カテゴリ: 仮想通貨・ビットコイン・ブロックチェーン

ビットコインに関する最近の動き

さて、ビットコインについては、81日を乗り切った後も、日々、様々なニュー

スが報道されています。ビットコインに関する動きは本当にめまぐるしいです。

 

特に、最近は、海外での動きについて、多くの報道がされていました。

まず、フィリピンでは、仮想通貨取引所が開設され、エジプトでも開設の動きが

あるようです。

 

また、ベトナムに関しては、これまで禁止されていたビットコインの送金事業が

合法化される動きがあると報道されていました。

さらには、これまでビットコインに否定的な態度を示していたロシアでは、国の

後押しを受けて大規模なマイニング事業に進出することとされ、ICO(仮想通貨

を利用した資金調達)も実施されたとのことです。

 

 ※このICOとは、Initial Coin Offeringの略で、IPO(新規公開株)をもじ

ったものです。厳密な定義はなく、多種多様なスキームの種類があるので、

一概にこういうもんだ、とは断言できませんが、例えば、

   ・投資家:ビットコインなどの仮想通貨を払い込む

   ・企業 :対価として、独自の仮想通貨(但し、仮想通貨法の規制が及ぶ

      仮想通貨には限りません。)を発行するといったスキームで
        企業が資金調達
を行うものです。

  独自の仮想通貨には、その企業に関する優待が付与されていたり、また、将

来的に、独自の仮想通貨が高値で取引されるようになれば売却して含み益分

を儲ける、といったことも考えられ、その点で、投資家にとって魅力があり

ます。

  報道などによれば、このICOの手法によって、数時間で300円以上の資金

調達に成功した例などもあり、非常に注目されています。

  ただ、もちろん、詐欺的なICOもあり、リスクもあります。また、各国でも、

法整備は追いついておらず、また、国によっては、既存の法令上、金融商品

ないし証券に該当し、関連規制が及ぶ可能性もあるとされています。




さらに、エストニアでは、国家としてのICOを検討しているとのことです。

 

他方で、中国では、中国人民銀行が、ICOによる資金調達が違法であると通

告し、その後、仮想通貨取引所に対して操業の停止を求めたと報道されてい

ます。これによって、ビットコインの価格は急落しています。

 

その他、香港でも、ICOによる資金調達に、証券に関する法規制を及ぼす可能性

があるようです。

 

また、国内での最近の注目ニュースとしては、国税庁が、ビットコインに関する

タックスアンサーを公開しました。

 

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm

 

これまで、ビットコインの売却の際の含み益に対する課税は、譲渡所得になるの

か、雑所得になるのか、と見解が分かれていたようですが、国税庁の統一見解と

して、(事業所得等になる場合を除き、原則)雑所得であることが明示されたこと

になります。

ただ、そもそも、ビットコインに関する税金に関しては、ビットコインのやりと

りを頻繁に行う場合、計算が非常に面倒になってしまいます。法改正も含め、今

後の改革の余地がありそうです。

 

 

青春18きっぷの旅・2017 in Summer

と、ビットコインの話題はここまでにして、今回は、青春18きっぷの旅につい

て書きたいと思います。少し前の話になりますが、例のごとく、青春18きっぷで、

東北方面に旅に出てまいりました。

今回は、あいにく東北の天気が悪かったため、電車に乗っている時間を多めに設

定しました。途中下車するごとに色々と歩き回る旅もいいですが、カタンコトン

と一日中電車に揺られる旅も、それはそれでいいものです。ただし、慣れてない

人がこれをやると、しばらくの間、電車を見たくなくなるので、注意が必要です。

 

さて、具体的な日程ですが、まず、最初だけは、新幹線を使って、宮城県の古川

まで行きます。日程に余裕があれば、最初から青春18きっぷを使うのですが、1

2日のスケジュールなので、致し方ありません。

 

古川では、いよいよ、青春18きっぷの出番です。ここから陸羽東線に乗って、

鳴子温泉に向かいます。

 

 古川11:15→(陸羽東線)→鳴子温泉12:02

 

鳴子温泉では、以前にも行ったことのある潟沼(時間帯によって、水面の色が変

わる美しい湖です。湧き出す水の水質が、刻一刻と変わっているそうです。)と

いう場所に行きたかったのですが、駅に着いてから知りました。

 

 落石により通行禁止

 

と。

 

いきなり出鼻をくじかれましたが、駅前で足湯につかりつつ、次の電車を待ちま

す。乳白色で、温泉らしい温泉です。鳴子温泉を出ると、そのまま一気に日本海

側の余目まで抜けます。この区間は、山の中を走って日本を横断するため、山並

みや、森の緑が非常にきれいです。

 

 鳴子温泉13:05→(陸羽東線)→新庄14:09

 

 新庄14:14→(陸羽西線)→余目15:05

 

余談ですが、余目は、あま「る」め、と読むのですね。あま「り」め、だと思っ

ていました。

 

さて、この余目駅では、食料品店 兼 お土産屋さんのようなところで、食料を調

達しました。中でも、三元豚のメンチカツ(100円程)なるものを買ったのです

が、予想外に美味しくて感動しました。東京のスーパーでも見かけるような、揚

げた後にパック詰めされたもので、旅行者が食べるというより、主婦が食卓のお

かずとして買っていくようなものですが、無性に肉が食べたくなって買ってみた

ところ、大当たりでした。こういう発見があるのも、ローカル線の旅の醍醐味で

す。

 

