弊事務所の顧問先の西ヶ原字幕社が、920日から、FM78.2MHzで、毎週木曜日午後10時から「キラキラ☆韓国ロック」という番組の放送をはじめることとなりました。
同社の林原圭吾さんが通暁している70年代、80年代の韓国ロック史上に燦然と輝く名曲の数々を紹介していく番組です。パーソナリティーは、韓国ドラマほかさまざまなジャンルで活躍している声優のうえだ星子さん。インターネット上での視聴も可能となっております。詳しくは、同番組の特設サイトをご覧ください。

昨今、韓国のアイドルグループや韓国のドラマが流行しておりますが、70年代、80年代の韓国は軍事政権下にあり、その中でロックをやるのはとてもとても覚悟が必要とされることだったようです。ぜひ、この番組を聞いて、ロック魂溢れる韓国ロッカーに出会ってくださいね。ではでは。

下町ロケット


145回(平成23年/2011年上半期)の直木賞受賞作であり、販売冊数は35万部を超えたようですので、このブログの読者のなかにも、既に読まれた方も多いのではないでしょうか。

この小説は、ももともと宇宙科学開発機構でロケットエンジンを研究していた主人公の佃航平が、ロケットの打ち上げの失敗を契機に、同機構を辞め、親から引き継いだ佃製作所(町工場・中小企業)をめぐる物語です。
佃製作所が、上場企業から主力商品について特許訴訟を仕掛けられ、資金繰り難等の経営危機を迎えつつ、紆余曲折もありながら、辣腕弁護士の力を借りて、反対に、自社の別の特許を利用してこの上場企業に特許訴訟を提起し返し、この上場企業と闘っていきます。
そして、以上の特許訴訟とは別に、自社で開発していた水素エンジンのバルブの特許権を見直して、我が国で宇宙開発をしている別のトップ大企業に対して法律的に有利な立場を築き、この特許権が欲しいこのトップ企業との間で、たくましく交渉していくのです(そして、どうなったかは読んでのお楽しみです。)。
最終的に、佃製作所一丸となって、主人公の夢を実現させ、会社としても成長していきます。

特許訴訟が、単に裁判上の「勝った・負けた」にとどまらず、企業の経営戦略(この本で描かれているように悪意の戦略に利用される場合もある。)にも利用されるという意味で、現実の企業社会における特許の意味が良くわかる秀作であり、特許等の知的財産に興味のある方には、特に、一読をお勧めします。

私個人としては、佃製作所の顧問弁護士で当初特許訴訟を担当した老弁護士に、弁護士の悲哀を感じました。どこに悲哀を感じたかは読んでのお楽しみですが、このような弁護士にならないよう精進したいと思います。

少し前まで、裁判の長期化が社会的に問題視され、これを是正すべしとして、様々な試みが行われていたように思うのです。しかし、私が知らないだけかもしれませんが、現時点では、そのような様々な試みがあったことなど忘れ去られてしまったような気がしています。というのは、弊事務所が関与している事件でも、訴訟事件はおしなべて時間がかかっているからです。

これは何が問題なのでしょうか?

私は、現在の訴訟実務の『運用』に問題があるのではないかと思っています(どちらかというと弁護士サイドからの反省です。)。

具体的に述べると、一部に例外はあるものの、実務では、民事訴訟の口頭弁論で、当事者が華々しく論争をするなどということはまれで、単なる書面の交換の場と化していて、せっかく当事者が揃うのに、訴訟の争点の詰め(主張整理)が行われることなどほとんどありません。もちろん、口頭弁論という公開の法廷で行われる手続で争点整理をするのはそもそも無理があるということで、手続上は、非公開の部屋で、裁判官と当事者が頭を突き合わせて主張整理をする弁論準備期日というものがあるのですが、これも、書面を交換して、「次回は原告/被告が反論してください。」という場合が多く、裁判官から質問があっても、「それでは次回期日までに書面で明らかにします。」などと代理人弁護士が答えて、何のためにわざわざ裁判所まで来て手続を行っているのか、意味がないようなことも多いのです。

さらに、通常、期日の1週間前に準備書面等の書面提出期限が定められ、裁判官及び当事者が期日の予習をする時間が与えられますが、期限を守らなくても特に法的なサンクションがないため、書面が期日ギリギリに提出されることも多く、期日で、「先ほど、書面を受領したばかりで、まだ十分な検討ができていません。」などということになる場合も多いのです。

