私は、中小のIT企業のクライアントが多いので、今国会で審議される予定の労働者派遣法の改正案についてとても注目しています。
というのは、これまでは、IT技術者の派遣は、特定労働者派遣事業として、届出制のもとで行うことができましたが、改正後は、一般労働者派遣事業として、許可を取得しなければならなくなり、しかもその許可の条件が中小のIT企業にとっては簡単にクリアーできるものではなく、(良いか悪いかは別にして)業界に与える影響かかなり大きいと考えられるためです(詳しくは過去記事をご参照ください。)。

で、この労働者派遣法の改正案は、今年の3月の通常国会で審議されましたが、なんと厚生労働省の担当者が、罰則規定について「1年以下の懲役」と書くべきところを、「1年以上の懲役」と間違って記載してしまったため、野党から「国会軽視」という反発があり、修正ではだめで、新らたに提出しなおすべし、として廃案になってしまいました。(過去記事をご参照ください。)

内閣(厚生労働者)としては、捲土重来を期すということで、今国会で派遣法の改正を成立を目指しているのですが、ここにきて、小渕大臣と松島大臣が辞任したことが障害となっているようです。以下、昨日の日経新聞朝刊4頁の記事から抜粋です。

野党各党は21日、小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相の閣僚辞任を受け、国会で攻勢を強めた。閣僚交代を理由に衆院本会議での法案審議に反対し、そのあおりで労働者派遣法改正案の審議入
りは28日に先送りになった。

 野党が共闘姿勢を強めた背景には、それぞれの思惑がある。民主党は派遣法改正案を廃案に追い込みたい考え。同法案は派遣社員の受け入れ期間を事実上撤廃する内容で、民主党の最大の支持団体である連合が「非正規雇用者を増やす恐れがある」と反対している。
 与党が3日を想定していた同法案の審議入りは「玉突き」で28日となり、首相が国際会議への出席で日本を離れる11月中旬前に参院で審議入りする日程は微妙となった。民主国対幹部は「与党が強行採決しない限り今国会での成立はできなくなった」と笑顔をみせた。

ん~ん。私は、労働者派遣法の改正案に賛成というわけではないのですが、あまり本質的でないことを理由に法案を廃案にするのはいかがなものかと・・・