カテゴリ: 仮想通貨・ビットコイン・ブロックチェーン

ビットコイン価格ですが、1114日頃まで、1BTC=70万円超にて取引されていましたが、その後、1BTC=60万円近くまで下落し、さらに、現在(2018/11/27時点で)、1BTC50万円を割るにまで至っています。

これまで、比較的ビットコイン価格は安定していましてが、ここに来て荒れ模様のようです。

なぜ、今回こんなに下落したのか、については、諸説ささやかれていますが、1つには、以前、ビットコインからハードフォークして誕生したビットコインキャッシュが、さらにハードフォークすることとなり、その影響があるのではないか、と言われています。別のコインのハードフォークが、なぜビットコインの価格に影響するのか不明確な点はありますが、ビットコインとビットコインキャッシュでは、ベースとなる構造はある程度共通しているため、今回のハードフォークの混乱により、ビットコインに対してもネガティブな感情が渦巻いて、売りを呼んだのかもしれません。一般論としては、1つの仮想通貨(特にビットコイン)が下落すれば、それに連動して、他の仮想通貨も下落する、という現象は、よく起こっています。

 

さて、このビットコインキャッシュのハードフォークですが、今月16日頃、Bitcoin ABCBitcoin SVという2つに分裂しました。過去、ビットコインからビットコインキャッシュが分裂した際には、結果的に、ビットコイン保有者にビットコインキャッシュが付与されたことになり、ある意味、終わってみれば、棚ぼた的な、ユーザーにとって嬉しい結果となりました。しかし、今回のビットコインキャッシュのハードフォークは、どうも、そんなに嬉しい話ではなさそうです。

 

もともと、ビットコインキャッシュのコミュニティーは、一枚岩ではありませんでした。発端としては、今回、Bitcoin ABC陣営が提案したアップデート(スマートコントラクトなどの機能追加)に対し、Bitcoin SV陣営が反発し、別のアップデートを提案(1つのブロック=台帳の1頁のサイズを32MB128MBに増加するなど)したため、対立状態が生じ、今回のハードフォークに至ったようです。

また、ビットコインから、ビットコインキャッシュがハードフォークした際は、今思い返せば、比較的スムーズに対応がなされましたが、今回のハードフォークは、 

 ・Bitcoin SV陣営が、分裂すること自体に否定的であり、ハードフォークによりビットコインキャッシュが分裂した場合には、相手のABC陣営に攻撃を仕掛ける、といった主張をしており(要するに、自らがビットコインキャッシュの正当な後継者となるべきであり、ABC側は潰す!、と言っているようなものです。)、

 ・また、技術的に厳密に2つのコインを区分けする措置がとられておらず(リプレイプロテクション)、どのような結果になるのか、不明確な状況であり、

 ・取引所の対応もまちまちで、分裂した片方のコインのみをサポートする、といった取引所もある

というように、かなり混乱した状況になりました。

 

混乱が続けば、その分、対応にコストがかさみますし、お互いに干渉せず、別々の仮想通貨としてやっていけばいいのではないかとも思いますが、なかなか、そう、うまくはいかないようです。ただ、現在、混乱収束に向けて、「停戦」の提案もなされています。今後の動きに注目です。

 

最近のビットコインですが、9月から10月にかけて、1BTC=75万円前後をうろちょろしていましたが、数日前に、70万円を切り、また、上昇して、この記事を書いている現在(2018/10/18)、1BTC=72万円前後で推移しています。

さて、ビットコインに関するニュースとして、最近興味を引いたのは、3万ビットコイン(BTC)が、送金手数料(トランザクション手数料)0.00001464ビットコイン(BTC)で送金できた、というニュースです。

当時、日本では、1BTC=70万円前後で推移していましたので、日本円になおすと、約210億円が、約10円で送金できたことになります。これを、銀行を使った海外送金と比較すると、例えば、SMBCHPhttp://www.smbc.co.jp/kojin/otetsuduki/sonota/kaigai/)では、「円普通預金から出金、または円現金を店頭にお持ち込みされ、円貨建てで送金される場合」の手数料として、海外送金手数料:4,000円、関係銀行手数料:2,500円、円為替取扱手数料:送金金額の0.05%(210億円であれば1050万円)がかかるとのことですので、これを単純に計算・合計すれば10506500円の手数料がかかる計算になります(ただ、そもそも、210億円を1回で送れるか、という問題もありますが。)。こうしてみると、送金手数料10円というのは、破格の安さですね。