そして、何より、訴訟における期日は、1ヶ月から1ヶ月半に1回という非常に遅いペースなので、主張が原告と被告間で3巡ぐらいして争点が明確化するまでに6か月ぐらいかかり、それから証人尋問をしようとしても、法廷がとれないなどの事情により23か月くらいかかり、さらに裁判官が判決を書く時間として23か月かかるので、判決までには、どうしても1年ぐらい経ってしまいます。むしろ、その間に和解が試みられるのが普通ですから、1年で訴訟が終われば早い方でしょう。

このような状況について、私は、とても危機感を持っています。我々がクライアントから受ける不満とか感想で最も多いのが、「裁判は時間がかかりますね。」です。全然、現代のスピード社会についていけていません。これでは、我々弁護士がもっとも活躍しなければならない『裁判』が、利用されなくなってしまうのではないでしょうか?

最近、弊事務所では、萩原弁護士を中心として、労働審判に力を入れています。この労働審判では、解雇無効や、サービス残業等の労働紛争が争われるのですが、実務の運用では、
①第1回期日までに申立人と相手方の双方に、主張と証拠をできるだけ提出させる。
②期日では、当事者や主要な証人(担当者)を同行する。
3回の期日までで裁判官、労働委員2名は、当事者双方から聴き取り、心証を形成し、審判を行う。
という手続的な特徴があります(なお、労働審判に不服がある場合は、異議申立てをすれば、労働審判は効力を失い、労働審判手続の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされ、通常訴訟に移行することになります(労働審判法第21条第3項、第22条第1項)。そのような形で、当事者の手続保障がなされています。)。

何が良いかというと、可能な限り、第1回期日までに主張を尽くし、証拠を提出してしまうので、とてもスピーディーであることと、当事者を連れて行き、対席の場で裁判官等がわからないところを質問していくので、争点整理と証拠調べを同時に行っているようで非常に効率的であることと、さらに、審理の過程を当事者に見せているので、当事者にとっても事実関係がよくわかり、裁判官の心証もおおよそ推察できる状態になることです。したがって、和解も促進されやすいということがいえますし、実務感覚として、たとえこちらに不利な結論が出たとしても、クライアントの満足度は非常に高いように思います。

少々乱暴な意見かもしれないのですが、私は、基本的に全ての民事事件は、労働審判型の審判を前置するようにして(ただし、消費者金融の貸金返還請求事件や、実質は保証会社が主体となっている建物明渡請求訴訟など類型化できるものはどんどん類型化し、労働審判型の手続が合わないときは外すなど、その特質に合わせた運用をする。)、そこで決着がつかないような事件のみ、通常訴訟に移行すれば良いのではないかと考えています。

このように主張すると、やれ弁護士の負担が多くなるとか、裁判所の負担が増えるというような批判が出そうなのですが、そもそも紛争解決システムとしての裁判が多くの人から利用されて有効に機能しない限り、弁護士の仕事がなくなるおそれもあるし、裁判所もプレゼンスが弱くなるので、ダメな現状を追認するのではなく、弁護士や裁判所の負担が増えても、現状を変えていくような方向に向かわないといけないように思います。

遅々として進まない訴訟事件のファイルを眺めながら、以上のようなことを考えている次第です。



司法殺人 元裁判官が問う歪んだ死刑判決

私は、著者の森炎(もりほのお)弁護士(元裁判官)と面識がある。私が司法修習生だったとき、青森で実務修習をさせていただいたが、そのときの青森地裁民事部の右陪席裁判官が森さんだったのだ。残念ながら、私の民事裁判修習が始まる直前に、ちょうど退官されたので、森さんから直接教えを受けたことはない。ただ、懇親会等でご一緒させていただいたときなどには、森さんから気楽に声をかけていただいたので、とてもフランクなイメージがある。また、たしか当時社交ダンスをされていて、すらっとしていて、髪を油で固められていて、とてもダンディーで格好良かった(今でもきっとダンディなのではないかと思う。)

その森さんが最近新書で刑事裁判の本を立て続けに出版していたので(幻冬舎新書『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか-変わりゆく死刑基準と国民感情』、幻冬舎新書『量刑相場 法の番人たちの暗黙ルール』)、少々気になっていた。この本は、新書ではなく単行本であるが、「司法殺人」というインパクトのある題名に惹かれて、手に取った次第である。


