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1. ハードフォーク問題・その後

さて、ビットコインですが、その後、若干状況が変わり、ハードフォークのリスクが低下しているようです。

これを反映してか、ビットコイン相場も上昇しています。先月、1BTC=10万円台をうろちょろしていたのに対し、現在(2017/05/02)、1BTC=15万円を超えて、過去最高値を記録しています。



2. 「お金」の問題
 その理由の一つが、いわば「お金」の問題です。SegwitとBitcoinUnlimitedの対立は、純粋的に技術的な良し悪しというよりは、政治的な部分が大きいといわれています。その中で、一部のビットコインネットワーク参加者(マイナー)にとって、BitcoinUnlimitedの方が、より効率的にマイニングができる(要は、その分、ビットコインを稼げる)、ということが判明しました。これにより、BitcoinUnlimited支持層の本音部分が垣間見え、印象が悪くなったようです。

具体的には、BitcoinUnlimitedに対して、AsicBoostという技術(技術、というよりは、ビットコインの脆弱性をついたもの、という評価も多いようです。)を使って採掘(マイニング)をすると、マイニングの効率化が図られ、より多くのビットコインを採掘できるようです。一説によれば、採掘の効率化が30%~50%も上がるとも言われています。また、この技術は、特許化されているため、一部のマイナーしか(適法には)使えません。そのため、ざっくり言えば、BitcoinUnlimitedでは、一部の、特許技術を使うことができる者のみが儲かる構造となってしまっているのです。

 他方で、Segwitでは、AsicBoostの技術はは使えないため、このようなことは起こりません。



3. ビットコイン以外のマネー流出

 また、ハードフォークリスクが低下している原因として、もう一つ考えられるのが、他の仮想通貨へのマネー流出です。現在、世間には、ビットコインの他にも、無数の仮想通貨が存在しますが、その中でも代表的なものが、ここ1ヶ月程度の間に、高騰してます。例えば、以下のとおりです。


●ライトコイン
 →1ヶ月の間に1.5倍超

●リップルコイン
 →3月末~4月頭にかけて、1週間のうちに、一時、6倍超に(その後、下落しています。)

●イーサ(イーサリアム)
 →1ヶ月の間に1.6倍超


※なお、上記データを確認したのは、平成29年4月28日です。その後、更に上昇しているかもしれません。



特に、ビットコインコミュニティーでは散々もめていたSegwitの機能ですが、別の仮想通貨であるライトコインでも、同じSegwitの機能の導入が問題となっていました。しかし、ライトコインでは、Segwit導入が支持され、ついに、導入されることが確定したようです。

ビットコイン陣営としても、ライトコインに先を越され、マネーもビットコインから別の仮想通貨に流出している現状を見て、ハードフォーク熱が下がるのではないか、とも見られているようです。


4. 小括
 今のところ、直ちにビットコインのハードフォークが起こるという気配はないようですが、今回の一件は、管理者のいない仮想通貨が、どのようにガバナンスを行っていくか、という問題を示すものだと思います。管理者がいないゆえに、コミュニティー内部で方向性が対立した場合、対処が難しいですね(某OSのように、開発会社の都合で、強制的なアップデート!、という手段もとれません。)。

 また、ビットコイン以外の仮想通貨の存在感は、日を追うごとに大きくなっています。ビットコインもそれ以外の仮想通貨も、互いに刺激しあって、全体として発展してゆければよいですね。例えば、今後、決済手段として仮想通貨が普及した際、ビットコインのオンリーワンではなく、いくつかの仮想通貨が併行して使われていくようになるのかもしれません(クレジットカードでも、複数の会社が使われていますので、同じような感じになるかもしれませんね。)。


本日発売の雑誌「HERS(ハーズ)」(2017年6月号・光文社)のビットコイン特集(143~145頁)において、弊所弁護士江嵜宗利のコラムが掲載されました。

同特集では、今注目されているビットコインについて詳しく解説されており、特集の中のコラムでは、弊所弁護士江嵜宗利が、仮想通貨等に精通している専門家として、ビットコインを使う上での注意点などを解説しています。

