メルマガ及びブログ等でビットコインの記事を連載させていただいておりますが、分量も多くなり、記事の形ですと、ご覧いただく際、少々読みづらくなってきたかと思います。

そこで、ビットコインについて、Q&Aの形でまとめさせていただきました。今回は、その第1段をお送りいたします。

なお、本稿に記載された情報は、平成29年5月9日当時の情報です。ビットコイン等の技術発展はめざましく、時間の経過とともに、不正確となる情報が含まれ得ることを、予めご了承下さい。

 

Q1> ビットコインとは何ですか。

 ビットコインは、インターネットを介して送金可能な、仮想通貨の一種です。また、現時点(この記事を書いた平成29年5月9日時点)で、世界で最も取引量が多い仮想通貨です。

 「仮想」と言っても、ビットコインで代金を支払えるお店が世界中に登場しています(数はまだ少ないですが)。何より、ビットコインと現金(日本円、ドル等)を交換する取引所が多くできています。そのため、個人の方にとって、ビットコインの購入は、現時点において、「インターネット銀行で、外貨を買うようなもの」という例えが、一番近いかもしれません。

 また、最近では、日本でも大手の量販店がビットコイン決済を導入するなど、支払手段としても着々と普及しつつあります。

 

Q2> ビットコインは、従来の電子的な資金決済手段と比べて、何が特徴的なのですか。

  ビットコインは、大きく言えば、以下の特徴を有する仮想通貨です。

①暗号化技術が使われている

 →勝手に使われない。

②改ざん困難である

 →勝手に金額を書き換えられない。

③管理者が不要である

 →特定の会社に依存しない。

 この中で、従来技術と最も違う点は、③の点です。例えば、鉄道会社のICカードなどは、特定の鉄道会社が管理・発行していますが、このような管理者はビットコインには存在しません。ビットコインでは、管理者が存在しないにもかかわらず、安全に取引が行える仕組みが導入されています(ブロックチェーンと呼ばれる技術により、これが可能となります。)。

 管理者がいないということは、極端な話、住んでいる国が破綻したとしても、ビットコインは残ります(そのため、電子化された金のようだとして、「デジタルゴールド」などとも表現されています。)。

 

Q3> ビットコインで、何ができるのですか。

 ビットコインは、送金先の番号が分かれば、インターネットを通じ、世界中の相手に対し、24時間、手数料は(ほぼ)0で、スマートフォンなどから手軽に送金することができます。

銀行が介在しないため、銀行口座は不要で、銀行への手数料も不要となります。特に海外送金などで、このメリットを享受することができると考えられます。「大きな額の送金だから窓口でしか対応できない。」などと言われることもありません。管理者がいないのですから。

 また、現在、ビットコインは、投資の対象として用いられています。ビットコイン・日本円の相場は、過去1年ほどで、約4倍(2016/5/9:1BTC=約5万円→2017/5/9:1BTC=約20万円)にもなっています(もちろん、暴落するときは、暴落します。)。さらに、実店舗での支払手段としても、徐々に導入されつつあります。

 その他、eコマースなどでは、クレジットカードを使わずとも、世界中の顧客と取引を行い、代金をビットコイン決済にて受領することが可能となります。

 

Q4> どのような方法により、ビットコインを入手できるのですか。

 ビットコインの入手方法としては、大きく分けて、以下の方法があります。

(1) 取引所で日本円と交換(購入)する

 →現在、日本では、日本円とビットコインの取引所が複数できています。ここに取引口座を開設し、日本円を入金した上で、ビットコインを購入する方法があります。相場は、外国為替同様、日々上下しています。

 →当然ビットコインを売却した場合は、日本円として出金可能です。

 →なお、この取引所に対する規制を定めたのが、仮想通貨法(資金決済法のうち仮想通貨に定めた部分の通称)です。

(2) 他人からもらう

 →この場合、銀行や取引所のような第三者を介する必要はありません。

(3) 採掘する(マイニング)

 →「採掘」(マイニング)と呼ばれる、ビットコインのシステムにとって必要な計算処理を行った対価として、ビットコインが得られるものです。ただし、膨大な計算を行う必要があるため、個人にとっては、現実的な方法ではありません(仮に高性能なコンピューターを用意したとしても、日本では、電気代の方が高くつくと言われています。)。

 

Q5> 具体的に、どのような方法で、ビットコインの受領・保管・送金をするのですか。

①前提知識

 ビットコインは、「ビットコインアドレス」と「秘密鍵」によって管理されます。「ビットコインアドレス」は、言わば、ビットコインの銀行口座番号です。「秘密鍵」は、言わば、暗証番号です。「秘密鍵」は、ビットコインアドレスからビットコインを送金するために必要となります。

②ビットコインの受領(ビットコインアドレスへの送金)

 例えば、あなたが、友達のAさんから、ビットコインを送ってもらう場合、自分のビットコインアドレスを指定して、Aさんにビットコインを送ってもらいます。

 Aさんの送金処理は、パソコンやスマートフォンによる操作が必要となりますが、お金を受け取る側は、パソコンやスマートフォンを立ち上げていなくとも、受け取りは完了します(極端な話、パソコン等がなくとも受け取りはできます。)。

