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さて、前回メルマガ以降、ビットコインに関する様々なニュースがあり、相場は乱高下しています。

 

結果的には、現在、1BTC=88万円(20171119日現在)にまで上昇しています。以前、まだ、ビットコインが安かったころ、1BTC=100万円まで上昇するだろうと予測していた人もおり、当時は、「本当にそんなに上がるのか?」なんて、疑わしく思っていましたが、現時点では、1BTC=100万円が見えてきたように思います(ただ、くどいようですが、もちろん、暴落するときは暴落します。)。


今回は、前回メルマガ以降の大きなニュースについて、振り返ってみてみたいと思います。

 

●ビットコインゴールドのハードフォーク

さて、前回以降、何があったかというと、まずは、ビットコインゴールドのハードフォークですね。ハードフォーク予定、ということは前回メルマガでもお伝えしましたが、先月1024日、無事、ビットコインからビットコインゴールドがハードフォークし、新たなコインが誕生しました。


ただ、ハードフォークしたといっても、これまで、直ちにビットコインゴールドが取引できる状態ではなく、ペンディングの状態になっていました。というのも、ハードフォーク時点では、台帳が分かれただけで、ビットコインゴールドのシステムに使われるソフトウェアすらできていなかったというのです。その後、1113日に、ビットコインゴールドのソフトウェアがリリースされたとのことですので、今後、安定的にビットコインゴールドのシステムが稼働してゆくのであれば、ようやく、ビットコインゴールドが実質的に付与されたといえそうです。


前回お伝えした通り、取引所に預けていたビットコインに関しては、取引所によって、ビットコインゴールドを付与するか否かは異なるようです。ビットコインゴールドを付与すると言っている取引所に関しては、今後、ビットコインゴールドのシステムの稼働状況を見て、ビットコインゴールドを付与するか否かを決めることになると思われます。

 

●ビットコインの先物取引の報道


ハードフォークとは関係ありませんが、111日には、米国で、ビットコインの先物取引が開始されるとの報道があり、これを理由の1つとして、相場が大きく動きました。具体的には、1BTC=60万円台だったビットコイン価格は、報道後、一気に80万円後半に上昇しました。かなり大きな価格変動ですね。

 

Segwit2xのハードフォーク中止


先物取引の報道で大きく上昇したビットコイン価格ですが、その後、大きく下落することになります。それが、Segwit2xのハードフォーク中止のニュースです。


以前より、11月には、Segwit2xのハードフォークが予定されており、大きな注目を集めていました。また、これにより、コインが分裂することとなるため、分裂後のコイン付与を織り込んで、ビットコインを買っていた方もいたと思います。しかし、11816:58UTC)、Segwit2x推進派の公式の声明で、

ハードフォーク中止がアナウンスされました。当然、ハードフォークが中止となったので、コインも分裂していません。


https://lists.linuxfoundation.org/pipermail/bitcoin-segwit2x/2017-November/000685.html

 

上記の中止声明では、現時点ではコミュニティから十分な同意が得られていないといった点などが中止の理由として挙げられています。ただ、コミュニティーの同意、といったもののほかにも、従前から、Segwit2xに関しては、開発者が1人しかいないとか、バグがあるだとかいった指摘もあり、そういった点も、今回のハードフォーク中止の原因となったのかもしれません。ちなみに、この中止声明後、実際にSegwit2xのシステムにバグがあったことが判明しています。もし、バグがある状態で、ハードフォークを迎えていたら、ハードフォーク直前で、システムが動作停止となっていたようです。中止して正解でしたね。


相場に関しては、Segwit2x中止の報道が出た当初は上昇傾向でしたが、その後、一時、大幅に下落しました。ハードフォークにより、新たなコインが得られることを期待してビットコインを買っていた層が、売りに転じたためである、といった評価もなされています。


また、ビットコインを売り、ビットコインキャッシュを買った、という人もいたせいか、この際、7万円前後だったビットコインキャッシュの価格が、一時17万円超にまで上昇しました(その後、下落し、現在では13万円前後で取引されています。20171119日現在)。

 

●ビットコインキャッシュのハードフォーク


今年8月にビットコインからハードフォークしたビットコインキャッシュですが、今月1114日、さらにハードフォークをしました。


ただ、今回のハードフォークにより、コインは分裂していないようです。コインが分裂するハードフォークと、分裂しないハードフォークがあってややこしいのですね。この点、ごくごく簡単に言えば、ハードフォークとは、互換性のないシステムのアップデートで、