 

ちなみに、なぜ、そんなことが分かったのか、というと、ビットコインは、取引台帳(ブロックチェーン)が公開されているため、いくらのビットコインが動いたか、という情報は、誰にでも分かるためです(但し、台帳には個人情報は記録されていないため、誰が送金したのかは分かりません。)。

実際、ブロックチェーンの情報を表示できるWebサイトを見ると(以下のURL)、3BTCが、手数料0.00001464BTCで送金されていることが分かります(正確には、3BTCが、手数料を引いて、0.8316BTC29,999.16838536 BTCに分かれて、2箇所に送金されています。)。https://www.blockchain.com/btc/tx/bace354d53088d92740485ade3211309d80b427355b931a790575b6646970202?show_adv=true 

このトランザクション手数料ですが、実は、銀行の送金手数料のように、額が決まっているものではなく、仕組み上、送金者が自由に設定することができます(※但し、送金するソフトなどの環境によっては、自動で設定され、変更できないものもあるかもしれません。また、通常は、何も設定を加えなければ、ウォレット=送金ソフトが適切な手数料を設定しますので、ビットコインを使ったことがある方でも、あまり、なじみがない方もいらっしゃるかもしれません。)。

このトランザクション手数料は、ビットコインの台帳を更新するマイナーと呼ばれる人たちに渡る、いわばチップのようなものです。チップが多ければ、その分、早く送金され(つまり、早く、取引情報が台帳に書きこまれ)、チップが安ければ、送金に時間がかかる、というのが一般的です。マイナーとしても、チップを多く貰いたいですから、チップが多いものから優先して台帳に書きこんでゆくためです。

 

トランザクション手数料を巡っては、これまでに、ビットコインのトランザクション手数料は高い、いや、安い、などといった議論がなされてきました。

自由に決められるチップに、高いも安いもないように思いますが、特に、取引が込み合ってきた際、この程度のトランザクション手数料にしておかなければ、取引の承認が後回しになり、なかなか取引が承認されない、などという事態が生じます。その結果、昨年末などには、平均的なトランザクション手数料が高くなった時期もあったようです。しかし、今回のニュースをみると、やはり、ビットコインの送金手数料は(銀行の手数料などに比べると)遥かに安いなと感じます。

ビットコインですが、月初に1BTC=70万円を超え、その後74万円を超えるまで上昇しましたが、その後下落し、現在(2018/07/13)、約1BTC=70万円ほどで推移しています。

さて、最近のニュースを見ると、ウェブブラウザ「Opera」が、Android版で、仮想通貨ウォレット機能を実装する計画があるようです(ベータ版で実装されたという報道がされています。)。

Operaといえば、タブ型のブラウザの先駆けとして有名ですね(昔の一般的なブラウザは、どれも、11つウインドウを開いていたので、タブ型のOperaを使った際、その便利さに衝撃を受けた記憶があります。)。

このニュース、個人的には、かなり興味を惹かれています。

というのも、仮想通貨は、例えばビットコインなどでは送金に10分以上は要するため、決済手段として本領を発揮するのは、やはり、

 ・インターネットで物を買ったり(通販)

 ・インターネットで映画などを見たり

といった、即時の決済が必要とされない領域だと思うのです。

この点、従来、(仮想通貨での支払いに対応している)インターネットサイトなどで、ビットコイン決済をしようとすると、

 ①ブラウザを開いて、インターネットで、取引を行い、 ②次に、ビットコインのウォレットアプリを開いて、ビットコインの送金操作をする

という2手間が必要になると思いますが、ブラウザにウォレットが内蔵されれば、①②をブラウザで一括して行うことができるようになるかもしれません。(Operaが、実際、そこまでの機能を実装している/するつもりがあるかは、現状の報道内容からは不明ですが)これが実現できれば、非常に便利です。

調べてみると、これまでも、PC向けブラウザの拡張機能として、同様にウォレットを実装したものがあるようですが、Operaのような著名なブラウザが、ブラウザレベルでウォレット機能を搭載するのは、初なのではないでしょうか。

