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ビットコインの話題をQ&Aの形でまとめた「ビットコインQ&A集」・第2段をお送りいたします。

なお、本稿に記載された情報は、平成29523日当時の情報です。ビットコインやブロックチェーンの技術発展はめざましく、時間の経過とともに、不正確となる情報が含まれ得ることを、予めご了承下さい。

 

Q6> ビットコインの通貨の単位はなんですか。

 通貨の単位は、そのまま「ビットコイン」で、「BTC」などと略されます。通貨の最小単位は、0.00000001BTCで、これは、1Satoshiとも呼ばれます。取引所などで購入できる最小単位は、取引所にもよりますが、大手取引所では、0.005BTC0.001BTCあたりのようです。


Q7> ビットコインは誰が作ったのですか。

 ビットコインのアイデアは、2008年に、Satoshi Nakamoto(中本哲史)を名乗る人物が、「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文(https://bitcoin.org/bitcoin.pdf)により発表しました。

 その後、同氏は、論文に基づきビットコインのソフトウェアも開発し、改良を加えていましたが、今では、姿を消しています(現在に至るまで、身元は分かっておらず、日本人か否かすら不明です。)。

 現在では、ソフトウェアの改良は、世界中のプログラマーにより継続されています。

 

Q8> ビットコインに使われている「ブロックチェーン」とは何ですか。

 ビットコインには、「ブロックチェーン」という技術が使われています。これは、一言で言えば、「台帳」に関する仕組みです。このブロックチェーン技術によって、ビットコインは、中央管理者なく送金でき、改ざんも事実上困難となっています。

 ブロックチェーン技術は、ビットコイン発祥の技術ですが、現在では様々な応用例があり、その定義も論者によってバラバラです。そこで、ブロックチェーン技術の源流である「ビットコイン」に使われているブロックチェーン技術に絞ってご説明します。

 ※なお、詳細については、ビットコインの原典である中本哲史氏の論文(「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash Systemhttps://bitcoin.org/bitcoin.pdf)に記載されています。

 

ブロックチェーンの特徴は、次のとおりです。

①取引台帳

 ブロックチェーンとは、ビットコインの全取引を記録した「取引台帳」のデータです。

 ビットコインのブロックチェーンには、ビットコインの取引が開始された2009年以降の全ての取引が記録されています。この中には、誰から誰にビットコインが送金されたのかが記録されています(正確に言えば、ビットコインは匿名での取引ですので、ビットコインの口座番号にあたるビットコインアドレスが記録されます。つまり、どのビットコインアドレスから、どのビットコインアドレスに、ビットコインが送金されたのか、がブロックチェーンに記録されます。)。例えば、

  ・Aさん→Bさん、1BTC送金

  ・Bさん→Cさん、1BTC送金

  ・Cさん→Dさん、1BTC送金

といった形で、ビットコインの取引がブロックチェーンに記録されています。この記録をたどれば、現在、Dさんが1BTCを保有していることが分かります。

 

②共有

 ブロックチェーンは、ビットコインのネットワーク上で、皆が見れる状態で公開・共有されています(但し、繰り返すとおり、ビットコインの取引は匿名で行われ、利用者個人の情報は公開されません。)。

 図1のとおり、ビットコインの取引台帳は、ビットコインネットワークに参加している世界中の者が共有(コピーを保持)しています。これにより、例えば一部の参加者の台帳が壊れてしまっても、台帳は消えません。

【図1

図1

















 
 例えば、ある国が破綻し、インターネットへの接続ができなくなったとしても、台帳の写しは世界中に残っていますので、ビットコインは消えません。このファイル共有の技術自体は
P2Pと呼ばれ、従来からある技術です。

 また、この取引台帳の「共有」は、ビットコインはどこにあるのか?という問いに対する答えでもあります。つまり、あなたのビットコインは、世界中で共有されているブロックチェーン(取引台帳)に記録されているのです。

 ただ、このままでは、皆が皆、ブロックチェーンを改ざんして、好き勝手偽造できてしまいます。ブロックチェーンには、当然、こういった不正を防止する仕組みが備わっています(以下の③以下参照)。

 

