先日、弊事務所のメールマガジンで、石川弁護士が「銀ブラ」の語源は銀座でブラジルコーヒーを飲むことにあるらしいという話を書きましたが、読者の方から、そのブラジルコーヒーが飲めるのは、銀座8丁目にある「カフェーパウリスタ」であると教えていただきました。

そこで、弊事務所スタッフが、早速ブラジルコーヒーを飲みに「カフェーパウリスタ」に行ってきました。

画像 001

お店の外観です。明治44年創業ということで、とても歴史を感じますね(ただし、今のお店は昭和45年に再開されたお店のようです。)。

早速お店に入ってみると、なんと奥までぎっしり満席でした。
運よくちょうど一席空いたので、入店することができました。


画像 003

店内の様子です。
レトロな雰囲気で、時間を忘れてゆったりできます。
客層も、50代~60代の常連客であろうと思われる方が多く見られました。


画像 004

これが、無農薬栽培で大切に育てられた、究極のブラジルコーヒー、「森のコーヒー」です。
苦みも酸味も強すぎず、優しい味わいでとても美味しい。
ホッと一息つきたいときに最適の一杯です。

皆様も、銀座にいらした際には、ぜひ「銀ブラ」することをお勧め致します。

あまり大きくは報道されませんでしたが、最近起きたエース交易株式会社(エース交易)の件は、報道とIR(投資家向けの広報活動)から見ていただけですが、弁護士として非常に興味深かったです。
私が、報道や同社IRから知り得た概要は次のとおりです(なお、エース交易以外の、固有名詞等は表示していません。)。

(1) エース交易は商品先物取引業を中心とする投資サービス業を営んでいる上場会社(JASDAQ上場)ですが、平成24年9月6日に、同社代表取締役社長名義で、同日開催の取締役会において、①T社グループとの平成24年4月27日付資本業務提携契約の解消に向けた交渉を開始すること、及び②同契約の締結に同社の元役職員による不適切な関与が疑われるため、外部専門家による第三者調査委員会を設置することを決議したことを同社IRで発表しました。
http://www.acekoeki.co.jp/ir/newsrelease/edited/348.pdf


ちなみに、同社の平成24年4月27日付IR「資本業務提携基本協定書の締結に伴う資本業務提携交渉の開始及び第三者割当による新株予約権の発行に関するお知らせ」によると、T社とは、
「2004年に設置された外国籍の信託です。T社は、E社、E証券株式会社及びTH社を保有し、TRその他様々な会社に主要株主として出資しています。尚、T社のグループ企業であるTRSが提供するTR Compassは、グローバルな機関投資家に提供するアジアマーケットを対象としたトレーディング・プラットフォームです。具体的には、アジア地域を中心として、14ケ国及び12市場外リクィディティープールにおいて、約700ブローカー及び24証券取引所の接続実績があります。」という趣旨の説明されています(が、ちょっと私にはよくわかりません。)。

いずれにしても、エース交易は、今年の4月27日に、T社と資本業務提携基本契約を締結し、それに伴い、T社側の4名がエース交易の取締役となり、そのうちの一人は、代表取締役会長になっています(以下、T社の推薦をうけた4名の取締役を「T社グループの取締役」といいます。)。

有価証券報告書によれば、エース交易の取締役は7名ですので、T社グループの4名の取締役が過半数を占めており、通常であれば、上記のような取締役会決議は成立するはずがないのですが、上記9月6日付IR文書によれば、T社グループの取締役は「利害関係人に該当するため、決議には参加しておりません。」とありますので、利害関係人の理論(会社法第369条第2項)を使って、代表取締役社長を中心とする3名の取締役のグループ(社長グループ)だけで決議したことが窺われます。

しかし、法的には、取締役会決議から排除しなければならない「利害関係人」とは、取引の相手方である等々のもう少し直接的な利害関係が必要で、今回のように業務提携先から推薦を受けて取締役になったというだけでは無理があるのではないか? 利害関係人の該当性を肯定するようなもう少し何か別の理由があるのかな? というように思って注目していました。

