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さて、前回メルマガを配信したのは、約3ヶ月前、20171122日。当時は、1BTC=88万円ほどで、私は、「1BTC=100万円が見えてきたように思います」などといったコメントをしていました。

その後、20171128日頃、1BTC=100万円を突破し、さらに、(取引所にもよりますが)128日頃、1BTC=200万円を突破しました。約10日ほどで、100万円→200万円になったことになります。

しかし、年が明けて、中国や韓国での仮想通貨規制の報道に、コインチェックのNEM流出事件が追い打ちをかけ、2月はじめには、ビットコインは、1BTC=70万円を割るまで下落しました。

もっとも、現在では、1BTC=100万円前後(平成30216日現在)となっています。

僅か3ヶ月の間に、ビットコインは、2倍になったり、3分の1になったりした訳です。凄まじいですね。

以下では、前回メルマガ以降のニュースについて、2点ほど振り返ってみたいと思います。

NEM流出事件

 仮想通貨絡の今一番ホットなニュースといえば、やはり、NEM流出事件ですね、流出したNEMは、580億円相当と巨額なため、大手メディア等でも大々的に報道されています。

 これは、既にご存じの方が大半かと思いますが、日本の仮想通貨取引所の「コインチェック」から、当時、日本円で580億円相当の仮想通貨NEM(ネム。ややこしいですが、通貨単位は「XEM」と表記します。)が流出した事件で、ハッキングによる盗難と言われています。

 NEMもビットコインと同様、ブロックチェーンの技術を使っており、流出した際の取引は、ブロックチェーン(取引台帳)上に記録されています。例えば、以下のサイトでは、当時のNEMの移動状況を見ることができます。

http://chain.nem.ninja/#/transfers/1700476 

 ※なお、上記サイトの日時は、グリニッジ標準時のようなので、日本時間では、表示された日時+9時間する必要があります。

これを見ると、確かに、日本時間で、1260時過ぎ頃から、複数回、100,000,000XEM(当時、約1XEM=約100円でしたので、100億円相当)NEMの移動が記録されています。 

現在、警察なども、この流出したNEMの行方を追っているようです。今後、犯人の特定に至るか否か、進展が気になる所ですね。

ただ、ビットコインもそうですが、NEMも、どのアドレス(銀行で言う口座番号)から、どのアドレスに、いくら移動したか、という記録は残りますが、口座番号と個人情報と紐付いていないため、直ちに犯人を特定することはできません。

そこで、取引所などで流出したNEMが使われた際に、そこを押さえる、といった対応が考えられるかと思います。

例えば、

 アドレス1→アドレス2→アドレス3→アドレス4

といった移動があった際、アドレス3が取引所のアドレスであり、その取引所が利用者の個人情報を把握していれば(日本の取引所では、現在、利用者の本人確認が行われています。)、アドレス2が誰のアドレスかが分かることとなります。

これに対して、犯人側も、流石にすぐにバレるようなNEMの使い方はしていないようで、どうも、闇の市場のようなところで使用するなどして、ロンダリングしているようです(このあたりは、現金のマネーロンダリングなどと同じなのではないでしょうか。ただ、現金と比較すれば、ビットコイン等の仮想通貨は、移動の履歴が追えるため、ロンダリングは比較的難しいとも言えるかもしれません。)。

今後、犯人の特定に至れば、同様の被害の抑止にもつながるように思います。捜査の進展に期待したいです。

 

ICO規制の動き

もう一つホットな話題といえば、ICOに関する規制の動きです。最近では、米国において、証券取引委員会(SEC)が、6億ドル(約653億円)のICOを差し止めたと報道されていました。

 ICOとは、Initial Coin Offeringの略で、ごくごくシンプルに言えば、仮想通貨を使った資金調達を意味します。これは、IPO(新規公開株)をモジッて作られた造語です。

 ただ、具体的な内容については、様々な種類のICOがあり、統一的な定義もありません。一例を挙げれば、

  ・投資家:イーサリアムなどの著名な仮想通貨を払い込む

  ・企業:これに対して、独自の仮想通貨(厳密には、トークンと呼ばれます。)
   を発行する
といったやり方があります。

この場合、資金を調達する企業は、返済義務を負わないため、ICOは、借金とは異なります。また、トークンは、株式ではないため、議決権などもありません。そうすると、投資家としては、何のメリットも無いようにも見えますが、投資家側にもメリットがあります。

まず、投資家は、受け取ったトークン(独自の仮想通貨)がその後値上がりした際に、誰かに売却し、利益をあげることが考えられます。 

また、トークンには、特典がついているものもあります。例えば、飲食店であれば、トークンを、その店での支払いに使える、といった特典も考えらます。

その他、付随的なメリットとして、投資家としては、ICOの方法によれば、インターネットを通じて海外企業に対しても、容易に投資することができ、かつ、少額の投資も可能となるといった点が挙げられます。