③チェーン構造

 ブロックチェーン(取引台帳)は、取引情報(例えば、Aさんのビットコインアドレスから、Bさんのビットコインアドレスに、1ビットコイン送金した、といった情報)を複数まとめた「ブロック」が、数珠つなぎ(「チェーン」)になったものです。取引があるごとに、ブロックは、刻一刻と、新しいものができ、チェーンが長くなっています。

 ビットコインのブロックチェーンには、ビットコインの取引が開始された2009年以降の全ての取引がチェーン状に記録され、公開(前記①)されています。

【図2-1:ハッシュやナンスについての説明は後述します。】

図2-1

(例)例えば、ブロックチェーン上に、以下の取引が記載され、X+1番目のブロックが最新のブロックであれば、Cさんは、現在、少なくとも1ビットコイン(BTC)を保有していることが分かります。

  X番目のブロック:

    Aさん→Bさん、1BTC送金

  X+1番目のブロック

    Bさん→Cさん、1BTC送金

 また、「チェーン」の意味について掘り下げてみます。ブロックチェーンのブロックは、前のブロックまでの情報(簡素化され、圧縮されたようなもの。ハッシュ)を持っています。これが、ブロックチェーンが、「チェーン」と呼ばれる理由です。ハッシュにより、ブロック同士が内容的につながっている点で、ブロックチェーンは、「チェーン」なのです。

 では、なぜ、このようなことをやるのかというと、それは、改ざんの防止です。例えば、ブロックチェーン上のX番目にあるブロックの取引情報を書き換えると、お隣・X+1番目のブロックがもっているハッシュの値(X番目のブロックのハッシュ)と整合しなくなるためすぐにバレます。

【図2-2

図2-2

 では、さらに悪い事を考えて、X+1番目のハッシュも改ざんした場合はどうでしょうか。
             
              【図2-3


図2-3

 しかし、これも、すぐにバレてしまいます。X+1番目のブロックを改ざんしたため、X+2番目のブロックのハッシュ値と不整合となるためです。

 では、最新のブロックまで、以後、すべてのブロックのハッシュを計算・改ざんしたらどうでしょうか。結論から言うと、これも、不正がすぐバレてしまいます。これは、ナンスと呼ばれるブロックの情報が原因です。ナンスとは、そのブロックに関して、特定の計算を行って算出される値です。そのため、ブロックの内容を改ざんすれば、ナンスの値と不整合になるので、改ざんがバレます(整合性のチェックは、第三者がみて、すぐに行うことができます。)。

 では、さらにさらに、ブロックを改ざんして、ナンスの値も、以後のブロックにつきすべて再計算して改ざんしたらどうでしょうか。そもそも、ナンスの計算には非常に膨大な計算が必要となり、1人では、ナンスの正解を算出するまで非常に時間がかかります。それでも、頑張って、ナンスを計算したとしましょう。

 

             【図2-4

図2-4















これだけ見ると、うまくいきそうです。しかし、このような改ざんは、以下のルールにより、確率的に、防止されます。

     ブロックチェーンは、一番長いものを正とする

繰り返すとおり、ナンスの計算には非常に膨大な計算が必要となります。具体的には、世界中の(高性能な)コンピューターが競って計算しても、10分に1人正解者が現れる程度です。そのため、1人がブロックチェーンを改ざんして、ナンスの計算をしていても、世界中のコンピューターが、正しいブロックチェーンに、新たなブロックをつなげてしまいます。そのため、1人による改ざんでは、不正なブロックが、新たなブロックの長さに追いつく日は来ません。そのため、ブロックの改ざんは防止されるのです。

なお、確率的に、ブロックチェーンネットワークに参加している者の51%が結託してブロックを改ざん・ナンスを計算してゆけば、改ざんが可能となると言われています。

④ブロックの承認(台帳への追記)ルール

ビットコインには、管理者がいないため、誰が台帳を書き換えるか(ブロックを追加・承認・確定するか)、公正なルールが必要となります。そこで、ビットコインでは、最新のブロックを作る場合、そのブロックに関する複雑な計算(ナンスの計算)を初めて行った者がブロックを承認・確定する権限を有することとされています。

