昨日(2018年3月20日)の日本経済新聞の社会面(43面)の「不適切な投稿の裁判官厳重注意」との見出しの記事から。

(以下、記事の抜粋。被害者の方の名前は略しました。)
東京都江戸川区で2015年、高校生の〔中略〕さん(当時17)が殺害された事件の判決をめぐってツイッターに不適切な投稿をしたとして、東京高裁は19日、遺族が処分を求めていた岡口基一裁判官(52)を文書による厳重注意処分にしたと明らかにした。〔中略〕岡口裁判官は「改めて反省している」と述べている。

(私のコメント)
私はツイッターでは岡口裁判官をフォローしておりませんが、facebookではフォローしており、司法関係のニュースを沢山紹介してくれるため、とても感謝しています。また、とかくベールにつつまれている裁判官の生の声が聞けて、色々な意見はあるかもしれませんが、裁判官のお仕事をされている方を身近に感じることができて、とてもイイネと思っています。この件では、不適切だったのかもしれませんが、これで岡口裁判官の投稿が見れなくなるとすれば非常に悲しいので、不適切投稿には注意しながら、これまでと同じペースでの投稿を応援しています!




弊事務所では、馬場悠輔弁護士が第一東京弁護士会の宇宙法研究部会に入って勉強していますが、「宇宙法っていったい何なんでしょう?どういう仕事なのかな?」などと思っていたら、昨日(2018年3月19日)の日本経済新聞夕刊ニュースプラスの頁の「人間発見」に西村あさひ法律事務所の水島淳弁護士のインタビュー記事が掲載されており、宇宙法の仕事について紹介されていました。

(以下、記事からの抜粋)
「2017年12月、宇宙開発ベンチャーのispace(アイスペース、東京・港、袴田武史社長)が、産業革新機構、KDDIなど12社から第三者割当増資により101億円を調達した。「シリーズA」と呼ぶ技術開発段階の調達としては国内最大で、宇宙ビジネスへの期待の大きさがうかがえます。
 私は、この投資スキームの検討や契約交渉を助言しました。アイスペースは出資企業と組み、月面での水資源開発を目指しています。同社は月面探査に使う探査機を開発中で、15年に7キログラムだったものを4キログラムまで軽量化しました。打ち上げコスト削減につながる軽量化は、探査に使う機器を開発するうえでの重要課題のひとつです。」

「17年3月、アイスペースはル苦戦ブルグ政府と、宇宙資源の共同開発に関する覚書を交わしました。前年の5月、私は同社の袴田社長らと同国を訪れ、1年近くかけて交渉を助けました。」

(私のコメント)
宇宙開発などというと、SF映画を思い出し、どうも現実味がありませんが、この記事にあるように、既に弁護士が宇宙に関する法律や契約のアドバイスをするような時代になっており、そう遠くない将来、宇宙法の分野も確実に発展していくのでしょうね。記事によると、2018年秋に日本でも宇宙開発の規制を定めた宇宙活動法などが全面施行になるとのこと。我々もこの流れに乗り遅れないようにしなければなりませんね。


この6月1日から施行される住宅宿泊事業法(民泊)ですが、実は、第18条に地方公共団体が騒音やその他の生活環境の悪化を防止するために、条例で、民泊ができる区域を定めたり、民泊の営業日数を制限することができます。

(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)
第十八条 都道府県〔中略〕は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。

で、今日の日経新聞朝刊23面に「規制 東京7割・関西6割」という見出しで、このことに関する記事が出ていました。

「条例制定の意向を示したのは45自治体と35%を占めた。代表的なのは住居専用地域で平日の営業を禁止する形だが、宿泊需要が大きい大都市部でより厳しい制限を盛り込むケースが目立つ。
 兵庫県や神戸市、同県尼崎市は住居専用地域や学校周辺を中心に年間を通じて原則禁止にする。都内では全国に先駆けて条例を制定させた大田区が住居専用地域や工業地域などで通年禁止。中央区や目黒区では区全域で週末のみの営業に限る。」

「条例を作る自治体の半数超に当たる23自治体は営業地域や日数以外にも照準を合わせ、19自治体では届け出前に周辺住民向けに事前説明会を開く必要がある。管理人の設置を事実上求める事例もある。千代田区は家主や常駐の管理人がいない場合は学校周辺などでの営業を認めない。荒川区は廃棄物の適正処理・緊急対応で家主が不在の場合は1キロメートル以内に管理者の常駐を求める。
 他にも和歌山県では近隣住民に営業に反対する意思がないか確認してもらうようにする。京都市はゲストパス(身分証)を発行して宿泊客に携行させ、貸し手には自治会への加入や地域活動への参加を求める。」

