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 昨年、世間を賑わせた働き方改革関連法ですが、だんだんと施行時期が迫ってきています。皆様、対応は進んでいますか?

 働き方改革関連法とは、正式名称を「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」と言い、2018年6月に可決・成立しました。

同法による主要な変更点は、 

 ① 時間外労働の上限規制の強化

 ② 年次有給休暇の付与義務の導入

 ③ 高度プロフェッショナル制度の導入

 ④ 安全衛生の強化

 ⑤ 不合理な待遇差の是正(同一労働同一賃金)

となっています。

 

 変更点の内容を一つ一つ解説することは、分量の都合で差し控えますが、上記のうち、②③④は適用開始時期が2019年4月となっています。また、①も、大企業は2019年4月から(中小企業主は2020年4月から)適用が開始されることになっています。
 これらはあと3ヶ月程度で制度が始まりますので、早めに対応を考える必要があります。

 ⑤は、2020年4月から(中小企業主に対する一部の適用につき2021年4月から)適用開始となっていますが、改正点の中で最も対応に手間がかかると予想されるため、こちらについても、方針を検討する等の動きをスタートすることをおすすめします。

 

 現在、働き方改革関連法の施行に向けて、厚生労働省がリーフレットを出すなどして周知を進めています(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html)。これらのリーフレットを参考にしたり、専門家を活用したりするなどして、スムーズに働き方改革関連法への対応を完了させましょう!

ビットコインですが、昨年12月中旬頃に、1BTC=40万円を突破し、その後も、1BTC=40万円超で推移してきましたが、ここにきて、110日頃に下落し、また、1BTC=40万円を割るに至っています。

今回の下落の要因としては、諸要因があるようですが、1つには、イーサリアム・クラッシックに対する攻撃と、これによるイーサリアム・クラッシックの価格下落がトリガーになったのではないか、という見方もされています。


さて、仮想通貨に関しては、昨年1221日、金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会」における報告書が公開されました(https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20181221.html)。この、「仮想通貨交換業等に関する研究会」とは、「仮想通貨交換業等をめぐる諸問題について、制度的な対応の検討」する研究会であり、今回の報告書では、概要として、


①仮想通貨交換業者に対する制度枠組みの改善(特に、仮想通貨流出事件を受けたリスク対応)

②仮想通貨証拠金取引への規制

ICOの規制


などが盛り込まれています。

まだ、「後は国会に法案を提出するだけ」というレベルにまでは至っていないため、今後、必ずこの内容に従って法改正がされる、という訳ではありませんが(報告書においても、「実現可能なものから速やかに適切な対応が図られることを期待する。」と記載されています。)、今後の法改正の方向性を伺い知ることができます。


このうち、特に、ICOに関しては、「現時点で禁止すべきものと判断するのではなく、適正な自己責任を求めつつ、規制内容を明確化した上で、利用者保護や適正な取引の確保を図っていくことを基本的な方向性とすべきと考えられる。」などとされており、今後、情報開示や財務状況の審査制度などの創設が提案されています。

「規制」という言葉を聞くと、仮想通貨業界では、かなりマイナスイメージに捉える方が多いようですが、規制範囲が明確化すれば、何が適法であるか、も明確化するため、規制は必ずしも悪いこととはいえません。特に、ICOに関しては、現行法令では、どのような規制がされるのか、不明確な部分が残りますので、この機会に、規制内容がより明確化すれば、日本国内でICOの実施がしやすくなるかもしれませんね。 


ちなみに、形式的なことですが、今回の報告書では、今後、「仮想通貨」ではなく、「暗号資産」の名称を用いるべきだ、といった提案もなされています。その理由として、世界的な動向として、「暗号資産」(crypto-asset)という表現が用いられつつあることや、「仮想通貨」の呼び方は(法定通貨との)混同・誤解が生じやすい、との点が挙げられています。確かに、ビットコインなどでは、仕組的に内部で暗号が使われていますので、「暗号資産」という呼び方は、内部的仕組を踏まえた言葉ではあると思います。

