先月、神戸市は、山から海を見下ろす眺望を保全しようと、建築物の高さ等を規制する検討に入ったとのことです。大阪湾を見渡すことのできる眺望が損なわれないようなルールを設定し、さらに神戸港内の特色ある地形や、神戸ポートタワー、神戸海洋博物館等の見晴らしを守ろうという狙いがあるそうです。
(神戸新聞社:https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201906/0012439723.shtml

 

私の母の実家が神戸だった関係で、神戸に遊びに行くことが多かったのですが、六甲山から見下ろす神戸の街の夜景は格別で、この眺望を守りたいという気持ちはよく分かります。

 

ご存知のとおり、建物を建築しようと思っても、建築主が自由に建物の高さを決められるのではなく、どこに建てるのか、道路はどこにあるのか等の各条件によって、建てられる建物の高さの限度が変わってきます。

建物の高さの制限は、先に述べた地方自治体(神戸市)の条例による制限の他に、①絶対高さ制限、②道路斜線制限、③隣地斜線制限、④北側斜線制限、⑤日陰制限があり、この中で適用のある複数の制限のうち、最も厳しい制限が、そこで建てられる建物の高さの限度になります。

 

絶対高さ制限(①)は、第一種・第二種低層住宅専用地域に建物を建てる場合に適用があり、高さは10m又は12mまでと制限されてしまいます(建築基準法第55条第1項)。例えば大田区の田園調布は、大部分がこの第一種低層住宅専用地域になりますので、駅前にもかかわらず低層の住宅しか建てることができません。

また道路斜線制限(②)は、敷地が面している道路の幅等によって定められる制限であり、この計算が複雑で、道路の反対側に川や公園があるような場合や、2つ以上の道路に敷地が面している場合、道路の幅が12m以上ある場合等には計算値が変わります。法令を読んでも、慣れないと何が何だか分からないような書きぶりになっており、図でも書いてくれればいいのにと常々思っています。

 

ところで、私は、大学の学部は建築学科だったということもあり、今月の始めに、2級建築士試験を受けてきました。1級建築士と2級建築士の違いですが、2級建築士は建てられる建物の規模(高さや面積等)に制限があり、また、1級建築士の受験資格には建築の実務経験が必要になりますが、2級建築士の受験資格は大学で建築を学んだような場合には実務経験は課されていません。ユニクロの柳井社長のご自宅などの大豪邸でない限り、多くの戸建て住宅は2級建築士免許で建てることができます。

 

2級建築士試験の概要を簡単にご紹介しますと、試験は、学科試験と製図試験の2つのパートに分かれており、学科試験に合格した人だけが、9月に行われる製図試験を受けることができます。

学科試験は、①建築計画、②建築法規、③建築構造、④建築施工の4種類に分かれており、例えば建築計画(①)は、光や音の性質に関する知識や建築物の環境負荷、給水管径の知識、他には建築物の歴史など出題されます。今年は、修学旅行で人気の奈良の薬師寺にある東塔が、三重塔か五重塔のどちらかが分かっていないと解けない問題がありました(かなり迷いました)。

 

建築法規(②)は、司法試験とは異なり判例を覚えたり抽象的な法文を解釈したりするというわけではないのですが、時間内に条文を探さなければならないだけでなく、読みにくい条文を読み解かなければなりませんので、大丈夫だろうと高をくくってあまり勉強をしていなかったこともあり、難しく感じました。先に述べた建築物の高さ制限の法令も非常に難しかったです。

 

建築構造(③)は建築部材にかかる力の計算問題や地震力や風力に関する知識等で、元々計算は好きだったせいか楽しんで取り組むことができました。

建築施工(④)は、施工するための足場や基礎工事の知識、塗装や工法等に関する問題が出題されます。最近銀座では建設ラッシュのせいか、どこもかしこも工事中ですので、施工中の足場や機材・部材等を直接観察することができるので、試験勉強にとても役立ちました。

 

今回幸い学科は突破しましたので、9月の製図試験に向けて夜な夜な製図の勉強をしています。もっとも、今年の製図試験は木造設計だそうで、自分は鉄筋コンクリートを中心に研究していたということもあり木造の知識があやふやで、正直どうなることやらと思っています。とにかく9月の製図試験は頑張ります!