村上春樹さんの『1Q84』のなかに出てくる言葉です。
残念ながら、どのような文脈で出てきた言葉なのか忘れているのですが、この言葉自体がとても印象に残っています。

弁護士の仕事は、説明することが大きな部分を占めますが、ときに、いくら説明してもダメ、という場面に当たることがあります。

そのような場合、本人は既に説明されなくても、説明される内容をわかっている場合がほとんどなのですが、そんな説明は認めたくないという気持ちが強いため、説明しても分からないのです。


では、「説明しても分からない人」に出会ったときはどうすれば良いか?
その人の立場にもたって、観点を変えて説明してみる、というものもありますが、そのような努力は既に終えているという前提で考えると、
(1) 相手にしない
(2) どうしても相手にせざるを得ないときは、
    ① あくまでも正義を追及して、裁判などのという強制力を使って、こちらの言い分をきかせる
    ② 裁判などは時間もコストもかかるし、いろいろと遺恨も残るので、ある程度譲歩して、あまり揉めないように処理する
とうような選択肢が考えられますね。

(2)を選択せざるを得ない場合、弁護士は(2)①を勧めるでしょうが、日本人の「和」の精神の影響か、(2)②が選択されることも多いように思います。

ただ、私たち弁護士の商売にはなりませんが、出来るだけ(2)の選択に追い込まれないように、常に(1)を選択できるようなポジションを維持することが理想だと思います(笑)。