 ナンスの計算は、計算するのは大変なものの(総当たり的な計算。いうなれば、南京錠を、000から999まで、ひとつずつ試してゆくような計算。)、計算が合っているかどうかは誰でもわかることとなっています。そのため、ズルはできません。

ナンスの計算なんて面倒なこと、誰がやるのか?と思われる方もいるかもしれません。しかし、ナンスの計算を初めて行い、ブロックを承認した者には、自動的に、ビットコインが対価として支払われます。この対価を求めて、世界中のコンピューターが、競って、ナンスの計算をしています。

 

【図3:ナンスという値の計算を初めて行った者が、ブロックを承認・確定する権限を有する。】

図3











⑤ビットコイン発行のタイミング

ナンスの計算によるブロックの承認は、ビットコインの唯一の新規発行のタイミングでもあります。ナンスを計算した者には、ビットコインネットワークから、自動的に、発行されたビットコインが、報酬として渡されます。この点から、ナンスの計算は、金などを採掘することに似ており、採掘(マイニング)と呼ばれています。

 

⑥一番長いブロックが正しいものとされる

 ⑥-1:意図しないチェーンの分岐

ビットコインのブロックチェーンは、原理上、分岐(フォーク)することがあります。例えば、別々の人間が、同時にナンスの計算を完了した場合、両者とも、ブロックを承認することができてしまいます。そうすると、ブロックチェーンは、Aさんが承認したブロックと、Bさんが承認したブロックの2系統に分岐してしまいます。

この事態に対応するため、ビットコインでは、一番長いブロックが正しいものとされるというルールがあります。2系統にブロックチェーンが分岐した場合であっても、その後、更にそれぞれのブロックチェーンにブロックが追加され、どちらかが長くなります。そうすると、世界中のビットコインネットワーク参加者は、長くなった方のブロックについて、さらに新たなチェーンをつなげようとします。こうして、どちらかのブロックチェーンが長くなってゆきます。一定の差がついた時点で、短い方のブロックチェーンは破棄されます。以上の流れで、意図しない分岐に対応できます。

 

【図4
図4




















ただ、Aさんも、Bさんも、悪意がない(データを改ざんするような人ではない)場合、どちらがブロックを繋げたとしても、適正なブロックチェーンができることとなりますので、その意味では、大きな問題はありません。

 

 ⑥-2:悪意のあるチェーンの分岐

次に、悪意ある者が、意図的に、ブロックチェーンを分岐させる(ブロックの内容を改ざんする)ことも考えられます。

しかし、前記③記載のとおり、

       ブロックチェーンは、一番長いものを正とする

というルールにより、悪意のあるブロックチェーンの分岐は防止されます。

 

Q9> ビットコインのブロックチェーンの中身を見ることはできますか?

 ビットコインのブロックのデータは、以下のウェブサイトなどで、リアルタイムに見ることができます(このサイト自体は、ビットコインの情報を管理している訳ではなく、「P2Pネットワーク上にあるビットコインの取引履歴を見るウェブサイト」という位置付けです。)。

https://blockexplorer.com

 

Q10> ブロックチェーン技術について、どのような発展が期待されますか。

「ブロックチェーン技術」ですが、現在、世界中の著名な金融機関が、こぞって研究をしています。ビットコインと金融機関は、水と油で、敵対する関係のようにも思いますが、金融機関としても、「ブロックチェーン技術」に関して言えば、多くのメリットがあるようです。例えば、ブロックチェーンの技術を応用し、独自コインの発行を検討したり、未公開株式の管理に応用できないかなども考えているようです。

また、ブロックチェーン技術は、P2P技術を利用しており、中央サーバーが不要となるため、銀行のインフラコスト削減にも利用できないか検討されているようです。

さらに、ブロックチェーン技術は、台帳の技術ですから、(当然、法改正が必要ですが)権利の公示方法として応用ができるかもしれません。例えば、特定の権利関係に関する公示方法として、ブロックチェーン技術が利用できれば、面白いように思います。国としても台帳管理コストは大幅に削減されますし、当事者も裁判所も、インターネットを通じて台帳を確認できるため、わざわざ登記事項証明書を取り寄せる、なんていう手間も必要もなくなるかもしれません。