腹ごしらえを済ませた後は、日本海側を、新潟まで進みます。

 

 余目15:45→(羽越本線)→村上18:03

 

 村上18:49→(羽越本線・白新線)→新潟20:02

 

この区間(~村上)は、電車が日本海に沿って進むため、海の景色が非常に綺麗

です。指定席券を買えば乗れる快速列車「きらきらうえつ」も走っていますが、

今回は、あえて普通電車をチョイス。文字通り、カタンコトンと音をたてながら、

各駅停車の古めかしい車両で、新潟に向かいます。これぞ、電車旅、という感じ

です。

 

新潟に着くと、ホームの駅そばで腹ごしらえをします。東北や信州のエリアでは、

駅そばのクオリティが非常に高く、よく利用します。今回の新潟駅の駅そばも美

味でした。その後は、本日の宿がある、長岡を目指します。

 

 新潟20:24→(信越本線)→長岡21:38

 

この頃になると、感覚が麻痺してきて、電車で1時間なんて、乗ったうちに入ら

ないくらいの気持ちになっています。

 

この日は長岡で1泊です。

 

翌日、通常であれば、あっちいったり、こっちいったり、とするのですが、今回

は、早めに東京に帰る予定のため、まっすぐ東京を目指します。

 

 長岡8:36→(上越線)→水上10:32

 

水上駅ですが、接続する電車の乗り換え時間が短く、いつも下車せずスルーして

しまうので、今回は、1時間ほど滞在してみました。駅前には、いくつかお店が

並んでいて、お焼きや、現地の果物のジュースなどをいただきました。

 

その後は、高崎を経由して、東京(上野)に戻ります。

 

 水上11:35→(上越線)→高崎12:38

 

 高崎13:23→(高崎線)→上野15:09

 

 

これで、今回の旅は終了です。長岡→上野間の移動でしたが、意外と早く着いた

な、という印象です。特急を使っていないのに、朝に出て、夕方前には東京に着

くことができました。ちなみに、帰りの乗車時間のみの合計は、4時間45分ほど

です。

 

よく行くルートでも、電車に乗っている時間を長めにすると、また、違った感覚

が味わえますね。あまり動かない旅なので、健康的ではありませんが、楽ちんで

す。

 

次回は、日程に余裕があれば、西日本方面にも力を入れて攻略してみたいと思い

ます。

●●1. はじめに●●

最近、よくメディアでも取り上げられるようになってきた「ビットコイン」ですが、 私自身も、これまで注目しており、色々と情報の発信をさせていただいております。これまでの私の知識を整理する意味でも、2週間に1度くらいのペースで、ビットコインについて、シリーズとして記事を書いていこうと思います。これまでの記事と重なる点もあるかと思いますが、できるだけわかりやすく書こうと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

さて、ビットコインですが、皆様、どれほど馴染みがありますでしょうか。既に買っ て保有している・使っている、という方から、何か怪しい詐欺みたいなものでは ないか?と疑わしく思っている、という方まで、様々かと思います。

日本では、過去、ビットコインの取引所であるMt.GOX(マウントゴックス)が破綻したことが大々的に報道され、悪いイメージが染み付いている感が否めません。

しかし、このビットコイン、極めて革新的な技術であり、インターネットの発明に並ぶも のとも言われています。果たして、この、ビットコインは、どのようなものなの でしょうか。

今回は、このビットコインについて、その概要をご紹介させていただければと思います。


●●2. ビットコインって何だ??●●

ビットコインは、インターネットを介して送金可能な、仮想通貨の一種です。また、 現時点(この記事を書いた平成29年8月時点)で、世界で最も取引量が多い仮想 通貨です。

「仮想」通貨??バーチャルな世界のお遊びじゃないの??と思われる方もいるかも しれませんが、そうではありません。ビットコインは、現実の通貨にどんどん近づきつつあります。

まず、ビットコインで代金を支払えるお店が世界中に登場しています(数はまだ少な いですが)。日本でも、ビックカメラの一部の店舗で、ビットコインによる代金 支払を受け付けるようになったというニュースが、日経新聞などでも大々的に報 道されていました。

また、これが極めつけですが、現在、ビットコインと現金(日本円、ドル等)を交換する取引所が数多く開設されています。そのため、日本円でビットコインを買ったり、 買ったビットコインを売却して日本円にしたりすることができるようになってい るのです。

ちなみに、貨幣単位は、そのまま、ビットコイン(BTC)がよく使われますが、1ビットコ インが最小単位ではなく、0.1BTCなどでも送金することができます。最小貨幣単 位は、Satoshiで、1Satoshi=0.00000001BTCです。


●●3. ビットコインの何がそんなにすごいのか??●●

さて、単に仮想的(バーチャル)なお金、という話になれば、ビットコインは、目新しい ものではありません。Suicaなどの電子マネーは、日本でも広く普及し、使用さ れています。

では、ビットコインは、何がそんなに革新的なのでしょうか。この点は、説明の仕方は色 々あるのですが、よく挙げられる特徴としては、以下のものがあります。

1)24時間、世界中、どこにでも送金ができる

2)送金手数料が0若しくは格安である(そのため、特に、  手数料の高い海外送金で、メリットが大きい)

3)特定の中央管理者がおらず、かつ、ビットコインの 保有情報は、世界中のコンピューターがコピーを持っているため(P2P技術)、極端な話、住んでいる国が潰れたとしても、ビットコインは残る