  ・従前のシステムを使っていた人が、ほぼほぼ全て新たなシステムに乗り換えれ
   ば、ハードフォークしても、コインは分裂しない

 

  ・従前のシステムを支持する人と、支持しない人が対立した場合は、従前のシス
   テムと、新たな互換性のないシステムの2つにネットワークが分かれる結果、コ
   インが2つできることとなる。


ということとなります。今回は、前者のハードフォークであるため、コインが分裂しなかったのですね。


ちなみに、今回のアップデートは、不具合の修正のために行われたようです。

 

●その後のビットコイン


Segwit2xのハードフォーク中止報道により、一時、1BTC=65万円を割っていたビットコインですが、その後、再度上昇に転じ、冒頭に記載したように、1BTC=88万円にまで回復しました。


ハードフォークなどで、色々と波乱を経験した1ヵ月でしたが、結果的に大きく値を上げた1ヵ月となりました。


結論的に、システム全体にわたって大きな障害などは生じませんでしたが、やはり、前回メルマガでも記載したとおり、ハードフォークは、技術的なリスクが伴うもので、そうやすやすやっていいものではない、と感じます(上記のSegwit2xのバグはいい例です。)。Segwit2xのハードフォークも中止となって、今後、ハードフォークの「ブーム」も落ち着いていけばいいのですが・・・


今後の動向を見守りたいと思います。

ビットコインですが、目下、ハードフォークがホットな話題となっています。

この記事を書いているのが平成291023日ですが、1024日には、ビットコインから、

 ビットコインゴールド

という通貨がハードフォークする予定です(なお、従前は1025日とされていましたが、公式サイトhttp://btcgpu.org/を見ると、24日に前倒しになっているようです。今後も変更の可能性があるので、気になる方は、最新のニュース等をご確認下さい。)。これは、Segwit2xのハードフォークとは別の話で、略称は、BTGなどと呼ばれています。

このビットコインゴールドが目指すところとしては、現状、専用に設計されたチップ(ASIC)を使って一部のマイナーのみにマイニングが集中している状況を回避し、より多くのネットワーク参加者がマイニングを行えるようシステムを修正し、非中央集権化を推し進めることにあるようです。

既に、各取引所も、対応を公表していますが、現状で、取引所によって、新たなBTGを付与する取引所、付与しない取引所が分かれていますので注意が必要です。

そして、11月に入ると、今度は、以前から言われていた

 Segwit2x

 のハードフォークが予定されています。こちらの方は、B2XS2Xなどと呼ばれています。この、Segwit2xですが、以前もお伝えしたとおり、取引台帳の1頁を物理的に大きくする、という修正になります。ただ、同じことは、既に、ビットコインキャッシュでやっているので、今、Segwit2xをハードフォークさせる意義は、以前より、薄まっているように感じます。

このように、ここに来て、ハードフォークが連続します。8月のビットコインキャッシュのハードフォークの際は、大きなトラブルが起きず、むしろ、ビットコインを持っていた人は、棚ぼた的にビットコインキャッシュを付与される、ということとなりました。そのためか、市場は、楽観的に捉えているようです。

ビットコイン価格も、ハードフォークによる新たな仮想通貨の付与を織り込んでか、

  1BTC = 68万円

まで高騰しています(平成291023日現在)。

ただ、一部、ネットメディア等でも指摘されていますが、今後も、味をしめてハードフォークが連続してしまうと、マズイのではないか、という懸念があります。

ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、目立ったトラブルはありませんでしたが、ハードフォーク自体、技術的にも、様々なリスクを伴うものなので、そうやすやすやっていいものでも無いように思います。

また、ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、ビットコインから、ビットコインキャッシュが分岐した後、

  ・ビットコインキャッシュに数万円の価格が付き

  ・ビットコイン自体もその後値上がりした

ため、ある種、錬金術的なことを成功させたことになりました。しかし、今後のハードフォークで、市場が毎回同じように動くのか、という確証もありません。ハードフォークによって、ビットコイン価格が暴落するリスクは常につきまといます。

また、個人的には、派生したコインが、本当にその後永続的に存在するのか、という点も気になります。特に、支持者が少ないハードフォークの場合、ハードフォーク後、何らかの原因で、メジャーなマイナーや開発者が撤退してしまい、まともなネットワーク維持が困難になってしまう、という事態も考えられます。