が、「暗号資産」と聞いて、ビットコインを思い浮かべる人は、まだまだいないでしょう。また、これまで、資金決済法改正により、「仮想通貨」を定義し、「仮想通貨」という名称が折角定着しつつある中で、何も今、名称を変更しなくても・・・とも思ってしまいます。


いずれにしても、今後、仮想通貨(暗号資産)に関する法改正については、動きがみられると思われますので、注目です。

産休には、出産予定日の6週間前(多胎妊娠(双子以上)の場合は14週間前)の「産前休業」と、出産の翌日から8週間の「産後休業」の2種類があります。
この「産前休業」と「産後休業」とを併せて単に「産休」と一般的には呼んでいますが、両者の休業は取扱いが異なるので注意が必要です。

 

まず、「産前休業」ですが、これは6週間以内(多胎妊娠の場合は14週間以内)に出産する予定の女性が、産前休業を請求した場合において、使用者がその者に与える休業のことをいいます(労働基準法第65条第1項)。
すなわち産前休業は、あくまでも妊娠した本人の「請求」があってはじめて付与すればいいので、請求がない場合には産前休業を与える必要はありません。

 

これに対して「産後休業」ですが、これは労働基準法上の「産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない」(第65条第2項)という規定があることにより与えられる休業で、使用者には産後休業を与えることが義務付けられています。そのため、産前休業と異なって、妊娠した本人の請求を待つまでもなく、使用者は当然にその本人を休業させなければなりません。
ただし、産後6週間を過ぎ、かつ職場復帰に支障がないと医師が認めた場合には、例外的に8週間を経過せずとも職場復帰させることが可能です(同項但書)。

 

これら産休の対象労働者は、「6週間以内(略)に出産する予定の女性」と「産後8週間を経過しない女性」となっており特に制限は設けられていません。
そのため、正社員、契約社員、パート労働者等の区別なく、産休をとることが可能であり、かつ時期に制限もないので入社後すぐに産休をとることも可能です(入社後すぐの産休については色々あると思いますが、産休中に解雇その他の不利益取扱いを行うことは法律上明確に禁止されています。労働基準法第19条第1項、男女雇用機会均等法第9条第3項)。

 

産休中は、就業規則等に定めがない限り無給となりますが、健康保険に加入している場合には、産休中に出産手当金(標準報酬額の3分の2)が支給されます。
ちなみに、フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリは、産休中(だけでなく産前10週の特別休暇中と産後約6カ月の期間)でも100%の給与を保証しているそうなので、随分と太っ腹な対応をしていますね。

 

ところで、上記のとおり原則として産休中は無給ですが、この産休中に有給休暇をとることで、少しでも給料を確保したいと考える方がいるかもしれません。
この点、有給休暇とは、「労働者の労働義務」と「使用者の賃金支払義務」が併存している中で、「労働者の労働義務」だけを免除して、「使用者の賃金支払義務」のみを残す休暇です。すなわち有給休暇を取得するためには、そもそも「労働者の労働義務」があることが前提になるのです。

 

上記の「産前休業」と「産後休業」の違いについてもう一度確認しますと、産前休業はあくまでも、妊娠した本人の「請求」があって初めて付与されるものなので、たとえ出産予定日の6週間以内であったとしても、産前休業の請求をしない限り、「労働者の労働義務」は存続し続けることになります。
これに対して、「産後休業」は、妊娠した本人の請求を待つまでもなく、使用者は当然に産後8週間(医師が認めた場合は6週間)まで休業させなければいけないものですから、産後8週間の期間については、そもそも「労働者の労働義務」は存在しません。

 

したがって、産前期間中(出産予定日の6週間前以内)にもかかわらず産前休業を請求していない期間においては、有給休暇の取得が可能となりますが、産後8週間の期間については有給休暇を取得することはできません。

 

以上の「産前休業」と「産後休業」の違いをまとめると以下の表のとおりとなります。

表:「産前休業」と「産後休業」の違い

 