4)銀行口座にあたるビットコインアドレスは、誰でも、誰の許可も得ずに作成することができる

5)ビットコインのシステムは、データの改竄や二重使用の防止の措置が施されており、2009年の利用開始から、現在に至るまで、一度もシステムが停止することなく、稼働し続けている


この中でも、特に革新的なのは、3)に記載した中央管理者がいない、という特徴です。たとえば、銀行預金を例にとれば、銀行が中央管理者になっています。交通系電子マ ネーであれば鉄道会社が中央管理者です。しかし、ビットコインには、そのよう な中央管理者がいないのです。

ええ??管理者がいないのに仮想通貨が発行され、交換できるなんで、そんなこと不可じゃないの??と思われる方もいるかもしれません。しかし、ビットコインは、これを可能にしたのです。この詳しい仕組みについては、今後、解説しますが、ごくごく簡単に言えば、

  ・解くのは時間がかかり、答え合わせは一瞬でできる問題が出題され

  ・それを世界で一番最初に正解した者が、取引台帳に、新たに発生したビットコインの取引を書き込むことができ、

  ・対価としてビットコインを受け取る(システム上、ビットコインが自動的に発行され、対価の一部として支払われる)

  ・以上のサイクルを約10分おきに繰り返す(問題は、
   毎回変わる。)

という仕組みを採用することにより、特定の中央管理者を不要としています。

そのため、ビットコインでは、「管理者が倒産して、仮想通貨が使えなくなる」という態は起こりません。上記にも書いたとおり、例え今住んでいる国が破綻したとし ても、ビットコインは残ります。そのため、電子化された金のようだとして、 「デジタルゴールド」などとも表現されています。現に、自国の通貨が信用でき ない国などでは、自国通貨の代わりに、ビットコインが流通しているところもあ ります。


●●4. 終わりに●●

いかがでしたでしょうか。ビットコインの概要について、ざっくりと触れさせていただき した。ビットコインの特徴が、少しでも伝わったのであれば幸いです。次回は、 実際の使用方法などをご紹介したいと思います。

さて、81日の波乱が過ぎた後、ビットコインは、またも、高騰しました。7月に、一時、1BTC=21万円台にまで下がっていたビットコインは、現在、1BTC=46万円台で、過去最高価格を更新しています(平成29816日現在)。

 

状況的には、81日の混乱を回避したことや、Segwitのアクティベートに向けて問題なくステップを進んでいること(Segwitの導入は確実になりましたがアクティベート=実際の効力発動はまだ生じておらず、8月下旬頃に予定されています。)などから、期待が高まっているようです。また、北朝鮮問題のような国際情勢も、価格に影響しているのではないか、という声もあります。

 

ちなみに、BitcoinCashに関しては、分裂はしましたが、特段ビットコインに問題は生じていません。分裂、という表現よりは、少数者が離脱した、という表現の方が近いように思います。BitcoinCash自体は、その後、支持を撤回する者も出てきているようです。

 

 

 

ただ、これで全てが終わったわけではありません。以前のメルマガでもお伝えしていますとおり、ビットコインは、11月に、ハードフォークを予定しています。

 

ハードフォークが実施されれば、さらに、ビットコインが2つに分かれることになり、その辺りで、また、混乱が生じるかもしれません。もっとも、これも、今後の状況次第でどうなるかは分かりません。今後、ハードフォーク不支持が多数となり、ハードフォークが起こらない(又は、起こったとしても、少数の離脱となる)可能性もあります。ハードフォークに関しては、今後も、注意深く動向を見てゆく必要があります。

 

 

 

ちなみに、11月の混乱に向けて、大手メディアの報道については、注意深く受け止める必要がありそうです。ブログにもかかせていただきましたが、今回、81日の騒動に関して、新聞等のメディアの報道は、過度にセンセーショナルで、ミスリーディングなものもありました。ビットコインに関しては、技術的にも新しく、また、情報が刻一刻と新しいものになっていることから、大手メディアといえども、正確な記事を書くのが難しいのかもしれません。そのため、11月の状況に関しても、1社のメディア報道のみを信じるのではなく、著名なビットコインニュースサイト等も見て情報収集をすることがおすすめです。

 

理想を言えば、ハードフォークのような大きな話題に関しては、仮想通貨の業界団体が、(簡単なものでもいいので)逐次ニュースを発信するような体制ができればと思いますが・・・

 

こういった点も、仮想通貨に関する、今後の課題のように思います。

本日の新聞などを見ると、ビットコインの分裂について、大きく取り上げられています。ただ、報道内容を見ると、過度にセンセーショナルな内容で、誤解を生じかねないように思います。


確かに、分裂したことは事実なのですが、今回の分裂は、かねてから大きな問題とされていた分裂問題(Segwit・UASFにまつわる分裂問題)とは別物で、今のところ、それ程、大きな問題とはされていません。


7月24日付のブログ記事でも記載させていただきましたとおり、今回の分裂は、ビットコインのネットワーク参加者のごく一部が、ビットコインをハードフォークさせて、BitcoinCashという独自の仮想通貨を作る、というものです。しかし、追随するネットワーク参加者が多く集まっている訳ではなく、現状では、大きな問題は生じないと考えられています。


