってから作ろうとすると信用情報が無いということで不利になるように、様々なシーンにおいて、その人の情報がデータに無いほうが不利になる日が来そうです。そうなると、自分のあらゆる(良い)情報を、自分がお金を払って(!)データバンクに提供するときが来るかも知れません。

 

技術革新はメリットもあればデメリットもありますが、非常に楽しみでもあります。できれば上手く技術を利用し、技術の進歩の波に乗って、一緒に成長したいですね。

本日(平成28107日)、東京・銀座の中央通りで、リオ五輪とパラリンピックのメダリストによるパレードが行われました。
パレードの場所が事務所から近いので、私(弁護士馬場)も馳せ参じました。

体操の白井選手、日本バドミントン界初の金メダリストの髙橋選手・松友選手、男子柔道の羽賀選手や原沢選手、また女子柔道の田知本選手、シンクロの乾選手等を拝見することができました。

 

沿道に集まった人々からは「ありがとう!」という声が多数聞こえました。「おめでとう」ではなく、「ありがとう」という言葉が多いのは、日本を背負って競技に臨む五輪・パラリンピックならではかと思います。
 

日本の代表選手として競技に臨み、かつメダルを獲得するというのは並大抵のことではないと、改めて感じました。彼らの堂々とした佇まいを見て、さすがメダリストだと感嘆するとともに、翻って自分のことを考えると身が引き締まる思いです。

五輪・パラリンピックの選手の方々ありがとうございます! 

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笑顔で金メダルを見せびらかす白井選手(体操・男子団体:金メダル)と山室選手(同左:金メダル)!お二人は終始笑顔でした。


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日本バドミントン界初の金メダリストの髙橋選手(バドミントン・女子ダブルス:金メダル)・松友選手(同左:金メダル)、右側が奥原選手(バドミントン・女子シングルス:銅メダル)。
落ち着いており、笑顔で手を振り返してくれました!


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ビルから見る人々にも上を向いて笑顔を振りまいていました!
中牧選手(シンクロナイズドスイミング・チーム:銅メダル)、乾選手(同左、デュエット:銅メダル)小俣選手(シンクロナイズドスイミング・チーム:銅メダル)。


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男子柔道メンバーは皆さんすごい体格で、ひときわ目立っていました。
左から原沢選手(男子100kg超級:銀メダル)、永瀬選手(男子81kg級:銅メダル)、大野選手(男子73kg級:金メダル)、羽賀選手(男子100kg級:銅メダル)、海老沼選手(男子66kg級:銅メダル)

ビットコイン関連ですが、毎月、何かしら大きな出来事が起きていますね。前回のメルマガでは、「激動のイーサリアム」というサブタイトルを付けさせていただきましたが、イーサリアムにかぎらず、この業界は、常に、激動の状態にあるように思います。


最近ですと、良くない出来事ですが、香港にあるBitfinexというビットコインの取引所がハッキングを受け、数十億円相当のビットコインが盗まれるという事件が発生しました。これにより、ビットコイン価格も、一時、20%以上も暴落しています。

前回との関連で言えば、同じ仮想通貨のイーサリアムの場合、ハッキングを受け、仮想通貨が流出したところ、コミュニティーが一致団結して、ハードフォークにより救済をしました。他方、今回のビットコインの件では、そのような話は出ていません。対応が対照的で、コミュニティーの違いが現れているように思います。


さて、このBitfinexという取引所、かつての日本のMt.GOXを彷彿とさせますが、そのまま倒産の道をたどるかと思いきや、なんと、現在、取引所の業務を再開しています。


なんで、未だ、生きながらえているかといいますと、まず、Bitfinexは、今回の被害を受けて、ユーザーの資産を一律36%カットしました(ただし、詳細は不明ですが、一部例外があるようです。)。

この点について、Bitfinexは、結局、会社を清算(原文「liquidation」)したとしても同様の対応となるのであり、今回の一律36%カットは、リーガルコストをかけず、迅速な対応になる点で、ユーザーにとってメリットが多いと判断した、と説明しています
(http://blog.bitfinex.com/announcements/security-breach-faq/)。


また、次の対応が面白いのですが、Bitfinexは、36%カットの引き換えとして、仮想通貨「BFXコイン」なるものを今回新たに発行し、各ユーザーに配布したのです。しかも、このBFXコイン、既に取引所が設けられて、USドルやビットコインと交換可能になっています(ただ、現状で、レートは低いようです。)。