産前休業

産後休業

期間

出産予定日の6週間前以内

産後8週間(医師が認めた場合は6週間)

取得方法

労働者の請求

法律上当然に取得

給与

原則無給

※就業規則等の定めがある場合有給

※健康保険加入なら出産手当金(標準報酬額の3分の2)あり

原則無給

※就業規則等の定めがある場合有給

※健康保険加入なら出産手当金(標準報酬額の3分の2)あり

有給休暇

出産予定日の6週間前以内でも産前休業の申請がない期間は取得可能

不可

このように、「産前休業」と「産後休業」には違いがありますので、一緒くたに「産休」として取り扱うと間違えることがありますので、注意が必要です。

 




私は、2005年12月から2007年2月までの1年2ヵ月間、当時在籍していた西村あさひ法律事務所から東京商工会議所内の東京都中小企業再生支援協議会に出向させていただき、同協議会のサブマネージャーをさせていただきましたが、その時、中小企業再生について1から教えていただいたのが、同協議会の統括責任者をされていた藤原敬三さんでした。その後、藤原さんは、中小企業基盤整備機構内に設置された中小企業再生支援協議会全国本部の統括責任者になり、長らく中小企業再生支援協議会の現場のトップとして活動されていましたが、この10月に統括責任者の地位を後進に譲り、自身は顧問となって、一歩引いたところから中小企業再生支援協議会にアドバイスしていくとのこと。その藤原さんが、かつて自分が手掛けた案件を振り返り、また、協議会の手続きを利用した社長等にインタビューをして回ってまとめたがのがこの本です。

中小企業再生支援協議会の手続は、秘密裡に進められるため、実際どのように行われているのか外からはよくわからないのですが、この本は、著者の藤原さんが易しい語り口で手続きがどのように進められるのか、各案件の勘所はどんなところにあったのかを説明してくれます。藤原さんが手がけた5つの案件が取り上げられていますが、どれもエピソード満載で、小説やドラマ、映画にしたら面白いだろうなと思える内容であり、とても興味深かったです。

中小企業再生にとどまらないと思いますが、企業の再生のためには、債権カットなどの財務面だけではなく、事業自体の改善がとても重要であることや、(同協会で行われている手続の対象者が金融機関だからということもあるかもしれませんが)金融取引や銀行のことを良く知っていることがポイントだということが良くわかります。

経営が苦しい中小企業の社長さんのみならず、弁護士・税理士・会計士、コンサルタントといった再生にかかわる専門家必読の書だと思います。

是非、ご一読ください!


なお、藤原さんが書いたより専門的な本として、「実践的中小企業再生論」があります。この本は書式まで網羅されていて非常に有益な本です。藤原さんによると、改訂版の計画が進んでいるとのことですので、こちらにも期待したいですね!



2018年11月19日の日本経済新聞に、「旧基準の大型建物、25年までの回収難しく」との見出しの、興味深い記事がありました。この記事によると「旧耐震基準の大規模建物で、震度6強以上の地震により『倒壊・崩壊する危険性が高い』と診断された全国1千棟のうち、耐震改修・除却計画の策定が4割弱にとどまっている」「国は2015年までに全ての建物で耐震性不足の解消を目指しているが、達成は難しい状況だ」とのことです。

 

地震大国である我が国では、建物の耐震性は非常に重要な問題ですので、平成7年に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」を制定し、さらに最近の改正では、ホテル・旅館・百貨店・映画館などの大保建築物のオーナーに対し建物の耐震診断を行い、自治体にこれを報告することを義務づけました。そして、自治体にこれを公表することを義務づけ、倒壊・崩壊の危険性が高い建物については、建物のオーナーが、耐震改修・除却計画を作成することを促進しています。今回の報道は、この耐震改修・除却計画が進んでいないことを報道したものなのです。

 