一方、もちろん、デメリットもあります。投資話に詐欺が絡むことはよくある話ですが、ICOでも詐欺的なものが多くあると言われています。また、値上がりした際に売却、というのは、もちろん値上がりすれば、の話です。価格もつかず、買い手もつかずに終わることも考えられます。さらに、根本的な問題として、まっとうな企業であっても、ICOで出資した投資家に対して、基本的に責任を負わないため(ICOの場合、投資家は債権者にならず、株主にもなりません)、極端に言えば、企業は、ICOでお金を集めて、その後、何もしなくてもよいということにもなりかねません。

このように、投資家としてのリスクも大きいICOですが、冒頭に挙げたように、日本円で数百億円相当の巨額のICOの例もあり、資金調達の方法として、今、非常に注目を集めています。

法律面で言えば、新しく登場した投資手段であるがゆえに、また、やり方はケースバイケースであるために、各国でも、どのような規制が適用されるのか等、不明確な部分が残っているようです(なお、中国では全面禁止とされています。)。

今回報道されているアメリカに関しては、以前より、規制当局(SEC)が、ICOで発行される独自の仮想通貨は、(どのような規制がされるかはケースバイケースで異なると前置きしつつも)一般的には、有価証券に該当し、有価証券に関する法令上の規制を受けると発表していました。

https://www.sec.gov/news/public-statement/statement-clayton-2017-12-11?utm_content=bufferc7905&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer 

また、今回の件以前にも、SECは、昨年1211日に、有価証券に関する規制に違反するとして、ICOの停止を求めています。そのため、今回報道があった件に関しても、SECとして、ICOに否定的(有価証券に関する法規制を適用してゆく)という姿勢を改めて示したものといえそうです。

他方、日本の法律はどうなっているかというと、ICOを念頭に作られた法律はなく、現状、適用される可能性がある規制として、主に、以下の規制などが考えられています

①資金決済法(仮想通貨規制、仮想通貨交換業の登録)

②資金決済法(前払式支払手段)

③金融商品取引法(ファンド規制)

このうち、一番問題なのは、①の規制で、ICOで発行する独自の仮想通貨が、資金決済法上の「仮想通貨」に該当してしまうと、仮想通貨交換業者の登録が必要となってしまいます。そうすると、そもそも登録が認められない可能性や、登録されたとしても非常にコストと時間がかかり、資金調達の額によっては、ICOが現実的ではなくなってしまう可能性があります。

この点、法令の文言をみると、資金決済法上の「仮想通貨」と言えるためには、「不特定の者を相手方として」(資金決済法第2条第5項第1号及び第2号)「売買」や「交換」ができると言えなければならず、独自のトークンを発行した段階では、取引所等でも対応しておらず、「不特定の者を相手方」として「売買」や「交換」することは難しいため、①の規制はクリアできそうにも思われます。しかし、規制当局(金融庁)は、最近になって、広くICOに①の規制が及ぶとの見解を示しているようです。

このように、現状の日本の法律では不明確な部分が残るため、ゆくゆくは、法律の形で明確なルール作りが必要となってくるのかもしれません。ICOに関しては、規制の必要がある一方で、世界中から巨額の資金調達を可能とするというメリットもあります。日本として、リスクにも配慮した上で、うまくルール作りができれば、さらなる発展が期待できるように思います。

今日(2018年1月9日)の日経新聞(電子版)に「夫婦別姓選べず『戸籍法は違憲』 サイボウズ社長が提訴」という見出しの記事が掲載されていました。

(以下記事の抜粋)

「結婚時に戸籍上の姓に旧姓を選べないのは法の下の平等を保障する憲法に反するとして、ソフトウエア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長(46)ら4人が9日、国に計220万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。」

「民法750条は「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」と定めている。15年12月、最高裁大法廷は、この民法の規定を「合憲」とする初の憲法判断を示した。」

「民法の規定については合憲判断が確定しているため、青野社長らは戸籍法に着目した。日本人と外国人の結婚・離婚や、日本人同士の離婚の際には戸籍上の姓を選べるのに、日本人通りの結婚だけ姓を選べない点を挙げ、「法律の不備であり、法の下の平等に反して違憲だ」と主張する。」

(飛田のコメント)
民法750条については、実際上、結婚の際に女性の方が圧倒的に氏を変更しているという実態を背景に、憲法24条1項の両性の平等規定に違反するとの主張がなされてきましたが、形式上は、男性側の姓を選んでも女性側の姓を選んでもどちらでも良い(ただ、どっちかに決めなければいけない)という制度であるため、少々男女差別だという主張に馴染みにくいところがありました。
ところが、上記の訴訟では外国人との比較から夫婦同姓制度は憲法14条の法の下の平等規定に違反すると理由づけているようであり、非常に良い着眼だと思います。国側は、外国人にできることが、なぜ日本人にはできないのか?そのように区別することに合理性があるのか?という点を主張立証していかなければならず、結構、その立証は難しいのではないでしょうか。
訴訟の行方を注目したいと思います。