興味のある方は、是非手にとって御覧ください。


気付けば、もう、12月に入り、来年も近づいてきましたね。年末年始の予定は、既にお決まりでしょうか。

来年は閏年ならぬ「閏秒」の年だそうで、1月1日の8時59分59秒の次に、8時59分60秒が挿入されるそうです。

「年始早々、1秒得できて超ラッキー☆」みたいに思いますが、ちょっと注意が必要です。数年前の閏秒の際には、某SNSなどの一部のサーバーが、閏秒に対応できず、サイトにアクセスできなくなったことがありました。どうしてもインターネットを使わなければできない用事がある方は、念のため、年内に済ませておいたほうが良いかもしれません。



 さて、最近のビットコインの動向ですが、11月25日、世界4大会計事務所の一つであるアーンスト・アンド・ヤングのスイス支社は、来年から、ビットコインでの報酬支払を受け付けると発表しました(http://www.ey.com/ch/en/newsroom/news-releases/news-release-ey-switzerland-accepts-bitcoins-for-payment-of-its-services)。アーンスト・アンド・ヤングは、日本では新日本有限責任監査法人がメンバーファームとなっていますね。

こういった国際的な会計事務所などでビットコイン決済の採用が進むと、国内にも、ビットコイン決済が徐々に浸透してゆくのかもしれません。



また、投資の対象としても注目されているビットコインですが、最近、価格の上昇が目を引きます。

今年の8月には、香港の取引所(Bitfinex)へのハッキングにより、数十億円相当のビットコインが盗まれ、ビットコインの相場は、日本円で1BTC=5万円代にまで下がっていました。しかし、現在(平成28年12月8日時点)の取引価格をみると、なんと、日本円で1BTC=9万円を超える価格にまで上昇しています。

そもそも、今年のはじめには4万円台だったので、1年で約倍になっています。



このような値上がりの背景には、米国大統領選、中国人民元への不審、インドでの高額紙幣廃止によるルピーへの不審などが影響していると囁かれていますが、それにしても大きな価格上昇です(もちろん、下がるときは、大きく下がりますが・・・。)。

ビットコインの値動きについては、多くの取引所が、価格の推移(チャート)を公表し、リアルタイムの価格がインターネットですぐ分かるようになっています。これらのチャートを見ていると、なんだか、外貨の値動きを見ているような感覚になります。現状では、個人の方にとって、「ビットコインって、結局何なの?」という問いに対し、「インターネット銀行で、外貨を買うようなもの」という答えが一番しっくり来るのかもしれません。外貨預金をされている方もいらっしゃるかとおもいますが、ドルやポンドの他に「ビットコイン」が選択肢に入ってくるのではないでしょうか。



その一方で、注意を要するのが、やはりハッキングによる被害です。ビットコインを含め、仮想通貨は、投資の対象として非常に注目されている反面、大口投資家に対するハッキングにより仮想通貨が盗まれるという被害も発生しています。直近でも、中国の投資家がハッキングを受け、約3700万円相当の仮想通貨を盗まれたなどと報道されています。


ただ、デジタルか、アナログか、の違いはありますが、お金の盗難自体は、現金でも日々発生している現象です。結局、人が集まり、お金が集まるところには、悪い奴らも集まってくる、という当たり前のことが起きているだけのように思います。


形は違えど、現金であれ、ビットコインであれ、セキュリティー対策を万全にする、ということが重要ですね。

最近、東京は、急に寒くなってまいりましたが、風邪などひかれてはいないでしょうか。どうも、今年は、秋が短く、すぐに冬になってしまったような感覚がします。


さて、ビットコインの近況ですが、これまで、ビットコインの取引に関しては、取引所からビットコインを購入する際、消費税が課税されていました。しかし、近時の報道で、財務省と金融庁は、2017年春を目処に、これをなくす調整に入っているとの報道がされています。ますます、ビットコインが、実際の「通貨」に近づいてきましたね。



また、直近のニュースをみると、「ビットコイン取引所に対して、詐欺を行い、ビットコインを入手した者が逮捕された」などとも報道されています。

こういったニュースを聞くと、また、取引所にハッカーの攻撃があったのか!!??と思われる方もいるかもしれません。しかし、報道内容を見てみると、今回の件は、他人のクレジットカード番号等を入手して、単純に、ビットコインを購入しただけのようです。

古くから、他人のクレジットカードを(盗むなどして)、お店で商品を購入する、といった事件では、商品の購入行為に関し、詐欺罪が適用されてきました。ごくごく簡単に言えば、「本人じゃないのに、本人のように振る舞って、相手を騙した」ということです。

