著作権という単語は、IT業界においても日々、耳にしますが、具体的に法律的な話となると、よくわからないという人も多いかと思います。そもそも、著作権とは一体どういった権利なのでしょうか。

ごくごく簡単に言うと、絵画だとか、音楽だとか、何かしらの「創作」をした人に対して与えられる権利と言うことができます。これは、特許などとは異なり、何の手続もなく権利が発生するため、企業だけではなく、一般人の方にも、日々、様々なシチュエーションで、権利が発生していることになります。身近なところでは、会議中、メモ用紙の端に書いた落書きなんかにも、ひょっとすると権利が発生しているかもしれません。

また、IT業界に関係が深い「創作」としては、プログラムがありますよね。もちろん、プログラムにも著作権が発生することがあります。そこで、今回は、プログラムと著作権の関係について、簡単にお話できればと思います。

1.
 プログラムと著作権

IT
の世界では、プログラムのソースコードや、実行コードなどに、著作権が発生することがあります。「ことがある」といったのは、発生しないこともあるからです。

なぜかと言いますと、著作権法は、アルゴリズムなどのアイデアを保護しないため、”ほぼ、アイデアをそのままソースコードにしたコード(他に表現の余地のないコード)”などは、保護されません。初期化処理や、確立されたソート等のアルゴリズムには、著作権が発生しないことも多いかと思います。

また、創作といえるには、ある程度オリジナリティが必要となります。古今東西、誰が書いても同じようなコードになる、といった場合は、著作権が発生しません。

ただ、だからと言って、他人のソースコードのコピペは自由自在!かというと、そうではないのでご注意を。プログラムを保護する制度は、著作権法だけではなく、特許法や不正競争防止法、場合によっては民法などで保護されることがあります。

2.
 プログラムと権利者

会社でプログラムを書いた!俺は著作権者だ!・・・かと思ったら、そう世の中は甘くありません。というのは、職務で著作物を作るような場合、会社としては、社員ひとりひとりに著作権を主張されてはたまらないので、「職務著作」といって、会社が著作権者になるような制度が用意されているのです(著作権法第15条)。

ですので、業務上作成したプログラムは、多くの場合、会社に著作権があるということになるかと思います。

3.
 プログラムと映画

これまでの裁判では、プログラムの表示画面を「映画の著作物だ!」などと判断したものがあります。なんでプログラムが映画なんだ??、と思われるでしょうが、著作権法上は、映画と「類似」していれば、映画の著作物とされる、と規定されているのです(ただ、その場合も、ソースコード等は、プログラムの著作物として保護されます。)。
裁判では、一部のゲームソフトで、映画の著作物と認定されたものがあります。 広く知られている例では、当時のナムコが出したパックマンなどが、映画の著作物であるとされました。

ゲームは、画面上で様々な動きを見せ、BGMや効果音もあるため、映画に「類似」すると判断されたのでした。確かに、最近のゲームなどは特に、ゲームなのか、映画のPVなのか、よく分からないくらい動きのあるものが多くありますね。

簡単に、と言っておきながら長くなってしまいました(汗)。まだまだ、IT業界と著作権の話は、奥が深いです。また、折を見て、著作権のお話をさせていただければと思います。