2022年11月23日 日経新聞朝刊3頁

「就活『替え玉』容疑の男逮捕」「ウェブ試験の弱点露呈」「企業、不正対策悩む」

「企業が採用活動で使うウェブ型の適性検査を巡り、就職活動中の学生になりすまして第三者が受検する『替え玉』が繰り返されていた疑いが浮上した。警視庁が22日に逮捕を発表した男は数百人から代行の依頼を受けた可能性がある。」

「刑法の私電磁的記録不正・作出・同供用罪は他人の事務処理を誤らせる目的でデータを不正に作るなどの行為を禁じる。警視庁は学生のふりをして解答を入力し、データを採用企業に使わせた行為が該当すると判断した。」


(飛田コメント)

 私的には、ウェブ試験の替え玉受検が私電磁的記録不正作出・同供用罪(刑法161条の2)に該当するとされた点に興味を引かれました。
 一般的な感覚としては詐欺罪(刑法246条)ですが、この場合、騙す行為によって、騙された人(企業)側から何か財産を得たり、経済的利益を受けたわけではないので、詐欺罪とすることが難しいのでしょう。ネットでの替え玉受験が私電磁的記録不正作出・同供用罪とすると、リアルの世界で替え玉受検は、私文書偽造罪(刑法159条)、同行使罪(刑法161条)になるんですかね?しかし、電磁的記録も文書も作られない面接だけの替え玉はどうなるのでしょう。この場合は、偽計による業務妨害罪(刑法233条)かな?もっとも、面接だけの場合には、替え玉を使うとすぐバレそうですので、あまり想定する必要がないのかもしれませんね。法律オタクの心がくすぐられます。