2017427日付日本経済新聞(電子版)で、「違法残業などで送検、HPで公表へ 厚労省」という見出しの記事が出た。記事によると、「厚生労働省は5月から違法残業の疑いで書類送検した事案などを同省のホームページ(HP)で一括掲載する。」とあり、主な掲載内容は、「企業名・事業所名」「所在地」「法違反の内容」を予定しているとのこと。また、「各都道府県の労働局長が企業の経営トップに対して長時間労働を是正するよう指導し、公表した事案もHPに載せていく。」とある。

 

以上の厚生労働省の取り組みについての掲載基準をまとめた通達は、実は、平成29330日付基発033011号で既に出されている。

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-02.pdf

掲載する事案は、「送検事案」と「局長指導事案」の2種。掲載内容は、①企業・事業場名称、②所在地、③公表日、④違反法条項、⑤事案概要、⑥その他参考条項の6点。掲載は、毎月更新され、概ね1年間とされている。

 

これを受けて、平成29510日、厚生労働省労働基準局監督課は、「労働基準関係法令違反に係る公表事案」をHP上に掲載した。書類送検した334件につき企業名等が公開されている。

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf

今回は、すべて「送検事案」のようである(ちなみに、(株)電通も入っている。)。ただ、よくみると、既に送検後に不起訴となっている会社についても、公表されて(しまって)いる。例えば、三菱電機(株)情報技術総合研究所もその1つである。

 

ロースクールで、刑事訴訟法や行政法(新しい司法試験では必修科目)を勉強してきた私の第一感は、以下のとおりである。

 

え?いいの?法律の根拠ないよね?書類送検しただけでは有罪であることも確定しないのに。警察が書類送検した事案を警察のホームページで公表するようなものだよね(※労働基準法101条は、労働基準監督官が司法警察官の職務を行う旨規定)。それってダメじゃないの?行政の指導監督機能の実効性を強化したいというのはわかるけれど、「公表」という手段を用いることはどうなのか?

 


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以下、2017年5月16日13時57分配信のマイナビニュースの「ひろゆき氏、最高年収を告白 賠償請求30億円を放置し続けたワケ」という見出しの記事からの引用です。

「さまざまなワードで検索する中、『年収3億円のひろゆきが結婚していた』というタイトルの記事がヒット。これについて西村氏は、『ここまでいったことはないですよ』と否定し、『近かったことはありますけど』と訂正。『サラリーマンの生涯賃金くらい』と明かし、2ちゃんねるから生まれたラブストーリー『電車男』がメディア化された時期で、ほぼ何もせず大金を手にしたという。」

「そのほか、過去に30億円もの賠償金を請求され、それを無視したことを『2ちゃんねるの投稿に対する削除要請に従わない場合、1日5万円を支払うよう裁判で判決が出ある場合があるんですよ。面倒くさいから放っておくと、1日5万円加算されていって、すげえ金額になるんですよ。累積で30億円くらいいったと思います』と告白し、『払わずに10年経つと時効になってゼロになる』『不動産所有とか、資産があることが証明されれば差し押さえられるんですけど、証明されなければとれないんです』と説明。西村氏は放置し続け、現在では時効を迎えたという。」

(私の感想)
この西村氏の『不動産所有とか、資産があることが証明されれば差し押さえられるんですけど、証明されなければとれないんです』との発言は、日本の民事執行制度の欠陥をよく説明していると思う。正確には、「証明」ではなくて、「特定」なのであるが、大差はない。要は、債権者側で債務者がどのような財産を持っているのか特定できなければ、裁判所に差押えの申し立てができないのであるが、日本の原状では、債務者に自分の財産を説明させる財産開示制度が穴ばかりの実効性の乏しいものになっていて、また、債務者の銀行口座を銀行に照会する制度が整備されておらず(ただし、最近、メガバンクが弁護士会照会に応じるようになってきていることについてはこちらの記事を参照。)、強制執行をしたくてもできない場合が多いのである。結果、西村氏のように財産をもっている(もしくは少なくとも一時は持っていた)人に対し、裁判で判決をとっても強制執行をかけることができず、えらい不公平な事態が発生してしまっているのである。