(飛田のコメント)
私は、民泊問題は、民泊法の制定・施行と、Airbnbが民泊法の無許可物件の掲載を取りやめる旨を表明したことを以って収束するものだと思っていましたが、この調子で行くと、まだまだ法的な問題が発生しそうです。記事によると、政府は、通年禁止や全域制限を「法の目的を逸脱し、適切ではない」と指摘しているようなのですが、なんと、通年禁止や全域制限ばかりか、周辺住民への事前説明会や反対意思のないことの確認や管理者の常駐まで要求されそうです。記事によれば、このような地方公共団体の動きは、「住民の不安感」に基づくもののようなのですが、実際、そんなに不安があるのかな??いずれにしても、近い将来「過剰規制なのではないか?」と問題になる予感がしますね。


 先週は三連休でしたが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか?
 私は、友人と温泉に出かけて、とても良い連休を過ごすことができたのですが、その温泉で「あれ?」と思う出来事があったので、ご紹介します。

 先日私が行った温泉には休憩所のようなものが付いており、お風呂上がりに飲み物や食べ物を注文して休憩できるようになっていました。そこには色々な飲み物が用意されていて、ソフトドリンクはどれも300円くらいだったのですが、私は「フレッシュベリージュース(600円くらい)」が気になり、カウンターで注文しました。
 フレッシュベリージュースは、ソフトドリンクメニューとは別枠の健康メニューの1つに入れられていましたし、値段も普通の飲み物の倍くらいしたので、私はてっきり駅ナカのジューススタンドのような感じで、果物をミキサーにかけた状態のものが出てくるのだと思っていました。
 ところが、カウンターの女性が冷蔵庫から取り出したのは、缶入りのジュース。それをガラスのコップに注ぎ、「はい」と手渡されました。

 私は、このときお店の対応にあっけに取られてしまい、そのままそれを受け取ってしまったのですが、実はこのお店側の行為は法的に問題があります。

 どのような点が問題かというと、まず、その場で果物を絞って作ったものではない既製品を「フレッシュジュース」と称して提供することは、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)違反に当たる可能性が高いです。
 すなわち、景品表示法は、商品の内容について、一般消費者に対して実際のものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を不当表示(優良誤認表示)として禁止しています(景品表示法第5条第1号)。「フレッシュジュース」という表示は、消費者に、その場で果物が搾られて作られたものなどの新鮮感のある果実飲料が提供されるか、少なくとも既製品のジュースが提供されることはないという認識を与えるものと考えられます。したがって、「フレッシュジュース」と称して既製品の缶入りジュースを提供することは、景品表示法違反(優良誤認表示)に該当する可能性が高いということになります。(消費者庁「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」参照)

 そして、景品表示法に違反すると、内閣総理大臣による措置命令の対象になる(景表法第7条第1項)とともに、課徴金納付命令の対象となります(景表法第8条第1項)。消費者庁は、景品表示法違反の情報提供を呼びかけるフォームを公表しています(http://www.caa.go.jp/representation/disobey_form.html)ので、消費者である私としては、このフォームを使ってお店の行為を消費者庁に報告することで、お店の行為を是正できることになります。

 しかし、これだけでは、そのうちお店は商品名を改めるといった対応を取るかもしれませんが、私とお店の間のフレッシュベリージュースの売買契約をなかったことにはできません。
 私は、お店に対して、「私は、その場で絞って作るジュースが提供されると思ってフレッシュベリージュースを買ったので、契約をなかったことにしてお金を返してほしい」と主張することはできるのでしょうか?