読後の感想としては、非常におもしろい、というかとても考えさせられた。

3つの事件が取り上げられているが、いずれも詳細に記録が検討されていて、非常に突っ込んだ内容であるが、とてもわかりやすく書けている。職業裁判官の考え方がリアルに述べられているし、第一発見者と犯人の区別、内部犯と外部犯の区別、自白の任意性、秘密の暴露、「疑わしきは罰せず」ということの本当の意味も良く書けていて、「目からうろこ」という感じがした。裁判員制が採用された今日、一般の人にも読んでもらいたい本であるが、「裁判員制」などと固いことを考えなくても、とても興味深い本であると感じると思う。

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ウイズダム法律事務所は、本日(2012年8月13日)から中央区銀座4-10-10銀座山王ビル6Fにある銀座事務所で業務を開始しました。

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エレベーターを降りて、事務所入り口の部分。沢山のお花を頂きまして、ありがとうございます。

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事務所が入っている銀座山王ビルです。晴海通り沿い、三原橋の交差点に面した好立地です。奥にはデパートの三越が見えます。

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ちなみに、一番の最寄駅は東銀座駅で、A2出口を出るとすぐ前にあります。交差点の反対側には歌舞伎座がありますが、現在はこのように立替え中です。

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事務所の会議室の1つです。モニターとホワイトボード完備で、充実した会議ができますよ。

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会議室の窓から見た三原橋交差点と晴海通りの風景です。ちょっとわかり難いかもしれませんが、奥に見えているのは勝どき橋になります。



残暑お見舞い申し上げます。

平素は、ひとかたならぬご厚情を賜り、深く御礼申し上げます。

 

さて、2007年3月の開設以来、ウイズダム法律事務所は南青山で活動してまいりましたが、この度、業容拡大のため、銀座に移転することになりました。

場所は、歌舞伎座のすぐ傍、晴海通り沿い、三原橋交差点に面した好立地です(住所は下記をご参照ください。)。

8月13日(月)より銀座事務所にて業務を開始致します。

 

銀座では、同じフロアに事務所を構える鎌田特許事務所と連携し、知的財産分野を強化致しますが、これまでどおり、企業法務、(使用者側の)労働法務、不動産、建築紛争、土地区画整理などにも旧に倍して取り組む所存です。

 

ウイズダム法律事務所の理念である「圧倒的に質の高いリーガルサービスを提供しよう」を実現すべく、一意専心致しますので、今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

                   


弁護士 石 川 正 樹
弁護士 飛 田    博
弁護士 萩 原    勇


【新事務所所在地】

 〒104-0061

 東京都中央区銀座4-10-10 銀座山王ビル6階(http://goo.gl/maps/q1ypN

 TEL 03-6853-3660 FAX 03-6853-3770

 HP http://www.wisdom-law.com




1. 
既にネットのニュースなどで大きく取り上げられているので、ご存知の人が多いと思いますが、野村ホールディングス株式会社の平成24627日開催の予定の定時株主総会における株主提案の内容が少々変わっております。

ネットで検索すれば、同社の招集通知自体を見ることができるので、興味のある方は、直接招集通知をご覧になることをお勧めしますが、簡単に紹介させていただくと、この株主は、野村ホールディングスの商号を「野菜ホールディングス」へ変更することをはじめとして、100個の提案を行い、そのうち「株主総会に付議するための要件を満たすもの」として、第2号議案から第19号議案までの18議案が招集通知に記載されています。


正直に申し上げると、あまりまじめに考えたとは思えないような提案があり、例えば
 


3号議案 定款一部変更の件(商号の国内での略称および営業マンの前置きについて)

提案の内容:当社の日本国内における略称は「YHD」と表記し、「ワイエイチデイ」と呼称する。

営業マンは初対面の人に自己紹介をする際に必ず「野菜、ヘルシー、ダイエツトと覚えてください」と前置きすることとし、その旨を定款に定める。

提案の理由:「社を挙げた意識改革」を求めて提案する。

貴社の現在の称号は長すぎて、著しく業務効率を悪化させている。17のモーラがあれば俳句も詠めようというものだ。これから三菱東京UFJ銀行の支配下に入りでもしたら、野菜證券は三菱UFJモルガンスタンレー野菜證券となってしまうのではないかと考えると今から悩ましい。