取引所間で、ハードフォークの自主規制ルールのようなものができれば、不必要なハードフォークが防げるのかもしれませんが、取引所は世界中にできており、意思統一は難しいように思います。

今後、ハードフォーク絡みのニュースには、要注意です。

・・・と、目下のビックニュースに触れさせていただきましたが、それ以外にも、日々、ビットコインのニュースが報道されています。そのうち、私が気になったものでは、HISが都内38店舗で、ビットコイン決済の受付を開始したとのことです。

 

https://www.his-j.com/branch/bitcoin/index.html?cid=newsrelease20sep17_bitcoin_a 

 

ウェブサイトを見ると、ビットコイン決済限定のプランなども掲載されています。

旅行繋がりでは、既に、今年5月頃、LCCのピーチアビエーションが、年内にビットコイン決済を導入すると発表し、話題となっていました。

ビットコインは、仕組み上、決済が確定するまで10分以上要するため、即座に決済が完了しなくても良い取引に親和性があります。通販などもそうですが、旅行業界でも、決済から旅行までは、通常タイムラグがあるので、ビットコイン決済が導入しやすいのかもしれません。旅行業界でもビットコイン決済の導入が進んでゆくかもしれませんね。

さて、81日の波乱が過ぎた後、ビットコインは、またも、高騰しました。7月に、一時、1BTC=21万円台にまで下がっていたビットコインは、現在、1BTC=46万円台で、過去最高価格を更新しています(平成29816日現在)。

 

状況的には、81日の混乱を回避したことや、Segwitのアクティベートに向けて問題なくステップを進んでいること(Segwitの導入は確実になりましたがアクティベート=実際の効力発動はまだ生じておらず、8月下旬頃に予定されています。)などから、期待が高まっているようです。また、北朝鮮問題のような国際情勢も、価格に影響しているのではないか、という声もあります。

 

ちなみに、BitcoinCashに関しては、分裂はしましたが、特段ビットコインに問題は生じていません。分裂、という表現よりは、少数者が離脱した、という表現の方が近いように思います。BitcoinCash自体は、その後、支持を撤回する者も出てきているようです。

 

 

 

ただ、これで全てが終わったわけではありません。以前のメルマガでもお伝えしていますとおり、ビットコインは、11月に、ハードフォークを予定しています。

 

ハードフォークが実施されれば、さらに、ビットコインが2つに分かれることになり、その辺りで、また、混乱が生じるかもしれません。もっとも、これも、今後の状況次第でどうなるかは分かりません。今後、ハードフォーク不支持が多数となり、ハードフォークが起こらない(又は、起こったとしても、少数の離脱となる)可能性もあります。ハードフォークに関しては、今後も、注意深く動向を見てゆく必要があります。

 

 

 

ちなみに、11月の混乱に向けて、大手メディアの報道については、注意深く受け止める必要がありそうです。ブログにもかかせていただきましたが、今回、81日の騒動に関して、新聞等のメディアの報道は、過度にセンセーショナルで、ミスリーディングなものもありました。ビットコインに関しては、技術的にも新しく、また、情報が刻一刻と新しいものになっていることから、大手メディアといえども、正確な記事を書くのが難しいのかもしれません。そのため、11月の状況に関しても、1社のメディア報道のみを信じるのではなく、著名なビットコインニュースサイト等も見て情報収集をすることがおすすめです。

 

理想を言えば、ハードフォークのような大きな話題に関しては、仮想通貨の業界団体が、(簡単なものでもいいので)逐次ニュースを発信するような体制ができればと思いますが・・・

 

こういった点も、仮想通貨に関する、今後の課題のように思います。

●対立の決着

さて、これまで問題とされていたSegwit2xとUASFの対立(ビットコイン分裂騒動)ですが、今回、Segwit2xが多くの支持を得て、結論的に、8月1日には、問題となる分裂は生じない方向で進んでいます。

これを反映してか、一時21万円前後にまで落ち込んでいたビットコインの相場も、騒動前の30万円前後の水準に戻っています。

今回は、ここ1ヶ月の騒動と、今後の流れについて、ご説明させていただければと存じます(この記事を書いているのが、平成29年7月24日です。この記事が古くなった場合には、最新のニュースで状況をご確認下さい。)。



●これまでの騒動

前回までの記事をご覧になっていない方向けに、ざっくりご説明すると、これまで、ビットコインは、システムアップデートの内容・方法で大きく2つに意見が対立していました。


