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ビットコイン スタートBook
江嵜 宗利
大蔵財務協会
2019-04-10



江嵜弁護士の『ビットコイン スタートBook』を読んでいて初めて知りましたが、ビットコインについては、既に国税庁からタックスアンサー(Q&A)国税庁見解が公表されていて、ビットコインの売買には消費税はかからないものの、個人が取引する場合は、事業所得と認識されるような場合を除き、原則として雑所得になり、けっこう高い税率で課税され、法人が取引する場合には、法人の所得として法人税が課されることになる、ということです。

で、ちょっと不合理だなと思ったのは、ビットコインで物を買った場合でも、課税が起こるという点。例えば、4月1日に1BTCを40万円で購入して、4月10日にヤマダ電機で家電製品60万円分を、その時点の1BTCのレートが60万円だったので1BTCを払って購入した場合、60万円-40万円=20万円の雑所得があるということになります。しかし、いちいち物を買うたびに、その時点のレートを記録しておき、ビットコイン購入費のレートと比較しなければならないということになると、おちおち買い物もできませんし、そもそも論として、コンビニやスーパーで頻繁に買い物をすることは著しく困難になると思うのです。これでは、せっかく我が国は先進国に先駆けて仮想通貨に関する法整備をしたのに、仮想通貨が普及することはなく、尻つぼみの結果になるなと一人憤っていました。

ところが、知り合いの税理士の先生に聞いたところ、このような取扱は、外国通貨でも同じだそうです。たとえば、4月1日に400米ドルを40万円で購入したところ、急激に円安が進行して、4月10日に家電製品60万円分を米ドルでの支払いも受け付ける家電量販店で400米ドルで購入した場合、やはり20万円の雑所得があるということになるそうです。で、この税理士の先生曰く、ドルで物を購入するといっても、円から換算してドルの金額を決めているということであれば、所得を観念せざるを得ないので、税法の発想として理論的に間違っているとはいえない、とのことです。

したがって、このような税法を変えるには、ビットコインが日本円に匹敵するほど流通し、いちいち円に換算して物を買う必要がなくなることが必要ということでしょう。いつかそうなることを夢見て。
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本日発売の雑誌「HERS(ハーズ)」(2017年6月号・光文社)のビットコイン特集(143~145頁)において、弊所弁護士江嵜宗利のコラムが掲載されました。

同特集では、今注目されているビットコインについて詳しく解説されており、特集の中のコラムでは、弊所弁護士江嵜宗利が、仮想通貨等に精通している専門家として、ビットコインを使う上での注意点などを解説しています。

興味のある方は、是非手にとって御覧ください。


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1. 近況について

引き続き、ブロックチェーンの話題に触れてゆきたいと思います。自らビットコインと「法律問題」と題しておきながら、法律エッセンスが(少)ないように感じていますが、気にせず今回も技術的なことについて書こうと思います。
 

その前に、近況でございますが、弊所も会員になっているブロックチェーン推進協会(BCCC)で、6月29日、会員数が60社を超えたとしてプレスリリースされました。プレスリリースは、以下のURLに記載されております。当初の予定を上回る勢いで会員数が増加しているとのことでございます。

http://bccc.global/ja/articles/297.html

また、昨日(630日)は、BCCCの第一回総会が開かれましたので、弊所からは私が参加してまいりました。様々な業界・規模の会員が参加されており、ブロックチェーンの関心の幅の広さが伺えます。


その他、最近のニュースとしては、ビットコイン採掘時の供給量が半減する「半減期」が間もなく迫っております(なお、この記事を書いているのが2016年7月1日です。)。そのためか、ビットコインの相場がかなり変動していますね。半減期をまたいで、どのように価格が推移してゆくかも興味深いです。


2.
 イーサリアム

さて、前回のメルマガ以降、私の方では、アゴラ研究所で開催されている、ブロックチェーンのセミナーに参加しております(全3回で、最終回は7月です。最終回には、池田信夫氏も登壇される予定です。)。ブロックチェーンの発展や、近時の応用事例などに触れられて、非常に勉強になります。


中でも、Ethereum(イーサリアム)の話は、特に印象に残りました。これは、ブロックチェーン技術を応用したソフトウェアで、その機能の一つとして、なんと、ブロックチェーン上でソフトウェアを動かすことができるのです!!


なんじゃそりゃ??という方も多いかと思います。簡単に言うと、

  ①専用の言語でプログラムを組む

  ②それをブロックチェーン上に載せる

  ③ブロックチェーン上でそのプログラムを動作させる

ということができるのです。

これの何が凄いかというと、(皆が参加する)ブロックチェーンネットワークは、基本的に、何があっても止まらないので、「止まらないプログラム」が実現できるのです。


具体的に言えば、サーバーなど、1つのPCで動かしているプログラムは、停電や、災害、人為的ミスなどで、稀に、止まることも考えられます。しかし、ブロックチェーン上のプログラムは、ネットワークに参加しているコンピューターがそれぞれコピーをもち、どれか一台が壊れても、ネットワークは維持されます。ブロックチェーンは、「電源の切れないPC」などとも例えられ、イーサリアムでは、その「電源の切れないPC」上で、ソフトウェアを動かせるのです。これは、個人的にかなり凄いことだと思います。


また、ブロックチェーンは、改ざんが困難です。そのため、ブロックチェーン上でソフトウェアを動かせるのであれば、そのソフトウェアの改ざんも困難だと思います。


さらに、イーサリアムは、ビットコインと同様、仮想通貨の機能も有しています。本日(7月1日)時点では1(ETH)=1370円前後で取引されています。
 

これは何を意味するかというと、先ほどのプログラムの面と、仮想通貨の面を合わせると、プログラムで容易に仮想通貨を操作することが可能になるのです。例えば、ある条件が成立した時に、仮想通貨を、誰々に移動する、といったことが可能になり、もっと言えば、管理者不要で、資金管理・移動を、自動化することができるのです。


もっとも、あまり良くないニュースも届いています。イーサリアム上で動くプログラムの脆弱性をついて、多くの仮想通貨が、意図せず流出してしまったというのです。これは、イーサリアム自体の脆弱性ではないと思いますが、課題として残された点だと思います。


今後の改善・発展に期待したいです。

3.
 番外編:エミュレーター上で、Solidityのプログラムを動かしてみる

ちなみに、イーサリアム上では、プログラムが動く、ということで、早速、プログラムの作り方を調べてみました。イーサリアム上で動くプログラム言語は、いくつかあるようですが、有名なものでは、「Solidity」という言語がございます。


文法を調べてみましたが、かなりC++ライクです(配列がポインタのような扱いになっていて、「C」っぽいな、と思いました。細かな文法も、かなり、CやC++っぽいです。)。


また、インターネット上に、ブラウザ上で動作する「Solidity」言語のエミュレーターがあったので、早速HelloWorldのコードを入力し、色々いじってみました。
試しにif文なんかを打ちこんでみましたが、普通に使えますね。


if (nData == 3){return "Hello T&P World!!";}

送金処理と組み合わせれば、特定の条件が満たされた場合に、お金を送金する、という処理も、ちょっとプログラムを勉強すれば、誰でも簡単に実現できるのではないでしょうか。

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