カテゴリ: その他法律

2018年3月20日日本経済新聞夕刊社会・スポーツ面の「ネットの人権侵害 2000件超 5年連続で最多更新」「『名誉棄損』が48%増加」という見出しの記事から抜粋。


「法務省は20日、2017年に全国の法務局が救済手続きを始めた人権侵害の状況を公表した。無断で個人情報を掲載するなどのインターネット上の人権侵害は前年比16.1%増の2217年と5年連続で過去最多を更新し、初めて2千件を上回った。」


(私のコメント)
裁判所の仮処分案件でも、今やネットの名誉侵害の削除請求等がとても多い状況なので、たとえば東京地裁あたりに、ネット関係の仮処分案件やネットの名誉侵害案件の専門部を作って、これらの案件を効果的に審理するようなことができないかな、と思います。高齢化・人口減の影響なのかはよくわかりませんが、裁判所の事件が年々減少傾向にあるので、時代の流れに即応して、少しでも国民の役に立つような制度・運用に変えていけたらな、と思うのですが、いかがでしょう?
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2018年3月19日日本経済新聞朝刊社会面の「偽アカウント削除命令 地裁 ツイッターで成り済まし」という見出しの記事から抜粋

「ツイッター上で「成り済まし」の被害に遭った埼玉県内の女性が、ツイッター社(本社・米国)を相手に偽アカウントの削除を求め仮処分をさいたま地裁に申請し、認められていたことが18日、女性の代理人弁護士への取材でわかった。」

(私のコメント)
弁護士的には、米国のツイッター社に仮処分を申し立てた際に、申立書の副本をツイッター社に送らなければならないのですが、その副本の送付の際に英訳を付けることが求められるのかとか(多分求められる)、米国の会社であるツイッター社が日本の裁判所の決定に従ってくれるのか?などというところが気になりますね。もちろん、ツイッター上の特定の発言や記事ではなく、アカウント自体の削除命令が出たという点で画期的な決定だと思います。
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昨日(2018年3月20日)の日本経済新聞の社会面(43面)の「不適切な投稿の裁判官厳重注意」との見出しの記事から。

(以下、記事の抜粋。被害者の方の名前は略しました。)
東京都江戸川区で2015年、高校生の〔中略〕さん(当時17)が殺害された事件の判決をめぐってツイッターに不適切な投稿をしたとして、東京高裁は19日、遺族が処分を求めていた岡口基一裁判官(52)を文書による厳重注意処分にしたと明らかにした。〔中略〕岡口裁判官は「改めて反省している」と述べている。

(私のコメント)
私はツイッターでは岡口裁判官をフォローしておりませんが、facebookではフォローしており、司法関係のニュースを沢山紹介してくれるため、とても感謝しています。また、とかくベールにつつまれている裁判官の生の声が聞けて、色々な意見はあるかもしれませんが、裁判官のお仕事をされている方を身近に感じることができて、とてもイイネと思っています。この件では、不適切だったのかもしれませんが、これで岡口裁判官の投稿が見れなくなるとすれば非常に悲しいので、不適切投稿には注意しながら、これまでと同じペースでの投稿を応援しています!



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弊事務所では、馬場悠輔弁護士が第一東京弁護士会の宇宙法研究部会に入って勉強していますが、「宇宙法っていったい何なんでしょう?どういう仕事なのかな?」などと思っていたら、昨日(2018年3月19日)の日本経済新聞夕刊ニュースプラスの頁の「人間発見」に西村あさひ法律事務所の水島淳弁護士のインタビュー記事が掲載されており、宇宙法の仕事について紹介されていました。

(以下、記事からの抜粋)
「2017年12月、宇宙開発ベンチャーのispace(アイスペース、東京・港、袴田武史社長)が、産業革新機構、KDDIなど12社から第三者割当増資により101億円を調達した。「シリーズA」と呼ぶ技術開発段階の調達としては国内最大で、宇宙ビジネスへの期待の大きさがうかがえます。
 私は、この投資スキームの検討や契約交渉を助言しました。アイスペースは出資企業と組み、月面での水資源開発を目指しています。同社は月面探査に使う探査機を開発中で、15年に7キログラムだったものを4キログラムまで軽量化しました。打ち上げコスト削減につながる軽量化は、探査に使う機器を開発するうえでの重要課題のひとつです。」

「17年3月、アイスペースはル苦戦ブルグ政府と、宇宙資源の共同開発に関する覚書を交わしました。前年の5月、私は同社の袴田社長らと同国を訪れ、1年近くかけて交渉を助けました。」