このような技術が発展してゆけば、(何らかの技術的な統一規格を作る必要があるかもしれませんが)将来は、ブラウザのウォレットに、ビットコインをためておいて、通販や有料で映画などを見る際には、数クリック(ないし数回のタップ)で、ビットコイン決済まで完了する、ということも実現できるかもしれません。

ただ、こうした仮想通貨の決済手段としての機能を考えると、避けて通れない問題の1つが税金です。現在の法律及び国税庁の見解によれば、仮想通貨の値上がり益は、雑所得として扱われます。これは、ビットコインなどを決済手段として使用した場合も同様で、例えば、1BTC=60万円のときに1BTCを買って、1BTC=90万円のときに、ビットコインで代金を支払った場合、値上がり益について、所得税がかかり、雑所得扱いになります。1回の取引であれば、計算も楽かもしれませんが、細々とした取引を日々行った場合、その計算は非常に手間になります。実現の道は険しいかもしれませんが、一律同じ税率の税金を創設するなど、立法面でのフォローも必要なように思います。


ビットコインについてですが、前回のメルマガ発行(4月)以降、下落を続け、一時1BTC=65万円を割るまで下がりました。しかし、現在、若干反発し、1BTC=67万円前後(平成30年6月27日現在)で取引されています。直近では、韓国の大手仮想通貨取引所がハッキングを受けるなどして、相場にも影響を与えたと話題になりました。

さて、ハッキングといえば、日本でも、今年初めに、ハッキングによるNEMの流出事件が起きました。そのこともあってか、金融庁が引き締めを強化し、仮想通貨交換業者に対する業務改善命令などが相次いでいます。直近では、大手の仮想通貨取引所bitFlyerを含む6社に対して、金融庁から業務改善命令が出され、bitFlyer社は、自主的に、新規アカウント作成を一時停止するに至っています。

このような状況をどう見るかですが、確かに、規制自体は悪ではなく、規制により取引所の安全性が向上すれば、利用者にとってもメリットがある一方で、どうしても、新規参入業者のハードルが高くなる(行き過ぎれば、事実上、新規参入がほぼ不可能になる)、という面も出てきてしまいます。

実際問題、仮想通貨交換業に関しては、昨年4月に施行された、いわゆる仮想通貨法(資金決済法の一部)により、登録制となりましたが、現時点では、正式な「登録」を受けた業者は日本全国で16社しかありません(https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf)。また、同法で、最低資本金は1000万円とはされているものの、実際問題、会社に1000万円があれば登録を受けられるかというと、そう甘くはなく、法律に適合するための体制構築等には、到底、1000万円では足りない(最低でも8000万円はかかる)と言われています。

他方、このような日本の状況とは対照的に、最近、シンガポールでは、小規模な仮想通貨交換業に関し、ライセンス制度を緩和することが検討されているといった報道がなされています。

確かに、事業規模などに応じて、規制の強弱を付ける、ということは、一つの解決策になるかもしれませんね。例えば、日本でも、立法論として、現状の規制による登録業者を「第1種仮想通貨交換業者」などと分類し、小規模な事業者向けに、制限付きで、より登録がしやすい「第2種仮想通貨交換業者」のような分類を創設する、ということは、ありうるかもしれません。

日本は世界に先駆けて仮想通貨に関する法律を整備し、この分野でリードしているのですから、結果、蓋を開けてみたら、規制のしすぎで世界から孤立してしまった、なんていうことがないようにしてほしいと思います。

ビットコインですが、前回メルマガ以降、下落し、1BTC=70万円と80万円の間をうろちょろしていましたが、412日夜から翌13日朝にかけて、短期間で10万円以上値上がりし、その後、現在(2018/04/231BTC=95万円前後で推移しています。ここ最近としては、大きな値動きですが、何が原因かはよく分かりません。

一説には、各国で納税期限が迫って(または経過して)おり、納税のための売却が減少したことが一因といった見方もあるようです。

さて、昨年末以降、大きく揺れ動く仮想通貨相場に多くのスポットライトがあたっていますが、その背後では、ビットコインに関する技術革新が着々と進化しているようです。

その1つが、ライトニング・ネットワークです。これは、昨年8月のSegwit導入により実装可能となったビットコインの技術で、

1円以下(0.1円など)の送金なども、格安ないし0の手数料で実施でき

・即座に決済される

という性質を有しています。

現在、未だ開発中の段階ですが、仕組みとしては、(ごくごく簡単に言えば)ライトニングネットワークを使おうとする者が、ブロックチェーンのネットワークとは別のネットワーク(ライトニングネットワーク)に参加し、その中で、例えば