ところで、私はこの問題が報道されるたびに思うのが、建物にテナントが入居している場合に、建物のオーナーが耐震改修または建て替えのため賃貸借契約を解除できるか?ということなのです。耐震診断が義務化されている建物は大型建物なので、多くの場合テナントが入居しています。はたして耐震改修や建て替えのためにそのテナントを立ち退かせることができるのでしょうか?ということです。法的には、借地借家法という法律があって、賃貸人が賃貸借契約の更新拒絶をしたり、中途解釈をするには「正当な事由」が必要とされますので、その「正当な事由」が認められるか?という問題として定式化されます。

 

この点、弊事務所の馬場弁護士の協力を得ながら、これまでの耐震と正当事由の関係を調査したところ、次のような判例の傾向にあることがわかりました。

(1)老朽化がかなりの程度進行し、崩壊の危険性を有する場合や構造上の安全性を確認できない場合には正当事由が認められる。

(2)建物の改築の必要性が差し迫っていない場合であっても、早晩改築が必要となるときや、消防法上の改善指導を受けているような場合であれば、立退料の補完があれば正当事由が認められる。(耐震改修の必要性があるというだけではダメで、立退料の支払が必要であるところがポイント)

(3)建物が老朽化しておらず、崩壊の危険性が認定できない場合には、正当事由が認められない。

 

で、今回の報道により「倒壊・崩壊する危険性が高い建物」とされたといっても、震度6強以上のかなり大きな地震が起きることが前提ですし、現時点で実際に使用されている建物がほとんどですので、上記の分類からすると、(2)に分類されるものが大部分だと思われます。そうすると、弁護士的には、現行法上、立退料に関する金額の基準がなく、まさにケース・バイ・ケースの判断になるので、賃借人と立ち退きについて合意するまでにかなりの費用と時間を要することになるという点が頭の痛いところなのです。本当は急いで耐震改修をしなければならないのに、賃借人の立ち退きがうまくいかなくて、なかなか耐震改修ができないということも起きてきます。

 

そもそも借地借家法上の賃貸借契約を終了させるためには「正当事由」が必要との建て付けは、太平洋戦争後、住宅供給が逼迫して、賃借人保護が強く叫ばれたときにつくられたもので、現時点では、時代にマッチしないものとなっています。また、「立退料の補完」などといわれても、肝心かなめの立退料の算定基準が定められておらず、ゴネ得を許す(つまり、賃借人が居座って時間をかせぐと賃貸人が困って立退料を上げざるを得ない)ようなシステムになっています。

 

私は、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」を作っておきながら、借地借家法の「正当事由」について手当をしていないのは手落ちだったと思います。この点はいずれ必ず問題になってくると思います。国全体で耐震問題を考えなければならないときなので、この問題は何とかしなければならないでしょう。

2018/10/31付の日経新聞に次の記事が掲載されました。

 

「『やせる青汁』根拠なし シエルに課徴金1億円
消費者庁は31日、青汁を飲めば『やせる』と根拠なく宣伝、販売したとして、景品表示法違反(優良誤認)で東京都渋谷区の通信販売会社『シエル』に約1億円の課徴金納付と再発防止を命じた。食品に対する課徴金としては過去最高額。…」

 

 消費者庁「平成 29 年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組」34ページ~41ページ(http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180615_0002.pdf)を見れば分かるのですが、これまで消費者庁が課してきた課徴金の金額は、200万円程度~多くても5000万円程度のことが多く、特に健康食品の場合は、小規模業者が多いためか、課徴金額が数百万円にとどまることも多かったのです。
 その中で、1件で1億円という課徴金額は相当大きく、㈱シエルの事例は、このレベルの課徴金もありうるのだということを世に知らしめる例になったものと思います。

 

 そもそも、景表法5条違反(優良誤認表示・有利誤認表示)の課徴金の額は、課徴金対象期間(課徴金の対象となる行為をした期間)における課徴金にかかる商品の売上額の3%と定められています(景表法第8条第1項)。つまり、違反行為をしている期間が長ければ長いほど、違反行為をして売り上げた額が多ければ多いほど、課徴金の額も上がることになっています。
 ㈱シエルの課徴金対象期間は「平成2841日から平成30730日まで」の約24ヶ月間で、相当長期間ですので、これが課徴金の金額にも響いたものと思われます。