(2) 続けて、さらに、翌7日には、社長名義で、3名の弁護士(そのうち2名が検察官出身です。)で構成される第三者調査委員会を立ち上げたことをIRで公表されます。
このような第三者調査委員会を突然立ち上げることは不可能ですから、おそらく事前に準備をしていたのでしょう。
http://www.acekoeki.co.jp/ir/newsrelease/edited/349.pdf


(3) これに対して、T社グループの取締役も反撃に出ます。2日後の9月9日に、代表取締役会長名義で、大阪証券取引所の適時情報開示サービスに、「代表取締役の異動及び平成24年9月6日付及び同7日付で当社より出されたお知らせについて」と題する文書を公表しました。この文書の中で、同社会長は、T社との資本業務提携解消に向けた交渉を開始する等の9月7日の取締役会決議は、特別利害関係人の該当性等について問題があることを理由に無効又は不存在であり、同日別途開催した取締役会で、代表取締役社長を解職したことを主張したのです。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120120909004502.pdf


(4) しかし、ここでも、社長グループの動きは非常に迅速でした。9月9日の会長名義のIRを受けて、同日、すぐに、社長名義で、IR文書を公表したのです。そこでは、会長の主張している社長解職の取締役会決議は、適正な招集手続を経ておらず、T社グループの取締役だけが出席して行われた違法なものであることを主張するとともに、
「当社は、当社代表取締役会長を含むT社側の取締役4名が、当社の利益ではなく、T社及び当社一部株主の利益を優先し、当社財産の社外流出(約16億円)を図った事実を、具体的証拠を提示して説明し、その上で、当社代表取締役会長の代表取締役の解任を決議するため、平成24年9月11日(火曜日)午前9時に、当社取締役会を開催する通知書を発しました。」
「当社取締役会は、T社側の取締役4名により支配されているため、上記取締役会決議が成立する可能性は少ないものの、かかる取締役会において全ての事実を開示します。T社側の取締役4名も、当社取締役としての善管注意義務・忠実義務に従い、その職務を果たすことを期待しています。」

「取締役会決議の成立の有無を問わず、上記取締役会の決議結果及び審議の詳細は、直ちに、記者会見を開催して公表する予定です。」
などと発表したのです。

(5) ただし、9月11日の記者会見については、「都合により中止にさせていただくことになりました。」というIR文書がエース交易のホームページに公表されただけで、結局開催されず、その後、しばらく沈黙が続きます。

私としては、①これからどうなるのかな? ②法的には、(解職を主張されている)代表取締役社長がいまも会社に出社して職務執行を行っているということなので、会長らが、長とエース交易を相手方にして、代表取締役職務執行停止及び代行者選任の仮処分の申立てでも行うのかな? ③しかし、裁判所で選任される職務代行者は弁護士がなるのが普通だが、先物商品取引の会社の職務代行者を務められる弁護士がいるのかな? ④このまま紛争状態が続くと会社自体の存続が厳しくなるのではないかな? などと興味津々で注目していたのですが、なかなか動きがありませんでした。

(6) しかし、9月24日に、エース交易のIRで、遂に「取締役による合意及び当社持ち株会社制への移行中止、商号変更の中止並びに代表取締役の選任について」というIR文書が公表されました。
http://www.acekoeki.co.jp/ir/newsrelease/edited/353.pdf


この文書では、冒頭で、「本日開催された取締役会において、社長グループの取締役3名は、エース交易株式会社とT社グループとの資本業務提携契約の背景事情及び内容について誤解があったことを認め、T社グループの取締役は、その誤解が相互の不十分なコミュニケーションに起因するものであったことを認め、相互に謝罪いたしました。かかる誤解に鑑みれば、エース交易株式会社及びその取締役のいずれもT社グループによる不正な行為はなかったものと考えております。」と穏当な結論が述べられていますが、具体的には、