新年明けましておめでとうございます。

弊事務所は1月5日(金)から本年の業務を開始いたしました。
本年が皆様にとりまして良い年となりますように、また弊事務所に
とっても飛躍の年になりますようにお祈りいたします。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 皆様はサプリメントを飲んだ経験がありますか?
 私は最近毎日飲んでいて、飲むと目に見えて体調が良くなるので、とても便利だと感じています。

 ですが、このサプリメントって薬なのでしょうか?それとも食品なのでしょうか?
 健康を維持するために飲んでいるので薬と言われると違和感がありますが、かといって一般的にいうところの食べ物という感じもしないですよね。
 今回は、薬と食品の概念が法的にどのように分けられているのか、見ていきたいと思います。

  そもそも、薬は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に、食品は「食品衛生法」によって規律されているのですが、薬と食品それぞれの法律上の定義を見てみますと、まず、食品については次のとおりになっています。

食品衛生法
第4条
 この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これを含まない。

 ざっくり言うと、全ての飲食物から薬を除いたものが食品という形になっていますね。

 続いて、薬(医薬品と医薬部外品)の定義は次のとおりになっています。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
第2条
この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。

一 日本薬局方に収められている物
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(中略)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)

2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。

一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(中略)であつて機械器具等でないもの

イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止

ロ あせも、ただれ等の防止

ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛

二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(中略)であつて機械器具等でないもの

三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(中略)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

 長々とした定義規定が置かれていますが、薬の場合は、基本的に、使用される目的(医薬品としての目的を有しているかどうか)で定義づけられていると読めます。

 しかし、この定義だけでは、具体的にどのようなものが薬に当たり、どのようなものが薬に当たらないのか判然としませんね。

 そのため、厚生労働省は、この点を明確にするための通達(昭和4661日薬発第476号)を出しており、その中で、薬と食品の限界について、次のように記載しています。

「医薬品とみなす範囲は次のとおりとする。

一)効能効果、形状および用法用量の如何にかかわらず、判断基準の1.に該当する成分本質(原材料)が配合または含有されている場合は、原則として医薬品の範囲とする。

二)判断基準の1.に該当しない成分本質(原材料)が配合または含有されている場合であって、以下のからに示すいずれかに該当するものにあっては、原則として医薬品とみなすものとする。

医薬品的な効能効果を標榜するもの

アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの

用法用量が医薬品的であるもの」

 この定義から、まず、形状等にかかわりなく、厚労省が定めた原材料が含まれている物は、薬として取り扱われることが分かります(上記一)。これは薬のイメージそのままですので、分かりやすいですね。
 ですが、これだけでなく、上記乃至のいずれかに当たるものは、原材料にかかわりなく薬として扱われることが分かります(上記二)。
 例えば、容器・包装等に「糖尿病の人に」と記載されていたり、摂取量として「お休み前に12~3粒」といった指示があったりすると、(成分がどうあれ)法律上は薬として扱われ、薬事法の規制を受けることになります。(栄養機能食品については、摂取量の表示に例外がありますが、その点は省略します。)

 結局のところ、薬と食品は、その成分と上記乃至の基準によって限界づけられているということになりますので、サプリメントについては、一律に薬か食品か結論付けられるものではなく、その成分と販売形態によって、薬になるか食品になるか流動的と言えます。

 上記からすれば、サプリメント等の商品が法律上薬に当たるかどうかは、販売者の側でコントロールできる側面があることが分かります。宣伝文句や説明を漫然と記載してしまうと、上記からの基準に照らして薬と判断されてしまい、薬事法違反として取り扱われてしまうリスクがありますので、経口摂取する商品を扱う皆様にはぜひとも注意をしていただきたいと思います。

今年は宇宙関連法が制定され、北海道で民間のロケットが発射されるなど、宇宙に関する多くの良いニュースがありましたが、段々と「宇宙ビジネス」が現実味のあるビジネスモデルとして根付いてきたように思います。 

最近は宇宙旅行がクローズアップされていますが、昔から宇宙をブランド化したビジネスモデルがあり、これは人々の「宇宙」に対する先進的な良いイメージを用いることで、「宇宙ブランド」として商品を販売するものです。

例えば、宇宙ブランドの商品の中でも、宇宙飛行士が宇宙空間で実際に食べる「宇宙食」は昔から根強い人気を誇っているようで、割と簡単に手に入るので宇宙食を食べたことのある方も多いのではないのでしょうか。私は、宇宙食の“ショートケーキ”と“プリン”を食べたことがあり、どちらも水分がないのでサクサクとした食感ですが、食べるとショートケーキやプリンの香りがしました。例えるとウエハースみたいにサクサクなので、フォークやスプーンを使う必要がなく、手づかみで食べられます。何とも不思議な味わいでしたが、宇宙では大変貴重なデザートになりますので、実際に宇宙空間で食べるとまた違う感想を持つことでしょう。

