1 はじめに

 建物の賃貸人・管理会社・保証会社の担当者の方の多くは、「賃借人が賃料の滞納を続けるため賃貸借契約を解除したにもかかわらず、一向に退去しない」とか、「夜逃げ同然で既に本人はどこかに行ってしまったのに、部屋の中はそのままの状態でとても明け渡しを受けたといえるような状態ではない」という事件を経験したことがあるかと思います。このような場合、裁判(建物明渡請求訴訟)を提起して、判決を取得したうえで、さらに、建物明け渡しの強制執行をしなければなりませんが、実際に裁判を提起してみると、裁判の提起から明け渡しの強制執行を終えるまでに6カ月とか1年とか、かなりの時間がかかってしまうため、「やっぱり裁判は割にあわないな」などという印象をもたれた方も多いかと思います。

 これはある面で仕方がない面があります。なぜなら、裁判は国家権力の発動によって権利の実現を図る制度ですから、逆の立場にいる人々、つまり、義務を強制される側にも配慮して、慎重に審理する必要があるからです。よく言われるように、実際に「裁判には時間がかかる」のです。

 しかし、建物明渡請求事件の多くは、賃借人の賃料不払い、賃貸借契約の解除といった事実関係に争いはなく(したがって、賃借人の明渡義務は比較的簡単に認定することができる。)、ただ、訴訟『手続』や強制執行『手続』を進めるために時間がかかっているという側面が多分にあります。したがって、賃貸人(原告・債権者)の代理人である弁護士側の工夫次第で、建物明渡請求事件の処理にかかる時間をある程度は縮めることができます。

そこで、以下では、建物明渡請求事件の手続について簡単に説明するとともに、これを迅速に処理するために弊事務所が実践している工夫についても記載したいと思います。


2 「訴訟手続」と「執行手続」

 よく誤解されている方がいますが、賃貸借契約を解除したからと言って、裁判所に行けば、直ぐに執行官が出てきて、建物明渡の強制執行をやってもらえる、というわけではありません。その前に、まず、裁判(訴訟手続)を経て、賃借人に建物の明渡しを命じる判決(勝訴判決と言えばわかりやすい。)を取得しなければならないのです。

 何故、このような迂遠な制度になっているかというと、それは、(もちろん当事者は明らかなのですが)賃借人が本当に賃料を支払っていないのかとか、賃貸借契約が適法に解除されたのかとか、まだ賃借人が建物を占有しているのかとかいう(建物明渡請求権を認定するための)事実の存否については、第三者にはよくわからないので、国家権力(裁判所の執行機関)によって強制的に賃借人を部屋から退去させる前に、中立公正な第三者(裁判所の判決機関)によってこれを確認する作業が必要だと考えられているからです[注1]。そのため、強制執行の申立てをする際には、確定判決等のいわゆる「債務名義」と言われている書類を添付する必要があるとされています(民事執行法第22条参照)。

 したがって、建物明渡請求事件を処理するためには、まずは、建物明渡請求訴訟を提起して、その訴訟手続を迅速に進めなければならないということになります。

3 訴訟手続の迅速化の工夫

(1) 訴訟提起前

 当たり前のことですが、法律事務所からすると、クライアントから相談を受けてから、一刻も早くしっかりとした訴状を裁判所に提出することが、訴訟手続を迅速に進めるための第一歩です。そのために、弊事務所では、次のような工夫を行っています。 

①    クライアントに相談にいらしていただく前に、クライアント側で用意していただきたい書類(賃貸借契約書・賃貸借部分の図面・駐車場賃貸借契約書・建物登記簿謄本・賃借人の入金の記録・交渉経緯について記載した書面・解除通知書・会社謄本等々)の一覧表を事前に交付して、相談の効率化を図っています。 

②    建物明渡請求事件の種類(賃料不払か用法違反か、催告解除か無催告解除か、夜逃げ案件か、駐車場はあるか、明渡遅延損害金の額は賃料の1倍か2倍か等々)ごとに訴状の雛形を作成しておいて、訴状作成のスピードアップを図っています。 