現在、法務省の民事執行法部会で、財産開示制度の見直しと、その一環として第三者から債務者情報を取得するための制度づくりの検討が進められている(法務省HPの民事執行法部会へのリンク)。私としては、第2、第3の西村氏が出てこないようにするために、しっかりとした制度と作っていただくことを望む。

1. ハードフォーク問題・その後

さて、ビットコインですが、その後、若干状況が変わり、ハードフォークのリスクが低下しているようです。

これを反映してか、ビットコイン相場も上昇しています。先月、1BTC=10万円台をうろちょろしていたのに対し、現在(2017/05/02)、1BTC=15万円を超えて、過去最高値を記録しています。



2. 「お金」の問題
 その理由の一つが、いわば「お金」の問題です。SegwitとBitcoinUnlimitedの対立は、純粋的に技術的な良し悪しというよりは、政治的な部分が大きいといわれています。その中で、一部のビットコインネットワーク参加者(マイナー)にとって、BitcoinUnlimitedの方が、より効率的にマイニングができる(要は、その分、ビットコインを稼げる)、ということが判明しました。これにより、BitcoinUnlimited支持層の本音部分が垣間見え、印象が悪くなったようです。

具体的には、BitcoinUnlimitedに対して、AsicBoostという技術(技術、というよりは、ビットコインの脆弱性をついたもの、という評価も多いようです。)を使って採掘(マイニング)をすると、マイニングの効率化が図られ、より多くのビットコインを採掘できるようです。一説によれば、採掘の効率化が30%~50%も上がるとも言われています。また、この技術は、特許化されているため、一部のマイナーしか(適法には)使えません。そのため、ざっくり言えば、BitcoinUnlimitedでは、一部の、特許技術を使うことができる者のみが儲かる構造となってしまっているのです。

 他方で、Segwitでは、AsicBoostの技術はは使えないため、このようなことは起こりません。



3. ビットコイン以外のマネー流出

 また、ハードフォークリスクが低下している原因として、もう一つ考えられるのが、他の仮想通貨へのマネー流出です。現在、世間には、ビットコインの他にも、無数の仮想通貨が存在しますが、その中でも代表的なものが、ここ1ヶ月程度の間に、高騰してます。例えば、以下のとおりです。


●ライトコイン
 →1ヶ月の間に1.5倍超

●リップルコイン
 →3月末~4月頭にかけて、1週間のうちに、一時、6倍超に(その後、下落しています。)

●イーサ(イーサリアム)
 →1ヶ月の間に1.6倍超


※なお、上記データを確認したのは、平成29年4月28日です。その後、更に上昇しているかもしれません。



特に、ビットコインコミュニティーでは散々もめていたSegwitの機能ですが、別の仮想通貨であるライトコインでも、同じSegwitの機能の導入が問題となっていました。しかし、ライトコインでは、Segwit導入が支持され、ついに、導入されることが確定したようです。

ビットコイン陣営としても、ライトコインに先を越され、マネーもビットコインから別の仮想通貨に流出している現状を見て、ハードフォーク熱が下がるのではないか、とも見られているようです。


4. 小括
 今のところ、直ちにビットコインのハードフォークが起こるという気配はないようですが、今回の一件は、管理者のいない仮想通貨が、どのようにガバナンスを行っていくか、という問題を示すものだと思います。管理者がいないゆえに、コミュニティー内部で方向性が対立した場合、対処が難しいですね(某OSのように、開発会社の都合で、強制的なアップデート!、という手段もとれません。)。

 また、ビットコイン以外の仮想通貨の存在感は、日を追うごとに大きくなっています。ビットコインもそれ以外の仮想通貨も、互いに刺激しあって、全体として発展してゆければよいですね。例えば、今後、決済手段として仮想通貨が普及した際、ビットコインのオンリーワンではなく、いくつかの仮想通貨が併行して使われていくようになるのかもしれません(クレジットカードでも、複数の会社が使われていますので、同じような感じになるかもしれませんね。)。


メルマガ及びブログ等でビットコインの記事を連載させていただいておりますが、分量も多くなり、記事の形ですと、ご覧いただく際、少々読みづらくなってきたかと思います。

そこで、ビットコインについて、Q&Aの形でまとめさせていただきました。今回は、その第1段をお送りいたします。

なお、本稿に記載された情報は、平成29年5月9日当時の情報です。ビットコイン等の技術発展はめざましく、時間の経過とともに、不正確となる情報が含まれ得ることを、予めご了承下さい。