1つは、UASF(BIP148)と呼ばれるもので、もう1つがSegwit2x(別名、NewYorkAgreement、シルバート合意、Segwit+2MBなど)と呼ばれるものです。

このうち、UASFは、これまでのビットコインの開発者が開発したSegwitという機能(ざっくり言えば、ビットコインの取引のキャパを増加させる機能です。)を、そのまま導入するという案です。ただ、導入方法は、8月1日(=グリニッジ標準時)に、反対があったとしても強行的に導入するという、ちょっと過激な方法です。

他方、Segwit2xは

  ・Segwitを導入する
  ・さらに、導入後、ビットコインのブロック
   (取引台帳の1頁分)のサイズを2MB増加さ
   せる)

というものですが、

  ・Segwitはそのまま導入されるのか、改変が
   加えられるのか
  ・さらに変な機能が付加されないか

など、これまで、様々な憶測が飛び交ってきました。ただ、その後、開発段階のプログラムが公開され、

  ・Segwitの機能はそのまま導入される(Asic
   Boostは排除される)

こととなりました。このSegwit2xについては、80%のネットワーク参加者の賛成により、7月21日以降に導入される、という方式です。



このSegwit2xに関しては、6月のニュースで、中国国内のBitcoin関連企業が集まって、Segwit2xを支持することが確認されました。

https://www.btcc.com/news/en/%C2%A0%20%22announcements%22/2017/06/19/segwit2x/


この直後から、ビットコインネットワーク上でSegwit2xを支持するネットワーク参加者が急増し、一気に、全体の8割強を占めるまでになりました。

https://coin.dance/blocks/proposals


また、他方UASFも、徐々に、支持者を増やしてゆきました。



●問題点

さて、Segwit2xもUASFも、Segwitをそのまま導入するのであれば、どっちでも問題ないのではないか、とも思えますが、Segwit2xに対しては、様々な批判が加えられています。


1つには、Segwit2xの特徴である、Segwit導入後、約3ヵ月後に予定されているブロックサイズ変更です。これは、ハードフォークと呼ばれる、それまでのシステムと互換性のないアップデートとなるため、技術的な危険性が指摘されています。


また、公開されたSegwit2xのプログラムに対しては、従前のビットコインシステムの開発者から、Segwitの導入を失速させることを意図した内容になっている、との痛烈な批判が加えられています(ただ、一部、推測を含む批判です。実際、現時点では、批判は現実化していません。)。

https://medium.com/@lukedashjr/the-segwit-2x-beta-review-and-thoughts-ca480694a8c7


さらに、上記批判の中でも記載されていますが、Segwit2xは2MBのハードフォークと言っていたにもかかわらず、公開されたSegwit2xのコードでは、8MBのハードフォークになっているじゃないか、といった主張もなされています。

ただ、こういった主張に対しては、ブロックの大きさの測り方が違うのであり、実質2MBのハードフォークだ、といった説明もされています(つまり、ブロック自体を従来と比較して2倍=2MBにすることに加え、Segwitにより、理論値として、最大で、それまでのブロックを4MBに拡張したのと同じ効果が得られるため、4×2=8MBとなるが、ブロックサイズの拡張自体は2MBなのだ、とのことです。)。

https://medium.com/@jimmysong/understanding-segwit-block-size-fd901b87c9d4


その他、従前の開発者以外の開発者によりプログラムが作成されるため、バグがあるのではないかという点や、その後の保守がどうなるのか、という懸念もあります。




●今後について

前回メルマガを書いた時点では、
  ・Segwit2xか
  ・UASFか
  ・どちらにもならないか
といった状況で、ビットコインが分裂する可能性が叫ばれていました。


しかし、今回、Segwit2xの支持が多数となりました。Segwit2xもUASFも、Segwitの導入を目指す点では共通しており、ネットワーク参加者の大半がSegwitを導入することとなったため、巷で騒がれていた8月1日のビットコインの分裂は回避されたと言われています。

また、心配されていたSegwit2xのバグについても、現状では、特段、バグによって大きな問題が生じたなどの報道はありません。

今後、Segwitの機能自体は、8月後半頃に有効化される見込みです。


ただ、これから、8月にかけて、システムが切り替わったことが原因で、一時的なブロックの分岐が生じる可能性があります。これは、文字通り、一時的なもので、速やかに解消されると考えられていますが(そもそも、一時的な分岐は、ビットコインのシステムに織り込み済みの問題とも言えます。)、念のため、ビットコインを動かした際は、取引が確実に確定するまで、一定期間(6ブロック程、1時間程度)待つことが望ましいと言われています。