 課徴金納付命令の制度自体、平成284月にできた新しいものなのですが、最近は、前例ができてきたためか、だんだんと積極的に運用されてきているように感じます。
 このくらいであれば…、他もやっているから…、などという理由で宣伝広告物に間違った記載をしていると、ある日突然、行政から景表法違反の指摘が来ることもあります。
 日頃から、景表法違反を起こさないように注意を払いつつ、万が一行政機関から何らかの連絡が来た場合には、直ちに記載を改めるといった対応を取ることが大切です。

ビットコイン価格ですが、1114日頃まで、1BTC=70万円超にて取引されていましたが、その後、1BTC=60万円近くまで下落し、さらに、現在(2018/11/27時点で)、1BTC50万円を割るにまで至っています。

これまで、比較的ビットコイン価格は安定していましてが、ここに来て荒れ模様のようです。

なぜ、今回こんなに下落したのか、については、諸説ささやかれていますが、1つには、以前、ビットコインからハードフォークして誕生したビットコインキャッシュが、さらにハードフォークすることとなり、その影響があるのではないか、と言われています。別のコインのハードフォークが、なぜビットコインの価格に影響するのか不明確な点はありますが、ビットコインとビットコインキャッシュでは、ベースとなる構造はある程度共通しているため、今回のハードフォークの混乱により、ビットコインに対してもネガティブな感情が渦巻いて、売りを呼んだのかもしれません。一般論としては、1つの仮想通貨(特にビットコイン)が下落すれば、それに連動して、他の仮想通貨も下落する、という現象は、よく起こっています。

 

さて、このビットコインキャッシュのハードフォークですが、今月16日頃、Bitcoin ABCBitcoin SVという2つに分裂しました。過去、ビットコインからビットコインキャッシュが分裂した際には、結果的に、ビットコイン保有者にビットコインキャッシュが付与されたことになり、ある意味、終わってみれば、棚ぼた的な、ユーザーにとって嬉しい結果となりました。しかし、今回のビットコインキャッシュのハードフォークは、どうも、そんなに嬉しい話ではなさそうです。

 

もともと、ビットコインキャッシュのコミュニティーは、一枚岩ではありませんでした。発端としては、今回、Bitcoin ABC陣営が提案したアップデート(スマートコントラクトなどの機能追加)に対し、Bitcoin SV陣営が反発し、別のアップデートを提案(1つのブロック=台帳の1頁のサイズを32MB128MBに増加するなど)したため、対立状態が生じ、今回のハードフォークに至ったようです。

また、ビットコインから、ビットコインキャッシュがハードフォークした際は、今思い返せば、比較的スムーズに対応がなされましたが、今回のハードフォークは、 

 ・Bitcoin SV陣営が、分裂すること自体に否定的であり、ハードフォークによりビットコインキャッシュが分裂した場合には、相手のABC陣営に攻撃を仕掛ける、といった主張をしており(要するに、自らがビットコインキャッシュの正当な後継者となるべきであり、ABC側は潰す!、と言っているようなものです。)、

 ・また、技術的に厳密に2つのコインを区分けする措置がとられておらず(リプレイプロテクション)、どのような結果になるのか、不明確な状況であり、

 ・取引所の対応もまちまちで、分裂した片方のコインのみをサポートする、といった取引所もある

というように、かなり混乱した状況になりました。

 

混乱が続けば、その分、対応にコストがかさみますし、お互いに干渉せず、別々の仮想通貨としてやっていけばいいのではないかとも思いますが、なかなか、そう、うまくはいかないようです。ただ、現在、混乱収束に向けて、「停戦」の提案もなされています。今後の動きに注目です。

 

休日振替と代休は、一見すると似ているので、あまり区別なく使用されていることがありますが、実は時期や割増賃金の支払い等、取扱いが両者で異なっていますのできちんと区別する必要があります。