 

Q1> ビットコインとは何ですか。

 ビットコインは、インターネットを介して送金可能な、仮想通貨の一種です。また、現時点(この記事を書いた平成29年5月9日時点)で、世界で最も取引量が多い仮想通貨です。

 「仮想」と言っても、ビットコインで代金を支払えるお店が世界中に登場しています(数はまだ少ないですが)。何より、ビットコインと現金(日本円、ドル等)を交換する取引所が多くできています。そのため、個人の方にとって、ビットコインの購入は、現時点において、「インターネット銀行で、外貨を買うようなもの」という例えが、一番近いかもしれません。

 また、最近では、日本でも大手の量販店がビットコイン決済を導入するなど、支払手段としても着々と普及しつつあります。

 

Q2> ビットコインは、従来の電子的な資金決済手段と比べて、何が特徴的なのですか。

  ビットコインは、大きく言えば、以下の特徴を有する仮想通貨です。

①暗号化技術が使われている

 →勝手に使われない。

②改ざん困難である

 →勝手に金額を書き換えられない。

③管理者が不要である

 →特定の会社に依存しない。

 この中で、従来技術と最も違う点は、③の点です。例えば、鉄道会社のICカードなどは、特定の鉄道会社が管理・発行していますが、このような管理者はビットコインには存在しません。ビットコインでは、管理者が存在しないにもかかわらず、安全に取引が行える仕組みが導入されています(ブロックチェーンと呼ばれる技術により、これが可能となります。)。

 管理者がいないということは、極端な話、住んでいる国が破綻したとしても、ビットコインは残ります(そのため、電子化された金のようだとして、「デジタルゴールド」などとも表現されています。)。

 

Q3> ビットコインで、何ができるのですか。

 ビットコインは、送金先の番号が分かれば、インターネットを通じ、世界中の相手に対し、24時間、手数料は(ほぼ)0で、スマートフォンなどから手軽に送金することができます。

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この記事も2017年5月9日の日本経済新聞朝刊からです。

「GMOインターネット子会社のGMO-Z.comコイン(東京・渋谷)は仮想通貨「ビットコイン」の売買や、レバレッジを効かせた差金決済取引ができるサービスを24日に始める。専用サイトを設け、ビットコインの取引用口座を開設できるようにする。」

ビットコインのFXみたいなものでしょうか。我が国でもどんどんビットコインが普及していきますね!

本日(2017年5月9日)の日本経済新聞朝刊の「ビットコイン版『定期預金』」という見出しの記事から。

「国内の仮想通貨取引所コインチェック(東京・渋谷区)は国内で初めて、利用者が仮想通貨ビットコインを一定期間預ければ金利を得られるサービスを始める。利用者は同社に専用の口座を作ってビットコインを預けていれば、払い出し時に最大年5%の金利分のビットコインが得られる。」

「金融庁によると、今回のサービスは仮想通貨が法定通貨に当たらないため銀行法の規制の対象にはならず、4月に施行された改正資金決済法の対象にもならないという。ただ利用者が急激に増えれば、今後は規制の対象となる可能性がある。」

ビットコインが普及していく過程での一時的な現象だとは思いますが、銀行のように金利をつけることを条件に預金してもらっても、対象がビットコインだと銀行業の許可を得るに必要がないという点が面白いですね。年5%の利息というと普通のお金の預金よりもかなり高い金利なので、このようなサービスもビットコインの普及にプラスの影響を与えるのでしょうね。
弊事務所でも注目しています。

2011年に発覚したオリンパスの粉飾決算について、2017年4月27日になって、ようやく東京地方裁判所で株主代表訴訟の判決が出ましたね。

以下、2017年4月28日の日本経済新聞朝刊42頁の「旧経営陣に590億円賠償命令」という見出しの記事から引用。

「オリンパスの粉飾決算事件にからみ、会社に損失を与えたとして、同社と株主の男性が旧経営陣16人に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。大竹昭彦裁判長は、菊川剛元社長(76)ら6人の賠償責任を認め、総額約590億円をオリンパスに支払うよう命じた。株主代表訴訟の判決が命じた賠償額としては過去2番目に高額とみられる。」