(私のコメント)
宇宙開発などというと、SF映画を思い出し、どうも現実味がありませんが、この記事にあるように、既に弁護士が宇宙に関する法律や契約のアドバイスをするような時代になっており、そう遠くない将来、宇宙法の分野も確実に発展していくのでしょうね。記事によると、2018年秋に日本でも宇宙開発の規制を定めた宇宙活動法などが全面施行になるとのこと。我々もこの流れに乗り遅れないようにしなければなりませんね。

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この6月1日から施行される住宅宿泊事業法(民泊)ですが、実は、第18条に地方公共団体が騒音やその他の生活環境の悪化を防止するために、条例で、民泊ができる区域を定めたり、民泊の営業日数を制限することができます。

(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)
第十八条 都道府県〔中略〕は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。

で、今日の日経新聞朝刊23面に「規制 東京7割・関西6割」という見出しで、このことに関する記事が出ていました。

「条例制定の意向を示したのは45自治体と35%を占めた。代表的なのは住居専用地域で平日の営業を禁止する形だが、宿泊需要が大きい大都市部でより厳しい制限を盛り込むケースが目立つ。
 兵庫県や神戸市、同県尼崎市は住居専用地域や学校周辺を中心に年間を通じて原則禁止にする。都内では全国に先駆けて条例を制定させた大田区が住居専用地域や工業地域などで通年禁止。中央区や目黒区では区全域で週末のみの営業に限る。」

「条例を作る自治体の半数超に当たる23自治体は営業地域や日数以外にも照準を合わせ、19自治体では届け出前に周辺住民向けに事前説明会を開く必要がある。管理人の設置を事実上求める事例もある。千代田区は家主や常駐の管理人がいない場合は学校周辺などでの営業を認めない。荒川区は廃棄物の適正処理・緊急対応で家主が不在の場合は1キロメートル以内に管理者の常駐を求める。
 他にも和歌山県では近隣住民に営業に反対する意思がないか確認してもらうようにする。京都市はゲストパス(身分証)を発行して宿泊客に携行させ、貸し手には自治会への加入や地域活動への参加を求める。」

(飛田のコメント)
私は、民泊問題は、民泊法の制定・施行と、Airbnbが民泊法の無許可物件の掲載を取りやめる旨を表明したことを以って収束するものだと思っていましたが、この調子で行くと、まだまだ法的な問題が発生しそうです。記事によると、政府は、通年禁止や全域制限を「法の目的を逸脱し、適切ではない」と指摘しているようなのですが、なんと、通年禁止や全域制限ばかりか、周辺住民への事前説明会や反対意思のないことの確認や管理者の常駐まで要求されそうです。記事によれば、このような地方公共団体の動きは、「住民の不安感」に基づくもののようなのですが、実際、そんなに不安があるのかな??いずれにしても、近い将来「過剰規制なのではないか?」と問題になる予感がしますね。


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今日(2018年1月9日)の日経新聞(電子版)に「夫婦別姓選べず『戸籍法は違憲』 サイボウズ社長が提訴」という見出しの記事が掲載されていました。

(以下記事の抜粋)

「結婚時に戸籍上の姓に旧姓を選べないのは法の下の平等を保障する憲法に反するとして、ソフトウエア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長(46)ら4人が9日、国に計220万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。」

「民法750条は「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」と定めている。15年12月、最高裁大法廷は、この民法の規定を「合憲」とする初の憲法判断を示した。」

「民法の規定については合憲判断が確定しているため、青野社長らは戸籍法に着目した。日本人と外国人の結婚・離婚や、日本人同士の離婚の際には戸籍上の姓を選べるのに、日本人通りの結婚だけ姓を選べない点を挙げ、「法律の不備であり、法の下の平等に反して違憲だ」と主張する。」

(飛田のコメント)
民法750条については、実際上、結婚の際に女性の方が圧倒的に氏を変更しているという実態を背景に、憲法24条1項の両性の平等規定に違反するとの主張がなされてきましたが、形式上は、男性側の姓を選んでも女性側の姓を選んでもどちらでも良い(ただ、どっちかに決めなければいけない)という制度であるため、少々男女差別だという主張に馴染みにくいところがありました。
ところが、上記の訴訟では外国人との比較から夫婦同姓制度は憲法14条の法の下の平等規定に違反すると理由づけているようであり、非常に良い着眼だと思います。国側は、外国人にできることが、なぜ日本人にはできないのか?そのように区別することに合理性があるのか?という点を主張立証していかなければならず、結構、その立証は難しいのではないでしょうか。
訴訟の行方を注目したいと思います。
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1022日(日)に衆議院議員選挙・最高裁裁判官国民審査が行われましたが、皆様は投票に行かれましたでしょうか。台風が上陸したせいか、投票率は53.68%で戦後2番目の低さだったそうです(私は台風の中、雨に濡れながらも投票に行きました。自慢できることではありませんが…)。