休日振替とは、就業規則上休日と定められた特定の日を事前に変更して労働日とし、別の労働日とされている日を休日に変更することをいい、これに対し、代休とは、就業規則上の休日に休日労働させた後、これに代わって労働を免除する日を付与することをいいます。


結局どう違うのか?ということで、両者の違いをまとめたのが以下の表です。

  (休日振替と代休の区別)

 

休日振替

代休

時期

事前

事後

就業規則の定め

必要

不要

※ただし、賃金控除を行う場合には定めておくほうが適当

割増賃金の支払い

不要

必要

休日の指定

使用者が指定

労使間の自由

 

休日労働が法定休日(毎週1日又は4週間に4日の労基法上定められた最低限の休日)に該当する場合には、35分の割増賃金の支払いが必要になります。


ところが、休日振替を行うことにより、もともとの法定休日が労働日に変更になるので、この労働日に働いても「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務は発生しません。
これに対して、代休の場合は、法定休日の労働が行われた後に、いわばその代償として以後の特定の労働日を休みとするものであって、前もって法定休日を振り替えたことにはなりません。そのため、法定休日に「休日労働」した事実は消えませんので、休日労働分の割増賃金の支払義務が発生します。
(ただし、法定休日ではない休日(所定休日)について、休日振替や代休が行われても、就業規則に別段の定めがない限り、休日割増賃金という話にはなりません。)


また、休日振替は、労働契約の内容として特定されている休日を、使用者が一方的に他の日に変更することになるので、労働条件の変更になります。つまり、労働契約上の命令権の根拠が必要となり、就業規則の定めが必要になります。
これに対し、代休は、休日労働させた後に、別の労働日における就労義務を免除するものですので、労働者に有利な取扱いになるとして就業規則の定めは必須ではありません。逆に言えば、就業規則に使用者の義務として定められていない限り、代休を付与することは使用者の義務ではないのです。

 

ただし、代休取得後に就労免除分の賃金の控除を行う場合には、後々疑義が生じないように控除方法について就業規則に定めておくことが適当です。
例えば、「代休が付与された場合、法定休日における労働については、労働基準法所定の割増賃金(35分)のみを支払うものとする」等ときちんと定めておくことも検討したほうが良いと思います。


このように、休日振替と代休は、取扱いがそれぞれ異なっており、割増賃金の計算を間違えたりするおそれがあるので、きちんと区別することが必要不可欠でしょう。

【宇宙法入門】書影


これだけは知っておきたい!
弁護士による宇宙ビジネスガイド
New Spaceの潮流と変わりゆく法
第一東京弁護士会 編
同文舘出版
出版日:2018-11-15










弊事務所の馬場悠輔弁護士が共著者の一人として、本を出版いたしました!

「これだけは知っておきたい!弁護士による宇宙ビジネスガイド
‐New Spaceの潮流と変わりゆく法」(第一東京弁護士会:同文舘出版)
(出版日平成30年11月15日、税込み¥2052(本体¥1900)、A5判)

近年宇宙開発が大企業・ベンチャー企業問わず民間にまで拡がっていく中、宇宙活動をめぐる法律問題は多岐にわたっています。
しかしながら、宇宙法自体が非常に新しい分野であるため、宇宙法を概説した書籍はほとんどありません。
本書は、宇宙法だけでなく、宇宙の歴史から最新の宇宙ビジネスまで幅広く解説しておりますので、法務担当の方だけでなく、少しでも宇宙に興味のある方でも楽しめる内容となっています。

宜しければお手に取りご愛読いただければ幸甚です。

1024日に厚生労働省は企業などがデジタルマネーで給与を従業員に支払えるよう規制を見直す方針を固めたとのニュースがありました。従業員に支払う給与を、銀行口座を通さずに、プリペイドカードやスマートフォンの資金決済アプリなどに送金できるようにするそうです。(日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36868440U8A021C1MM8000/

 