③    事件の種類ごとに雛形を作成していても、個々の案件には、それぞれ特徴がありますので、どうしても雛形におさまらない加工(カスタマイズ)が必要になってきます。そこで、過去に扱った事件をそれぞれの特徴ごとにデータベース化し、新件の訴状作成に活用しています。 

④    被告の住所の記載が1か所間違っていた、未払金の合計金額が間違っていた等のミスがあると、後日、訴状を訂正する必要があり、その分、手続きが遅滞していきます(訂正するまで、裁判所は後記(3)で述べる送達手続を実施してくれません)。そのため、ドラフトした訴状については、弁護士及びパラリーガルによるダブルチェックを徹底しています。 

 これにより、弊事務所では、相談を受けてから、(代理人として、賃貸借契約の解除通知を送付する必要があるなど特別な事情がない限り)5営業日以内に、裁判所に訴状等を提出して、訴訟提起を行うようにしています。

(2) 訴状審査・第1回口頭弁論期日の指定

 裁判所の受付に訴状を提出すると、事件番号が付され、それぞれ担当する部に配転され、裁判官による訴状審査が行われます。その訴状審査をクリアーすると、裁判所書記官から事務所に電話があり、約1ヶ月くらい後の開廷日について第1回口頭弁論期日が指定されることになります。

 しかし、この訴状審査が、建物明渡請求事件の時間管理における最大のクセ者です。というのは、担当する裁判官・書記官によっては、なかなか訴状審査を行わず、平気で10日くらい経過してしまうことがあるからです。弊事務所の経験からいうと、不思議なことに、東京地裁のような事件の多い裁判所では、比較的このようなことがなく、事件があまり多くはないと思われる地方の裁判所の方が訴状審査が遅い傾向があるようです(地方の裁判所は人手不足なのかもしれませんし、地方の裁判所の支部などでは、そもそも裁判官が勤務している日が限られていることが影響しているのかもしれませんが、原因は不明です。)。

 そこで、弊事務所では、原則として、訴状提出から3営業日が経過したら、「第1回口頭弁論期日の日程の打ち合わせをしたい。」などと口実を作って、裁判所の担当書記官に電話を入れるようにしています。この時点では、まだ書記官が訴状審査に着手できていないこともよくありますが、そのような場合には、「あまり事実関係には争いがない単純な案件ですので、早めにお願いします。」などと言ってプレッシャーをかけます。実務では、このような些細な努力が結構重要だったりします。

 なお、第1回口頭弁論期日は、裁判所から提示される候補日のうち、もっとも早い日を指定してもらうようにすることについては言うまでもありません。夏休みや正月休みを挟むような時期には、2ヶ月くらい後の日を候補日として打診されることもありますが、そのような場合には、「もう少し早いところで入れられませんか。この案件、6ヶ月も賃料が支払われていないので、かなり急いでいるので。」などと交渉して、可能な限り、第1回口頭弁論期日を早めます。

(3) 「送達」について

 前述のとおり、建物明渡請求事件の場合、未払の賃料の額、賃貸借契約解除の通知、それ以降の不法占有、等の主要な事実にはほとんど争いがありません。また、賃借人の方でも、答弁書を提出せずに、かつ、第1回口頭弁論期日に出頭しないのが通常です(きっと、出頭しても何も言い訳できないし、和解するようなお金もないから、ギリギリまで放っておこうというのが実情だと思います。)。したがって、大部分の案件は、第1回口頭弁論期日で、(専門的に言うと擬制自白が成立して)結審され、1週間から2週間後に設定される第2回期日に原告勝訴の判決の言渡しとなります。したがって、審理自体にはさほど時間がかからないのです。 