 これは、民法上の錯誤(民法第95条)の問題になりますので、法律行為の要素に錯誤があった場合には、私は、「フレッシュベリージュースを売ってほしい」という意思表示の無効を主張することがき、契約をなかったことにできます。
 ここで問題となるのが、その場で絞って作るジュースが提供されると思っていたのに実際は缶入りジュースだったという勘違いが法律行為の要素の錯誤に当たるか否かです。
 この点については、特段類似判例もないのですが、私としては、要素の錯誤に当たり、意思表示の無効を主張できるだろうと考えます。
 なぜなら、要素の錯誤に当たるか否かは、「各法律行為において表意者が意思表示の内容部分となし、この点につき錯誤がなかったならば意思表示をしなかったであろうと考えられ、かつ、表示しないことが一般取引の通念に照らし妥当」と認められるか否か、により判断されるのですが(大判大正7年10月3日参照)、当該ジュースは、「フレッシュ」ベリージュースを標榜しているだけでなく、他のジュース類とは分けて健康メニューに記載されていたり、他の飲み物の倍くらいの値段を取っていたりしたため、一般的にお客さんがフレッシュベリージュースを注文するにあたっては、普通の既製品のジュースとは異なり、生の果実を使うといった付加価値が付いているものと認識し、それを当然の前提として売買契約を結ぼうとすると考えられるためです。
 ですので、今回の場合、その場で絞って作るジュースが提供されると思っていたのに実際は缶入りジュースだったという勘違いは、法律行為の要素の錯誤に当たり、フレッシュベリージュースの売買契約の無効を主張できるものと考えられます。

 誰しも日常生活の中でモヤっとした思いをすることがありますが、その裏には法律問題が隠れていることも多いです。
 もやもやする出来事があったときは、何か関係する法律がないかと探してみると意外な発見があって面白いので、ぜひお試しいただくことをおすすめいたします。

今年(平成30年)の41日から、「無期転換ルール」が実施されるようになります。

「無期転換ルール」とは、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みによって、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。

このルールは労働契約法第18条で規定され、同条は平成2541日に施行されているのですが、経過措置によって、施行の日以後に締結した労働契約に適用されます。
そのため、実施されるのが最も早い方は、今年の41日にこのルールが適用されます。

今まで企業側としては、有期労働者を雇止めすることができたので、これが制限されるとなるとかなりの負担になります。
それでは、この無期転換ルールが、企業側にとってどのようなメリットがあるのかというと、厚生労働省のハンドブック(http://muki.mhlw.go.jp/policy/handbook_2017_3.pdf)によれば、

・長期的な視点に立って社員育成を実施することが可能になる

・会社の実務や事情等に精通する無期労働契約の社員を比較的容易に獲得できる

というメリットがあるとのことです。

しかし、無期転換ルールは、あくまでも労働者に無期転換への申込みを行う権利を認めたものなので、無期転換にするかどうかのイニシアチブは労働者側にあります。
そのため、上記の企業側のメリットはこじつけというか、結局メリットにはなっていないでしょう。

労働者としては、雇用の安定している無期労働契約に自分の意思で転換できるというのは大きなメリットです。しかし注意しなければならないのは、無期転換の申込みを行っても、あくまでも従前の有期労働契約の労働条件のうち、契約期間が無期になるだけですので、自動的に正社員と同様の待遇(給与、賞与、退職金等)になるわけではありません。

会社として注意しなければならないのは、無期転換した労働者に、会社のどの就業規則が適用されるのかをはっきりさせておかなければなりません。
通常は有期労働契約用の就業規則には定年を規定していない場合が多いので、仮に無期転換した労働者の適用される就業規則が、有期労働契約用の就業規則しかなかったとすると、会社は無期転換の労働者を、定年を過ぎても雇い続けなければなりません。

そのため、このような事態にならないように、定年だけでなくその他の労働条件についても、会社の運用に沿った内容を定めた無期転換用の就業規則を作成しておくことが望ましいでしょう。

人生100年時代です。
定年以降に有期労働契約を締結し、これが無期に転換した場合はどうするのか等、超高齢化社会を見据えて、就業規則等を用意しなければなりません。
実際に無期転換権を行使する労働者がどのくらいの人数・割合になるのかはまだ分かりませんが、今後の動向に注目したいと思います。

さて、前回メルマガを配信したのは、約3ヶ月前、20171122日。当時は、1BTC=88万円ほどで、私は、「1BTC=100万円が見えてきたように思います」などといったコメントをしていました。

その後、20171128日頃、1BTC=100万円を突破し、さらに、(取引所にもよりますが)128日頃、1BTC=200万円を突破しました。約10日ほどで、100万円→200万円になったことになります。

しかし、年が明けて、中国や韓国での仮想通貨規制の報道に、コインチェックのNEM流出事件が追い打ちをかけ、2月はじめには、ビットコインは、1BTC=70万円を割るまで下落しました。