 AB 3BTC

 BA 5BTC

 AB 4BTC

とビットコイン取引を行い、これらをまとめて、最終的には、ブロックチェーン上に、

 AB 2BTC

と書き込む、といったもののようです。また、ライトニングネットワーク上で、

 ABC 1BTC

とビットコインが移動した際には、最終的に、ブロックチェーン上には、

 AC 1BTC

が書き込まれることとなります。ブロックチェーンへの書き込みが省エネ化できますので、少額かつ大量の送金を、高速かつ低コストで行うことが可能となるようです。あくまでイメージの話ですが、ビットコイン分野における交互計算や、中間省略登記、といったところでしょうか。

特に、1円以下の単位での課金が(手数料を考えても)現実的にできるようになるため、あらたなビジネスチャンス(例えば、ほんのちょっとしたサービスに、0.1円を課金する、など)が生まれるかもしれません。

また、ビットコインは、1秒あたりで計算すると、67取引/秒の処理能力であり、まだまだ、VISAなどのクレジットカードの処理能力には及ばないと言われていますが、ライトニングネットワークが普及すれば、状況は変わってくるかもしれません。

ただ、他方で、一部、ブロックチェーンに記載されない取引が生じることになりますので、技術的に安全性に問題がないか、十分な検討を要するように思います。

今後の発展に期待です。

・・・ちなみに、ビットコインの市場は、現在、「ビットコイン規制」といったワードには敏感に反応しますが、ライトニングネットワークの進展に関するニュースには、反応が薄いようです(現状で、ほぼ相場に影響を与えていないようです。)。この辺りも、今後、ライトニングネットワークの注目度が今まで以上に上がれば、状況は変わってくるかもしれませんね。

さて、NEM流出事件後のビットコインですが、前回お伝えしたとおり、1BTC=70万円を割るまで下落した後、上昇に転じていました。その後、1BTC=120万円を超えるところまで上昇したのち、下落に転じ、1BTC=80万円を割るまで下がりました。しかし、319日頃を境に、また上昇し、現在(2018/3/22)、1BTC=96万円前後で取引されています。

この間、312日には、コインチェックが、NEMに関する補償を実施し、NEMの価格は一時上昇しましたが、価格グラフを見ると、ビットコインへの影響は少なかったように思います。

他方、ビットコイン価格の下落の要因となった背景の1つとしては、319日、20日にアルゼンチンで開かれたG20のようです。このG20では、仮想通貨が議題に上がっており、世界的な仮想通貨の規制強化がなされるのではないかとの見方から、ビットコイン価格のマイナス要因となったといわれています。

しかし、結果、ふたを開けてみれば、具体的な規制の合意はなされていません。ビットコイン価格は、この影響もあり、上昇傾向に転じたようです(今のところは。)。ただ、他方で、マネーロンダリング対策のために、今年7月までに規制の在り方をまとめることにもなっています。

このG20の評価については、様々な見方があるようですが、メディアでは、「今後は、規制強化・・・か?」といった、否定的なニュアンスとなっています(実際、新聞などをご覧いただくと分かるのですが、「規制強化」との断定を避け、かなりお茶を濁したような言い方になっています。)。

私個人としては、マネーロンダリング防止のための規制強化に関しては、やり方にもよるでしょうが、仮想通貨業界にとって必ずしもデメリットだけではないように思っています。特に、各国の統一的な規制・ルール作りがなされれば、今回のNEM流出事件のような事件が起こっても、流出した仮想通貨の追跡・ロンダリング防止や犯人検挙などが容易になるのではないかとも思います。また、ロンダリングが困難になり、犯人も容易に検挙されるようになれば、取引所に対するハッキングも「割に合わない」として減ってゆく可能性もあります。

ちなみに、現状、日本では、マネーロンダリング防止の趣旨も含め、世界に先駆けて仮想通貨法(資金決済法の一部)を制定・施行しており、今回のG20でも、議論をリードすることが期待されていました。が、麻生財務大臣は、森友問題への対応を優先して欠席となりました。森友問題が、思わぬところで仮想通貨業界にも影響していますね。