最近では、お台場にある日本化学未来館において、国際宇宙ステーション(ISS)で育てられた乳酸菌(通称「宇宙乳酸菌」)入りのグミを見かけましたので、購入して食べてみましたがヨーグルト風味でとても美味しかったです(なんだか体調も良くなった気がします)。

宇宙食だけでなく、宇宙の最新技術を使った日用品として、宇宙飛行士のために開発した消臭機能に優れた機能的な下着も販売されています。また、宇宙服の研究結果を利用して作られた冷却下着があり、これは炎の中で仕事をする消防士や、炎天下で作業をする作業員等のために、その効果が期待されています(JAXA(宇宙航空研究開発機構)新事業促進部http://aerospacebiz.jaxa.jp/success-story/cosmode001/ )。
「宇宙」の技術を使った宇宙ブランド商品は、何だか頼もしく見えますね。

その他の宇宙ビジネスでは、冠婚葬祭ビジネスがあり、宇宙空間に遺骨を散骨するいわゆる“宇宙葬”ビジネスがあります。宇宙先進国のアメリカでは、早くもこのビジネスを行っており、すでに20年前にロケットで24名の遺骨が打ち上げられています。海洋散骨は昔からメジャーですが、この宇宙葬(宇宙散骨)をされる方は今後増えていくことでしょう。
なお、海洋散骨をする際には、墓地埋葬法や刑法(190条。遺骨遺棄罪)の適用が問題となりますが、今のところ法律上完全に合法であることが明確になっているわけではなく(法務省の見解レベル)、もちろん宇宙散骨も法律上明確に規定されておらず、判例があるわけではないので、今後宇宙散骨が増えていくようであれば議論する必要があるでしょう。

他には、宇宙空間での結婚式も10年近く前から受け付けを開始しており、面白い試みがなされております。無重力状態だとドレスのスカート部分が浮いて躍動感が出る等、宇宙空間だと“映える”特別仕様のウエディングドレスがあるそうです。現在でも宇宙ウエディングの料金は億を超えるので、なかなか一般人には手が出せないですが、招待された親戚や友人は、宇宙空間での結婚式の様子を生中継で見ることができるので、是非招待されてみたいですね。

現在では、様々な宇宙ビジネスが実施されてきており、いかに固定観念を覆すかという能力が問われているような気がします。まだまだ宇宙ビジネスはブルーオーシャン(未開拓市場)であり、先に考えた者が勝つというものだと思いますので、皆さんもここは一つ宇宙ビジネスを考えてみてはいかがでしょうか。

引き続き宇宙ビジネスの動向に注目したいと思います。

さて、前回メルマガ以降、ビットコインに関する様々なニュースがあり、相場は乱高下しています。

 

結果的には、現在、1BTC=88万円(20171119日現在)にまで上昇しています。以前、まだ、ビットコインが安かったころ、1BTC=100万円まで上昇するだろうと予測していた人もおり、当時は、「本当にそんなに上がるのか?」なんて、疑わしく思っていましたが、現時点では、1BTC=100万円が見えてきたように思います(ただ、くどいようですが、もちろん、暴落するときは暴落します。)。


今回は、前回メルマガ以降の大きなニュースについて、振り返ってみてみたいと思います。

 

●ビットコインゴールドのハードフォーク

さて、前回以降、何があったかというと、まずは、ビットコインゴールドのハードフォークですね。ハードフォーク予定、ということは前回メルマガでもお伝えしましたが、先月1024日、無事、ビットコインからビットコインゴールドがハードフォークし、新たなコインが誕生しました。


ただ、ハードフォークしたといっても、これまで、直ちにビットコインゴールドが取引できる状態ではなく、ペンディングの状態になっていました。というのも、ハードフォーク時点では、台帳が分かれただけで、ビットコインゴールドのシステムに使われるソフトウェアすらできていなかったというのです。その後、1113日に、ビットコインゴールドのソフトウェアがリリースされたとのことですので、今後、安定的にビットコインゴールドのシステムが稼働してゆくのであれば、ようやく、ビットコインゴールドが実質的に付与されたといえそうです。


前回お伝えした通り、取引所に預けていたビットコインに関しては、取引所によって、ビットコインゴールドを付与するか否かは異なるようです。ビットコインゴールドを付与すると言っている取引所に関しては、今後、ビットコインゴールドのシステムの稼働状況を見て、ビットコインゴールドを付与するか否かを決めることになると思われます。

 