①〔T社グループとの資本業務提携の一環として進められていた〕持株会社制への移行中止及び商号変更の中止

②〔T社グループとの資本業務提携の一環として進められていた〕T社グループへの会社の予約権引受の中止

③〔T社グループの取締役により解職が主張されていた〕社長の代表取締役への再選任

等が合意されています。さらに、T社グループの取締役の1人が辞任したことが発表されるとともに、一番重要なT社グループとの資本業務提携については、「今後その方向性について改めて検討していくことを予定しており、詳細につきましては、確定次第、適時開示してまいります。」とされています。

つまり、内容的には、社長グループの取締役の言い分の大部分が認められたと言って良いでしょう。
法的にみると、T社グループの取締役は取締役会の過半数を占めており、かなり有利な立場にあったはずです。それにもかかわらず、このような結果となったのは、T社グループの方に(善悪は別として)何らかの弱い点があったのかな?と推察する次第です。
それにしても、(どこだかわかりませんが)社長グループのバックでアドバイスしていた法律事務所(弁護士)は、とても見事な腕前だったと思いますね。

この案件の大きな山は越えたと思いますが、今後もT社グループとの資本業務提携の解消をどのように進めていくか等々について色々と動きがあると思いますので、今後も注目していきたいと思います。

会社法 第14版 (法律学講座双書)

(本文とは関係ありませんが)会社法の教科書のスタンダード、神田秀樹著『会社法 第14版』です。
実務では役に立たないなどと思われるかもしれませんが、実はこの本に書いてある知識があればほとんど恐いものはありません(細かい論点は、コンメンタールや判例や論文で補充すればよい。)。お勧めします。

弁護士が書く文章(契約書・準備書面・意見書・通知書等)を読んでいると、たまに「かかる」を多用する先生がいることに気がつく。この場合の「かかる」とは、「許認可等に係る事項」のように「関して」という意味ではなく、前の文章を受けて「かかる事態は」というふうに「このような」とか「その」という意味に用いられる場合で、文法的には、指示詞的な使われ方をする場合である。漢字で書くと、「係る」ではなく、「斯かる」ということになる。

このような「かかる」の使用は、年配の先生の中に多いのかと思いきや、若手の先生方もかなり使っている。そういう私も、実は、10年ぐらい前には、「かかる」を多用していた。「かかる」の良いところは、文章にリズムが出てくることと、普段は使用しない文語調の用語なので、文章の格調が高くなったような気がすることだ。

しかし、私は、大手法律事務所に勤務していた時代に、裁判官出身のある尊敬すべき先輩弁護士から、「『かかる』ってどういう意味だ? そんな日本語あるか? 『このような』とか『この』という意味だろう! だったらそう書くべきだ。」と怒られて以来、「かかる」を使うことを止めた。

ただ、今振り返ってみると、その大手法律事務所でも、「かかる」を多用される先生方は多かったし、広辞苑には、「斯かる」という用語が、「(カクアルの約)このような。こんな。こういう。」という意味で載っているので、日本語として間違っているわけではない。まぁ、他の部分は現代の用語で書かれているのに、「かかる」の部分だけ時代かかった用語を使用するのは若干「変」ということは言えるが・・・

というわけで、私は、「かかる」は使用しないようにしていますが、ただ、今でも、ときどき文章にリズムが欲しい場合などに、「かかる」を使いたくなるのですよね。皆さまが日頃お付き合いされている先生方は、「かかる」をお使いになっているでしょうか? この業界に特有の文体ともいえますので、注意してみると面白いかもしれませんね。

法令用語の基礎知識

最新 法令用語の基礎知識


(本文とは関係がありませんが、この本は、法律用語を理解する際に、大変お役に立つ本です。本文中には、「係る」について、「関する」という意味を記載しましたが、実は、単なる「関する」だけではない微妙なニュアンスがあることも書かれています。既にお持ちになられている方が多いと思いますが、法律関係のお仕事をされている方には必携の書籍だと思います。)




