タグ:インサイダー取引

2022年11月21日 日経新聞朝刊15頁

「見抜かれるMBO」「受け皿会社で推測 先回り買いも」「監視委、異例の注意喚起」

「ネット上で特別目的会社(SPC)の新設情報を探ってMBO(経営陣が参加する買収)を公表前に察知し、対象外社の株式を先回りして買う投資家が出てきている。」

「監視委幹部も『当初はインサイダー取引に該当する可能性があるとみて調べたが、金融商品取引法(金商法)が定める公開買い付け者等関係者などとの接点が見つからなかった』と話す。」


(飛田コメント)

 記事によれば、この手法を利用して1億円を超える利益を得た例もあるとのことです。どこにでも頭の良い人はいますね。この手法は、証券取引等監視委員会が注意喚起に踏み切ったことにより、今後、SPCの名称を対象企業と類推されないようにする、SPCの所在地を対象企業と同一にしないなどの工夫をすることにより、使えなくなると思いますが、今後も、公開買い付け等関係者に完全に接触しないで、MBOの実施を察知できれば、インサイダーとならずに、株で大額の利益を得られるということになります。
 そんな方法ないかしら?
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2022年11月17日 日経新聞夕刊9頁

「スクエニ元従業員ら逮捕」「ゲーム会社株インサイダー容疑」「『ドラクエ』新作巡り取引か」との見出しの記事から

「○○容疑者の逮捕容疑は、Aimingとスクエア・エニックスが共同で開発を進めていたスマートフォン向けゲーム『ドラゴンクエスト』に関する未公開情報を入手し、2019年12月~20年2月に同社株約7万2000株を計約2080万円で買い付けた」

「Aimingは20年2月にゲームの共同開発を発表していた。ゲームは20年7月に配信が開始された。
公表前に約300円だった同社株の経過は、公表後の2月中旬に600円台まで上昇、サービスが開始した7月には一時、1000円を超えることもあった。」


(飛田コメント)

 インサイダー取引というと、会社の重要情報に接しやすい経営者のもとで発生しやすいというイメージなのですが、本件は、従業員のもとでインサイダーが発生した比較的めずらしい事例なのではないかと思います。ゲーム開発公表前1株300円だった株価が公表後は1株1000円を超えることがあったというので、インサイダー取引がいかに儲かるか、ですね。
 会社の重要情報に触れる立場にある人は、株をやらないというのが一番だと思います。
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8月22日付で、金融庁が、株式会社ノジマの元顧問弁護士が同社の公募増資に関して、インサイダー取引をしたとして、課徴金の納付を命じたことを発表しました。
http://www.fsa.go.jp/news/26/syouken/20140822-2.html
発表された決定要旨を読んでみると、元顧問弁護士は、平成25年11月19日のノジマ取締役会において公募増資の実施が決定(公表)される以前に、公募増資の実施という重要事実を知ったことを否認しているようです。
しかし、同年10月11日には、ノジマ側から公募増資について、同じ事務所所属の弁護士が電話・メールで相談を受け、この元顧問弁護士にもそのメールが転送され、元顧問弁護士自身が、公募増資の相談案件を受任する旨を(ノジマ側からメールを受信した)弁護士に電話で伝えたことが認定されていますので、公表される前にノジマの公募増資の実施を知らなかったという言い訳はなかなか難しいでしょう。
そうすると、(あくまでも推測ですが)そのメールを見た段階では、ノジマでは公募増資が検討されていることは知っていたが、まだ正式に「業務執行を決定する機関が本件公募増資について決定をした」とは思わなかったという法律解釈の勘違いを主張しているのかな??? (決定要旨からはよくわかりません。)

いずれにしても、上場企業をクライアントにもつ弁護士は、日々インサイダー情報に接する機会がありますので、インサイダー規制にはくれぐれも注意しなければなりません。基本的には、顧問先企業の株取引はやらない方が無難でしょう。
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