このブログでも、2012年当時、オリンパスの粉飾決算の問題については何回か触れましたので(記事1記事2記事3記事4記事5記事6)、少々不謹慎な言い方かもしれませんが、「懐かしいな」というのが当初の感想です。

それにしても、オリンパスの粉飾決算事件については、2012年に第三者委員会が事実を調査して報告書を出し、また、2013年7月には、旧経営陣3名についての刑事事件が終了していますので、ある程度事実については明らかになっていたように思われ、どうして株主代表訴訟の審理に約5年間もの時間がかかったのかが良くわかりません。5年以上前ということになると、今やひと昔前ですから、判決が出ても世の中に与えるインパクトは小さくなってしまいます。こんなに時間がかかると、裁判所(司法)が事件を解決したのか、そうではなく時間が解決したのはよくわからなくなります。(私を含めてですが)法曹関係者は反省しなければならないと思います。

ちなみに、記事の中で私が興味を惹かれたのは、次の部分。

「このほか、オリンパスが受けた罰金の一部や、疑惑を指摘した英国人のマイケル・ウッドフォード元社長の解職で信用を損なった点についても3人を含む計6人の責任を認定。」

まだ判決が手元にないので断定的なことはいえませんが、これは、マイケル・ウッドフォード元社長の解職に関する取締役会の判断が善感注意義務違反だったということなのでしょうか。この点は、このブログでかなり詳しく検討したので、私としては少々嬉しいですね(まだ判決を読んでいないので的外れなことを言っているのかもしれませんが)。判決が判例誌等で公表されるようになったら、また検討してみたいと思います。

このブログでも既に取り上げましたが、最高裁は、本年1月に、専ら節税目的の養子縁組であっても直ちに縁組意思がないということはできないとの判決を出しました。

事案は、亡きAの長女X1と二女X2が、Aの長男Bの息子(Aの孫)Yに対して、AYとの養子縁組は、民法8021号の「当事者間に縁組をする意思がないとき」に該当することを理由に、養子縁組の無効確認を求めたものです。

一審は、縁組意思はあったと認定し、控訴審は、縁組意思はなかったと認定しています。

最高裁では、次のとおり判示して、Yを勝たせました。つまり、縁組意思はあったと認定したわけです。

「養子縁組は、嫡出親子関係を創設するものであり、養子は養親の相続人になるところ、養子縁組をすることによる相続税の節税効果は、相続人の数が増加することに伴い、遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは、このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るものである。したがって、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに養子縁組について民法802条にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない

 そして、前記事実関係の下においては、本件養子縁組について、縁組をする意思がないことをうかがわせる事情はなく、「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。」

(私の感想)

1. 本件のケースについて、最高裁は、「本件養子縁組について、縁組をする意思がないことをうかがわせる事情はなく」と言っていますが、控訴審における本件の事実認定を見ると

(1) 
本件の養子縁組は、Aの妻が亡くなった直後に、BBの妻及びBの税理士がAの自宅を訪問して、Y(約1歳)と養子縁組することによる節税メリットについて説明し、それを受けて行われたものであること

(2) 養子
縁組以降、AYは同居しておらず、面会することもなかったこと

(3) 
Bはクリニックの院長を務める医師であり、資産も保有し、Yを養育できない環境にはないこと

などが認定されていますので、一般人の感覚からすると、「本件養子縁組について、縁組をする意思がないことをうかがわせる事情」は「あった」ということになるのではないでしょうか。

2. 
また、最高裁は、「相続税の節税のために養子縁組をすることは、このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るものである。」というのですが、この「併存しえる」という部分を重視すると不都合な結果が出てくるのではないかと思います。
 例えば、過去の判例で、縁組意思がないと判断されているものを挙げると、

(1) 
旧法のもとで去家を禁止されていた法定推定家督相続人である女子を他家へ嫁がせるための便法として、他の男子を一時養子とするいわゆる借養子縁組(最判昭和23.12.23民集2-14-493

(2) 
戸主や嗣子に与えられていた兵役免除を目的として二男以下の者が養子縁組をする兵役養子(大判明治39.11.27刑録12-1288)

