今日(2014年10月6日)の朝刊3頁に、「倒産、5カ月ぶり増」「9月 円安で原料高、中小直撃」という見出しの記事が出ています。この記事の趣旨は、東京商工リサーチのまとめによると、原材料高による倒産が今年に入ってから増加基調で、6月からは毎月20件を上回り、8月までで167件で、すでに昨年1年間の実績を上回っている、そして、その大半が、コスト高の転嫁が容易でない中小・零細企業だ、というものです。

ただ、私がちょっと気になったのは、次の部分。

一方で今年の全体の倒産件数はこれまで4月を除いて前年同月比で減少が続いており、件数自体もバブル経済以来の低い水準だ。今年は全体の倒産件数が9月分を含めて累計7500件程度となっており、1990年以来24年ぶりに1万件を割る可能性も出てきている。全体の倒産件数が減る中で原材料高による倒産の増加が目立つ格好となっている。


私は、破産管財人の仕事もしておりますが、常時2~3件くらい裁判所から依頼があったのに、今は1件あるかないかです。数年前とは明らかに事件数が減っていることを実感しています。裁判所の統計的にも破産事件は減少している(この記事中のリンクを参照)。ついちょっと前までは、ゾンビ企業が生き残っているだけで、そのうちまた増えるといわれていましたが、本当に経済のことはわかりませんね。

倒産件数が減少することは日本国民的には非常に良いことですが・・・