ただ、まあこの変更によって当面年間のべ1000人日の人件費を節約することができる。


12号議案 定款一部変更の件(日常の基本動作の見直しについて)

提案の内容:貴社のオフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、株価四桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記するものとする。

提案の理由:貴社はいままさに破綻寸前である。別の表現をすれば今が「ふんばりどき」である。営業マンに大きな声を出させるような精神論では破綻は免れないが、和式便器に毎日またがり、下半身のねばりを強化すれば、かならず破綻は回避できる。できなかったら運が悪かったと諦めるしかない。


13号議案 定款一部変更の件(取締役の呼称について)

提案の内容:取締役の社内での呼称は「クリスタル役」とし、代表取締役社長は代表クリスタル役社長と呼ぶ旨定款に定める。

提案の理由:取締役という言葉の響きは堅苦しい。また昨年の株主総会で気がついたのだが、取締役会では支配下の子会社の業績に関して全く取り締まっている様子がない。トマト栽培が儲かっていないという報告があった場合、取締役会では「なぜ儲からないのか」「どうやったら儲かるか」を諮らねばなるまい。しかし「利益はそれほど出ていません」で済ませるのは取締役会ではない。従って呼び方はいい加減なもので済ませることとする。


17号議案 定款一部変更の件(暦法について)

提案の内容:定款第21条に「定時株主総会は、毎年41日から3カ月以内に招集し」とあるを「定時株主総会は、毎年グレゴリオ暦協定世界時における41日および101日からそれぞれ3カ月以内に召集し」と改める。

提案の理由:太陰暦およびグリニッジ標準時に基づいて貴社社員が有給休暇を取得する事故を防ぐため。


などの提案があります。

(もっとも、第4号議案(報酬委員会の定める役員報酬の制限について)、第6号議案(取締役の責任軽減について)、第8号議案‐定款一部変更の件(役員報酬としてのストックオプション制度について)、第9号議案‐定款一部変更の件(増資の方法について)等は、個人株主であれば会社の方針について一言意見を言いたい箇所であり、それほど変な提案ではないと思います。)

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よく顧問先の土地区画整理組合から組合の文書開示について相談を受けることがあります。
組合員の方から正当な権利行使として組合に文書開示の要請がある場合には、当然のことながらその文書を開示しなければなりませんが、中には、事業に反対する組合員の方が、突然、組合事務所を訪問して、「全ての理事会議事録をコピーさせろ!直ぐにさせろ!」と騒ぎ立てるような、嫌がらせとしか思えないケースもあり、組合の事務局が対応に困っているという話がよくあるのです。

ところで、この文書開示について、土地区画整理法はどのように定めているのでしょうか?

まず、土地区画整理法上、個々の組合員に閲覧謄写請求権が認められる(注1)のは、以下の書類です。
(1)  定款、事業計画に関する図書、換地計画に関する図書(土地区画整理法841項)
(2)  土地区画整理事業に関し、組合が受けた行政庁の許可その他処分を証する書類(同法施行令731号)
(3)  組合員名簿、総会及び総代会の議事録並びに通常総会の承認を得た事業報告、収支決算書及び財産目録(同法施行令732号)(注2)
(4)  施行地区内の宅地について権利を有する者(所有権以外の登記のない権利で土地区画整理法851項及び2項の申告のない権利または同法853項の移転・権利削減の届出のない権利を有する者は含まれない)の氏名(法人にあっては名称)及びその権利の内容を記載した簿書(同法施行令735号)

(注1) ただし、「正当な理由」があれば閲覧謄写請求を拒否することができます。

(注2) なお、事業報告書、収支決算書及び財産目録については、過去のもの以外に、これから通常総会の承認を求めようとするものについては、通常総会の5日前までに主たる事務所に備え置かなければならないとされ、それらの書類についても、組合員に閲覧謄写請求権が認められています(土地区画整理法32条)。

次に、(個々の組合員からではなく)組合員から、総組合員の10分の1以上の同意を得て請求があった場合には、上記の書類以外にも、組合員には広く「会計の帳簿及び書類」の閲覧謄写権が認められます(同法28条9項)。