 しかし、ここにネックがあります。それは、審理に入る前の「送達」です。「送達」とはなにかというと、訴状を裁判所に提出して、前述の訴状審査が終わり、第1回口頭弁論期日の日程が決まると、裁判所書記官は、原告から提出された訴状(副本)や書証(証拠)を、第1回口頭弁論期日の呼出状とともに、被告に送ることになります。この「送る」ことを「送達」というのです。被告に届いたことを「送達できた」などと言いますが、法律上は、この「送達できた」状態にならないと、裁判(審理)を開始できません。

 このように言うと、建物明渡請求訴訟では、被告が住んでいる場所(=物件の所在地)はわかっているので、何故送達ができないのか不思議に思うかもしれませんが、賃借人が意図的に訴状を受け取らなかったり、そもそも夜逃げをして居場所がわからなかったりして、この「送達」ができないことが多いのです。この「送達」をどのようにして早めるかが建物明渡請求事件の一番の肝なのです。

 ここで、通常、裁判所の送達がどのようになされるかを理解しておく必要があります。 

 民事訴訟法上、訴状等の送達事務は裁判所書記官が行うことになっています(民事訴訟法(以下「民訴法」という。)第98条第2項)。「裁判所書記官」と言われてもピンとこないかもしれませんが、個々の裁判官には、事務的な仕事を補佐してくれる秘書のような人が付いており、これが「裁判所書記官」です[注2]。 

一般に、裁判所書記官は、まず、訴状に記載されている被告の住所地に宛てて、訴状等を発送[注3]します(民訴法第103条第1項)。

 もし、訴状等が「不在」を理由に戻ってきた場合には、休日を指定して送達したり、それでも送達ができないときは、原告代理人に上申書を提出させて、被告の勤務地に訴状等を送ることになります(民訴法第103条第2項)。

しかし、そのような被告の住所地に宛てた通常の送達、休日送達、就業場所への送達ができないときは、郵便に付する送達(民訴法第107条)を実施することになります。郵便に付する送達は、被告の住所地に被告が居住していることが明らかな場合に実施されるものであり、この送達は、発送した時に「送達ができた」という効果が発生します(民訴法第107条第3項)。したがって、被告が不在がちだったり、部屋の中にはいても居留守を使って訴状等を受領しないときには、とても効果的な送達方法ということができます。

 これに対して、訴状等が「宛所に尋ね当たらず」を理由に戻ってきた場合には、公示送達(民訴法110条ないし113条)を実施することになります。公示送達は、被告の住所地、居所、就業場所が不明なときに、裁判所の掲示板に、訴状と呼出状を掲示して行われるもの(民訴法第111条)で、掲示を始めた日から2週間経過したときに「送達ができた」ことになります(民訴法第112条)。裁判所の掲示板などほとんど誰も見てはいないと思いますので、多分に擬制的な制度なのですが、このような制度がなければ、いつまでたっても「送達」ができず、裁判が始められないので、やむを得ず認められている制度なのでしょう。

 この「郵便に付する送達」とか「公示送達」は、実際に被告本人が訴状等を受け取ったことを裁判所が確認しないまま「送達できた」ことを認める制度ですので、裁判所としては、結構神経質になります[注4]。原告側に対して、被告の住民票の取り寄せを要求するのは当然のこととして、現地調査を行い、部屋の外観(窓から住んでいる様子がわからないか、洗濯物が干していないかetc.)、いわゆるライフラインの状況(電気、ガス、水道は供給されているか、止められていないか)、近所の人への聞き込み等により、被告である賃借人が、その建物に居住しているか否かについて報告書を作成し、その報告書を添付した上申書の提出を要求されるのです。

 では、このような送達の実務を前提にして、弊事務所が行っている工夫について説明したいと思います。

 一般的に言うと、裁判所書記官は、原告側が訴状提出の段階から「被告は夜逃げしており、(賃借していた)建物には居住していない。」というような上申書を提出したとしても、それが本当のことか否かはわからないので、まず、訴状記載の被告の住所地(建物明渡訴訟では、賃借していた建物の住所地の場合がほとんどでしょう。)に訴状等を送付します。ここまでは変えようがありません。しかし、その後、休日送達をするか、就業場所への送達をするか、それらを省略して、いきなり郵便に付する送達をするか、公示送達をするかについては、ある程度原告代理人の意見を聞いてくれます。