なお、既に報道されているように、かねてから問題とされていた方の分裂問題(8月1日のUASFによる分裂問題)は、回避されました。


その他、詳細が気になる方は、小職の7月24日付ブログ記事をご覧いただければ幸いです。

●対立の決着

さて、これまで問題とされていたSegwit2xとUASFの対立(ビットコイン分裂騒動)ですが、今回、Segwit2xが多くの支持を得て、結論的に、8月1日には、問題となる分裂は生じない方向で進んでいます。

これを反映してか、一時21万円前後にまで落ち込んでいたビットコインの相場も、騒動前の30万円前後の水準に戻っています。

今回は、ここ1ヶ月の騒動と、今後の流れについて、ご説明させていただければと存じます(この記事を書いているのが、平成29年7月24日です。この記事が古くなった場合には、最新のニュースで状況をご確認下さい。)。



●これまでの騒動

前回までの記事をご覧になっていない方向けに、ざっくりご説明すると、これまで、ビットコインは、システムアップデートの内容・方法で大きく2つに意見が対立していました。


1つは、UASF(BIP148)と呼ばれるもので、もう1つがSegwit2x(別名、NewYorkAgreement、シルバート合意、Segwit+2MBなど)と呼ばれるものです。

このうち、UASFは、これまでのビットコインの開発者が開発したSegwitという機能(ざっくり言えば、ビットコインの取引のキャパを増加させる機能です。)を、そのまま導入するという案です。ただ、導入方法は、8月1日(=グリニッジ標準時)に、反対があったとしても強行的に導入するという、ちょっと過激な方法です。

他方、Segwit2xは

  ・Segwitを導入する
  ・さらに、導入後、ビットコインのブロック
   (取引台帳の1頁分)のサイズを2MB増加さ
   せる)

というものですが、

  ・Segwitはそのまま導入されるのか、改変が
   加えられるのか
  ・さらに変な機能が付加されないか

など、これまで、様々な憶測が飛び交ってきました。ただ、その後、開発段階のプログラムが公開され、

  ・Segwitの機能はそのまま導入される(Asic
   Boostは排除される)

こととなりました。このSegwit2xについては、80%のネットワーク参加者の賛成により、7月21日以降に導入される、という方式です。



このSegwit2xに関しては、6月のニュースで、中国国内のBitcoin関連企業が集まって、Segwit2xを支持することが確認されました。

https://www.btcc.com/news/en/%C2%A0%20%22announcements%22/2017/06/19/segwit2x/


この直後から、ビットコインネットワーク上でSegwit2xを支持するネットワーク参加者が急増し、一気に、全体の8割強を占めるまでになりました。

https://coin.dance/blocks/proposals


また、他方UASFも、徐々に、支持者を増やしてゆきました。



●問題点

さて、Segwit2xもUASFも、Segwitをそのまま導入するのであれば、どっちでも問題ないのではないか、とも思えますが、Segwit2xに対しては、様々な批判が加えられています。


1つには、Segwit2xの特徴である、Segwit導入後、約3ヵ月後に予定されているブロックサイズ変更です。これは、ハードフォークと呼ばれる、それまでのシステムと互換性のないアップデートとなるため、技術的な危険性が指摘されています。


また、公開されたSegwit2xのプログラムに対しては、従前のビットコインシステムの開発者から、Segwitの導入を失速させることを意図した内容になっている、との痛烈な批判が加えられています(ただ、一部、推測を含む批判です。実際、現時点では、批判は現実化していません。)。

https://medium.com/@lukedashjr/the-segwit-2x-beta-review-and-thoughts-ca480694a8c7


さらに、上記批判の中でも記載されていますが、Segwit2xは2MBのハードフォークと言っていたにもかかわらず、公開されたSegwit2xのコードでは、8MBのハードフォークになっているじゃないか、といった主張もなされています。

ただ、こういった主張に対しては、ブロックの大きさの測り方が違うのであり、実質2MBのハードフォークだ、といった説明もされています(つまり、ブロック自体を従来と比較して2倍=2MBにすることに加え、Segwitにより、理論値として、最大で、それまでのブロックを4MBに拡張したのと同じ効果が得られるため、4×2=8MBとなるが、ブロックサイズの拡張自体は2MBなのだ、とのことです。)。

https://medium.com/@jimmysong/understanding-segwit-block-size-fd901b87c9d4


その他、従前の開発者以外の開発者によりプログラムが作成されるため、バグがあるのではないかという点や、その後の保守がどうなるのか、という懸念もあります。




●今後について

前回メルマガを書いた時点では、
  ・Segwit2xか
  ・UASFか
  ・どちらにもならないか
といった状況で、ビットコインが分裂する可能性が叫ばれていました。


しかし、今回、Segwit2xの支持が多数となりました。Segwit2xもUASFも、Segwitの導入を目指す点では共通しており、ネットワーク参加者の大半がSegwitを導入することとなったため、巷で騒がれていた8月1日のビットコインの分裂は回避されたと言われています。

また、心配されていたSegwit2xのバグについても、現状では、特段、バグによって大きな問題が生じたなどの報道はありません。

今後、Segwitの機能自体は、8月後半頃に有効化される見込みです。


ただ、これから、8月にかけて、システムが切り替わったことが原因で、一時的なブロックの分岐が生じる可能性があります。これは、文字通り、一時的なもので、速やかに解消されると考えられていますが(そもそも、一時的な分岐は、ビットコインのシステムに織り込み済みの問題とも言えます。)、念のため、ビットコインを動かした際は、取引が確実に確定するまで、一定期間(6ブロック程、1時間程度)待つことが望ましいと言われています。