また、Segwit2xは、今後、11月頃、ハードフォークを予定しています。この点については、引き続き、注意が必要です。

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●はじめに

先の記事では、ハードフォークの話題について触れさせていただきました。しかし、先の記事でも書かせていただいたとおり、その後、BitcoinUnlimitedでは、一部の、特許技術を使うことができる者のみが儲かる構造となっていることなどが判明しました。これにより、BitcoinUnlimitedは支持を失ってゆき、BitcoinUnlimitedによるハードフォークのリスクは低下しました。

が、しかし、この問題、形を変えて、現在でも続いています。いわゆる「スケーラビリティー」問題と呼ばれるもので、現在、ビットコインは、混乱の真っ只中にあります。これを反映して、現在、ビットコインの価格は乱高下しています。


ごくごく簡単に言ってしまえば、BitcoinUnlimitedの時と同様、

  ビットコインが2つに分岐するかもしれない!!??

という問題が発生しています。



以下、順を追ってご説明致します(なお、この記事は、平成29年6月19日時点で記載されたものです。)。



●前提知識:スケーラビリティ問題

まずは、今回の問題の前提となる知識をご説明します。

ビットコインのシステムでは、

  ・約10分間ごとに
  ・世界中で生じた新たなビットコイン取引をまとめて
  ・それを新たなブロック(取引台帳)に記入し、
  ・チェーンのように、従前の台帳につなげてゆく

という仕組みがとられています。いわゆるブロックチェーンと呼ばれる仕組みです。


しかし、この1つのブロックのサイズは固定サイズ(1MB)であるため、近年の取引量増加に対応しきれなくなりつつあります。要するに、10分に1回しか取引台帳に新しいページを追加できないけれども、10分間の取引量が1頁分の分量を超えてしまって、台帳に書ききれなくなってしまうのです。


書ききれなくなるとどういうことが起こるかというと、取引がなかなか確定せず(台帳に書き込まれず)、送金に遅延が生じます。また、ビットコインは、これまで、送金手数料が0ないし非常に低い金額でしたが、この送金手数料が増加するという事態も発生します。


これらの問題は「スケーラビリティ問題」と呼ばれ、これまで、様々な対応策が検討されてきました。以前ご紹介したSegwitや、BitcoinUnlimtiedも、このスケーラビリティー問題への対応策の候補です。BitcoinUnlimitedは、その後、下火になりましたが、それで問題が解決したわけではありません。スケーラビリティー問題は依然として残っているのです。




●BIP148

このスケーラビリティー問題に関して、これまで様々な対応策が提案されてきました。その1つがSegwitですが、以前お伝えしたとおり、ネットワーク参加者の大半の賛成を得るには至らず、導入できずにいます。

このSegwitをなんとか、半ば強行して導入しようと考えられた導入方法の1つの案が、「BIP148」と呼ばれる案で、現在、非常にホットな話題となっています(https://github.com/bitcoin/bips/blob/master/bip-0148.mediawiki)。BIPとは、Bitcoin Improvement Proposalsの略で、ビットコインに関する改善の提案です。そして、「BIP148」とは148番目の改善提案ということになりますが、その具体的内容は、ごく簡単に言えば、以下のとおりです。

  ・このまま、Segwitの導入が見込めない場合
  ・2017年8月1日の夜中の0時0分(UTC=協定世界時≒グリニッジ標準時)以降
  ・Segwitを導入していないブロック(台帳)は拒絶する
  ・という仕組みをビットコインのプログラムに盛り込む


要するに、ネットワーク参加者の過半数も同意が取れていないSegwitを、言わば強行導入しようとするものです。一見するとかなり過激な提案ですが、これはうまくいくのでしょうか。

ただ、Segwit導入に全く勝算が無いわけではありません。これを理解するには、ビットコインに、どのようなプレーヤーがいるのかを理解する必要があります。まず、当然ながら、ビットコインを使う側、ユーザーサイドの人たちがいます。具体的には、個々のビットコイン保有者や、取引所、ウォレットのプログラムを提供している業者などです。