 そこで、弊事務所では、送達について問題が生じそうな案件の場合は、最初の送達は訴状記載の被告の住所地宛に行われることは承知しつつ、戦略として、訴状提出の段階から、調査報告書添付の上申書を提出して、裁判所書記官に注意を促しておきます。そして、期日の日程の打ち合わせの際に「この賃借人は、我々が内容証明を出しても、全て不在による留め置き期間経過により返送されてきているし、現場に行っても、中にいることは明らかなのに出てこないので、訴状等は受け取らない可能性が高いです。働いてもいないようで、郵便に付する送達になる可能性が高いと思います。そこで、1回目の送達が不成功になったら、すぐに改めて上申しますので、お電話をいただけないでしょうか?」とか、「実は、部屋の中に残置物が多かったので、訴訟を提起せざるを得なかったのですが、賃借人自身は、すでに夜逃げをしていて、建物には居住していません。住民票を取り寄せてありますが、住所を移していないので、現在どこにいるのか行方不明です。公示送達になる可能性が高いので、第1回目の送達が失敗に終わったら、すぐに上申書を提出しますので、お電話いただけないでしょうか?」とか話しておくのです。これにより、休日送達等の無駄な送達を省略して、時間を短縮することができるのです。

 このようなコミュニケーションを書記官ととっていないとどういうことになるかというと、期日直前になって書記官から、「まだ送達できていません。」などと電話がかかってきて、第1回口頭弁論を1か月後ぐらいに延期しなければならなかったり、甚だしい場合は、第1回口頭弁論期日に出頭したときに、その場で、裁判官から、「まだ送達できていないので、今日は審理できませんね。次回期日を指定します。」などと言われてしまうのです。

したがって、建物明渡請求事件においては、「送達」について、書記官とのコミュニケーションを十分に図っておくことが重要[注5]なのであり、弊事務所では、書記官に「ウイズダム法律事務所」という名前を覚えてもらうような覚悟で毎回接するように心がけているのです。

(4) 和解について

 稀な例ではありますが、たまに、裁判所外で賃借人が○年○月までに退去するなどと申し入れてきて、裁判手続の中で和解を成立させることもあります。そのような場合、弊事務所では、既に何十件も実績を積んでいますので、必ず期日までに条件を詰め、期日には和解条項(案)を持参し、その期日において和解を成立させるように心がけています。 


(5) 建物明渡強制執行について

 建物明渡強制執行は、①強制執行の申立て、②執行官との打合せにより明渡催告日を決める、③明渡催告の実施、④明渡断行の実施、という流れで進みます。この中で、注意すべき点は次のとおりです。 

① 判決が出たら、直ちに強制執行の申立てをすることが望ましいのですが、申立てに必要な賃貸人の委任状や(賃貸人が法人の場合の)資格証明書が手元になかったり、判決に執行文が付与されていなかったり、判決送達証明書が取得できていなかったりすることが多いのです。一般に弁護士は忙しいので、どうしてもこのような事務的な作業が遅れがちになります。そこで、弊事務所では、この辺の作業が自動的に処理できるようマニュアルを作成し、事務局が効率的に強制執行の申立てに必要な書類の整備を行うようにしています。強制執行の申立ての際には、1件7万円~10万円の予納金を裁判所に納めなければなりませんが、その仕事も事務局が行います。  

② 次に明渡催告日については、(当然のことではありますが)早い期日を入れてもらうようにしています。法律事務所によっては、明渡催告の際に弁護士は立ち会わず、事務局を立ち会わせているところもあるようですが、現場では何が起きるのかわかりませんので、弊事務所の場合は、全件弁護士が立ち会うことにしています。現場に賃借人がいれば、弁護士から任意の退去を促すことになります。