また、Segwit2xは、今後、11月頃、ハードフォークを予定しています。この点については、引き続き、注意が必要です。

続きを読む

●はじめに

先の記事では、ハードフォークの話題について触れさせていただきました。しかし、先の記事でも書かせていただいたとおり、その後、BitcoinUnlimitedでは、一部の、特許技術を使うことができる者のみが儲かる構造となっていることなどが判明しました。これにより、BitcoinUnlimitedは支持を失ってゆき、BitcoinUnlimitedによるハードフォークのリスクは低下しました。

が、しかし、この問題、形を変えて、現在でも続いています。いわゆる「スケーラビリティー」問題と呼ばれるもので、現在、ビットコインは、混乱の真っ只中にあります。これを反映して、現在、ビットコインの価格は乱高下しています。


ごくごく簡単に言ってしまえば、BitcoinUnlimitedの時と同様、

  ビットコインが2つに分岐するかもしれない!!??

という問題が発生しています。



以下、順を追ってご説明致します(なお、この記事は、平成29年6月19日時点で記載されたものです。)。



●前提知識:スケーラビリティ問題

まずは、今回の問題の前提となる知識をご説明します。

ビットコインのシステムでは、

  ・約10分間ごとに
  ・世界中で生じた新たなビットコイン取引をまとめて
  ・それを新たなブロック(取引台帳)に記入し、
  ・チェーンのように、従前の台帳につなげてゆく

という仕組みがとられています。いわゆるブロックチェーンと呼ばれる仕組みです。


しかし、この1つのブロックのサイズは固定サイズ(1MB)であるため、近年の取引量増加に対応しきれなくなりつつあります。要するに、10分に1回しか取引台帳に新しいページを追加できないけれども、10分間の取引量が1頁分の分量を超えてしまって、台帳に書ききれなくなってしまうのです。


書ききれなくなるとどういうことが起こるかというと、取引がなかなか確定せず(台帳に書き込まれず)、送金に遅延が生じます。また、ビットコインは、これまで、送金手数料が0ないし非常に低い金額でしたが、この送金手数料が増加するという事態も発生します。


これらの問題は「スケーラビリティ問題」と呼ばれ、これまで、様々な対応策が検討されてきました。以前ご紹介したSegwitや、BitcoinUnlimtiedも、このスケーラビリティー問題への対応策の候補です。BitcoinUnlimitedは、その後、下火になりましたが、それで問題が解決したわけではありません。スケーラビリティー問題は依然として残っているのです。




●BIP148

このスケーラビリティー問題に関して、これまで様々な対応策が提案されてきました。その1つがSegwitですが、以前お伝えしたとおり、ネットワーク参加者の大半の賛成を得るには至らず、導入できずにいます。

このSegwitをなんとか、半ば強行して導入しようと考えられた導入方法の1つの案が、「BIP148」と呼ばれる案で、現在、非常にホットな話題となっています(https://github.com/bitcoin/bips/blob/master/bip-0148.mediawiki)。BIPとは、Bitcoin Improvement Proposalsの略で、ビットコインに関する改善の提案です。そして、「BIP148」とは148番目の改善提案ということになりますが、その具体的内容は、ごく簡単に言えば、以下のとおりです。

  ・このまま、Segwitの導入が見込めない場合
  ・2017年8月1日の夜中の0時0分(UTC=協定世界時≒グリニッジ標準時)以降
  ・Segwitを導入していないブロック(台帳)は拒絶する
  ・という仕組みをビットコインのプログラムに盛り込む


要するに、ネットワーク参加者の過半数も同意が取れていないSegwitを、言わば強行導入しようとするものです。一見するとかなり過激な提案ですが、これはうまくいくのでしょうか。

ただ、Segwit導入に全く勝算が無いわけではありません。これを理解するには、ビットコインに、どのようなプレーヤーがいるのかを理解する必要があります。まず、当然ながら、ビットコインを使う側、ユーザーサイドの人たちがいます。具体的には、個々のビットコイン保有者や、取引所、ウォレットのプログラムを提供している業者などです。

また、当然ながらビットコインを開発している人たちがいます。

さらに、ビットコインの台帳に取引情報を書き込む(マイニングといいます。)人たちもいます(マイナー)。この人達は、報酬として、ビットコインを受領しています(システム上、新規にビットコインが発行され、それを報酬として受け取ります。)。これらは、1人の人が複数該当することもあれば、1つしか該当しない場合もあります。以上をざっくりまとめると、以下のとおりです。


  ①ビットコインのユーザーサイドの人たち

     ・個々のビットコインユーザー(保有者・利用者)

     ・取引所

     ・ウォレットのプログラムを提供している業者

  ②開発者

  ③マイナー(採掘者)



続きを読む

これまでも、メルマガやブログ等で情報発信させていただいているビットコインでございますが、この度、弊所のホームページ上に、「ビットコインQ&A」のページを設けました。

URLは以下のとおりです。
http://www.tplo.jp/bitcoin

今後、順次、Q&Aを追加させていただければと思います。
是非御覧ください。

ビットコインの話題をQ&Aの形でまとめた「ビットコインQ&A集」・第2段をお送りいたします。

なお、本稿に記載された情報は、平成29523日当時の情報です。ビットコインやブロックチェーンの技術発展はめざましく、時間の経過とともに、不正確となる情報が含まれ得ることを、予めご了承下さい。