また、当然ながらビットコインを開発している人たちがいます。

さらに、ビットコインの台帳に取引情報を書き込む(マイニングといいます。)人たちもいます(マイナー)。この人達は、報酬として、ビットコインを受領しています(システム上、新規にビットコインが発行され、それを報酬として受け取ります。)。これらは、1人の人が複数該当することもあれば、1つしか該当しない場合もあります。以上をざっくりまとめると、以下のとおりです。


  ①ビットコインのユーザーサイドの人たち

     ・個々のビットコインユーザー(保有者・利用者)

     ・取引所

     ・ウォレットのプログラムを提供している業者

  ②開発者

  ③マイナー(採掘者)



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1. ハードフォーク問題・その後

さて、ビットコインですが、その後、若干状況が変わり、ハードフォークのリスクが低下しているようです。

これを反映してか、ビットコイン相場も上昇しています。先月、1BTC=10万円台をうろちょろしていたのに対し、現在(2017/05/02)、1BTC=15万円を超えて、過去最高値を記録しています。



2. 「お金」の問題
 その理由の一つが、いわば「お金」の問題です。SegwitとBitcoinUnlimitedの対立は、純粋的に技術的な良し悪しというよりは、政治的な部分が大きいといわれています。その中で、一部のビットコインネットワーク参加者(マイナー)にとって、BitcoinUnlimitedの方が、より効率的にマイニングができる(要は、その分、ビットコインを稼げる)、ということが判明しました。これにより、BitcoinUnlimited支持層の本音部分が垣間見え、印象が悪くなったようです。

具体的には、BitcoinUnlimitedに対して、AsicBoostという技術(技術、というよりは、ビットコインの脆弱性をついたもの、という評価も多いようです。)を使って採掘(マイニング)をすると、マイニングの効率化が図られ、より多くのビットコインを採掘できるようです。一説によれば、採掘の効率化が30%~50%も上がるとも言われています。また、この技術は、特許化されているため、一部のマイナーしか(適法には)使えません。そのため、ざっくり言えば、BitcoinUnlimitedでは、一部の、特許技術を使うことができる者のみが儲かる構造となってしまっているのです。

 他方で、Segwitでは、AsicBoostの技術はは使えないため、このようなことは起こりません。



3. ビットコイン以外のマネー流出

 また、ハードフォークリスクが低下している原因として、もう一つ考えられるのが、他の仮想通貨へのマネー流出です。現在、世間には、ビットコインの他にも、無数の仮想通貨が存在しますが、その中でも代表的なものが、ここ1ヶ月程度の間に、高騰してます。例えば、以下のとおりです。


●ライトコイン
 →1ヶ月の間に1.5倍超

●リップルコイン
 →3月末~4月頭にかけて、1週間のうちに、一時、6倍超に(その後、下落しています。)

●イーサ(イーサリアム)
 →1ヶ月の間に1.6倍超


※なお、上記データを確認したのは、平成29年4月28日です。その後、更に上昇しているかもしれません。



特に、ビットコインコミュニティーでは散々もめていたSegwitの機能ですが、別の仮想通貨であるライトコインでも、同じSegwitの機能の導入が問題となっていました。しかし、ライトコインでは、Segwit導入が支持され、ついに、導入されることが確定したようです。

ビットコイン陣営としても、ライトコインに先を越され、マネーもビットコインから別の仮想通貨に流出している現状を見て、ハードフォーク熱が下がるのではないか、とも見られているようです。


4. 小括
 今のところ、直ちにビットコインのハードフォークが起こるという気配はないようですが、今回の一件は、管理者のいない仮想通貨が、どのようにガバナンスを行っていくか、という問題を示すものだと思います。管理者がいないゆえに、コミュニティー内部で方向性が対立した場合、対処が難しいですね(某OSのように、開発会社の都合で、強制的なアップデート!、という手段もとれません。)。

 また、ビットコイン以外の仮想通貨の存在感は、日を追うごとに大きくなっています。ビットコインもそれ以外の仮想通貨も、互いに刺激しあって、全体として発展してゆければよいですね。例えば、今後、決済手段として仮想通貨が普及した際、ビットコインのオンリーワンではなく、いくつかの仮想通貨が併行して使われていくようになるのかもしれません(クレジットカードでも、複数の会社が使われていますので、同じような感じになるかもしれませんね。)。


