よくプロの将棋で、「悪くなる前に考えろ!」ということが言われるのですが、これは訴訟などを受任する場合も同様に当てはまることだなと、つくづく思います。
私は、今年で弁護士19年目ですが、19年も弁護士をしていると、訴訟の受任をする際に、だいたいこのあたりが弱そうで、ここのあたりが争点になるな、ということがわかります。
その際に、これは相手が気付くかわからないし、立証責任は相手の方にあるから、指摘されたら考えればいいや、などと自分に都合よく考えるのは最悪です。
だいたい相手も弁護士が代理人となっているわけで、考えるところは同じですから、当初問題になりそうだな、と考えたところは、70~80%の確率で相手方に突かれることとなります。そのときに、何も反論ができないようであれば、もう遅いのであり、それこそクライアントから「悪くなる前に考えろ!」と言われてしまいます。
問題になりそうなところは、事前にきちんとリサーチするなり、証拠を集めて事実関係を確定するなりしておかなければなりません。
プロ棋士のように何十手も先を読む必要はありませんが、少なくとも三手くらいは先を読みたいですね。
もちろん、当初想定していなかった思いもよらない論点や証拠がでてくるということもあるので簡単にはいきませんが・・・