 ビットコインを受け取る場合、受け皿となるビットコインアドレスを、予め作っておかなければなりません。ここで、中央管理者がいないビットコインにおいて、誰がビットコインアドレスを決めるのか?ということが問題となります。この点、ビットコインアドレスは、自分で勝手に決めて良いことになっています。具体的には、秘密鍵を決めれば、ビットコインアドレスが一意に決まります。

  秘密鍵(いわばパスワード)を勝手に決める。

    ↓特定の計算をする

  ビットコインアドレスが一意に決まる。

 勝手にビットコインアドレスを決めて、他人とアドレスが重複してしまうんじゃないのか、と思う方もいるかもしれませんが、ビットコインアドレスの組み合わせは、2の160乗通り(1,461,501,637,330,902,918,203,684,832,716,283,019,655,932,542,976通り)あるそうなので、事実上、重複しないという設計となっています。

※1 当然、ビットコインアドレスから、秘密鍵は、逆算できないことになっています。

※2 自分で秘密鍵となる文字列を決めて、ビットコインアドレスを計算することは通常なく、ソフトウェアがランダムで秘密鍵を生成し、ビットコインアドレスも自動で計算するため、この過程は、ビットコインを使う中で、あまり意識しないかもしれません。

※3 当然ですが、秘密鍵が分かると、ビットコインを移動できるので、他人に知られると、ビットコインを盗まれてしまいます。

③ビットコインの保管(ウォレット)

 ビットコイン(というより、ビットコインの秘密鍵)を保管しておく場所をウォレット(財布)といい、以下の種類があります。

 ●ペーパーウォレット

  →文字通り、紙にビットコインの秘密鍵を印刷して保管するものです。名付けるまでもないかもしれません。一番原始的な方法であるにもかかわらず、パソコンが壊れても、ビットコイン(の秘密鍵)は残るという非常に大きなメリットがあります(紙ですから。)。当然ながら、現金同様、火事や盗難などのリスクがあります。

  →ビットコインを送金するには、ソフトを使って、ビットコインのネットワークにアクセスしなければなりません。そのため、ペーパーウォレットだけでは送金できません。ペーパーウォレットで管理しているビットコインを送金する場合、一度、後述のソフトウェアウォレット等に、ペーパーウォレットに記載されたビットコインの秘密鍵を入力する手間がかかります。

 ●ハードウェアウォレット

  →専用の小型機械で、ビットコイン(の秘密鍵)を保管するものです。ペーパーウォレット同様のメリットが有り、ペーパーウォレットに比べると、機械自体にパスワードロックをかけられるものもあり、セキュリティーが向上します。ただし、機械故障→秘密鍵が分からなくなる→ビットコインが使えなくなる、というリスクはあります。

  →ハードウェアウォレットも、ペーパーウォレット同様、送金する場合は、ソフトウェアのウォレットに秘密鍵を入力するという手間がかかります。

 ●ソフトウェアによるウォレット

  →パソコン上のソフトや、スマホアプリでビットコイン(の秘密鍵)を保管するものです。

  →保管と同時に、ビットコインの送金操作もできます。

  →データをバックアップしておかなければ、パソコンやスマホが壊れるとビットコインが使えなくなってしまいます(秘密鍵が分からなくなってしまうため。)。また、ウイルスにより秘密鍵が盗まれるリスクもあります。

 ●ウェブ上のウォレット

  →ウェブ上のサービスとしても、ウォレットが提供されています。秘密鍵はウェブ上に保管されるため、パソコンが壊れても、秘密鍵は残ります。もっとも、秘密鍵自体は、サービス提供者側で管理し、教えてくれないことが多いようです。

  →インターネット上に秘密鍵があるため、ハッキングによる秘密鍵流出→ビットコイン盗難のリスクがあります。また、サービスを提供する会社が、信頼できるのか、という問題もあります(秘密鍵を管理しているので、サービス提供側が悪い気を起こしたら、ビットコインを盗みたい放題です。)。

  →取引所でビットコインを買った場合、直後には、ビットコインがウェブ上の取引口座に保管されます。これもウェブ上のウォレットの一種と考えられます。

 どれも一長一短であり、ケースに応じて使い分けることとなります。もっとも、ウェブ上のウォレット(特に、取引所でビットコインを管理するケース)は、好ましくないと言われています。経験上、取引所へのハッキング→秘密鍵流出→ビットコイン盗難のリスクがあります。取引所でビットコインを購入した後は、別のビットコインアドレスを作り、そこにビットコインを送金して管理することが望ましいとされています。

④ビットコインの送金

 ビットコインの送金は、ソフトウェアによるウォレット、や、ウェブ上のウォレットから行います。例えば、取引所であれば、ビットコインの送金操作がウェブ上からできるはずです。

 ペーパーウォレットやハードウェアウォレットを使っている場合は、それ以外のウォレットに、一度、秘密鍵を登録するなどの操作が必要です。

 いずれにしても、送金する場合は、PCやスマホが必須です。