本日発売の雑誌「HERS(ハーズ)」(2017年6月号・光文社)のビットコイン特集(143~145頁)において、弊所弁護士江嵜宗利のコラムが掲載されました。

同特集では、今注目されているビットコインについて詳しく解説されており、特集の中のコラムでは、弊所弁護士江嵜宗利が、仮想通貨等に精通している専門家として、ビットコインを使う上での注意点などを解説しています。

興味のある方は、是非手にとって御覧ください。


気付けば、もう、12月に入り、来年も近づいてきましたね。年末年始の予定は、既にお決まりでしょうか。

来年は閏年ならぬ「閏秒」の年だそうで、1月1日の8時59分59秒の次に、8時59分60秒が挿入されるそうです。

「年始早々、1秒得できて超ラッキー☆」みたいに思いますが、ちょっと注意が必要です。数年前の閏秒の際には、某SNSなどの一部のサーバーが、閏秒に対応できず、サイトにアクセスできなくなったことがありました。どうしてもインターネットを使わなければできない用事がある方は、念のため、年内に済ませておいたほうが良いかもしれません。



 さて、最近のビットコインの動向ですが、11月25日、世界4大会計事務所の一つであるアーンスト・アンド・ヤングのスイス支社は、来年から、ビットコインでの報酬支払を受け付けると発表しました(http://www.ey.com/ch/en/newsroom/news-releases/news-release-ey-switzerland-accepts-bitcoins-for-payment-of-its-services)。アーンスト・アンド・ヤングは、日本では新日本有限責任監査法人がメンバーファームとなっていますね。

こういった国際的な会計事務所などでビットコイン決済の採用が進むと、国内にも、ビットコイン決済が徐々に浸透してゆくのかもしれません。



また、投資の対象としても注目されているビットコインですが、最近、価格の上昇が目を引きます。

今年の8月には、香港の取引所(Bitfinex)へのハッキングにより、数十億円相当のビットコインが盗まれ、ビットコインの相場は、日本円で1BTC=5万円代にまで下がっていました。しかし、現在(平成28年12月8日時点)の取引価格をみると、なんと、日本円で1BTC=9万円を超える価格にまで上昇しています。

そもそも、今年のはじめには4万円台だったので、1年で約倍になっています。



このような値上がりの背景には、米国大統領選、中国人民元への不審、インドでの高額紙幣廃止によるルピーへの不審などが影響していると囁かれていますが、それにしても大きな価格上昇です(もちろん、下がるときは、大きく下がりますが・・・。)。

ビットコインの値動きについては、多くの取引所が、価格の推移(チャート)を公表し、リアルタイムの価格がインターネットですぐ分かるようになっています。これらのチャートを見ていると、なんだか、外貨の値動きを見ているような感覚になります。現状では、個人の方にとって、「ビットコインって、結局何なの?」という問いに対し、「インターネット銀行で、外貨を買うようなもの」という答えが一番しっくり来るのかもしれません。外貨預金をされている方もいらっしゃるかとおもいますが、ドルやポンドの他に「ビットコイン」が選択肢に入ってくるのではないでしょうか。



その一方で、注意を要するのが、やはりハッキングによる被害です。ビットコインを含め、仮想通貨は、投資の対象として非常に注目されている反面、大口投資家に対するハッキングにより仮想通貨が盗まれるという被害も発生しています。直近でも、中国の投資家がハッキングを受け、約3700万円相当の仮想通貨を盗まれたなどと報道されています。


ただ、デジタルか、アナログか、の違いはありますが、お金の盗難自体は、現金でも日々発生している現象です。結局、人が集まり、お金が集まるところには、悪い奴らも集まってくる、という当たり前のことが起きているだけのように思います。


形は違えど、現金であれ、ビットコインであれ、セキュリティー対策を万全にする、ということが重要ですね。

最近、東京は、急に寒くなってまいりましたが、風邪などひかれてはいないでしょうか。どうも、今年は、秋が短く、すぐに冬になってしまったような感覚がします。


さて、ビットコインの近況ですが、これまで、ビットコインの取引に関しては、取引所からビットコインを購入する際、消費税が課税されていました。しかし、近時の報道で、財務省と金融庁は、2017年春を目処に、これをなくす調整に入っているとの報道がされています。ますます、ビットコインが、実際の「通貨」に近づいてきましたね。



また、直近のニュースをみると、「ビットコイン取引所に対して、詐欺を行い、ビットコインを入手した者が逮捕された」などとも報道されています。

こういったニュースを聞くと、また、取引所にハッカーの攻撃があったのか!!??と思われる方もいるかもしれません。しかし、報道内容を見てみると、今回の件は、他人のクレジットカード番号等を入手して、単純に、ビットコインを購入しただけのようです。