そのため、今回の事件は、言ってみれば、昔から「よくある話」であって、他人のクレジットカードで買った商品が、ビットコインだった、というだけの話のようです。報道のタイトルだけを見ると、何事が起きたのか!?と思ってしまいます。ちょっと、ミスリーディングですね。



ただ、思い返せば、過去、インターネットの黎明期では、インターネットに対するミスリーディングな報道が多くされていたように思います。今から見れば、どれもナンセンスな話ですが、おそらく、メディアや国民の多くが、当時、まだインターネットとは何かを知らず、使ったことも無い人が多かったため、得体の知れない物に対する不信感が募っていたのだと思います。しかし、その後、インターネットは爆発的に普及し、今では、生活に欠かせない存在になっています。

そうしてみると、ビットコインも、今、まさに、昔のインターネットと同じ道を辿っているのではないでしょうか。全く関心のないものについては、不信感もわかないので、ある意味、国民の関心が高まりつつあるのかもしれません。


ただ、メディアの報道については、注意深く見てゆく必要があるかもしれません。

ビットコイン関連ですが、毎月、何かしら大きな出来事が起きていますね。前回のメルマガでは、「激動のイーサリアム」というサブタイトルを付けさせていただきましたが、イーサリアムにかぎらず、この業界は、常に、激動の状態にあるように思います。


最近ですと、良くない出来事ですが、香港にあるBitfinexというビットコインの取引所がハッキングを受け、数十億円相当のビットコインが盗まれるという事件が発生しました。これにより、ビットコイン価格も、一時、20%以上も暴落しています。

前回との関連で言えば、同じ仮想通貨のイーサリアムの場合、ハッキングを受け、仮想通貨が流出したところ、コミュニティーが一致団結して、ハードフォークにより救済をしました。他方、今回のビットコインの件では、そのような話は出ていません。対応が対照的で、コミュニティーの違いが現れているように思います。


さて、このBitfinexという取引所、かつての日本のMt.GOXを彷彿とさせますが、そのまま倒産の道をたどるかと思いきや、なんと、現在、取引所の業務を再開しています。


なんで、未だ、生きながらえているかといいますと、まず、Bitfinexは、今回の被害を受けて、ユーザーの資産を一律36%カットしました(ただし、詳細は不明ですが、一部例外があるようです。)。

この点について、Bitfinexは、結局、会社を清算(原文「liquidation」)したとしても同様の対応となるのであり、今回の一律36%カットは、リーガルコストをかけず、迅速な対応になる点で、ユーザーにとってメリットが多いと判断した、と説明しています
(http://blog.bitfinex.com/announcements/security-breach-faq/)。


また、次の対応が面白いのですが、Bitfinexは、36%カットの引き換えとして、仮想通貨「BFXコイン」なるものを今回新たに発行し、各ユーザーに配布したのです。しかも、このBFXコイン、既に取引所が設けられて、USドルやビットコインと交換可能になっています(ただ、現状で、レートは低いようです。)。


さらに、このBFXコインについては、
・Bitfinexが、このBFXコインを、Bitfinex(の親会社)の株式と交換する
・2か月に1回配当がなされる。
といった特典を付けることが検討されているとのことです。


一部のニュースサイトでは、社債のようだ、などと説明されていましたが、現金で償還されるような話は、今のところ情報として出ていないようなので、日本的に言うと、議決権制限で取得条項がついた株式のようなもの、と言えるかもしれません。


このような対応については、賛否両論あるでしょうが、なかなか日本では出てこないような発想で、純粋に面白いと感じます。今回の件がうまく行けば、先例として、今後の参考になるかもしれません。


また、このBitfinexですが、今回の盗難事件を受けて既にFBIとも連絡をとっており、なおかつ、ビットコインを取り戻すために、盗難にあったビットコインの5%(6,000BTC・平成28年9月2日現在で約3.5億円相当)の懸賞金をかけるとのことです。果たして犯人検挙には至るのでしょうか?