この度、馬場澤田法律事務所の大坪和敏弁護士との共著で、大蔵財務協会から、『図解とフローチャートによる 倒産法の実務ガイドブック』という本を出版することになりました。

その名のとおり、図解とフローチャートを多用した、倒産法全体を分かり易く説明した本です。

10月始めくらいから書店に並び始めると思いますので、興味のある方は、是非一冊お手にとっていただければと存じます。

IMG_0803





銀座4丁目に引っ越しをしてからはや1ヶ月がたちました。銀座という街は、様々な地下鉄の駅があり、交通の便がとても良いことと、人が多く街に活気があるので、ここに引っ越してきて良かったと実感しています。

弊事務所の近くに歌舞伎座がありますが、1ヶ月前には足場やカバーで(現在建て替え中の)建物部分が見えませんでした。しかし、今日気が付くと、足場とカバーが大分外されて、建物が見えるようになっていました。

IMG_0802

柵に出ていた看板によると、これから後ろの部分に29階建のOfficeビルが出来るようです。(失礼しました。後ろの白い建物がOffice棟でした。正面から見ると別々の建物のようにみえますね。9月20日追記。) 完成は平成25年3月ころとのこと。

IMG_0796

これからどのような建物になっていくのか楽しみですね。

弊事務所の顧問先の西ヶ原字幕社が、920日から、FM78.2MHzで、毎週木曜日午後10時から「キラキラ☆韓国ロック」という番組の放送をはじめることとなりました。
同社の林原圭吾さんが通暁している70年代、80年代の韓国ロック史上に燦然と輝く名曲の数々を紹介していく番組です。パーソナリティーは、韓国ドラマほかさまざまなジャンルで活躍している声優のうえだ星子さん。インターネット上での視聴も可能となっております。詳しくは、同番組の特設サイトをご覧ください。

昨今、韓国のアイドルグループや韓国のドラマが流行しておりますが、70年代、80年代の韓国は軍事政権下にあり、その中でロックをやるのはとてもとても覚悟が必要とされることだったようです。ぜひ、この番組を聞いて、ロック魂溢れる韓国ロッカーに出会ってくださいね。ではでは。

下町ロケット


145回(平成23年/2011年上半期)の直木賞受賞作であり、販売冊数は35万部を超えたようですので、このブログの読者のなかにも、既に読まれた方も多いのではないでしょうか。

この小説は、ももともと宇宙科学開発機構でロケットエンジンを研究していた主人公の佃航平が、ロケットの打ち上げの失敗を契機に、同機構を辞め、親から引き継いだ佃製作所(町工場・中小企業)をめぐる物語です。
佃製作所が、上場企業から主力商品について特許訴訟を仕掛けられ、資金繰り難等の経営危機を迎えつつ、紆余曲折もありながら、辣腕弁護士の力を借りて、反対に、自社の別の特許を利用してこの上場企業に特許訴訟を提起し返し、この上場企業と闘っていきます。
そして、以上の特許訴訟とは別に、自社で開発していた水素エンジンのバルブの特許権を見直して、我が国で宇宙開発をしている別のトップ大企業に対して法律的に有利な立場を築き、この特許権が欲しいこのトップ企業との間で、たくましく交渉していくのです(そして、どうなったかは読んでのお楽しみです。)。
最終的に、佃製作所一丸となって、主人公の夢を実現させ、会社としても成長していきます。

特許訴訟が、単に裁判上の「勝った・負けた」にとどまらず、企業の経営戦略(この本で描かれているように悪意の戦略に利用される場合もある。)にも利用されるという意味で、現実の企業社会における特許の意味が良くわかる秀作であり、特許等の知的財産に興味のある方には、特に、一読をお勧めします。

私個人としては、佃製作所の顧問弁護士で当初特許訴訟を担当した老弁護士に、弁護士の悲哀を感じました。どこに悲哀を感じたかは読んでのお楽しみですが、このような弁護士にならないよう精進したいと思います。

少し前まで、裁判の長期化が社会的に問題視され、これを是正すべしとして、様々な試みが行われていたように思うのです。しかし、私が知らないだけかもしれませんが、現時点では、そのような様々な試みがあったことなど忘れ去られてしまったような気がしています。というのは、弊事務所が関与している事件でも、訴訟事件はおしなべて時間がかかっているからです。

これは何が問題なのでしょうか?