 

Q6> ビットコインの通貨の単位はなんですか。

 通貨の単位は、そのまま「ビットコイン」で、「BTC」などと略されます。通貨の最小単位は、0.00000001BTCで、これは、1Satoshiとも呼ばれます。取引所などで購入できる最小単位は、取引所にもよりますが、大手取引所では、0.005BTC0.001BTCあたりのようです。


Q7> ビットコインは誰が作ったのですか。

 ビットコインのアイデアは、2008年に、Satoshi Nakamoto(中本哲史)を名乗る人物が、「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文(https://bitcoin.org/bitcoin.pdf)により発表しました。

 その後、同氏は、論文に基づきビットコインのソフトウェアも開発し、改良を加えていましたが、今では、姿を消しています(現在に至るまで、身元は分かっておらず、日本人か否かすら不明です。)。

 現在では、ソフトウェアの改良は、世界中のプログラマーにより継続されています。

 

Q8> ビットコインに使われている「ブロックチェーン」とは何ですか。

 ビットコインには、「ブロックチェーン」という技術が使われています。これは、一言で言えば、「台帳」に関する仕組みです。このブロックチェーン技術によって、ビットコインは、中央管理者なく送金でき、改ざんも事実上困難となっています。

 ブロックチェーン技術は、ビットコイン発祥の技術ですが、現在では様々な応用例があり、その定義も論者によってバラバラです。そこで、ブロックチェーン技術の源流である「ビットコイン」に使われているブロックチェーン技術に絞ってご説明します。

 ※なお、詳細については、ビットコインの原典である中本哲史氏の論文(「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash Systemhttps://bitcoin.org/bitcoin.pdf)に記載されています。

 

ブロックチェーンの特徴は、次のとおりです。

①取引台帳

 ブロックチェーンとは、ビットコインの全取引を記録した「取引台帳」のデータです。

 ビットコインのブロックチェーンには、ビットコインの取引が開始された2009年以降の全ての取引が記録されています。この中には、誰から誰にビットコインが送金されたのかが記録されています(正確に言えば、ビットコインは匿名での取引ですので、ビットコインの口座番号にあたるビットコインアドレスが記録されます。つまり、どのビットコインアドレスから、どのビットコインアドレスに、ビットコインが送金されたのか、がブロックチェーンに記録されます。)。例えば、

  ・Aさん→Bさん、1BTC送金

  ・Bさん→Cさん、1BTC送金

  ・Cさん→Dさん、1BTC送金

といった形で、ビットコインの取引がブロックチェーンに記録されています。この記録をたどれば、現在、Dさんが1BTCを保有していることが分かります。

 

②共有

 ブロックチェーンは、ビットコインのネットワーク上で、皆が見れる状態で公開・共有されています(但し、繰り返すとおり、ビットコインの取引は匿名で行われ、利用者個人の情報は公開されません。)。

 図1のとおり、ビットコインの取引台帳は、ビットコインネットワークに参加している世界中の者が共有(コピーを保持)しています。これにより、例えば一部の参加者の台帳が壊れてしまっても、台帳は消えません。

【図1

図1

















 
 例えば、ある国が破綻し、インターネットへの接続ができなくなったとしても、台帳の写しは世界中に残っていますので、ビットコインは消えません。このファイル共有の技術自体は
P2Pと呼ばれ、従来からある技術です。

 また、この取引台帳の「共有」は、ビットコインはどこにあるのか?という問いに対する答えでもあります。つまり、あなたのビットコインは、世界中で共有されているブロックチェーン(取引台帳)に記録されているのです。

 ただ、このままでは、皆が皆、ブロックチェーンを改ざんして、好き勝手偽造できてしまいます。ブロックチェーンには、当然、こういった不正を防止する仕組みが備わっています(以下の③以下参照)。

 

③チェーン構造

 ブロックチェーン(取引台帳)は、取引情報(例えば、Aさんのビットコインアドレスから、Bさんのビットコインアドレスに、1ビットコイン送金した、といった情報)を複数まとめた「ブロック」が、数珠つなぎ(「チェーン」)になったものです。取引があるごとに、ブロックは、刻一刻と、新しいものができ、チェーンが長くなっています。

 ビットコインのブロックチェーンには、ビットコインの取引が開始された2009年以降の全ての取引がチェーン状に記録され、公開(前記①)されています。

【図2-1:ハッシュやナンスについての説明は後述します。】

図2-1

(例)例えば、ブロックチェーン上に、以下の取引が記載され、X+1番目のブロックが最新のブロックであれば、Cさんは、現在、少なくとも1ビットコイン(BTC)を保有していることが分かります。

  X番目のブロック:

    Aさん→Bさん、1BTC送金

  X+1番目のブロック

    Bさん→Cさん、1BTC送金

 また、「チェーン」の意味について掘り下げてみます。ブロックチェーンのブロックは、前のブロックまでの情報(簡素化され、圧縮されたようなもの。ハッシュ)を持っています。これが、ブロックチェーンが、「チェーン」と呼ばれる理由です。ハッシュにより、ブロック同士が内容的につながっている点で、ブロックチェーンは、「チェーン」なのです。

 では、なぜ、このようなことをやるのかというと、それは、改ざんの防止です。例えば、ブロックチェーン上のX番目にあるブロックの取引情報を書き換えると、お隣・X+1番目のブロックがもっているハッシュの値(X番目のブロックのハッシュ)と整合しなくなるためすぐにバレます。