今後の動向に注目です。

前回の記事でご紹介したイーサリアムですが、非常にホットな話題となっています。

前回の記事、見てないよ!という方にご説明しますと、イーサリアムは、ビットコインと同様の仕組みを採用した仮想通貨・・・のみならずプログラミング環境もセットになったものです。イーサリアムという環境上で、利用者は、独自のプログラムを作って動作させることができます。例えば、プログラムで仮想通貨を管理して、中央管理者のいない信託、のようなことが実現できるのです。


このイーサリアム、それ自体には問題はなかったですが、6月には、イーサリアムの環境上で稼働するプログラムにバグを有するものがあり、これにより、40億円相当以上の仮想通貨が流出する事件が発生しました。


これに対して、イーサリアムのコミュニティーがどう反応するか、注目されていたのですが、720日、流出した仮想通貨を「取り戻す」対応がなされました。いわゆる、ハード・フォークと呼ばれる対応です。

改ざんができないはずの仮想通貨を、取り戻すことなんてできるのか?とも思いますが、今回は、特殊事情があり、できてしまったのです。それは、イーサリアムのコミュニティーの大半が、「取り戻す」ことに賛成したからです。つまり、イーサリアムに参加する人たち(特に、イーサリアムの取引所を含む。)が、一致団結し、

  ・これまでの通常の取引データはそのままにする

  ・しかし、流出した仮想通貨は、流出先から戻す

という新しいルールのネットワークを作って、そこに、一斉に引っ越しをしてしまったのです。流出を否定する新しい仮想通貨を作って、皆がそれに乗り換えた、とも言えます。このようなダイナミックな対応が、ハード・フォークです。

これにより、仮想通貨の流出問題は一件落着、のようにも見えましたが、そう簡単にはいきませんでした。今回の対応は、いわば、「超」例外的措置で、当然、そんな例外みとめていいのか?という反論もありました。例外は、どのようなことがあっても認めるべきではない、というポリシーを持った人たちは、当然、ハード・フォークに反対しました。

反対派の人たちの中には、新しいネットワークに引っ越しをせず、元のネットワークに残った人たちがいます。その人達は、自らを、イーサリアム・クラッシックと名づけて、仮想通貨の取引を今でも継続しています。当初は、ごく僅かなハードフォーク反対派に限られると思われていたところ、なんと、仮想通貨の取引所が、次々とイーサリアム・クラッシックの取り扱いを始め、「僅か」とは言えない状況になってきています。

そのため、現在、面白いことに、イーサリアムは、仮想通貨として2種類存在し、

 ・(ハードフォーク後の)イーサリアム

 ・イーサリアム・クラッシック

が別々に取引されています。ただ、もちろん、ハードフォーク後のイーサリアム利用者のほうが圧倒的に多数です。

そこまでして反対するのか!?と、思う方もいるかもしれませんが、突き詰めてゆけば、賛成派・反対派、どちらが正しいという訳ではないように思います。両者の対立は、どことなく、(法学部の憲法の授業などで学ぶ)民主主義と自由主義の関係に似ている気がします。つまり、

  ・コミュニティーの大半が賛成して一部の者を守る

   と決めたことだから良いじゃないか、という民主

   主義的意見

  ・皆が良いと言っても、やってはいけないことが

   ある(守らなければならない「取引への不介入」

   という価値がある)と考える自由主義的意見

の対立です。

各国の憲法では、こういった民主主義の側面と自由主義の側面の双方を国家制度に組み込んでいますが、仮想通貨という「国」にも、自由主義と民主主義をどのように組み込んでゆくか、今後も議論する必要があるのかもしれません。

ちなみに・・・、ビットコインのコミュニティーが、例えば特定の利用者のビットコインの盗難事件が生じた際に、ハードフォークして救済するかというと、断言はできませんが、あまり考えられない気がします。実際、Mt.Goxの事件の当初、「ビットコインが流出した」と騒ぎになった際(これは後に否定されています。)にも、ハード・フォークして救済しよう、という大きな動きはなかったようです(ある意味ではドライ、見方を変えれば仮想通貨の理念に忠実ですね。)。

今回ハードフォークができたのは、イーサリアムの文化や機能の特殊性、登場してまだそれ程期間が経過していないという時期的な要素もあったように思います。

1. 近況について

引き続き、ブロックチェーンの話題に触れてゆきたいと思います。自らビットコインと「法律問題」と題しておきながら、法律エッセンスが(少)ないように感じていますが、気にせず今回も技術的なことについて書こうと思います。
 