③ 明渡断行日における注意点は、いわゆる夜逃げ案件の場合などには、残置物について執行官に無価値認定をしてもらうようにしています。執行官に無価値と言っていただかないと、執行業者は、残置物を執行官が指定する1か月くらい後の売却期日まで倉庫で保管しなければならず、それまで執行が終わりませんし、倉庫の保管費用もクライアントにかけることになるからです。

 ただ、現実に(元)賃借人がまだ生活している建物に、明渡断行をする場合には、執行官も搬出する家財道具等の動産について無価値認定はしてくれません。その場合には、倉庫に保管される家財道具等がはやく売却されるように執行官に可能な限り早い日を売却期日に指定してもらうよう交渉することになります。

④ なお、上記のように、明渡断行を行う際には、執行業者を連れて行かなければならず、その費用は、債権者(賃貸人)側が用意することになります。もちろん、後日債務者(賃借人)に対して請求することができますが、債務者(賃借人)はお金がないのが通常ですので、回収は期待できないでしょう。この執行業者に支払う費用は、残置物の量等によって異なりますが、現実に人が住んでいる建物に明渡断行をかけるとすれば、感覚として、一人住まいのワンルームマンションであれば、40万円くらい、一家四人が住んでいる100㎡ぐらいのマンションであれば100万円を超えることもある、という感じです。したがって、賃貸人によってはかなりの負担です。何カ月も家賃を滞納されて、弁護士費用まで支払って裁判と強制執行を行い、挙句の果てに執行業者に対して40万円~100万円も支払わなくてはならないということは、まさに「泣きっ面に蜂」状態なのです。弊事務所では、いくつかの執行業者と一緒に仕事をしており、クライアントにとって最も価格競争力があり、適切に業務を遂行できる業者を選ぶことができることを最後に申し上げたいと存じます。

注:

[1] したがって、既に裁判所の即決和解手続を経ることにより、賃借人の明渡義務の存在が明らかになっている場合には、訴訟手続を経ることなく、即決和解の調書を添付することにより、建物明渡の強制執行をすることができます(民事執行法第22条第7号、民事訴訟法第267条)。

[2] ちなみに、検察庁では、個々の検察官を補佐するのは「検察事務官」と呼ばれます。法律事務所では、特に法律上の呼び名があるわけではありませんが、「事務員」「秘書」「パラリーガル」「スタッフ」などと呼ばれます。(豆知識)

[3] 実務においては、大部分が郵便による交付送達(実務では「特別送達」と称されます)であり、日本郵便(郵便局)が利用されています。

[4]  場合によっては、裁判所書記官が、本来「郵便に付する送達」や「公示送達」が可能でないにもかかわらず、それを行ったとして、国が損害賠償請求をされるリスクがあります(過去に、最高裁まで争われた事件もあります)。

[5]  本文で述べてきましたとおり、送達事務は裁判所書記官が司っております。大枠の法律や規則はありますが、実際の運用は、各裁判所の書記官によって区々です。例えば、ほとんどの書記官は、訴状等の返戻理由を重視し、「不在」であれば、再度送達を試みようとします。郵便局員が「不在」(居住しているが不在)の理由をつけて裁判所に返送すると、原告代理人がどんなに「居住していません。夜逃げです。」と言っても、直ちに公示送達の手続をとってもらえず、再度同所に送達します。ただし、中には、再度送達をせずに、原告代理人からの報告書を重視して、公示送達を行ってくれる書記官もいます。

 送達の運用については立法的手当てが必要であると考えておりますが、現在のところ、その事件の担当書記官の運用に応じて、原告代理人弁護士が柔軟に処理することが求められているといえます。

今後も、いかに早く送達手続を実現するかという点については研究を積み重ね、書記官への働きかけを続けていきたいと考えております。例えば、最初から休日送達(休日送達は2回郵便局が訪問して交付を試みます)を実施すれば、再度同所への送達を経ることなく付郵便送達や公示送達をしてくれる運用も過去にありましたので、そのような処理をしてもらえるかの交渉を実践するなどです。


弁護士 飛田 博
2011年11月11日