もっとも、現在では、1BTC=100万円前後(平成30216日現在)となっています。

僅か3ヶ月の間に、ビットコインは、2倍になったり、3分の1になったりした訳です。凄まじいですね。

以下では、前回メルマガ以降のニュースについて、2点ほど振り返ってみたいと思います。

NEM流出事件

 仮想通貨絡の今一番ホットなニュースといえば、やはり、NEM流出事件ですね、流出したNEMは、580億円相当と巨額なため、大手メディア等でも大々的に報道されています。

 これは、既にご存じの方が大半かと思いますが、日本の仮想通貨取引所の「コインチェック」から、当時、日本円で580億円相当の仮想通貨NEM(ネム。ややこしいですが、通貨単位は「XEM」と表記します。)が流出した事件で、ハッキングによる盗難と言われています。

 NEMもビットコインと同様、ブロックチェーンの技術を使っており、流出した際の取引は、ブロックチェーン(取引台帳)上に記録されています。例えば、以下のサイトでは、当時のNEMの移動状況を見ることができます。

http://chain.nem.ninja/#/transfers/1700476 

 ※なお、上記サイトの日時は、グリニッジ標準時のようなので、日本時間では、表示された日時+9時間する必要があります。

これを見ると、確かに、日本時間で、1260時過ぎ頃から、複数回、100,000,000XEM(当時、約1XEM=約100円でしたので、100億円相当)NEMの移動が記録されています。 

現在、警察なども、この流出したNEMの行方を追っているようです。今後、犯人の特定に至るか否か、進展が気になる所ですね。

ただ、ビットコインもそうですが、NEMも、どのアドレス(銀行で言う口座番号)から、どのアドレスに、いくら移動したか、という記録は残りますが、口座番号と個人情報と紐付いていないため、直ちに犯人を特定することはできません。

そこで、取引所などで流出したNEMが使われた際に、そこを押さえる、といった対応が考えられるかと思います。

例えば、

 アドレス1→アドレス2→アドレス3→アドレス4

といった移動があった際、アドレス3が取引所のアドレスであり、その取引所が利用者の個人情報を把握していれば(日本の取引所では、現在、利用者の本人確認が行われています。)、アドレス2が誰のアドレスかが分かることとなります。

これに対して、犯人側も、流石にすぐにバレるようなNEMの使い方はしていないようで、どうも、闇の市場のようなところで使用するなどして、ロンダリングしているようです(このあたりは、現金のマネーロンダリングなどと同じなのではないでしょうか。ただ、現金と比較すれば、ビットコイン等の仮想通貨は、移動の履歴が追えるため、ロンダリングは比較的難しいとも言えるかもしれません。)。

今後、犯人の特定に至れば、同様の被害の抑止にもつながるように思います。捜査の進展に期待したいです。

 

ICO規制の動き

もう一つホットな話題といえば、ICOに関する規制の動きです。最近では、米国において、証券取引委員会(SEC)が、6億ドル(約653億円)のICOを差し止めたと報道されていました。

 ICOとは、Initial Coin Offeringの略で、ごくごくシンプルに言えば、仮想通貨を使った資金調達を意味します。これは、IPO(新規公開株)をモジッて作られた造語です。

 ただ、具体的な内容については、様々な種類のICOがあり、統一的な定義もありません。一例を挙げれば、

  ・投資家:イーサリアムなどの著名な仮想通貨を払い込む

  ・企業:これに対して、独自の仮想通貨(厳密には、トークンと呼ばれます。)
   を発行する
といったやり方があります。

この場合、資金を調達する企業は、返済義務を負わないため、ICOは、借金とは異なります。また、トークンは、株式ではないため、議決権などもありません。そうすると、投資家としては、何のメリットも無いようにも見えますが、投資家側にもメリットがあります。

まず、投資家は、受け取ったトークン(独自の仮想通貨)がその後値上がりした際に、誰かに売却し、利益をあげることが考えられます。 

また、トークンには、特典がついているものもあります。例えば、飲食店であれば、トークンを、その店での支払いに使える、といった特典も考えらます。

その他、付随的なメリットとして、投資家としては、ICOの方法によれば、インターネットを通じて海外企業に対しても、容易に投資することができ、かつ、少額の投資も可能となるといった点が挙げられます。

一方、もちろん、デメリットもあります。投資話に詐欺が絡むことはよくある話ですが、ICOでも詐欺的なものが多くあると言われています。また、値上がりした際に売却、というのは、もちろん値上がりすれば、の話です。価格もつかず、買い手もつかずに終わることも考えられます。さらに、根本的な問題として、まっとうな企業であっても、ICOで出資した投資家に対して、基本的に責任を負わないため(ICOの場合、投資家は債権者にならず、株主にもなりません)、極端に言えば、企業は、ICOでお金を集めて、その後、何もしなくてもよいということにもなりかねません。