その前に、近況でございますが、弊所も会員になっているブロックチェーン推進協会(BCCC)で、6月29日、会員数が60社を超えたとしてプレスリリースされました。プレスリリースは、以下のURLに記載されております。当初の予定を上回る勢いで会員数が増加しているとのことでございます。

http://bccc.global/ja/articles/297.html

また、昨日(630日)は、BCCCの第一回総会が開かれましたので、弊所からは私が参加してまいりました。様々な業界・規模の会員が参加されており、ブロックチェーンの関心の幅の広さが伺えます。


その他、最近のニュースとしては、ビットコイン採掘時の供給量が半減する「半減期」が間もなく迫っております(なお、この記事を書いているのが2016年7月1日です。)。そのためか、ビットコインの相場がかなり変動していますね。半減期をまたいで、どのように価格が推移してゆくかも興味深いです。


2.
 イーサリアム

さて、前回のメルマガ以降、私の方では、アゴラ研究所で開催されている、ブロックチェーンのセミナーに参加しております(全3回で、最終回は7月です。最終回には、池田信夫氏も登壇される予定です。)。ブロックチェーンの発展や、近時の応用事例などに触れられて、非常に勉強になります。


中でも、Ethereum(イーサリアム)の話は、特に印象に残りました。これは、ブロックチェーン技術を応用したソフトウェアで、その機能の一つとして、なんと、ブロックチェーン上でソフトウェアを動かすことができるのです!!


なんじゃそりゃ??という方も多いかと思います。簡単に言うと、

  ①専用の言語でプログラムを組む

  ②それをブロックチェーン上に載せる

  ③ブロックチェーン上でそのプログラムを動作させる

ということができるのです。

これの何が凄いかというと、(皆が参加する)ブロックチェーンネットワークは、基本的に、何があっても止まらないので、「止まらないプログラム」が実現できるのです。


具体的に言えば、サーバーなど、1つのPCで動かしているプログラムは、停電や、災害、人為的ミスなどで、稀に、止まることも考えられます。しかし、ブロックチェーン上のプログラムは、ネットワークに参加しているコンピューターがそれぞれコピーをもち、どれか一台が壊れても、ネットワークは維持されます。ブロックチェーンは、「電源の切れないPC」などとも例えられ、イーサリアムでは、その「電源の切れないPC」上で、ソフトウェアを動かせるのです。これは、個人的にかなり凄いことだと思います。


また、ブロックチェーンは、改ざんが困難です。そのため、ブロックチェーン上でソフトウェアを動かせるのであれば、そのソフトウェアの改ざんも困難だと思います。


さらに、イーサリアムは、ビットコインと同様、仮想通貨の機能も有しています。本日(7月1日)時点では1(ETH)=1370円前後で取引されています。
 

これは何を意味するかというと、先ほどのプログラムの面と、仮想通貨の面を合わせると、プログラムで容易に仮想通貨を操作することが可能になるのです。例えば、ある条件が成立した時に、仮想通貨を、誰々に移動する、といったことが可能になり、もっと言えば、管理者不要で、資金管理・移動を、自動化することができるのです。


もっとも、あまり良くないニュースも届いています。イーサリアム上で動くプログラムの脆弱性をついて、多くの仮想通貨が、意図せず流出してしまったというのです。これは、イーサリアム自体の脆弱性ではないと思いますが、課題として残された点だと思います。


今後の改善・発展に期待したいです。

3.
 番外編:エミュレーター上で、Solidityのプログラムを動かしてみる

ちなみに、イーサリアム上では、プログラムが動く、ということで、早速、プログラムの作り方を調べてみました。イーサリアム上で動くプログラム言語は、いくつかあるようですが、有名なものでは、「Solidity」という言語がございます。


文法を調べてみましたが、かなりC++ライクです(配列がポインタのような扱いになっていて、「C」っぽいな、と思いました。細かな文法も、かなり、CやC++っぽいです。)。


また、インターネット上に、ブラウザ上で動作する「Solidity」言語のエミュレーターがあったので、早速HelloWorldのコードを入力し、色々いじってみました。
試しにif文なんかを打ちこんでみましたが、普通に使えますね。


if (nData == 3){return "Hello T&P World!!";}

送金処理と組み合わせれば、特定の条件が満たされた場合に、お金を送金する、という処理も、ちょっとプログラムを勉強すれば、誰でも簡単に実現できるのではないでしょうか。