さらに、このBFXコインについては、
・Bitfinexが、このBFXコインを、Bitfinex(の親会社)の株式と交換する
・2か月に1回配当がなされる。
といった特典を付けることが検討されているとのことです。


一部のニュースサイトでは、社債のようだ、などと説明されていましたが、現金で償還されるような話は、今のところ情報として出ていないようなので、日本的に言うと、議決権制限で取得条項がついた株式のようなもの、と言えるかもしれません。


このような対応については、賛否両論あるでしょうが、なかなか日本では出てこないような発想で、純粋に面白いと感じます。今回の件がうまく行けば、先例として、今後の参考になるかもしれません。


また、このBitfinexですが、今回の盗難事件を受けて既にFBIとも連絡をとっており、なおかつ、ビットコインを取り戻すために、盗難にあったビットコインの5%(6,000BTC・平成28年9月2日現在で約3.5億円相当)の懸賞金をかけるとのことです。果たして犯人検挙には至るのでしょうか?


今後の動向に注目です。

オワハラ。明確な定義はないですが、内々定や内定を餌に他社の就職活動を「オワ」(終わ)るように圧力をかけるといった問題です。

 

経営者の皆さまに対して私が今更申し上げるまでもないことではありますが、会社は、人、人材が命といっても過言ではありません。

いかに自社にとって良い人材を確保するのか、ということは経営上極めて重要な課題です。少し前に出たものですが、Googleの人事(採用等)に関する書籍もすごい人気でしたよね。

http://amzn.to/2bNnQhb

 

良い人材を確保するためにという一心で、「自社にぜひ来てほしい。(が故に)他社の就職活動は終わってほしい。」という気持ちを抱いてしまうこともわからなくはありません。むしろ、その気持ちはとてもよく理解できます。

このオワハラに関して、会社側が、社会通念上の相当性を逸脱するような態様(例えば、脅すなど)で圧力をかけ、強要する行為が行われた場合には、内定者の職業選択の自由を不当に侵害したものとして、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになりうると考えられます。ただし、法的な問題として顕在化するのはほんとに限られたケースのみであると思います。

ここで問題になるのは、こういう法的なリスクというよりも、レピュテーションリスクの方が大きいですね。

今や、SNSで、会社側の対応は、かなり拡散されていきます。「○○会社から、○○で○○って言われた。オワハラ、マジ必死すぎwww」なんて、つぶやかれて拡散されていったら、会社は社会的に概ねマイナス評価を受けるでしょう。

オワハラではなく、他に工夫を行っていく必要があると思います。やはり、同業他社に比べて、入社したい、と思わせる施策を打てるかが必要であると思います。内々定や内定を出した後にも、ポジティブに思ってもらえるようなフォローをしたり(他に就職活動をさせないようにがんじがらめにフォローするとネガティブなので要注意)、そもそも内々定や内定を出すときに熱いメッセージで思いを伝えるなど。

採用プロセスには時間も費用も労力もかかりますので、そう簡単ではないのは重々承知していますが、それでも、「自分が納得するまで就職活動を続けてもらって構わない。そのうえでぜひうちに来てほしい。」と言える方がきっと好印象です。

 

ここで今回のメルマガも終わり、とも思いましたが、一応「法律問題を少しだけ考えてみた」というタイトルに名前負けしないように、内定辞退について考えてみます。内定者が、内定辞退をする場合に、会社に対して損害賠償責任を負うのかどうかという問題です。会社側からみると、内定辞退者に対して損害賠償請求できるのか、という問題です。

内定辞退の法的性質は、労働契約の解約と考えられます。労働契約の解約については、法律上、労働者の自由が保障されており(民法6271項)、労働者は法定の予告期間(原則2週間。完全月給制の場合には当月の前半まで。年俸制の場合には3か月前まで。同条1項ないし3項)をおいて解約をする限りにおいて法的責任は負わないと考えられています。