●ビットコインの先物取引の報道


ハードフォークとは関係ありませんが、111日には、米国で、ビットコインの先物取引が開始されるとの報道があり、これを理由の1つとして、相場が大きく動きました。具体的には、1BTC=60万円台だったビットコイン価格は、報道後、一気に80万円後半に上昇しました。かなり大きな価格変動ですね。

 

Segwit2xのハードフォーク中止


先物取引の報道で大きく上昇したビットコイン価格ですが、その後、大きく下落することになります。それが、Segwit2xのハードフォーク中止のニュースです。


以前より、11月には、Segwit2xのハードフォークが予定されており、大きな注目を集めていました。また、これにより、コインが分裂することとなるため、分裂後のコイン付与を織り込んで、ビットコインを買っていた方もいたと思います。しかし、11816:58UTC)、Segwit2x推進派の公式の声明で、

ハードフォーク中止がアナウンスされました。当然、ハードフォークが中止となったので、コインも分裂していません。


https://lists.linuxfoundation.org/pipermail/bitcoin-segwit2x/2017-November/000685.html

 

上記の中止声明では、現時点ではコミュニティから十分な同意が得られていないといった点などが中止の理由として挙げられています。ただ、コミュニティーの同意、といったもののほかにも、従前から、Segwit2xに関しては、開発者が1人しかいないとか、バグがあるだとかいった指摘もあり、そういった点も、今回のハードフォーク中止の原因となったのかもしれません。ちなみに、この中止声明後、実際にSegwit2xのシステムにバグがあったことが判明しています。もし、バグがある状態で、ハードフォークを迎えていたら、ハードフォーク直前で、システムが動作停止となっていたようです。中止して正解でしたね。


相場に関しては、Segwit2x中止の報道が出た当初は上昇傾向でしたが、その後、一時、大幅に下落しました。ハードフォークにより、新たなコインが得られることを期待してビットコインを買っていた層が、売りに転じたためである、といった評価もなされています。


また、ビットコインを売り、ビットコインキャッシュを買った、という人もいたせいか、この際、7万円前後だったビットコインキャッシュの価格が、一時17万円超にまで上昇しました(その後、下落し、現在では13万円前後で取引されています。20171119日現在)。

 

●ビットコインキャッシュのハードフォーク


今年8月にビットコインからハードフォークしたビットコインキャッシュですが、今月1114日、さらにハードフォークをしました。


ただ、今回のハードフォークにより、コインは分裂していないようです。コインが分裂するハードフォークと、分裂しないハードフォークがあってややこしいのですね。この点、ごくごく簡単に言えば、ハードフォークとは、互換性のないシステムのアップデートで、


  ・従前のシステムを使っていた人が、ほぼほぼ全て新たなシステムに乗り換えれ
   ば、ハードフォークしても、コインは分裂しない

 

  ・従前のシステムを支持する人と、支持しない人が対立した場合は、従前のシス
   テムと、新たな互換性のないシステムの2つにネットワークが分かれる結果、コ
   インが2つできることとなる。


ということとなります。今回は、前者のハードフォークであるため、コインが分裂しなかったのですね。


ちなみに、今回のアップデートは、不具合の修正のために行われたようです。

 

●その後のビットコイン


Segwit2xのハードフォーク中止報道により、一時、1BTC=65万円を割っていたビットコインですが、その後、再度上昇に転じ、冒頭に記載したように、1BTC=88万円にまで回復しました。


ハードフォークなどで、色々と波乱を経験した1ヵ月でしたが、結果的に大きく値を上げた1ヵ月となりました。


結論的に、システム全体にわたって大きな障害などは生じませんでしたが、やはり、前回メルマガでも記載したとおり、ハードフォークは、技術的なリスクが伴うもので、そうやすやすやっていいものではない、と感じます(上記のSegwit2xのバグはいい例です。)。Segwit2xのハードフォークも中止となって、今後、ハードフォークの「ブーム」も落ち着いていけばいいのですが・・・


今後の動向を見守りたいと思います。

先週、東名高速道路で、男が一家の乗った車の進行を妨害して追い越し車線に停車させたところ、後方からきたトラックが一家の乗った車に追突し、両親が死亡したという事故が話題になりました。
警察はこの男を過失運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)の容疑で逮捕したようですが、世間では、この行為は殺人なのでは?という声も強いようです。
しかし、刑法の解釈上、今回の事件に殺人罪を適用するのは難しいと思います。
では、なぜ今回の事件に殺人罪を適用することが難しいのでしょうか?以下、私見になりますが、少し考えてみたいと思います。

この問題を考えるにあたっては、まず殺人罪がどのような犯罪か考えてみます。
殺人罪とは、平たく言えば わざと人を殺す罪 のことを言います。
これだけを聞くと、わざと危険な追い越し車線に停車させる行為も、わざと人を殺した=殺人罪だと感じてしまいますよね。
しかし、殺人罪はそのような大雑把な要件で成立するわけではなく、殺人罪の成立には、①人が死ぬ現実的な危険性のある行為を②人が死んでもかまわないと考えつつやり、③その結果人が死亡したという事実が必要とされています。