今後は、仮想通貨業界にも配慮しつつ、世界的に統一的な基準を、日本がリードして作って行ければ、と期待を寄せています。

金融庁が無登録営業を理由に世界最大の仮想通貨交換業者の香港に本社があるバイナンスに改正資金決済法に基づく警告を出す方針との報道がなされました。以下、2018年3月23日(金)日本経済新聞朝刊1面の「香港仮想通貨業者に警告」という見出しの記事から抜粋です。

「同社は2017年の設立。扱う仮想通貨は約120種類で手数料も比較的安い。利用者数は世界約600万人。そもに世界最大とされ、日本でも国内業者から同社に取引を移す利用者が多い。
 金融庁は、同社が日本人の口座開設時に本人確認していなかった点を問題視。匿名性の高い仮想通貨を複数扱い、マネーロンダリング(資金洗浄)対策も未整備とみる。警告と同時にホームページを公表する。」

「2017年の設立」って、昨年のこと?という感じでとても驚きますが、こういう業者がいるから、NEMについても、流出したNEMを追跡できても、なかなか犯人の特定には至らないのかな?と思います。少々気になるのが、金融庁のホームページで公表されて、それがどのような意味があるのか?という点。香港の業者が日本の金融庁の指示に従ってくれるのかしら。この分野の規制については、国際的な取り決めが必要という感じがしますね。

2018年3月23日(金)朝刊社会面の「流出NEMほぼ全額交換」「580億円分 財団追跡中止で加速か」との見出しの記事で、コインチェックから流出した約580億円のNEMのほぼ全額が、匿名性の高い闇サイト「ダークウェブ」で他の仮想通貨と交換された疑いがあることが報道されています。私が注目したのは次の部分。

「警視庁は2月下旬に捜査本部を設け、捜査員約100人体制で流出の経緯を調べている。
 捜査本部は同社システムの通信記録(ログ)を解析。流出の数時間前まで同社のシステムが欧米のサーバーと不信な通信をしていたことを確認した。流出に関与した人物が不正にアクセスしてNEMの移動に必要な「秘密鍵」を盗んだ疑いがあるが、発信元の特定には至っていない。
 捜査本部は交換に応じた人物から事情を聴き、ビットコインなどの取引状況を注視している。」

流出したNEMについては、先日、NEM財団が追跡を中止したとの報道がありましたが、警視庁は、流出NEMとの交換に応じた人物から事情を聴いているとのことであり、徐々に犯人の包囲網が狭まっているような印象です。

少々わからないのは、この交換に応じた人物というのは、不正に流出させられたNEMであることがわかっているのに交換に応じたということなのでしょうか?通貨という以上、不正に流出させられたNEMであっても、占有とともにその所有権(権利)は移転し、民法の善意取得条項の規定の適用はない、つまり、不正に流出されたものであることを知っていたとしても、そのNEMの権利は、譲受人に移転する、というふうに考えるのでしょうかね?そもそも何法が適用されるのか、という問題も含め、法的に興味深い論点が沢山あるように思いました。

以下は、ITmediaNEWSが3月20日に配信したニュースの抜粋ですが、「追跡調査打ち切り」とはちょっと残念ですね。

「コインチェックから巨額の仮想通貨「NEM」が流出した事件で、NEMの推進団体「NEM財団」はこのほど、流出したNEMの追跡を打ち切ったと声明を発表した。同団体は「盗んだNEMをハッカーが換金するのを効果的に妨げ、法執行機関に実用的な情報を提供できた。捜査に影響するため、われわれは詳細を公開する予定はない」とコメントしている。」

記事によると、「MEMの追跡を打ち切った」ということの意味は、NEM財団が、盗んだ犯人のものとみられる送金先のウォレットアドレスに特定のマークを付け、資金移動を追跡する技術(モザイク)で犯人の手掛かりを探っていたのですが、今や匿名サイトなどにより資金洗浄が進んだので、そのモザイクを無効にしたことを意味するようです。