このように、投資家としてのリスクも大きいICOですが、冒頭に挙げたように、日本円で数百億円相当の巨額のICOの例もあり、資金調達の方法として、今、非常に注目を集めています。

法律面で言えば、新しく登場した投資手段であるがゆえに、また、やり方はケースバイケースであるために、各国でも、どのような規制が適用されるのか等、不明確な部分が残っているようです(なお、中国では全面禁止とされています。)。

今回報道されているアメリカに関しては、以前より、規制当局(SEC)が、ICOで発行される独自の仮想通貨は、(どのような規制がされるかはケースバイケースで異なると前置きしつつも)一般的には、有価証券に該当し、有価証券に関する法令上の規制を受けると発表していました。

https://www.sec.gov/news/public-statement/statement-clayton-2017-12-11?utm_content=bufferc7905&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer 

また、今回の件以前にも、SECは、昨年1211日に、有価証券に関する規制に違反するとして、ICOの停止を求めています。そのため、今回報道があった件に関しても、SECとして、ICOに否定的(有価証券に関する法規制を適用してゆく)という姿勢を改めて示したものといえそうです。

他方、日本の法律はどうなっているかというと、ICOを念頭に作られた法律はなく、現状、適用される可能性がある規制として、主に、以下の規制などが考えられています

①資金決済法(仮想通貨規制、仮想通貨交換業の登録)

②資金決済法(前払式支払手段)

③金融商品取引法(ファンド規制)

このうち、一番問題なのは、①の規制で、ICOで発行する独自の仮想通貨が、資金決済法上の「仮想通貨」に該当してしまうと、仮想通貨交換業者の登録が必要となってしまいます。そうすると、そもそも登録が認められない可能性や、登録されたとしても非常にコストと時間がかかり、資金調達の額によっては、ICOが現実的ではなくなってしまう可能性があります。

この点、法令の文言をみると、資金決済法上の「仮想通貨」と言えるためには、「不特定の者を相手方として」(資金決済法第2条第5項第1号及び第2号)「売買」や「交換」ができると言えなければならず、独自のトークンを発行した段階では、取引所等でも対応しておらず、「不特定の者を相手方」として「売買」や「交換」することは難しいため、①の規制はクリアできそうにも思われます。しかし、規制当局(金融庁)は、最近になって、広くICOに①の規制が及ぶとの見解を示しているようです。

このように、現状の日本の法律では不明確な部分が残るため、ゆくゆくは、法律の形で明確なルール作りが必要となってくるのかもしれません。ICOに関しては、規制の必要がある一方で、世界中から巨額の資金調達を可能とするというメリットもあります。日本として、リスクにも配慮した上で、うまくルール作りができれば、さらなる発展が期待できるように思います。

今日(2018年1月9日)の日経新聞(電子版)に「夫婦別姓選べず『戸籍法は違憲』 サイボウズ社長が提訴」という見出しの記事が掲載されていました。

(以下記事の抜粋)

「結婚時に戸籍上の姓に旧姓を選べないのは法の下の平等を保障する憲法に反するとして、ソフトウエア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長(46)ら4人が9日、国に計220万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。」

「民法750条は「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」と定めている。15年12月、最高裁大法廷は、この民法の規定を「合憲」とする初の憲法判断を示した。」

「民法の規定については合憲判断が確定しているため、青野社長らは戸籍法に着目した。日本人と外国人の結婚・離婚や、日本人同士の離婚の際には戸籍上の姓を選べるのに、日本人通りの結婚だけ姓を選べない点を挙げ、「法律の不備であり、法の下の平等に反して違憲だ」と主張する。」

(飛田のコメント)
民法750条については、実際上、結婚の際に女性の方が圧倒的に氏を変更しているという実態を背景に、憲法24条1項の両性の平等規定に違反するとの主張がなされてきましたが、形式上は、男性側の姓を選んでも女性側の姓を選んでもどちらでも良い(ただ、どっちかに決めなければいけない)という制度であるため、少々男女差別だという主張に馴染みにくいところがありました。
ところが、上記の訴訟では外国人との比較から夫婦同姓制度は憲法14条の法の下の平等規定に違反すると理由づけているようであり、非常に良い着眼だと思います。国側は、外国人にできることが、なぜ日本人にはできないのか?そのように区別することに合理性があるのか?という点を主張立証していかなければならず、結構、その立証は難しいのではないでしょうか。
訴訟の行方を注目したいと思います。