これらの事実の中で今回特に問題になるのが、追い越し車線に停車させる行為が、①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たるか否かと、犯人が停車行為を②人が死んでもかまわないと考えつつやったか否かです。

まず、追い越し車線に停車させる行為が①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たるか否かですが、一般の人がその行為を見た場合に人が死ぬ可能性があると感じる場合には、その行為は①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たると解釈されています。
今回の事件の場合、具体的な現場の状況が不明ですので、はっきりしたことは言えませんが、例えば、現場の交通量が多い、停車させた場所の見通しが悪い、スピードを出している車が多いといった事情があるのであれば、追い越し車線に停車させることによって死傷事故が発生することが予測できます。特に、追い越し車線は、走行車線の車を追い抜くための車線であって、スピードを出している車が多いでしょうから、そこに停車させる行為は、大きな事故に繋がる可能性が高い行為と言え、一般の人から見て人の死亡の危険を感じる行為に当たる可能性が高いといえるのではないかと思います。
したがって、今回の事件の場合も、具体的な状況によりますが、①の要件を満たす可能性はそれなりに高いものと思います。

もっとも、①の要件を満たしたとしても、犯人がそれを②人が死んでもかまわないと考えつつやったと言えるかどうかは問題です。
①の要件を満たす以上は、一般人から見て人が死ぬ可能性の高い行為をしているのだから、犯人も当然人が死んでもかまわないと思ってやっただろう、と思われるかもしれません。しかし、本件の場合、犯人自身も追い越し車線に自分の車を駐めているようであり、かつ、被害者の車を駐めさせた目的は被害者を車からおろして因縁を付けることだったように見受けられます。つまり、犯人は、追い越し車線に被害者の車を駐めさせた後、被害者が死なないことを前提に行動していますし、そもそも、追い越し車線に車を止めれば死傷事故が起きるかもしれないと考えていれば自分の車を追い越し車線に止めるという行為に出ることも考えづらいのではないかと思います。
したがって、本件の場合、犯人には、人が死んでもかまわないとまでは考えていなかったと受け取れる行動が見られるということで、②の要件を満たしていると言うのはなかなか難しいと考えられ、②の要件を満たさない以上は、殺人罪も成立しないという結論になる可能性が高いものと考えられます。

今回の事件については、殺人罪の他にも、危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条)を適用して重く処罰できないかという議論もあったようですが、成立要件との関係で、適用はなかなか難しそうです。
結果として、今回の事件の犯人には過失運転致死傷罪しか適用できないと思われ、社会的な非難の程度よりも刑事責任が軽いという印象がぬぐえません。

このような事態になったそもそもの原因は、法律を作るに当たってこのような事件類型が(おそらく)想定されていなかったところにあると思われます。
今回の事件を機に新しい犯罪類型の創設が検討されるかもしれませんので、今後の動きを注視していきたいと思います。

1022日(日)に衆議院議員選挙・最高裁裁判官国民審査が行われましたが、皆様は投票に行かれましたでしょうか。台風が上陸したせいか、投票率は53.68%で戦後2番目の低さだったそうです(私は台風の中、雨に濡れながらも投票に行きました。自慢できることではありませんが…)。

さて、今回の選挙では、個人的に法律的な部分に着目しており、それは選挙権の年齢が「18歳以上」に引き下げられてから初めて実施される総選挙であるという点です。
平成276月に公職選挙法が改正されて、今まで20歳以上であった選挙年齢が、18歳以上に引き下げられました。

これを受けて、民法の成年の対象年齢の取扱いも18歳への引き下げが議論されていますが、少なくとも裁判員の対象年齢は今までどおり「20歳以上」に維持されています。もっとも、この裁判員の年齢については、賛否両論あるようです。
個人的には、今回18歳以上に選挙権という民主主義の根幹を構成する権利が付与された以上、法的にも18歳以上は主権者として民主主義の担い手になったと考えます。裁判員として評議に加わるということも国政を決めることと重大性は異ならず、裁判員制度も民主主義の実現の一つだと考えれば、18歳以上であっても裁判員になれるようにするべきだと思います。(ちなみにアメリカの選挙権は18歳以上に付与されて、かつ裁判員よりも重責な陪審員になるのも18歳以上からになっています。)

さて、民法の成年の対象年齢の取扱いが18歳へ引下げられた場合、様々な影響があります。
未成年者は、法定代理人(多くは親)の同意なく契約を締結した場合には、その契約を取り消すことができます(民法第5条第1項、第2項)。この取消権は、事情がどうあれ取り消すことができるので、かなり強力な権利です。18歳が自分の締結した契約について責任を負うことになり、消費者トラブルの多い、サラ金、デジタルコンテンツやエステサービス等の契約を取り消すことができなくなります。この点は早い時期から法教育や消費者教育を行っていくしかないでしょう。