古くから、他人のクレジットカードを(盗むなどして)、お店で商品を購入する、といった事件では、商品の購入行為に関し、詐欺罪が適用されてきました。ごくごく簡単に言えば、「本人じゃないのに、本人のように振る舞って、相手を騙した」ということです。

そのため、今回の事件は、言ってみれば、昔から「よくある話」であって、他人のクレジットカードで買った商品が、ビットコインだった、というだけの話のようです。報道のタイトルだけを見ると、何事が起きたのか!?と思ってしまいます。ちょっと、ミスリーディングですね。



ただ、思い返せば、過去、インターネットの黎明期では、インターネットに対するミスリーディングな報道が多くされていたように思います。今から見れば、どれもナンセンスな話ですが、おそらく、メディアや国民の多くが、当時、まだインターネットとは何かを知らず、使ったことも無い人が多かったため、得体の知れない物に対する不信感が募っていたのだと思います。しかし、その後、インターネットは爆発的に普及し、今では、生活に欠かせない存在になっています。

そうしてみると、ビットコインも、今、まさに、昔のインターネットと同じ道を辿っているのではないでしょうか。全く関心のないものについては、不信感もわかないので、ある意味、国民の関心が高まりつつあるのかもしれません。


ただ、メディアの報道については、注意深く見てゆく必要があるかもしれません。

ビットコイン関連ですが、毎月、何かしら大きな出来事が起きていますね。前回のメルマガでは、「激動のイーサリアム」というサブタイトルを付けさせていただきましたが、イーサリアムにかぎらず、この業界は、常に、激動の状態にあるように思います。


最近ですと、良くない出来事ですが、香港にあるBitfinexというビットコインの取引所がハッキングを受け、数十億円相当のビットコインが盗まれるという事件が発生しました。これにより、ビットコイン価格も、一時、20%以上も暴落しています。

前回との関連で言えば、同じ仮想通貨のイーサリアムの場合、ハッキングを受け、仮想通貨が流出したところ、コミュニティーが一致団結して、ハードフォークにより救済をしました。他方、今回のビットコインの件では、そのような話は出ていません。対応が対照的で、コミュニティーの違いが現れているように思います。


さて、このBitfinexという取引所、かつての日本のMt.GOXを彷彿とさせますが、そのまま倒産の道をたどるかと思いきや、なんと、現在、取引所の業務を再開しています。


なんで、未だ、生きながらえているかといいますと、まず、Bitfinexは、今回の被害を受けて、ユーザーの資産を一律36%カットしました(ただし、詳細は不明ですが、一部例外があるようです。)。

この点について、Bitfinexは、結局、会社を清算(原文「liquidation」)したとしても同様の対応となるのであり、今回の一律36%カットは、リーガルコストをかけず、迅速な対応になる点で、ユーザーにとってメリットが多いと判断した、と説明しています
(http://blog.bitfinex.com/announcements/security-breach-faq/)。


また、次の対応が面白いのですが、Bitfinexは、36%カットの引き換えとして、仮想通貨「BFXコイン」なるものを今回新たに発行し、各ユーザーに配布したのです。しかも、このBFXコイン、既に取引所が設けられて、USドルやビットコインと交換可能になっています(ただ、現状で、レートは低いようです。)。


さらに、このBFXコインについては、
・Bitfinexが、このBFXコインを、Bitfinex(の親会社)の株式と交換する
・2か月に1回配当がなされる。
といった特典を付けることが検討されているとのことです。


一部のニュースサイトでは、社債のようだ、などと説明されていましたが、現金で償還されるような話は、今のところ情報として出ていないようなので、日本的に言うと、議決権制限で取得条項がついた株式のようなもの、と言えるかもしれません。


このような対応については、賛否両論あるでしょうが、なかなか日本では出てこないような発想で、純粋に面白いと感じます。今回の件がうまく行けば、先例として、今後の参考になるかもしれません。


また、このBitfinexですが、今回の盗難事件を受けて既にFBIとも連絡をとっており、なおかつ、ビットコインを取り戻すために、盗難にあったビットコインの5%(6,000BTC・平成28年9月2日現在で約3.5億円相当)の懸賞金をかけるとのことです。果たして犯人検挙には至るのでしょうか?


今後の動向に注目です。

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