前回に引き続き、ビットコインの話題です。前回の記事を書いた後も、ビットコイン関連のニュースで幾つか気になるものがありました。

一つは、5月に入ってすぐ、ビットコインの発明者(=SatoshiNakamoto)だとして、オーストラリア男性が名乗りでたそうです。これまでも、ビットコインの作者は誰なのか、探り当てようとする動きはありましたが、今回はどうなのでしょうか。ちなみに、同男性は、「ナカモト」の名前は、日本人哲学者が由来であると言っているそうですが、「サトシ」の由来を明らかにしていないとのことです。微妙に気になります。

また、Vol.1でもご紹介した、いわゆるビットコイン関連法案ですが、525日、国会で可決されました。公布された後、1年以内に施行される予定です。

そして、なにより、飛田の方からも、既に本ブログにて告知させていただきましたが、弊所は、524日付けで、ブロックチェーン推進協会(BCCC)に加入致しました。
http://bccc.global/ja/articles/244.html

※この記事から読んだ方は、何のことだかさっぱり分からないかと思うので、簡単に説明しますと、「ブロックチェーン」とは、ビットコイン発祥の技術で、現在では他の分野にも広く応用が検討されているものです。また、「ブロックチェーン推進協会」とは、「日本国内におけるブロックチェーン技術の普及啓発、研究開発推進、関連投資の促進および海外のブロックチェーン団体との連携などを目的」とする団体で、Vol.2でもご紹介させていただきました。

と、いうことで、せっかくブロックチェーン推進協会に加入したこともあり、今回はブロックチェーンについて、前回とは違った角度から掘り下げてみようかと思います。

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●ブロックチェーンって何だ!?

 

前回に引き続き、今回もビットコインの話です。

今回は、ビットコインの内部で使われている「ブロックチェーン」という技術について分析してみたいと思います。

 

このブロックチェーンという技術、ビットコイン発祥の技術で、もともと、銀行などの第三者機関を介さずして、安全な取引を実現する仕組みとして考案されたものです。

 

しかし、現在ではビットコインにとどまらず、広く金融や技術の分野(FinTech:定義は様々ですが、金融=Financeと技術=Technologyの融合分野)で注目されています。直近の話題ですと、425日に、ブロックチェーン技術の普及を図るべく、マイクロソフトなど34社が「ブロックチェーン推進協会」という団体を立ち上げました。

また、427日には、名前が似ていますが、別団体の「日本ブロックチェーン協会」が立ち上がる予定とのことです。ちなみに、この記事を書いているのが426日です。

 

じゃあ、この「ブロックチェーン」って一体何なんなんでしょうか?

 

ということで、技術が好きな血が騒ぎまして、ビットコインの原典である中本哲史氏の論文(Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System)にも目を通しつつ、色々調べてみました。

  

●ビットコインに使われているブロックチェーン技術

 

ブロックチェーン技術は、ビットコイン発祥の技術ですが、現在では様々な応用例があり、その定義も論者によってバラバラです。

 

なので、最初から、広く「ブロックチェーン技術」について調べてみても、イマイチ、はっきりとしたイメージがつかめません。そこで、ブロックチェーン技術の源流である「ビットコイン」に使われているブロックチェーン技術(+ブロックチェーン技術と関連するプルーフ・オブ・ワークという技術。)に絞って、分析してみることにします。

 

その概略は、次のとおりです。

  

①ブロックチェーンとは、これまでのビットコインの全取引を記録した「取引台帳」 のデータである。このブロックチェーンは、ビットコインのネットワーク上で、 皆が見れる状態で共有されている(但し、ビットコインの利用者個人は特定できない)。

 

 

②ブロックチェーンという名前の由来は、具体的には、複数のビットコイン取引をまとめたデータが、チェーン状に連なっていることから来ている(図で示すと以下のようなイメージ。)。なお、現在、約10分ごとに、1つのブロックが生成されている。

 

 (図1

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=[X+2番目のブロック]

         ・取引データ              ・取引データ           ・取引データ

 

 (例)

   例えば、以下の取引がブロックチェーンに記載されていれば、全世界中の人は、Cさんが現在1ビットコインを持っていることが分かる。

 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック](最新ブロック)

      ・取引データ              ・取引データ       

    ・AB1BTC支払       ・BC1BTC支払

 

 