【図2-2

図2-2

 では、さらに悪い事を考えて、X+1番目のハッシュも改ざんした場合はどうでしょうか。
             
              【図2-3


図2-3

 しかし、これも、すぐにバレてしまいます。X+1番目のブロックを改ざんしたため、X+2番目のブロックのハッシュ値と不整合となるためです。

 では、最新のブロックまで、以後、すべてのブロックのハッシュを計算・改ざんしたらどうでしょうか。結論から言うと、これも、不正がすぐバレてしまいます。これは、ナンスと呼ばれるブロックの情報が原因です。ナンスとは、そのブロックに関して、特定の計算を行って算出される値です。そのため、ブロックの内容を改ざんすれば、ナンスの値と不整合になるので、改ざんがバレます(整合性のチェックは、第三者がみて、すぐに行うことができます。)。

 では、さらにさらに、ブロックを改ざんして、ナンスの値も、以後のブロックにつきすべて再計算して改ざんしたらどうでしょうか。そもそも、ナンスの計算には非常に膨大な計算が必要となり、1人では、ナンスの正解を算出するまで非常に時間がかかります。それでも、頑張って、ナンスを計算したとしましょう。

 

             【図2-4

図2-4















これだけ見ると、うまくいきそうです。しかし、このような改ざんは、以下のルールにより、確率的に、防止されます。

     ブロックチェーンは、一番長いものを正とする

繰り返すとおり、ナンスの計算には非常に膨大な計算が必要となります。具体的には、世界中の(高性能な)コンピューターが競って計算しても、10分に1人正解者が現れる程度です。そのため、1人がブロックチェーンを改ざんして、ナンスの計算をしていても、世界中のコンピューターが、正しいブロックチェーンに、新たなブロックをつなげてしまいます。そのため、1人による改ざんでは、不正なブロックが、新たなブロックの長さに追いつく日は来ません。そのため、ブロックの改ざんは防止されるのです。

なお、確率的に、ブロックチェーンネットワークに参加している者の51%が結託してブロックを改ざん・ナンスを計算してゆけば、改ざんが可能となると言われています。

④ブロックの承認(台帳への追記)ルール

ビットコインには、管理者がいないため、誰が台帳を書き換えるか(ブロックを追加・承認・確定するか)、公正なルールが必要となります。そこで、ビットコインでは、最新のブロックを作る場合、そのブロックに関する複雑な計算(ナンスの計算)を初めて行った者がブロックを承認・確定する権限を有することとされています。

 ナンスの計算は、計算するのは大変なものの(総当たり的な計算。いうなれば、南京錠を、000から999まで、ひとつずつ試してゆくような計算。)、計算が合っているかどうかは誰でもわかることとなっています。そのため、ズルはできません。

ナンスの計算なんて面倒なこと、誰がやるのか?と思われる方もいるかもしれません。しかし、ナンスの計算を初めて行い、ブロックを承認した者には、自動的に、ビットコインが対価として支払われます。この対価を求めて、世界中のコンピューターが、競って、ナンスの計算をしています。

 

【図3:ナンスという値の計算を初めて行った者が、ブロックを承認・確定する権限を有する。】

図3











⑤ビットコイン発行のタイミング

ナンスの計算によるブロックの承認は、ビットコインの唯一の新規発行のタイミングでもあります。ナンスを計算した者には、ビットコインネットワークから、自動的に、発行されたビットコインが、報酬として渡されます。この点から、ナンスの計算は、金などを採掘することに似ており、採掘(マイニング)と呼ばれています。

 

⑥一番長いブロックが正しいものとされる

 ⑥-1:意図しないチェーンの分岐

ビットコインのブロックチェーンは、原理上、分岐(フォーク)することがあります。例えば、別々の人間が、同時にナンスの計算を完了した場合、両者とも、ブロックを承認することができてしまいます。そうすると、ブロックチェーンは、Aさんが承認したブロックと、Bさんが承認したブロックの2系統に分岐してしまいます。

この事態に対応するため、ビットコインでは、一番長いブロックが正しいものとされるというルールがあります。2系統にブロックチェーンが分岐した場合であっても、その後、更にそれぞれのブロックチェーンにブロックが追加され、どちらかが長くなります。そうすると、世界中のビットコインネットワーク参加者は、長くなった方のブロックについて、さらに新たなチェーンをつなげようとします。こうして、どちらかのブロックチェーンが長くなってゆきます。一定の差がついた時点で、短い方のブロックチェーンは破棄されます。以上の流れで、意図しない分岐に対応できます。

 

【図4
図4




















ただ、Aさんも、Bさんも、悪意がない(データを改ざんするような人ではない)場合、どちらがブロックを繋げたとしても、適正なブロックチェーンができることとなりますので、その意味では、大きな問題はありません。

 

 ⑥-2:悪意のあるチェーンの分岐

次に、悪意ある者が、意図的に、ブロックチェーンを分岐させる(ブロックの内容を改ざんする)ことも考えられます。

しかし、前記③記載のとおり、

       ブロックチェーンは、一番長いものを正とする

というルールにより、悪意のあるブロックチェーンの分岐は防止されます。

 

Q9> ビットコインのブロックチェーンの中身を見ることはできますか?