(3) 芸子家業をさせることを目的とするいわゆる芸子養子(大判大正11.9.2民集1-448

(4) 
女子の婚姻に際し家格を引き上げるためにされる仮親縁組(大判昭和15.12.6民集19-2182

などがあるようなのですが、これらの判例の中に現れた様々な動機部分と縁組意思は「併存しえないか?」と言われると、どのような動機であれ、真に親子関係を創ろうという意思は持ち得るのですから、「併存しえる」と言えなくもないでしょう。

4. で、縁組意思の学説は、大雑把に、次のようなものがあるようですが、いずれも判例の立場を統一的に説明できないようです。

(1) 
実質的意思説
  
習俗的標準に照らして親子と認められるような関係を創設しようとする意思

(2) 
形式的意思説
  
縁組の届け出をしようとする意思

(3) 法
律的定型説
  民法上の養親子関係の定型に向けられた効果意思

5. 
そこで、この判例を契機に、つらつらと考えてみましたが、判例の立場は、次のように説明できるのではないでしょうか(自分ではオリジナルな意見ではないかと思っていますが、それは浅学なだけで、既に同じようなことを言っている人がいるかもしれません。
 
すなわち、日本の場合、養子縁組は、(特別養子縁組の場合を除き)当事者の意思で自由にできます。役所に養子縁組届を提出するときも、実質的意思説がいう「真に親子として認められるような関係を創設しようとする意思」があるかどうかなんて確認されません。形式的に記載事項がきちんと書かれているかチェックされるだけです。したがって、制度的に本来の養子縁組制度の趣旨から逸脱した様々な届け出がなされることになります。それを裁判所でいちいち無効などと判断していては、社会的にかなりのコストがかかってしまいますし、大変な混乱が生じるおそれがあります。したがって、裁判所のスタンスとしては、(実質的意思説を採用しているなどと思わせつつ、実際は形式的意思説的に)縁組意思を広く有効にできるように運用しつつ、その時代、時代で、どうしても認めることができないようなもの(その時代の公序良俗に反するようなもの)だけを縁組意思を無効とするというものではないでしょうか。

6. 
で、冒頭に戻って、節税目的の縁組についてですが、先日のブログで触れたとおり、現在、節税目的の縁組はかなり広汎に行われており、ある調査によると5億円以上の相続財産があるケースの約4割で節税目的の縁組が行われていたとのこと。これを無効ななどと言うと、縁組無効確認の裁判が頻発して大混乱になる可能性があるので、最高裁としても、「併存しうる」などと変な理屈を持ち出して無効とは言えなかったのではないかと・・・・。幸いにして、この種の案件が問題となるのは相続開始後の相続人間であり、(一番事実を知っている)被相続人は亡くなっているので、死人に口なしで、多少無理があるとは認識しつつも「縁組をする意思がないことをうかがわせる事情はなく」などと言いきってしまえばいいですしね(冗談です)。

7.
ただ、さらに翻って考えてみると、実際に行われている節税目的の養子縁組のケースで、当事者間に真に親子関係を作ろうとする意思などあるケースはほとんどないと考えられ、それなのに、縁組意思があるなどと言わなければならないのはやっぱりおかしいと思います。
 そこで、このような判断をせざるを得ない現行の制度自体を変えることはできないかしら。具体的には、当事者の意思で、ほぼ無審査でできてしまうというのはおかしいので、本当に親子関係を創ろうとする意思の有無を事前に裁判所なり公証人なりにチェックさせるような制度にできませんかね?




雑誌『銀行実務』(2017年5月号)56頁以下に弁護士飛田博の『債務者の口座情報開示の新制度構想と現時点における留意点』という記事が掲載されました。

現在、法務省の法制審議会民事執行法部会で審議されている「第三者から債務者財産に関する情報を取得する制度」の背景や概要を説明するとともに、現時点で、銀行が弁護士会照会制度により債務者の口座情報開示を求められた場合の実務対応について解説したものです。私の経験もおりこみながら、読み物として面白いものを目指しました。手前味噌ですが、とてもわかりやすいですよ。

興味ある方はぜひぜひご一読ください。

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