さて、今回の選挙では、個人的に法律的な部分に着目しており、それは選挙権の年齢が「18歳以上」に引き下げられてから初めて実施される総選挙であるという点です。
平成276月に公職選挙法が改正されて、今まで20歳以上であった選挙年齢が、18歳以上に引き下げられました。

これを受けて、民法の成年の対象年齢の取扱いも18歳への引き下げが議論されていますが、少なくとも裁判員の対象年齢は今までどおり「20歳以上」に維持されています。もっとも、この裁判員の年齢については、賛否両論あるようです。
個人的には、今回18歳以上に選挙権という民主主義の根幹を構成する権利が付与された以上、法的にも18歳以上は主権者として民主主義の担い手になったと考えます。裁判員として評議に加わるということも国政を決めることと重大性は異ならず、裁判員制度も民主主義の実現の一つだと考えれば、18歳以上であっても裁判員になれるようにするべきだと思います。(ちなみにアメリカの選挙権は18歳以上に付与されて、かつ裁判員よりも重責な陪審員になるのも18歳以上からになっています。)

さて、民法の成年の対象年齢の取扱いが18歳へ引下げられた場合、様々な影響があります。
未成年者は、法定代理人(多くは親)の同意なく契約を締結した場合には、その契約を取り消すことができます(民法第5条第1項、第2項)。この取消権は、事情がどうあれ取り消すことができるので、かなり強力な権利です。18歳が自分の締結した契約について責任を負うことになり、消費者トラブルの多い、サラ金、デジタルコンテンツやエステサービス等の契約を取り消すことができなくなります。この点は早い時期から法教育や消費者教育を行っていくしかないでしょう。

また、養育費の支払いを決める際に、今では成年の20歳を基準として、「20歳に達する日の属する月まで」と決めたりしましたが(大学進学を予定し「22歳」の場合もあります。)、今後18歳を基準にする場合が出てくるでしょう(養育費を支払う側からすれば18歳を基準にしたい)。

なお、民法で成年の対象年齢が下がったとしても、喫煙については「満20歳」にならないと認められません。というのも、未成年者喫煙禁止法は、喫煙できる者を、例えば「民法に規定する成年」と規定されておらず、「満20歳」(満二十年)と規定していますので、民法の成年が引き下がっても、連動して喫煙可能年齢も引き下げられるわけではありません。飲酒も同様の議論で、未成年者飲酒禁止法が定められていますが、飲酒可能年齢は「満20歳」(満二十年)と規定されています。

他には、男性は18歳、女性は16歳になると婚姻できますが、20歳未満だと父母の同意が必要になりますが(民法737条第1項)、成年が18歳に変更されると、18歳の男性が結婚する場合は、少なくとも男性側の父母の同意は不要になります。併せて女性の婚姻可能年齢も18歳に引き上げられるとの議論はありますが、現在の規定のままだと女性は16歳、17歳に結婚する場合には父母の同意が必要になりますが、18歳になれば父母の同意なく婚姻できるようになります。

選挙権が18歳以上に付与されるようになって、若者も国政だけでなく民主主義全体への関心が強くなればいいですね。今後も未成年者をめぐる法律の動きに注目したいと思います。

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霞が関にある弁護士会館は日比谷公園の向かいにあり、休憩スペースからは日比谷公園を上から見下ろすことができるので、都会の中にある自然を観ながら休憩している方(多くは弁護士)をよく見かけます。

 

最近休憩スペースから日比谷公園側を観てみると、帝国ホテルの並びに一つだけ突出した巨大なビルが建設中でした。調べてみると新日比谷プロジェクト(仮称)という高層ビル計画だそうです。高さは約191mになるそうで、最近建設された渋谷ヒカリエが約182mなので、それよりも9m程度高い高層ビルになります。

この高層ビルはオフィスビルですが、低層階は商業施設になり、巨大な映画館も入るということなので、映画好きとしては今から楽しみです。

 

この高層ビルは日比谷公園沿いの他の建物と比較すると、一つだけ目立って高いので、そんなに高いビルが建てられるのかなぁと、違和感がありました。

というのも、ご存知の方も多いと思いますが、たとえ自分の土地だとしても、自分で自由に高さや大きさを決めて建物を建てられるわけではなく、建築基準法や都市計画法等の規制がかかり、ビルを建てるにしてもその高さには限界があるためです。

 