最初に法的な原則論を整理しますと、従業員に対して支払う給与(賃金)については、「通貨」によって支払わなければなりません(通貨払の原則:労基法第24条第1項)。
「通貨」とは、我が国に強制通用力のある貨幣及び紙幣を意味しており、要は日本円の硬貨と紙幣(日本銀行券)で支払わなければならないということになります。
ちなみに「通貨」には外国通貨は含まれませんので、会社が一方的に「今日から給与はドルで支払うことにした」と言って給与をドル払いにすることはできません。

以上が原則論で、これを修正する例外が3パターンあります(労基法第24条第1項但書)。

①法令に別段の定めがある場合

②労働協約に別段の定めがある場合

③(確実な支払の方法として)厚生労働省令で定める場合

①法令に別段の定めがある場合
まず1つめの、法令に別段の定めがある場合ですが、今のところここでいう「法令」は存在しないので、特に問題にはなりません。

②労働協約に別段の定めがある場合
次に2つめの、労働協約に別段の定めがある場合について、労働協約とは、労働組合と会社との間の書面で締結される協定のことをいいますが、労働組合がない会社では、労働協約によって通貨払いの原則を修正することはできないので注意が必要です。

③厚生労働省令で定める場合
最後に3つめの、厚生労働省令で定める場合ですが、これが冒頭で挙げたニュースの話です。
現在では厚生労働省令(労働基準法施行規則第7条の2)によって、労働者の同意があることを前提に、給与を金融機関口座に振込むことが可能となっています。
なぜこれが通貨払の原則の例外なのか?というと、給与の振込みでは、厳密に言えば、労働者は通貨そのものを受領できるのではなく、金融機関に対する預金債権を取得することになるので、通貨払の原則の例外になるのです。
金融機関口座への振込みでも、確実に労働者の手元にいくので、それなら許容しましょうという価値判断です。

 

今回厚生労働省は、これを更に拡大して、従業員に支払う給与を、プリペイドカードやスマートフォンの資金決済アプリなどにも送金できるようにするそうです。
これは昨今の労働者人口の減少に伴う外国人労働者の受け入れをみると、必然的な流れではないでしょうか。

ただし、この記事によればこの手続きの利用ができるのは、デジタルマネーを手数料無しで現金化できることが条件となっていますが、現在のところ(銀行所定のプリペイドカードを除けば)デジタルマネーを現金化するのは難しいと思いますので、実現のためには今後インフラが整備される必要があります。

とはいえ今後銀行口座を間に入れずに給与の振込みができるようになると、外国人労働者にとって働きやすくなるでしょう。
給与の現金払いでは安全面の心配や、確実に給与を支払った証拠を確保するためにも、最近では給与の銀行口座への振込が一般的になってきましたが、銀行口座を外国人が開設しようとすると大変です。短期滞在(90日以内)の場合は開設できないですし、長期滞在ビザを持っていたとしても、日本での滞在期間が6ヶ月未満の場合は開設ができないなどハードルが高いですが、銀行口座が不要となると、外国人労働者でも給与の支払いを受けることが容易になります(今後は併せて就労ビザの拡大も行われていくと考えられます)。

デジタルマネー決済の昨今の状況をみると、クレジットカードや電子マネーの利用のみ(現金不可)の店が出てきたり、病院の診療費の支払いに電子マネーの利用ができたり、経済産業大臣がクレジットカード会社に対し手数料の引き下げを要請する考えを示したりするなど、デジタルマネー決済の推進(キャッシュレス化)の流れに入っています。
このままキャッシュレス化が拡大すれば、上記のデジタルマネー現金化の条件もなくなるのではないでしょうか。

ちなみにアメリカでは、既に「ペイロールカード」というものがあって、会社は銀行を介さずに直接このカードに入金し、従業員はこのカードでショッピングをすることが可能になっており、日本の一歩先を行っています。
ただし、アメリカではペイロールカードの現金引出しの際の手数料について批判がされているので、厚生労働省はこの批判を避けるために、今回あらかじめデジタルマネーを手数料無しで現金化できることを手続利用の条件にしているのではないでしょうか。

今回のデジタルマネーによる給与支払いは、外国人労働者受け入れの布石となることでしょう。

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