NEMの巨額流出事件が起きたときに、流出したMEMがどのアカウントに入ったかを追跡できるのを見て、ブロックチェーン技術は「凄いな」と思ったのですが、アカウントと個人との結びつきがわからず、結局、匿名サイトなどで交換されていくと犯人を捕捉するのは難しいということでしょうか。しかし、そもそも現金の場合はどの財布に入ったかを追跡することは難しいので、それと比べると仮想通貨の方が犯罪者にとってリスクが高い、つまり安全な通貨のようにも思えます。まだ捜査機関によるNEMの巨額流失事件の捜査は進行中だと思いますが、早く犯人が捕まることを願っています。

さて、前回メルマガを配信したのは、約3ヶ月前、20171122日。当時は、1BTC=88万円ほどで、私は、「1BTC=100万円が見えてきたように思います」などといったコメントをしていました。

その後、20171128日頃、1BTC=100万円を突破し、さらに、(取引所にもよりますが)128日頃、1BTC=200万円を突破しました。約10日ほどで、100万円→200万円になったことになります。

しかし、年が明けて、中国や韓国での仮想通貨規制の報道に、コインチェックのNEM流出事件が追い打ちをかけ、2月はじめには、ビットコインは、1BTC=70万円を割るまで下落しました。

もっとも、現在では、1BTC=100万円前後(平成30216日現在)となっています。

僅か3ヶ月の間に、ビットコインは、2倍になったり、3分の1になったりした訳です。凄まじいですね。

以下では、前回メルマガ以降のニュースについて、2点ほど振り返ってみたいと思います。

NEM流出事件

 仮想通貨絡の今一番ホットなニュースといえば、やはり、NEM流出事件ですね、流出したNEMは、580億円相当と巨額なため、大手メディア等でも大々的に報道されています。

 これは、既にご存じの方が大半かと思いますが、日本の仮想通貨取引所の「コインチェック」から、当時、日本円で580億円相当の仮想通貨NEM(ネム。ややこしいですが、通貨単位は「XEM」と表記します。)が流出した事件で、ハッキングによる盗難と言われています。

 NEMもビットコインと同様、ブロックチェーンの技術を使っており、流出した際の取引は、ブロックチェーン(取引台帳)上に記録されています。例えば、以下のサイトでは、当時のNEMの移動状況を見ることができます。

http://chain.nem.ninja/#/transfers/1700476 

 ※なお、上記サイトの日時は、グリニッジ標準時のようなので、日本時間では、表示された日時+9時間する必要があります。

これを見ると、確かに、日本時間で、1260時過ぎ頃から、複数回、100,000,000XEM(当時、約1XEM=約100円でしたので、100億円相当)NEMの移動が記録されています。 

現在、警察なども、この流出したNEMの行方を追っているようです。今後、犯人の特定に至るか否か、進展が気になる所ですね。

ただ、ビットコインもそうですが、NEMも、どのアドレス(銀行で言う口座番号)から、どのアドレスに、いくら移動したか、という記録は残りますが、口座番号と個人情報と紐付いていないため、直ちに犯人を特定することはできません。

そこで、取引所などで流出したNEMが使われた際に、そこを押さえる、といった対応が考えられるかと思います。

例えば、

 アドレス1→アドレス2→アドレス3→アドレス4

といった移動があった際、アドレス3が取引所のアドレスであり、その取引所が利用者の個人情報を把握していれば(日本の取引所では、現在、利用者の本人確認が行われています。)、アドレス2が誰のアドレスかが分かることとなります。

これに対して、犯人側も、流石にすぐにバレるようなNEMの使い方はしていないようで、どうも、闇の市場のようなところで使用するなどして、ロンダリングしているようです(このあたりは、現金のマネーロンダリングなどと同じなのではないでしょうか。ただ、現金と比較すれば、ビットコイン等の仮想通貨は、移動の履歴が追えるため、ロンダリングは比較的難しいとも言えるかもしれません。)。

今後、犯人の特定に至れば、同様の被害の抑止にもつながるように思います。捜査の進展に期待したいです。

 

ICO規制の動き

もう一つホットな話題といえば、ICOに関する規制の動きです。最近では、米国において、証券取引委員会(SEC)が、6億ドル(約653億円)のICOを差し止めたと報道されていました。

 ICOとは、Initial Coin Offeringの略で、ごくごくシンプルに言えば、仮想通貨を使った資金調達を意味します。これは、IPO(新規公開株)をモジッて作られた造語です。

