最近のビットコインですが、現在(この記事を書いている2020/7/15現在)、1BTC=99万円ほどで推移しています。ここのところ、100万円前後で上がったり下がったり、という流れになっています。

さて、前回、中央銀行が発行するデジタルマネー(CBDC)の話題について触れました。

その際、日銀も、CBDCについて研究している、といった話をしましたが、昨日の日経新聞電子版を見たところ、日本政府が、公式に、CBDCの検討を「骨太の方針」に盛り込む方向である、と報道されています(有料記事ですが、記事冒頭部分は右のURLで見ることができます。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61499170U0A710C2MM8000/)。

 

最近、CBDCは、各国でも、注目を集めており、いわば、ブームのようになっています。

各国中央銀行は、Libraなど「民」がやろうとするデジタルマネーに対しては、基本、批判的でしたが、「官」によるCBDCがブームになったこともあってか、デジタルマネーに関する方針を転換する、といった話も出てきています。

 

すなわち、共同通信の報道によれば、G20は、これまでの方針を転換して、デジタル通貨容認の方向に舵切りをするとのことです(https://this.kiji.is/654657337360712801?c=113147194022725109)。ここでいうデジタル通貨が、あくまで、「官」によるCBDC中心の話なのか、Libraなどの「民」によるものも念頭に置かれているのか、必ずしもニュアンスは不明ですが、報道を見る限り、後者のニュアンスを感じます。

 

以上のように、刻一刻と、状況が変わっていっているように思います。この点、本当にざっくりですが、(主観を交えて)これまでの歴史を振り返ってみると、

 

Facebookが著名企業とともにタッグを組んで「Libra」を提案しました。

 

②この「Libra」は、各国中央銀行が袋叩きに批判したため、実質、頓挫の状況になりました(マネロン等のリスクもありますが、実質、法定通貨に取って代わる可能性があるとなると、中央銀行も黙っていられない、という面もあるように思います。)。

 

③ただ、他方、中国は、Libraも意識して、デジタル人民元の(早期)リリースを匂わせ、実証実験なども行っています。

 

④このような状況を見て、中国にやられるならば、ということで、デジタルドルの議論も活発化しました。

 

⑤さらに、日本を含めた各国で、自国通貨のデジタル化(CBDC)の検討もブームとなっています。

 

⑥そして、ついに、G20も、容認路線に方針転換をしよう、という状況、と報道されています。

さて、この⑥が、今後、どう効いてくるのか、見ものです。

Libraにとって追い風となり、Libraが返り咲くのか、あるいはそうでないのか(あくまで、中央銀行主導のCBDCに力を入れてゆくのか。)。

 

また、日本政府としても、CBDC(デジタル日本円)を、どう「検討」してゆくのかも興味深いです。

 

(1) 具体的には、まず、硬貨や紙幣に代わるものであれば、極めて高い安全性を備えたシステムである必要があります。この辺りを、具体的にどう実装してゆくのか、様々な考え方があろうかと思います。ビットコインなどの仮想通貨とは、大きく異なった技術的仕組みを採用することになるかもしれません。

 

(2) 他方、(安全性の点は、政府も、言われなくとも最大限配慮をすることとは思いますが)その結果、全く使い勝手が悪いものになっては、意味がないように思います。安全性を備えつつ、利便性が高いものを作る、という点、難しい問題と思います。

 

(3) さらに、法律家的な視点ですと、デジタル円に対して、強制執行ができるか、という点にも興味があります。すなわち、現状、自己保有するビットコインに対する有効な強制執行策がありません(全財産をビットコインに変えて、ビットコイン管理用の秘密鍵をどこかに隠すないし暗記してしまった場合、いくら、裁判所が、差し押さえだ、といっても、実質、差し押さえようがありません。)。

 では、デジタル日本円については、どうするのか、という疑問があります。この点、

 ・ビットコインなどと違って、中央銀行ないしそれに近い機関が、任意に、いつでも個々人のデジタル円を移動させられる、という設計にすれば(そういった仕組みが哲学的にいいか、悪いか、は別として)、裁判所による差し押さえなどは支障ないかもしれません。ただ、その場合、「このデジタル円は、○○さんが保有するものだ」という切り分けができることが前提と思います(要するに、デジタル円と個人を結びつける情報を、どこかに記録しておくことが必要と思います。ただ、そうすると、事前の本人確認や口座開設などの手間などが生じ、結局、銀行預金と何が違うの?という話になってしまうかもしれません。)。

 

 ・他方、そもそも、デジタル円についても、裁判所による差し押さえはできないのだ、と割り切って、別の方法を考える(取引の際に、エスクローをかませる、担保をとるなど、事前の予防策に重点を置く)、ということも考えられます。

 

総論として、CBDCをやるとしても、各論として、具体的にどう設計するのか、これから議論が深化してゆくのではないかと思います。