無題

いろいろ意見のある本ですが(アマゾンのレビュー欄参照)、私としては、法律家が書いた本にしては、『読める』本であり、最初から最後まで面白く読ませていただきました。

特に、我が国の労働法を、①厳格な解雇規制を中心にしつつ、②でも期間雇用の規制は緩い、③残業に関する規定も緩い、④退職勧奨は自由にできる、⑥配置転換に関する規制も緩い、と説明する手法はわかりやすいと感心しました。

また、正社員を解雇すると2000万円かかるとか、裁判所はほとんどパワハラを認めないとか、非常に歯切れがよくて、使用者サイドの弁護士の視点が良く出ていて、この点も素晴らしいと思いました。

一般書なので、わかりやすいさを重視して、多少正確性を犠牲にせざるを得ないところがあり、その点が批判の対象になっていますが、労働法と労働実務のイメージを掴むにはとても参考になる本ですので、労働法に興味のある方には、是非お勧めします。

2012年3月に出た本ですので、その後の有期契約の無期化等の改正はフォローされていませんので、ご注意ください。