昨日(2016年2月17日)の日本経済新聞電子版の帝国データバンク藤森徹さんの『東京の倒産件数増 アパレル不振と変調のシグナル』という記事がちょっと気になりました。平成10年以降、6年連続で全国企業の倒産件数が減少している中で、東京の倒産件数は2016年1月まで4か月連続で前年同月を上回ったとのことです。

この背景には、東京の地場産業のいうべきアパレルの不振と出版、印刷業の低迷があるとのこと。
この記事の分析では、倒産件数が減少する理由としては2つ。
一つはアベノミクスによる経済効果。
もう一つは、中小企業金融円滑化法による借金の返済猶予(リスケ)。
後者については、
金融庁が公表する『貸し付け条件の変更等状況』によると、09年に同法を施行してから13年に終了するまで、中小企業から年間約100万件を超える返済猶予の申し込みがあった。金融機関は97%以上の猶予を実行。同法の終了後も金融支援が続いており、倒産減少の大きな要因となっている。」とのことです。

それに対し、東京の地場産業たるアパレルの不振と出版・印刷業の低迷の原因は次のとおり。すなわち、アパレルの不振は、
①中国やアジア諸国での生産が進んでいるアパレル業界では円安誘導がリスクとなっている、
②訪日客も「メード・イン・チャイナ」と書かれたアパレルを買いたがらない、
③今シーズンの暖冬傾向によりコート、ジャケット等の重衣料の動きが悪かった、
ことが原因で、
出版、印刷の低迷は、「本離れ」や電子書籍の広がり、円安による輸入紙価格の高騰が原因とのこと。

私は、破産関係の仕事もしているので、倒産件数の動向についてはとても興味を持っています(仕事的には倒産件数が増えた方が良いのかもしれませんが、結局、トータルにみると世の中が不況になるのは仕事上もマイナスになりますね)。

近時のマイナス金利による経済の変調はかなり気になりますし、金融円滑化法のリスケで生きながらえている中小企業が、(競争力を回復していればよいのですが)今だそのままの状態(リスケを受けなければ生きながらえない状態)であるようであることにも気になります。

藤森さんは、「東京の倒産増加はこのところの減少傾向が反転する一つのシグナルかもしれない。今後の成り行きに注目したい。」とまとめていますが、私も同じ気持ちです。
東京の倒産増加が我が国の全国的な傾向にならなりませんように。