建築できる建物の高さについて説明すると、まず建物を建てようとする土地の面積(敷地面積)のうち建物を建築することが可能な面積(建築面積)が地域によって異なります。この敷地面積に対する建築面積の割合を「建ぺい率」といいます(建築基準法53条)。例えば建ぺい率が60%だと、100坪の土地に、最大60坪の面積に建物を建築することができます。

次に、敷地面積に対する、建物の床面積の合計(延床面積)の割合も地域によって決まっており、これを容積率といいます(建築基準法52条)。この容積率によって建築する建物の高さの限界が決まります。ただし、延床面積のうち、例えばエレベーターの面積分は容積率の計算対象にはならない等の取扱いがなされています。

容積率は住居地域なら200%や300%程度になりますが、低層住居専用地域ならもっと低くなり、例えば田園調布の容積率は80%程度しかありません。商業地域は概ね600%~800%になるため、商業地域では高い建物を建てることができます。

 

さて、本件の日比谷の高層ビルの所在地である東京都千代田区有楽町一丁目1番の建ぺい率と容積率を調べてみると、建ぺい率が80%、容積率が900%と定められていました。

また、公示されている建築計画をみると、敷地面積は約10,702㎡で、延床面積のうち容積率の対象面積は約155,180㎡でした。

ここで容積率の対象になる延床面積から容積率を計算してみると、155,180㎡÷10,702㎡×1001450(%)となり、この地区の容積率900%を550%も超えていました!

 

それではこの高層ビルは違法建築なのか、というとそうではなく、実は「都市再生特別措置法」という法律によって、「都市再生特別地区」の都市計画決定を受ければ、容積率等の制限の緩和を受けることができるのです。

その観点から東京都千代田区有楽町一丁目1番を調べてみると、きちんと都市再生特別地区の都市計画決定を受けており、容積率が「900%」から「1450%」に緩和されています(都市再生特別地区状況一覧http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/toshisaisei/04toushi/h270401ketteijoukyou.pdf)。

 

この都市再生特別地区の都市計画決定を受けて、高層ビルや延床面積の大きい建物を建築している例は結構あります。上述の渋谷ヒカリエや、丸の内のJPタワー、銀座の歌舞伎座タワーやGINZA SIX、大阪のあべのハルカス等があります。

 

最近の高層ビルは、スタイリッシュなものが多く、どのように空間を生かし、どのような機能性を有しているのかを見るのは面白いですね。

今回の日比谷の高層ビルは、来年1月に工事が完了するそうなので、出来上がったら見に行ってこようと思います。

 

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米国のイーロンマスク氏がCEOを務めるスペースX社は、201512月、世界初となる商用の衛星打ち上げロケットの垂直着陸を達成し、近い将来民間による火星探査移民構想も掲げています(国際宇宙会議2016IAC2016))。

日本では、三菱重工やIHIがロケット開発に関わっていますが、最近ではホリエモンこと堀江貴文氏もロケット開発事業を行い始め、宇宙開発事業は活気づいてきております。

 

このような中、宇宙開発に関する法律として、半年ほど前に「宇宙活動法」が成立し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が関わる形でしかできなかったロケット打ち上げが、国の許可を得られれば民間業者の参入が可能になりました。

宇宙開発事業が活気づき、近い将来世界的に宇宙旅行も増えていくことでしょう。

この宇宙旅行は巨額のお金が動くビッグビジネスですが、日本もこの宇宙旅行ビジネスの波に乗れるかというと、ちょっと難しいかもしれません。

 

というのも、例えば米国では自己責任の文化が強いせいか、事業者が宇宙旅行希望者に対して宇宙旅行のリスク説明をきちんして、そのリスクを宇宙旅行希望者が承諾すれば、リスクの高い段階(まだ宇宙旅行が一般化していない今の段階)でも、宇宙旅行ビジネスを認めています。インフォームドコンセントが充たされれば、宇宙旅行希望者に事故等があったとしても、宇宙旅行希望者やその家族が、企業や米国政府に対して損害賠償を請求することはできないようになっています。

 

一方日本では、自己責任の意識は少なく、国が許可を出したかどうかを重視する傾向があるようで、当事者間のインフォームドコンセントは重視されず、今現在、日本企業が主体となって行う宇宙旅行ビジネスについて国の許可が下りた例はありません。お国柄の違いから考えると、今後宇宙旅行ビジネスを日本で主体的に行うのは、まだまだ時間がかかりそうです。

 

宇宙旅行はいわばロマンある冒険なので、ヒマラヤに登るのや、未開拓の洞窟探検と変わらず、個人が自分の人生観に従ってリスクを承知しながら決断すれば、もっと積極的に認めても良いのではないかと思います。