また、養育費の支払いを決める際に、今では成年の20歳を基準として、「20歳に達する日の属する月まで」と決めたりしましたが(大学進学を予定し「22歳」の場合もあります。)、今後18歳を基準にする場合が出てくるでしょう(養育費を支払う側からすれば18歳を基準にしたい)。

なお、民法で成年の対象年齢が下がったとしても、喫煙については「満20歳」にならないと認められません。というのも、未成年者喫煙禁止法は、喫煙できる者を、例えば「民法に規定する成年」と規定されておらず、「満20歳」(満二十年)と規定していますので、民法の成年が引き下がっても、連動して喫煙可能年齢も引き下げられるわけではありません。飲酒も同様の議論で、未成年者飲酒禁止法が定められていますが、飲酒可能年齢は「満20歳」(満二十年)と規定されています。

他には、男性は18歳、女性は16歳になると婚姻できますが、20歳未満だと父母の同意が必要になりますが(民法737条第1項)、成年が18歳に変更されると、18歳の男性が結婚する場合は、少なくとも男性側の父母の同意は不要になります。併せて女性の婚姻可能年齢も18歳に引き上げられるとの議論はありますが、現在の規定のままだと女性は16歳、17歳に結婚する場合には父母の同意が必要になりますが、18歳になれば父母の同意なく婚姻できるようになります。

選挙権が18歳以上に付与されるようになって、若者も国政だけでなく民主主義全体への関心が強くなればいいですね。今後も未成年者をめぐる法律の動きに注目したいと思います。

ビットコインですが、目下、ハードフォークがホットな話題となっています。

この記事を書いているのが平成291023日ですが、1024日には、ビットコインから、

 ビットコインゴールド

という通貨がハードフォークする予定です(なお、従前は1025日とされていましたが、公式サイトhttp://btcgpu.org/を見ると、24日に前倒しになっているようです。今後も変更の可能性があるので、気になる方は、最新のニュース等をご確認下さい。)。これは、Segwit2xのハードフォークとは別の話で、略称は、BTGなどと呼ばれています。

このビットコインゴールドが目指すところとしては、現状、専用に設計されたチップ(ASIC)を使って一部のマイナーのみにマイニングが集中している状況を回避し、より多くのネットワーク参加者がマイニングを行えるようシステムを修正し、非中央集権化を推し進めることにあるようです。

既に、各取引所も、対応を公表していますが、現状で、取引所によって、新たなBTGを付与する取引所、付与しない取引所が分かれていますので注意が必要です。

そして、11月に入ると、今度は、以前から言われていた

 Segwit2x

 のハードフォークが予定されています。こちらの方は、B2XS2Xなどと呼ばれています。この、Segwit2xですが、以前もお伝えしたとおり、取引台帳の1頁を物理的に大きくする、という修正になります。ただ、同じことは、既に、ビットコインキャッシュでやっているので、今、Segwit2xをハードフォークさせる意義は、以前より、薄まっているように感じます。

このように、ここに来て、ハードフォークが連続します。8月のビットコインキャッシュのハードフォークの際は、大きなトラブルが起きず、むしろ、ビットコインを持っていた人は、棚ぼた的にビットコインキャッシュを付与される、ということとなりました。そのためか、市場は、楽観的に捉えているようです。

ビットコイン価格も、ハードフォークによる新たな仮想通貨の付与を織り込んでか、

  1BTC = 68万円

まで高騰しています(平成291023日現在)。

ただ、一部、ネットメディア等でも指摘されていますが、今後も、味をしめてハードフォークが連続してしまうと、マズイのではないか、という懸念があります。

ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、目立ったトラブルはありませんでしたが、ハードフォーク自体、技術的にも、様々なリスクを伴うものなので、そうやすやすやっていいものでも無いように思います。

また、ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、ビットコインから、ビットコインキャッシュが分岐した後、

  ・ビットコインキャッシュに数万円の価格が付き

  ・ビットコイン自体もその後値上がりした

ため、ある種、錬金術的なことを成功させたことになりました。しかし、今後のハードフォークで、市場が毎回同じように動くのか、という確証もありません。ハードフォークによって、ビットコイン価格が暴落するリスクは常につきまといます。

また、個人的には、派生したコインが、本当にその後永続的に存在するのか、という点も気になります。特に、支持者が少ないハードフォークの場合、ハードフォーク後、何らかの原因で、メジャーなマイナーや開発者が撤退してしまい、まともなネットワーク維持が困難になってしまう、という事態も考えられます。

取引所間で、ハードフォークの自主規制ルールのようなものができれば、不必要なハードフォークが防げるのかもしれませんが、取引所は世界中にできており、意思統一は難しいように思います。