 ③さらに具体的に言えば、各ブロックには、「前のブロックのデータ」に基づいて計算されるデータが、次のブロックに含まれている(下図のβやβ'。図は、非常 に簡略化したもの。)。例えば、下図のβ'というデータは、X目のブロックの データに「特別な計算」をして得られるデータ。

 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

   α:取引データ        α':取引データ

   β:X-1番目のブロック   β'X番目のブロック

     から計算された       から計算された

     データ             データ

 

 

④チェーンを追加するため、上記図でいうβやβ'を計算するには、大量の処理が必 要で時間がかかる。他方、検算(βが、X-1番目のデータから計算されたことや、β'X番目のデータから計算されたこと)は、誰でもすぐにできる。

 

⑤上記図でいうβ'は、X番目のブロックの内容が少しでも変わると、全く異なった値になる。そのため、X番目のブロックだけを改ざんされると、すぐにバレる。

 

⑥仮に、内容が異なるブロックチェーンのデータが流通した場合、ネットワーク上では、より長いチェーンが、有効とされる。

 

⑦当然、各取引は、電子署名技術により、セキュリティーが確保(なりすまし防止)される。

  

●ブロックチェーンが持つ意味

 

 以上のように、ブロックチェーンは、ビットコインにおいて、まずもって「取引台帳」なのですが、「銀行のような管理者不要」で、「安全な取引」が実現できる取引台帳といえます。その理由は、次のとおりです。 

 

() 二重譲渡等の防止

 

 まず、ビットコインでは、銀行のような管理者がいないので、相手が本当にビットコインを持っているか(持っていたとしても、既に使ってしまっていないか)、確認する必要があります。

特に、デジタルデータはコピーが容易ですから、一度使ってしまったコインのデータを再利用して、コインを二重譲渡(二重使用)する悪い人間が出てくるとも限りません。

 そこで、これを解決するのがブロックチェーン技術です。ブロックチェーンには、ビットコインが使用された最初の時点から現在に至るまで、延々と、取引記録がチェーン状に連なっています。そのため、ブロックチェーンを見れば、同じコインのデータを二重譲渡(二重譲渡)しようとしているか否かはすぐに分かりますので、これを防

止できます。

 例えば、下の例で、Bさんが、Cさんにビットコインを譲渡したにも関わらず、Dさんにもビットコインを二重譲渡しようと考えたとします。しかし、以下のブロックチェーンを見れば、BさんがビットコインをCさんにあげてしまったことは明らかなので、二重譲渡はできなくなります。

 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=
      ・AB1BTC      ・BC1BTC 

 

ただ、上の例で言えば、X+1番目のブロックができる以前の状態で、Bさんが、CさんとDさんに、同時にビットコインを譲渡した場合、一時的に二種類のブロックチェーンができ、二重譲渡状態となる可能性があります(ただ、この可能性自体、低いです。)。

 

(a)

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

    AB1BTC       BC1BTC
 

(b)

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

    AB1BTC       BD1BTC

 

 この場合は、前記⑥のルール(長いチェーンが生き残る)に従い、先に、X+2番目のブロックができた方が生き残ります。X+2番目ができなかったブロックチェーンは、破棄され、取引が事後的に取り消されることになります。

 ただ、このような事態が生じることは稀で、なおかつ、基本的に、分岐状態も長く続くものではないようなので、決済後、しばらく待って取引が取り消されなければ、その後、取り消される可能性は非常に低くなると思います。しかし、コンビニで飲み物を買う際の決済に、ビットコインを使おうとすると、コンビニ側は、商品を渡して数十分後に、ビットコインの支払が取り消されるリスクを負担することになります。

  

() 改ざん防止

 

 ブロックチェーンは、取引データの改ざんを防ぐ効果もあります。

 

 a. 例えば、悪意ある者が、X番目のブロック中の取引データを書き換えたとします。
 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

      α:取引データ      α:取引データ

         ↑

     ☆☆改ざん!☆☆

     β:X-1番目のブロック  β'X番目のブロック

       から計算された      から計算された

       データ            データ

 