ロマンのある冒険の一つである宇宙旅行に、日本も積極的になってくれることを願うばかりです。

 

ちなみに、宇宙旅行をするにもロケットの打ち上げが必要になりますが、ロケットの打ち上げは航空法の規制がかかり、国土交通大臣の許可が必要になります。「ロケット、花火…その他の物件を…打ち上げる」(航空法施行規則209条の3)には国土交通大臣の許可が必要と法令に規定されており、日本の航空法令上は、ロケットは花火と同様の扱いがなされています(爆発することが前提の花火と、人や物を運ぶためのロケットとは本質的に違うものだと思いますが…)。

 

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森友学園、加計学園、共謀罪といったニュースに押されて世間的にはあまり大きなニュースにはなりませんでしたが、去る平成29年5月26日に改正民法案(債権法関係)が国会で成立いたしました。

 実は、今の民法(債権法関係)は、明治29年(1896年)4月に成立したもので、今回の改正は約120年ぶりの大改正だったのです。1896年というと、まだ日清戦争が終わった1年後で、アメリカではユタ州が45番目の州になり(ちなみに、ハワイがアメリカの自治領になったのは1898年のこと)、アテネでは第1回夏季オリンピックが開催され、日本の東北には明治三大大津波が押し寄せてきて2万人の死者が出ています。日本で鉄道(新橋・横浜間)が初めて走ったのは1872年(明治5年)と比較的早いのですが、電話回線(東京・熱海間)が初めて敷設されたのが1893年、自動車が作られるようになったのは1910年代になってからです。今は平成29年ですが、私なぞはまだ昭和の気持ちで生活していますので、おそらく明治29年当時もまだ江戸時代の気持ちで生活していた人も沢山いたことでしょう。

 というわけで、今の民法はとてつもなく古いので、「錯誤」とか「瑕疵」とか古めかしい言葉が残っているし、その後の時代の変化によって条文の文言どおり解釈するとうまくいかなくなったところを判例で補っているので、条文だけを読んでも結論がよくわからないなどという不都合があります。さらに、民法制定時には想定していなかったようなインターネットなどというものの発達もあったり、もうかなり時代遅れな法律になっていたのです。そこで、一般の人が読んでも意味がとれるようにしたり、これまで判例でつぎはぎ的に補ってきた解釈を条文だけで解釈できるようにしたり、さらに新しい時代に対応する制度を設けたりしたのが、今回の大改正なのです。

 ちょっと一例をあげると、債権を行使しないと債権が消滅してしまう消滅時効期間。これまで原則として10年でしたが、飲食代金や弁護士報酬などは何故か2年であったりとバラバラだったのです。そこで今回の改正で一律5年に統一されました。

 次に、履行遅滞の場合の利率。これまでは5%でしたが、デフレの低金利時代には高すぎますので3%に引き下げられました。また、3年ごとに見直す変動制がとられることになります。

 さらに、連帯保証制度の見直し。「他人の保証人にはなるな!」を家訓としている家があるように、良かれと思って保証人になってしまうと人生を狂わせるような過酷な事態が生じることがよくあります。そこで、これからは、公証人が保証人の意思を確認しないと、保証は認められないことになります。公証人の確認というプロセスで一息入れることで、本当に保証人になっていいものか考える機会を与えるのです。

 加えて、敷金返還のルール。これまで、民法には敷金に関する規定がたったの1条(619条2項)しかなく、しかもとてもざっくりしたものだったのですが、この改正により経年劣化に伴う修繕費については賃借人が負担しなくても良いことなどが明文化されました。

 また、インターネット通販など不特定多数の消費者に提示される「約款」に関する規定も新たに設けられました。消費者の利益を一方的に害すると認められる内容のものは無効とすると定められて消費者保護が図られています。

 この民法改正案は、2009年に法制審議会に諮問されてから、5年以上かけて改正要綱案にまとめられ、2015年3月に国会に法案が提出されました。しかし、安保法案とか、その時々の政局があって、審理が延び延びになっていたものが、ようやく先日可決されたものです。法曹関係者の中には、現在の民法を変える必要がないなどという人もいましたが、やっぱり古かったと思います。改正民法は、公布から3年以内に施行されるとのことですので、まだまだ我々の生活に適用されるようになるのは先ですが、法曹の一人として、この民法の運用を通じて少しでもより良い社会を実現していかなければと思います。

 我々の事務所でも、契約書のひな型の見直しや新しい民法の適用に関する情報を適宜発信していく予定です。こうご期待!

 

 

 

 

 

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