1. ハードフォーク問題・その後

さて、ビットコインですが、その後、若干状況が変わり、ハードフォークのリスクが低下しているようです。

これを反映してか、ビットコイン相場も上昇しています。先月、1BTC=10万円台をうろちょろしていたのに対し、現在(2017/05/02)、1BTC=15万円を超えて、過去最高値を記録しています。



2. 「お金」の問題
 その理由の一つが、いわば「お金」の問題です。SegwitとBitcoinUnlimitedの対立は、純粋的に技術的な良し悪しというよりは、政治的な部分が大きいといわれています。その中で、一部のビットコインネットワーク参加者(マイナー)にとって、BitcoinUnlimitedの方が、より効率的にマイニングができる(要は、その分、ビットコインを稼げる)、ということが判明しました。これにより、BitcoinUnlimited支持層の本音部分が垣間見え、印象が悪くなったようです。

具体的には、BitcoinUnlimitedに対して、AsicBoostという技術(技術、というよりは、ビットコインの脆弱性をついたもの、という評価も多いようです。)を使って採掘(マイニング)をすると、マイニングの効率化が図られ、より多くのビットコインを採掘できるようです。一説によれば、採掘の効率化が30%~50%も上がるとも言われています。また、この技術は、特許化されているため、一部のマイナーしか(適法には)使えません。そのため、ざっくり言えば、BitcoinUnlimitedでは、一部の、特許技術を使うことができる者のみが儲かる構造となってしまっているのです。

 他方で、Segwitでは、AsicBoostの技術はは使えないため、このようなことは起こりません。



3. ビットコイン以外のマネー流出

 また、ハードフォークリスクが低下している原因として、もう一つ考えられるのが、他の仮想通貨へのマネー流出です。現在、世間には、ビットコインの他にも、無数の仮想通貨が存在しますが、その中でも代表的なものが、ここ1ヶ月程度の間に、高騰してます。例えば、以下のとおりです。


●ライトコイン
 →1ヶ月の間に1.5倍超

●リップルコイン
 →3月末~4月頭にかけて、1週間のうちに、一時、6倍超に(その後、下落しています。)

●イーサ(イーサリアム)
 →1ヶ月の間に1.6倍超


※なお、上記データを確認したのは、平成29年4月28日です。その後、更に上昇しているかもしれません。



特に、ビットコインコミュニティーでは散々もめていたSegwitの機能ですが、別の仮想通貨であるライトコインでも、同じSegwitの機能の導入が問題となっていました。しかし、ライトコインでは、Segwit導入が支持され、ついに、導入されることが確定したようです。

ビットコイン陣営としても、ライトコインに先を越され、マネーもビットコインから別の仮想通貨に流出している現状を見て、ハードフォーク熱が下がるのではないか、とも見られているようです。


4. 小括
 今のところ、直ちにビットコインのハードフォークが起こるという気配はないようですが、今回の一件は、管理者のいない仮想通貨が、どのようにガバナンスを行っていくか、という問題を示すものだと思います。管理者がいないゆえに、コミュニティー内部で方向性が対立した場合、対処が難しいですね(某OSのように、開発会社の都合で、強制的なアップデート!、という手段もとれません。)。

 また、ビットコイン以外の仮想通貨の存在感は、日を追うごとに大きくなっています。ビットコインもそれ以外の仮想通貨も、互いに刺激しあって、全体として発展してゆければよいですね。例えば、今後、決済手段として仮想通貨が普及した際、ビットコインのオンリーワンではなく、いくつかの仮想通貨が併行して使われていくようになるのかもしれません(クレジットカードでも、複数の会社が使われていますので、同じような感じになるかもしれませんね。)。