私は、現在の訴訟実務の『運用』に問題があるのではないかと思っています(どちらかというと弁護士サイドからの反省です。)。

具体的に述べると、一部に例外はあるものの、実務では、民事訴訟の口頭弁論で、当事者が華々しく論争をするなどということはまれで、単なる書面の交換の場と化していて、せっかく当事者が揃うのに、訴訟の争点の詰め(主張整理)が行われることなどほとんどありません。もちろん、口頭弁論という公開の法廷で行われる手続で争点整理をするのはそもそも無理があるということで、手続上は、非公開の部屋で、裁判官と当事者が頭を突き合わせて主張整理をする弁論準備期日というものがあるのですが、これも、書面を交換して、「次回は原告/被告が反論してください。」という場合が多く、裁判官から質問があっても、「それでは次回期日までに書面で明らかにします。」などと代理人弁護士が答えて、何のためにわざわざ裁判所まで来て手続を行っているのか、意味がないようなことも多いのです。

さらに、通常、期日の1週間前に準備書面等の書面提出期限が定められ、裁判官及び当事者が期日の予習をする時間が与えられますが、期限を守らなくても特に法的なサンクションがないため、書面が期日ギリギリに提出されることも多く、期日で、「先ほど、書面を受領したばかりで、まだ十分な検討ができていません。」などということになる場合も多いのです。

そして、何より、訴訟における期日は、1ヶ月から1ヶ月半に1回という非常に遅いペースなので、主張が原告と被告間で3巡ぐらいして争点が明確化するまでに6か月ぐらいかかり、それから証人尋問をしようとしても、法廷がとれないなどの事情により23か月くらいかかり、さらに裁判官が判決を書く時間として23か月かかるので、判決までには、どうしても1年ぐらい経ってしまいます。むしろ、その間に和解が試みられるのが普通ですから、1年で訴訟が終われば早い方でしょう。

このような状況について、私は、とても危機感を持っています。我々がクライアントから受ける不満とか感想で最も多いのが、「裁判は時間がかかりますね。」です。全然、現代のスピード社会についていけていません。これでは、我々弁護士がもっとも活躍しなければならない『裁判』が、利用されなくなってしまうのではないでしょうか?

最近、弊事務所では、萩原弁護士を中心として、労働審判に力を入れています。この労働審判では、解雇無効や、サービス残業等の労働紛争が争われるのですが、実務の運用では、
①第1回期日までに申立人と相手方の双方に、主張と証拠をできるだけ提出させる。
②期日では、当事者や主要な証人(担当者)を同行する。
3回の期日までで裁判官、労働委員2名は、当事者双方から聴き取り、心証を形成し、審判を行う。
という手続的な特徴があります(なお、労働審判に不服がある場合は、異議申立てをすれば、労働審判は効力を失い、労働審判手続の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされ、通常訴訟に移行することになります(労働審判法第21条第3項、第22条第1項)。そのような形で、当事者の手続保障がなされています。)。

何が良いかというと、可能な限り、第1回期日までに主張を尽くし、証拠を提出してしまうので、とてもスピーディーであることと、当事者を連れて行き、対席の場で裁判官等がわからないところを質問していくので、争点整理と証拠調べを同時に行っているようで非常に効率的であることと、さらに、審理の過程を当事者に見せているので、当事者にとっても事実関係がよくわかり、裁判官の心証もおおよそ推察できる状態になることです。したがって、和解も促進されやすいということがいえますし、実務感覚として、たとえこちらに不利な結論が出たとしても、クライアントの満足度は非常に高いように思います。