ちなみに、民法改正法案は、同条2項および3項を使用者からの解約の場合に限定して適用するものとし、労働者からの予告期間は一律2週間とするものとなっています。

また、内定辞退の事案ではありませんが、会社が、退職者に対して、入社後1週間で突然退職したため、これにより損害を被ったとしてその賠償を請求した事案において、「そもそも、期間の定めのない雇用契約においては、労働者は、一定の期間をおきさえすれば、何時でも自由に解約できるものと規定されている」ことから、遵守しなかった予告期間中の損害についてのみ責任追及できると判断された裁判例があります(ケイズインターナショナル事件 東京地裁 平4.9.30判決 労判61610ページ)。

以上からすると、内定者が入社予定日(始期)の前日を基準として遅くとも2週間前まで(見解が分かれるかもしれませんが、始期が到来していないため、完全月給制又は年俸制にかかわらず、このように解し得ると思われます。なお、前記の民法改正法案にも留意)に内定を辞退する旨通知した場合には、就労義務も消滅し(または発生せず)、会社に対して何ら法的責任を負わないと考えられます。

例外的に、内定辞退が、著しく信義則に反する態様でなされた場合には、内定者は新たな採用活動に要した費用等の損害を賠償する責任を負うと解されますが(菅野和夫『労働法 第11版』226ページ、土田道夫『労働契約法』186ページ)、内定者が会社に損害を与える目的で内定辞退をしたような限定的な場合にのみ「著しく信義則に反する態様でなされた」と評価されると考えておくべきでしょう。

少々前の記事ですが、201685日の朝日新聞DIGITALに「口座特定、裁判所主導へ 養育費や賠償金不払い対策」との見出しで、次のような記事が載っていました。

裁判などで確定した賠償金や子どもの養育費が不払いにならないように、支払い義務がある人の預貯金口座の情報を金融機関に明らかにさせる仕組みを法務省が導入する。裁判所による強制執行をしやすくする狙いがある。今秋にも、法相の諮問機関「法制審議会」に民事執行法の改正を諮る見通しで、2018年ごろの国会提出をめざす。

私は、かねてから、我が国の債権差押え制度、特に預貯金の差押えには、どこの支店に口座があるかまで調べなければならず(口座番号までは不要)、結局そこまで調べるのはかなりの時間と費用をかけなければならないので、悪い債権者は容易に差押えを免れることができて、裁判の実効性が確保できず、大問題であると訴えていました。記事では、養育費の問題が強調されていますが、民事裁判の判決全体の実効性を無にする大問題です。

ここにきて、ようやく法改正に動き出したということで、日本の民事制度にとっては朗報だと思います。

で、肝心の内容ですが、記事によると

法務省の見直し案では、債権者は、債務者が住む地域の地銀など口座がある可能性がある金融機関ごとに確認を裁判所に申し立てられる。裁判所は各金融機関に照会。口座がある場合はその金融機関の本店に対し、差し押さえる口座のある支店名や口座の種類、残高などを明らかにするよう命じる制度を新たに設ける。債権者にとっては、債務者が口座を持つ金融機関名が特定できなくても、見当がつけば足りることになる。

とのことです。

私としては、実効性があって、かつ、使い易い制度となることを切に切に願っています。

なお、記事によれば、現在の財産開示制度も見直しが図られるとのこと。

また、民事執行法には債務者を裁判所に呼び出し、自分の財産の情報を明らかにさせる手続きが定められているが、債務者が来ずに開示に応じないなど、実効性が課題となっていた。この手続きを経ずに差押えを申し立てるケースも多いことから、見直しでは、応じないときの制裁を強化し、現在の「30万円以下の過料」から、刑罰を科すことも検討する。

http://www.asahi.com/articles/ASJ845DC4J84UTIL02R.html

こちらも、本当に役立つ制度になることを願っています。 

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弊事務所のインターンシップ(第3弾)が今週から始まりました!
今夏の弊事務所のインターンシップも、今週で最後となります。

T大学のMさん、とても一生懸命に取り組んでいます。 
初日は、訴訟記録の整理を丁寧におこなっていただきました。
明日以降は、講演会の出席や裁判傍聴等も予定しています。

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8月5日の記事で書かせていただいたとおり、飛田&パートナーズでは、現在、インターンシップの学生さんを受け入れております。

今週は、K大学のKさんが1週間のインターシップです。将来、弁護士になることを目指しているKさんに、法律事務所ならではの色々な業務を体験していただいています。

インターシップは来週も続きます。

 
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