 ただ、具体的な内容については、様々な種類のICOがあり、統一的な定義もありません。一例を挙げれば、

  ・投資家:イーサリアムなどの著名な仮想通貨を払い込む

  ・企業:これに対して、独自の仮想通貨(厳密には、トークンと呼ばれます。)
   を発行する
といったやり方があります。

この場合、資金を調達する企業は、返済義務を負わないため、ICOは、借金とは異なります。また、トークンは、株式ではないため、議決権などもありません。そうすると、投資家としては、何のメリットも無いようにも見えますが、投資家側にもメリットがあります。

まず、投資家は、受け取ったトークン(独自の仮想通貨)がその後値上がりした際に、誰かに売却し、利益をあげることが考えられます。 

また、トークンには、特典がついているものもあります。例えば、飲食店であれば、トークンを、その店での支払いに使える、といった特典も考えらます。

その他、付随的なメリットとして、投資家としては、ICOの方法によれば、インターネットを通じて海外企業に対しても、容易に投資することができ、かつ、少額の投資も可能となるといった点が挙げられます。

一方、もちろん、デメリットもあります。投資話に詐欺が絡むことはよくある話ですが、ICOでも詐欺的なものが多くあると言われています。また、値上がりした際に売却、というのは、もちろん値上がりすれば、の話です。価格もつかず、買い手もつかずに終わることも考えられます。さらに、根本的な問題として、まっとうな企業であっても、ICOで出資した投資家に対して、基本的に責任を負わないため(ICOの場合、投資家は債権者にならず、株主にもなりません)、極端に言えば、企業は、ICOでお金を集めて、その後、何もしなくてもよいということにもなりかねません。

このように、投資家としてのリスクも大きいICOですが、冒頭に挙げたように、日本円で数百億円相当の巨額のICOの例もあり、資金調達の方法として、今、非常に注目を集めています。

法律面で言えば、新しく登場した投資手段であるがゆえに、また、やり方はケースバイケースであるために、各国でも、どのような規制が適用されるのか等、不明確な部分が残っているようです(なお、中国では全面禁止とされています。)。

今回報道されているアメリカに関しては、以前より、規制当局(SEC)が、ICOで発行される独自の仮想通貨は、(どのような規制がされるかはケースバイケースで異なると前置きしつつも)一般的には、有価証券に該当し、有価証券に関する法令上の規制を受けると発表していました。

https://www.sec.gov/news/public-statement/statement-clayton-2017-12-11?utm_content=bufferc7905&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer 

また、今回の件以前にも、SECは、昨年1211日に、有価証券に関する規制に違反するとして、ICOの停止を求めています。そのため、今回報道があった件に関しても、SECとして、ICOに否定的(有価証券に関する法規制を適用してゆく)という姿勢を改めて示したものといえそうです。

他方、日本の法律はどうなっているかというと、ICOを念頭に作られた法律はなく、現状、適用される可能性がある規制として、主に、以下の規制などが考えられています

①資金決済法(仮想通貨規制、仮想通貨交換業の登録)

②資金決済法(前払式支払手段)

③金融商品取引法(ファンド規制)

このうち、一番問題なのは、①の規制で、ICOで発行する独自の仮想通貨が、資金決済法上の「仮想通貨」に該当してしまうと、仮想通貨交換業者の登録が必要となってしまいます。そうすると、そもそも登録が認められない可能性や、登録されたとしても非常にコストと時間がかかり、資金調達の額によっては、ICOが現実的ではなくなってしまう可能性があります。

この点、法令の文言をみると、資金決済法上の「仮想通貨」と言えるためには、「不特定の者を相手方として」(資金決済法第2条第5項第1号及び第2号)「売買」や「交換」ができると言えなければならず、独自のトークンを発行した段階では、取引所等でも対応しておらず、「不特定の者を相手方」として「売買」や「交換」することは難しいため、①の規制はクリアできそうにも思われます。しかし、規制当局(金融庁)は、最近になって、広くICOに①の規制が及ぶとの見解を示しているようです。

このように、現状の日本の法律では不明確な部分が残るため、ゆくゆくは、法律の形で明確なルール作りが必要となってくるのかもしれません。ICOに関しては、規制の必要がある一方で、世界中から巨額の資金調達を可能とするというメリットもあります。日本として、リスクにも配慮した上で、うまくルール作りができれば、さらなる発展が期待できるように思います。

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