以上が法律の定めですが、組合施行の土地区画整理事業は、直接的には、組合員のために行っている事業ですから、組合の事業に支障が生じたり、組合員のプライバシーや個人情報保護の問題と抵触したりしない限り、上記にない文書についても開示に応じても良いし、むしろ積極的に応じるべきと考えます。手続的には、法律で開示しなければならない文書以外の文書については、理事会において開示又は非開示を判断するのが適当です。

ただし、前述のとおり、組合員が突然組合事務所を訪れ、大量の文書開示を要求するような事態も現実に発生していますので、文書開示について一定のルール作りが必要でしょう。多くの組合では定款で、そのようなルールを理事会で定めることができることになっていますので、

① 文書開示の申込方法(所定の申込書の提出等々)

② 開示・非開示の判断(理事会又は理事会から委任を受けた理事長が申込みから〇日以内に判断する。期間内に判断しなかったときは開示の判断があったと見做す。等々)

③ 文書閲覧・交付の方法(組合事務所で閲覧・交付又は組合員の住所に郵送、等々)
④ 料金(コピー1枚〇円)

というような文書開示規程を定めておくことをお勧めします。

以上




私は、土地区画整理組合の顧問や、代理人となって仕事をすることが(他の弁護士よりも比較的)多いので、よく「土地区画整理法関係の仕事で役に立つ実務書を教えてください。」という質問を受けます。そのようなとき、独断と偏見が入っていると断りつつ、推薦させていただくのが、この土地区画整理実務研究会編『問答式 土地区画整理の法律実務』(新日本法規、平成11年)です。
この本は、いわゆる綴式の本で、値段もそこそこしますが、何といっても、大場先生、松浦先生、坂和先生、小澤先生といったビッグネームが執筆されており、土地区画整理の実務をしていると、疑問が生じる問題について丁寧な、しかし問題によってはかなり踏み込んだ説明がなされているのです。出版されたのは平成11年ですが、綴式の利点を生かして、問題や回答がup dateされていくのも魅力ですね。

土地区画整理組合を扱う法律事務所、コンサル、そして組合自身も揃えていて損はない本だと思います。(ちなみに、私は新日本法規出版とは全く関係ありません。念のため。)
ぜひぜひおすすめします。

企業法務の教科書: ビジネスパーソンのための (文春新書 862)

この本は、所属弁護士数約500名の我が国最大手の法律事務所(law firm)である『西村あさひ法律事務所』の気鋭の弁護士が、朝日新聞社のネット上のニュースサイト『法と経済のジャーナル Asahi Judeciary』(http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/outlook/)で連載していたコラムを編集し、新書という読者にやさしいサイズの本にしたものです。
①M&A/コーポレート・ガバナンス、②労働法/企業年金、③訴訟/紛争、④IT/IP(知的財産)、⑤独占禁止法、⑥事業再生/倒産、⑦企業危機管理(クライシス・マネジメント)、⑧金融/ファイナンス、⑨タックス(税務)、⑩アジア新興国の法律問題
という、ビジネスパーソンにとって重要な10のテーマについて、合計で30のコラムが収録されています。最近のトピックが取り上げられているので、これを読めば、最近のビジネスローの分野で何が起きているのかを知ることができるでしょう。
一つ一つのコラムも、3000字から7000字ということで、通勤・通学の電車の中で一つ一つ読み進めるというのも良いのではないでしょうか。

それにしても、よくまあこれだけhotなissueを一つの事務所で集められるものだと感心します。このあたりの情報摂取量の違いが、大手事務所とその他の事務所の違いなのでしょう。うらやましい。

この本で取り上げられているコラムは、弁護士としてはどれも興味深いものばかりですが、一覧してみると、「第7章 企業危機管理(クライシス・マネジメント)」の中の各コラムがとても面白いですね。梅林弁護士の「『情報』は十分に保護されているのか」というコラムは、個人的に考えさせられましたし、渋谷弁護士の「『大学不正受験』事件の教訓」というコラムは、飲み屋のネタとしても使えそうです。危機管理の話題は、煩わしい法律の条文の説明をそれほどしなくてもよいですし、ネタとしても面白いので、この種の本には向いていると感じた次第です。

もちろん、その他も充実していますので、ビジネスローを志す人には、是非是非お勧めします。

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