オリンパス事件は、どんどん進行していきますね。
今日(1月9日)の日経新聞の朝刊には、8日に、オリンパスが、菊川前社長らに損害賠償を求めて東京地方裁判所に訴訟を提起したことが載っています(8日は日曜日なので、裁判所の宿直の窓口に訴状を提出したということなのか、郵便で訴状を裁判所に発送したということなのか、それとも先週中に訴えを提起して、そのことを8日に発表したということなのかちょっと記事からではわかりません。)。損失隠しに関する新旧取締役の責任を調べていた取締役責任調査委員会がまとめた報告書を踏まえて提訴したということのようです。
注目すべきは、訴えを提起した対象者として、損失隠しを主導したと言われている菊川氏、森前副社長、山田前監査役の他に、「高山修一社長〔中略〕も対象としたももようだ。」と書かれている点です。
この記事にもあるとおり、高山社長は、「経営債権にめどをつけたうえで、自身を含む現経営陣が交代する方針を示している。」ところであり、少なくとも、3月~4月に開催予定の臨時株主総会までは、オリンパスの代表取締役(及び取締役)にとどまり、同社の改革案(原案)を作成していくことが予定されています。そうすると、過去の損失隠しに責任のある人が改革案(原案)を作成していくということになり、その正当性に疑問が生じないのかなという気がします(経営改革委員会でチェックするといっても、経営改革委員会の委員の人選もオリンパスの現取締役会で決められたものですので・・・)。可能性としては、高山社長の責任は、損失隠しを見破れなかったことであり、損失隠しを主導していた人たちほど責任は重くないので、しっかりした改革案を作ることはできるというような説明なのでしょうか?
「オリンパスは報告書の全文と提訴の内容などを10日に開示する」ということですので、このあたりをオリンパスがどのように説明するかがポイントとなりそうです。