少々乱暴な意見かもしれないのですが、私は、基本的に全ての民事事件は、労働審判型の審判を前置するようにして(ただし、消費者金融の貸金返還請求事件や、実質は保証会社が主体となっている建物明渡請求訴訟など類型化できるものはどんどん類型化し、労働審判型の手続が合わないときは外すなど、その特質に合わせた運用をする。)、そこで決着がつかないような事件のみ、通常訴訟に移行すれば良いのではないかと考えています。

このように主張すると、やれ弁護士の負担が多くなるとか、裁判所の負担が増えるというような批判が出そうなのですが、そもそも紛争解決システムとしての裁判が多くの人から利用されて有効に機能しない限り、弁護士の仕事がなくなるおそれもあるし、裁判所もプレゼンスが弱くなるので、ダメな現状を追認するのではなく、弁護士や裁判所の負担が増えても、現状を変えていくような方向に向かわないといけないように思います。

遅々として進まない訴訟事件のファイルを眺めながら、以上のようなことを考えている次第です。



司法殺人 元裁判官が問う歪んだ死刑判決

私は、著者の森炎(もりほのお)弁護士(元裁判官)と面識がある。私が司法修習生だったとき、青森で実務修習をさせていただいたが、そのときの青森地裁民事部の右陪席裁判官が森さんだったのだ。残念ながら、私の民事裁判修習が始まる直前に、ちょうど退官されたので、森さんから直接教えを受けたことはない。ただ、懇親会等でご一緒させていただいたときなどには、森さんから気楽に声をかけていただいたので、とてもフランクなイメージがある。また、たしか当時社交ダンスをされていて、すらっとしていて、髪を油で固められていて、とてもダンディーで格好良かった(今でもきっとダンディなのではないかと思う。)

その森さんが最近新書で刑事裁判の本を立て続けに出版していたので(幻冬舎新書『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか-変わりゆく死刑基準と国民感情』、幻冬舎新書『量刑相場 法の番人たちの暗黙ルール』)、少々気になっていた。この本は、新書ではなく単行本であるが、「司法殺人」というインパクトのある題名に惹かれて、手に取った次第である。


読後の感想としては、非常におもしろい、というかとても考えさせられた。

3つの事件が取り上げられているが、いずれも詳細に記録が検討されていて、非常に突っ込んだ内容であるが、とてもわかりやすく書けている。職業裁判官の考え方がリアルに述べられているし、第一発見者と犯人の区別、内部犯と外部犯の区別、自白の任意性、秘密の暴露、「疑わしきは罰せず」ということの本当の意味も良く書けていて、「目からうろこ」という感じがした。裁判員制が採用された今日、一般の人にも読んでもらいたい本であるが、「裁判員制」などと固いことを考えなくても、とても興味深い本であると感じると思う。

続きを読む


ウイズダム法律事務所は、本日(2012年8月13日)から中央区銀座4-10-10銀座山王ビル6Fにある銀座事務所で業務を開始しました。

IMG_0769

エレベーターを降りて、事務所入り口の部分。沢山のお花を頂きまして、ありがとうございます。

IMG_0776

事務所が入っている銀座山王ビルです。晴海通り沿い、三原橋の交差点に面した好立地です。奥にはデパートの三越が見えます。

IMG_0777

ちなみに、一番の最寄駅は東銀座駅で、A2出口を出るとすぐ前にあります。交差点の反対側には歌舞伎座がありますが、現在はこのように立替え中です。

IMG_0779

事務所の会議室の1つです。モニターとホワイトボード完備で、充実した会議ができますよ。

IMG_0780


会議室の窓から見た三原橋交差点と晴海通りの風景です。ちょっとわかり難いかもしれませんが、奥に見えているのは勝どき橋になります。



↑このページのトップヘ