 

 b. しかし、このままでは、④に書いたとおり、β'の情報を元に、X番目のブロックが改ざんされたと、誰もが容易に分かります。

 c. そこで、悪意ある者は、X+1番目のブロックも改ざんしようとします。
 d. しかし、そのためには、β'に代わるデータを計算しなければなりません。この計算には大量の処理が必要で、計算に時間がかかります。

 e. 悪意ある者が、X+1番目のブロックの改ざんを試みている間に、正規のブロックチェーンに、X+2番目のチェーンができてしまいます。

 f. そのため、改ざんされたブロックチェーンが、正規のブロックチェーンより長くなる可能性は非常に低くなります。

 g. そして、前記⑥のルール(長いチェーンが生き残る)の特徴より、短い方の、改ざんされたブロックチェーンは、破棄されます。

 

 さらに言えば、ビットコインのシステム上、正規のβやβ'といったデータを最初に計算した者には、ビットコインが発行されます。そのため、わざわざ、データを改ざんしてβ'を計算する労力を出すインセンティブは低くなります

 

() 取引台帳を更新する者の決定

 

ブロックチェーンの技術(と、前記③のβやβ'の計算には時間がかかるという仕組み)は、取引台帳を誰が更新するのか、という問題も解決します。

 

ビットコインは、管理者がいないネットワーク上のシステムで運用されているので、言ってみれば、誰もが平等です。その中で、誰が、取引履歴=ブロックチェーンを更新するか、ルールが無ければ混乱してしまいます。しかし、ブロックチェーンを更新する権限を特定の者に任せるのであれば、管理者のいないシステムという当初の目的が失われてしまいます。

 

そこで、ビットコインでは、前記③のβやβ'の計算を、世界中で、最も早く行った者が、ブロックチェーンに新たなブロックを追記できることとされています。前述のとおり、この計算を行った者には、ビットコインが新たに発行されますので、計算をするインセンティブがあります。また、この計算は、いわゆる総当り方式(例えば、1から1000まで、一つづつ計算式に数字を当てはめていき、意図した結果が出るかを検討するような方式)で行うため、今、この瞬間にも、世界中のコンピューターが、各々計算を続けています。これにより、管理者のいないシステムでありながら、(毎回、誰になるかわからないものの)特定の誰かが取引台帳を更新できることとなり、問題をクリアできます。

 

●最後に

以上、かなり大雑把なまとめになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。

 

この、「ブロックチェーン技術」ですが、現在、世界中の著名な金融機関が、こぞって研究をしています。ビットコインと金融機関は、水と油で、敵対する関係のようにも思いますが、金融機関としても、「ブロックチェーン技術」に関して言えば、多くのメリットがあるようです。例えば、ブロックチェーンの技術を応用し、独自コインの発行を検討したり、未公開株式の管理に応用できないかなども考えているようです。

また、ブロックチェーン技術は、P2P技術を利用しており、中央サーバーが不要となるため、銀行のインフラコスト削減にも利用できないか検討されているとのことです。

 

また、ブロックチェーン技術は、台帳の技術ですから、(当然、法改正が必要ですが)権利の公示方法として応用ができるかもしれません。例えば、特定の権利関係に関する公示方法として、ブロックチェーン技術が利用できれば、面白いように思います。国としても台帳管理コストは大幅に削減されますし、当事者も裁判所も、インターネットを通じて台帳を確認できるため、わざわざ登記事項証明書を取り寄せる、なんていう手間も必要もなくなるかもしれませんね。

 

今後の、「ブロックチェーン」技術の動向に、要注目です。

●ビットコインってなんだ?

今月3月4日に、「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」が国会に提出されました。この中では、巷で話題のビットコインについても規制がされるとのことで、一部で話題になっています。


ビットコインと聞くと、少し前に、マウントゴックスというビットコインの交換所が倒産したニュースなどを思い出して、あまり良いイメージがないかもしれませんが、そもそも、ビットコインって、何なのでしょうか。

ビットコインとは、ざっくり言えば、インターネットなどを通じてやり取りされる仮想通貨、などと表現されています。ただし、「仮想」と言っても、ビットコインと現金を交換する取引所や、ビットコインで代金を支払えるお店が世界中に登場しているので、もはや現金??みたいな雰囲気にもなってきています。

詳しく調べようとインターネットで検索すると、やれP2Pだ、やれ電子署名だ、と、かなり技術的にマニアックなサイトや、そもそも通貨とは何か??などと哲学的な議論をしているサイトまで、様々なものがヒットしますが、いまいちピンときません。こういう場合は、実際に使ってみることが早いと思うので、実際にビットコインを入手してみました。


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