今後、ハードフォーク絡みのニュースには、要注意です。

・・・と、目下のビックニュースに触れさせていただきましたが、それ以外にも、日々、ビットコインのニュースが報道されています。そのうち、私が気になったものでは、HISが都内38店舗で、ビットコイン決済の受付を開始したとのことです。

 

https://www.his-j.com/branch/bitcoin/index.html?cid=newsrelease20sep17_bitcoin_a 

 

ウェブサイトを見ると、ビットコイン決済限定のプランなども掲載されています。

旅行繋がりでは、既に、今年5月頃、LCCのピーチアビエーションが、年内にビットコイン決済を導入すると発表し、話題となっていました。

ビットコインは、仕組み上、決済が確定するまで10分以上要するため、即座に決済が完了しなくても良い取引に親和性があります。通販などもそうですが、旅行業界でも、決済から旅行までは、通常タイムラグがあるので、ビットコイン決済が導入しやすいのかもしれません。旅行業界でもビットコイン決済の導入が進んでゆくかもしれませんね。

労働契約上の無期転換ルールをご存知でしょうか?
これは、2012年の労働契約法の改正により、新たに労働法18条に定められたルールです。

簡単に説明すると、契約社員・パート・アルバイトなどの期間が決められた労働契約をしている労働者(有期契約労働者と呼ばれています。)が、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、有期契約労働者からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。たとえば、 契約期間が1年の場合、5回目の更新後の1年間に無期転換の申込権が発生します。有期契約労働者が無期転換の申込みをした場合、使用者は、断ることができず、無期労働契約が成立することになります。

で、重要なのが、この労働契約法18条の無期転換ルールは、2013年4月1日から施行されたので、無期転換ルールにおける「5年間の期間」は、既に2013年4月1日から起算されており、来年2018年4月1日から無期転換権を取得する有期労働者が発生することです。

では、有期契約労働者が無期転換権を行使した場合、会社とこの労働者との契約関係はどのようになるのでしょうか?

労働契約法18条1項によれば、原則として、期間が有期から無期になること以外はそれまでの労働契約が適用されます。したがって、期間1年、週3日、1回あたり6時間、給料月額10万円のバイトが無期転換権を行使した場合には、単に期間が1年契約だったものが無期になるだけで、週3日、1回あたり6時間、給料月額10万円という労働条件には変更がないのです。

しかし、これには例外があります。すなわち、会社にこの無期転換権を行使した労働者(無期転換労働者)に適用される定めがある場合には、その定めが適用されることになります。たとえば、これまで正社員規則、契約社員規則、アルバイト規則しかなかった会社が、新たに、無期転換労働者に適用される規則を作れば、それが適用されることになりますが、もし特別にそのような規則を作らなかったのであれば、有期が無期になる点を除いて、従前は契約社員だった人には契約社員規則が、従前はアルバイトだった人にはアルバイト規則が、それぞれ適用されるということになるのでしょう。

というわけで、現在、来年4月1日以降に無期転換労働者が発生する可能性がある会社では、無期転換労働者に適用する規則を作っている会社も多いのではないかと推測します、その準備を後押しするために、厚生労働省では、ウェップで就業規則のサンプルを公開したりしていますね(http://muki.mhlw.go.jp/point/)。

ただ、ここで私には、どのように解釈したら良いのかわからない問題があります。

(1) たとえば、バイトばかりがいる会社が、バイトの無期転換権行使を阻止するために、無期転換労働者用の就業規則を作り、そこには、正社員並みの労働条件、たとえば、週5日労働、1回8時間労働、転勤命令に従う義務あり、残業命令に従う義務あり、もちろん給料は正社員なみに支払う、などと定められていたとする。そのため、多くのバイトは、事実上、無期転換権を行使できないでいる。このような就業規則は、実質的には、労働契約法18条の無期転換ルールの趣旨を没却するものであり、また労働契約の不利益変更禁止の精神も没却するから、無効なのではないか?

(2) IT業界では、案件をわたりあるく契約社員の方が正社員よりも給料が高い場合があるが、無期転換労働者規則において、給料は正社員並みにすることとした。しかし、そもそも無期転換権行使により給料を減額することは、上記と同様、無期転換ルールの趣旨を没却し、労働契約の不利益変更禁止の原則にも反するので、許されないのではないか?

労働法を専門にしている弁護士に、上記の質問を聞いてみましたが、まだ事例がなく、はっきりとした答えはないようです。

私の弁護士としての経験からすると、日本の会社は、上記(1)及び(2)のようなことは、法律上許されても社会からの非難を恐れてやらないところが多いのではないかと推測しますが、価値観の違う外資系の会社であれば、法律上許されるのであれば、実際にやるところが出てきそうです。
これからどのような解釈になるのか、注目してみたいと思います。

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