新年明けましておめでとうございます。

弊事務所は1月5日(金)から本年の業務を開始いたしました。
本年が皆様にとりまして良い年となりますように、また弊事務所に
とっても飛躍の年になりますようにお祈りいたします。

本年もどうぞよろしくお願い致します。



いつも弊所のブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。


さて、今年も残すところあとわずかとなりました。

弊所では、下記の日程で年末年始休業とさせていただきます。


平成29年12月29日(金)~平成30年1月4日(木) 


新年は1月5日(金)より業務を開始致します。
休業期間中は、ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解の程よろしくお願い致します。

来年も皆様のお役に立つブログを発信してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します!


皆様どうぞよいお年をお迎えください。

 皆様はサプリメントを飲んだ経験がありますか?
 私は最近毎日飲んでいて、飲むと目に見えて体調が良くなるので、とても便利だと感じています。

 ですが、このサプリメントって薬なのでしょうか?それとも食品なのでしょうか?
 健康を維持するために飲んでいるので薬と言われると違和感がありますが、かといって一般的にいうところの食べ物という感じもしないですよね。
 今回は、薬と食品の概念が法的にどのように分けられているのか、見ていきたいと思います。

  そもそも、薬は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に、食品は「食品衛生法」によって規律されているのですが、薬と食品それぞれの法律上の定義を見てみますと、まず、食品については次のとおりになっています。

食品衛生法
第4条
 この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これを含まない。

 ざっくり言うと、全ての飲食物から薬を除いたものが食品という形になっていますね。

 続いて、薬(医薬品と医薬部外品)の定義は次のとおりになっています。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
第2条
この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。

一 日本薬局方に収められている物
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(中略)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)

2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。

一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(中略)であつて機械器具等でないもの

イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止

ロ あせも、ただれ等の防止

ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛

二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(中略)であつて機械器具等でないもの

三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(中略)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

 長々とした定義規定が置かれていますが、薬の場合は、基本的に、使用される目的(医薬品としての目的を有しているかどうか)で定義づけられていると読めます。

 しかし、この定義だけでは、具体的にどのようなものが薬に当たり、どのようなものが薬に当たらないのか判然としませんね。

 そのため、厚生労働省は、この点を明確にするための通達(昭和4661日薬発第476号)を出しており、その中で、薬と食品の限界について、次のように記載しています。

「医薬品とみなす範囲は次のとおりとする。

一)効能効果、形状および用法用量の如何にかかわらず、判断基準の1.に該当する成分本質(原材料)が配合または含有されている場合は、原則として医薬品の範囲とする。

二)判断基準の1.に該当しない成分本質(原材料)が配合または含有されている場合であって、以下のからに示すいずれかに該当するものにあっては、原則として医薬品とみなすものとする。

医薬品的な効能効果を標榜するもの

アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの

用法用量が医薬品的であるもの」

 この定義から、まず、形状等にかかわりなく、厚労省が定めた原材料が含まれている物は、薬として取り扱われることが分かります(上記一)。これは薬のイメージそのままですので、分かりやすいですね。
 ですが、これだけでなく、上記乃至のいずれかに当たるものは、原材料にかかわりなく薬として扱われることが分かります(上記二)。
 例えば、容器・包装等に「糖尿病の人に」と記載されていたり、摂取量として「お休み前に12~3粒」といった指示があったりすると、(成分がどうあれ)法律上は薬として扱われ、薬事法の規制を受けることになります。(栄養機能食品については、摂取量の表示に例外がありますが、その点は省略します。)

 結局のところ、薬と食品は、その成分と上記乃至の基準によって限界づけられているということになりますので、サプリメントについては、一律に薬か食品か結論付けられるものではなく、その成分と販売形態によって、薬になるか食品になるか流動的と言えます。

 上記からすれば、サプリメント等の商品が法律上薬に当たるかどうかは、販売者の側でコントロールできる側面があることが分かります。宣伝文句や説明を漫然と記載してしまうと、上記からの基準に照らして薬と判断されてしまい、薬事法違反として取り扱われてしまうリスクがありますので、経口摂取する商品を扱う皆様にはぜひとも注意をしていただきたいと思います。

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