 ビットコインのブロックのデータは、以下のウェブサイトなどで、リアルタイムに見ることができます(このサイト自体は、ビットコインの情報を管理している訳ではなく、「P2Pネットワーク上にあるビットコインの取引履歴を見るウェブサイト」という位置付けです。)。

https://blockexplorer.com

 

Q10> ブロックチェーン技術について、どのような発展が期待されますか。

「ブロックチェーン技術」ですが、現在、世界中の著名な金融機関が、こぞって研究をしています。ビットコインと金融機関は、水と油で、敵対する関係のようにも思いますが、金融機関としても、「ブロックチェーン技術」に関して言えば、多くのメリットがあるようです。例えば、ブロックチェーンの技術を応用し、独自コインの発行を検討したり、未公開株式の管理に応用できないかなども考えているようです。

また、ブロックチェーン技術は、P2P技術を利用しており、中央サーバーが不要となるため、銀行のインフラコスト削減にも利用できないか検討されているようです。

さらに、ブロックチェーン技術は、台帳の技術ですから、(当然、法改正が必要ですが)権利の公示方法として応用ができるかもしれません。例えば、特定の権利関係に関する公示方法として、ブロックチェーン技術が利用できれば、面白いように思います。国としても台帳管理コストは大幅に削減されますし、当事者も裁判所も、インターネットを通じて台帳を確認できるため、わざわざ登記事項証明書を取り寄せる、なんていう手間も必要もなくなるかもしれません。

1. ハードフォーク問題・その後

さて、ビットコインですが、その後、若干状況が変わり、ハードフォークのリスクが低下しているようです。

これを反映してか、ビットコイン相場も上昇しています。先月、1BTC=10万円台をうろちょろしていたのに対し、現在(2017/05/02)、1BTC=15万円を超えて、過去最高値を記録しています。



2. 「お金」の問題
 その理由の一つが、いわば「お金」の問題です。SegwitとBitcoinUnlimitedの対立は、純粋的に技術的な良し悪しというよりは、政治的な部分が大きいといわれています。その中で、一部のビットコインネットワーク参加者(マイナー)にとって、BitcoinUnlimitedの方が、より効率的にマイニングができる(要は、その分、ビットコインを稼げる)、ということが判明しました。これにより、BitcoinUnlimited支持層の本音部分が垣間見え、印象が悪くなったようです。

具体的には、BitcoinUnlimitedに対して、AsicBoostという技術(技術、というよりは、ビットコインの脆弱性をついたもの、という評価も多いようです。)を使って採掘(マイニング)をすると、マイニングの効率化が図られ、より多くのビットコインを採掘できるようです。一説によれば、採掘の効率化が30%~50%も上がるとも言われています。また、この技術は、特許化されているため、一部のマイナーしか(適法には)使えません。そのため、ざっくり言えば、BitcoinUnlimitedでは、一部の、特許技術を使うことができる者のみが儲かる構造となってしまっているのです。

 他方で、Segwitでは、AsicBoostの技術はは使えないため、このようなことは起こりません。



3. ビットコイン以外のマネー流出

 また、ハードフォークリスクが低下している原因として、もう一つ考えられるのが、他の仮想通貨へのマネー流出です。現在、世間には、ビットコインの他にも、無数の仮想通貨が存在しますが、その中でも代表的なものが、ここ1ヶ月程度の間に、高騰してます。例えば、以下のとおりです。


●ライトコイン
 →1ヶ月の間に1.5倍超

●リップルコイン
 →3月末~4月頭にかけて、1週間のうちに、一時、6倍超に(その後、下落しています。)

●イーサ(イーサリアム)
 →1ヶ月の間に1.6倍超


※なお、上記データを確認したのは、平成29年4月28日です。その後、更に上昇しているかもしれません。



特に、ビットコインコミュニティーでは散々もめていたSegwitの機能ですが、別の仮想通貨であるライトコインでも、同じSegwitの機能の導入が問題となっていました。しかし、ライトコインでは、Segwit導入が支持され、ついに、導入されることが確定したようです。

ビットコイン陣営としても、ライトコインに先を越され、マネーもビットコインから別の仮想通貨に流出している現状を見て、ハードフォーク熱が下がるのではないか、とも見られているようです。


4. 小括
 今のところ、直ちにビットコインのハードフォークが起こるという気配はないようですが、今回の一件は、管理者のいない仮想通貨が、どのようにガバナンスを行っていくか、という問題を示すものだと思います。管理者がいないゆえに、コミュニティー内部で方向性が対立した場合、対処が難しいですね(某OSのように、開発会社の都合で、強制的なアップデート!、という手段もとれません。)。

 また、ビットコイン以外の仮想通貨の存在感は、日を追うごとに大きくなっています。ビットコインもそれ以外の仮想通貨も、互いに刺激しあって、全体として発展してゆければよいですね。例えば、今後、決済手段として仮想通貨が普及した際、ビットコインのオンリーワンではなく、いくつかの仮想通貨が併行して使われていくようになるのかもしれません(クレジットカードでも、複数の会社が使われていますので、同じような感じになるかもしれませんね。)。


本日発売の雑誌「HERS(ハーズ)」(2017年6月号・光文社)のビットコイン特集(143~145頁)において、弊所弁護士江嵜宗利のコラムが掲載されました。

同特集では、今注目されているビットコインについて詳しく解説されており、特集の中のコラムでは、弊所弁護士江嵜宗利が、仮想通貨等に精通している専門家として、ビットコインを使う上での注意点などを解説しています。

興味のある方は、是非手にとって御覧ください。


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