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最近のビットコインですが、9月から10月にかけて、1BTC=75万円前後をうろちょろしていましたが、数日前に、70万円を切り、また、上昇して、この記事を書いている現在(2018/10/18)、1BTC=72万円前後で推移しています。

さて、ビットコインに関するニュースとして、最近興味を引いたのは、3万ビットコイン(BTC)が、送金手数料(トランザクション手数料)0.00001464ビットコイン(BTC)で送金できた、というニュースです。

当時、日本では、1BTC=70万円前後で推移していましたので、日本円になおすと、約210億円が、約10円で送金できたことになります。これを、銀行を使った海外送金と比較すると、例えば、SMBCHPhttp://www.smbc.co.jp/kojin/otetsuduki/sonota/kaigai/)では、「円普通預金から出金、または円現金を店頭にお持ち込みされ、円貨建てで送金される場合」の手数料として、海外送金手数料:4,000円、関係銀行手数料:2,500円、円為替取扱手数料:送金金額の0.05%(210億円であれば1050万円)がかかるとのことですので、これを単純に計算・合計すれば10506500円の手数料がかかる計算になります(ただ、そもそも、210億円を1回で送れるか、という問題もありますが。)。こうしてみると、送金手数料10円というのは、破格の安さですね。

 

ちなみに、なぜ、そんなことが分かったのか、というと、ビットコインは、取引台帳(ブロックチェーン)が公開されているため、いくらのビットコインが動いたか、という情報は、誰にでも分かるためです(但し、台帳には個人情報は記録されていないため、誰が送金したのかは分かりません。)。

実際、ブロックチェーンの情報を表示できるWebサイトを見ると(以下のURL)、3BTCが、手数料0.00001464BTCで送金されていることが分かります(正確には、3BTCが、手数料を引いて、0.8316BTC29,999.16838536 BTCに分かれて、2箇所に送金されています。)。https://www.blockchain.com/btc/tx/bace354d53088d92740485ade3211309d80b427355b931a790575b6646970202?show_adv=true 

このトランザクション手数料ですが、実は、銀行の送金手数料のように、額が決まっているものではなく、仕組み上、送金者が自由に設定することができます(※但し、送金するソフトなどの環境によっては、自動で設定され、変更できないものもあるかもしれません。また、通常は、何も設定を加えなければ、ウォレット=送金ソフトが適切な手数料を設定しますので、ビットコインを使ったことがある方でも、あまり、なじみがない方もいらっしゃるかもしれません。)。

このトランザクション手数料は、ビットコインの台帳を更新するマイナーと呼ばれる人たちに渡る、いわばチップのようなものです。チップが多ければ、その分、早く送金され(つまり、早く、取引情報が台帳に書きこまれ)、チップが安ければ、送金に時間がかかる、というのが一般的です。マイナーとしても、チップを多く貰いたいですから、チップが多いものから優先して台帳に書きこんでゆくためです。

 

トランザクション手数料を巡っては、これまでに、ビットコインのトランザクション手数料は高い、いや、安い、などといった議論がなされてきました。

自由に決められるチップに、高いも安いもないように思いますが、特に、取引が込み合ってきた際、この程度のトランザクション手数料にしておかなければ、取引の承認が後回しになり、なかなか取引が承認されない、などという事態が生じます。その結果、昨年末などには、平均的なトランザクション手数料が高くなった時期もあったようです。しかし、今回のニュースをみると、やはり、ビットコインの送金手数料は(銀行の手数料などに比べると)遥かに安いなと感じます。

ビットコインですが、前回メルマガ以降、下落し、1BTC=70万円と80万円の間をうろちょろしていましたが、412日夜から翌13日朝にかけて、短期間で10万円以上値上がりし、その後、現在(2018/04/231BTC=95万円前後で推移しています。ここ最近としては、大きな値動きですが、何が原因かはよく分かりません。

一説には、各国で納税期限が迫って(または経過して)おり、納税のための売却が減少したことが一因といった見方もあるようです。

さて、昨年末以降、大きく揺れ動く仮想通貨相場に多くのスポットライトがあたっていますが、その背後では、ビットコインに関する技術革新が着々と進化しているようです。

その1つが、ライトニング・ネットワークです。これは、昨年8月のSegwit導入により実装可能となったビットコインの技術で、

1円以下(0.1円など)の送金なども、格安ないし0の手数料で実施でき

・即座に決済される

という性質を有しています。

現在、未だ開発中の段階ですが、仕組みとしては、(ごくごく簡単に言えば)ライトニングネットワークを使おうとする者が、ブロックチェーンのネットワークとは別のネットワーク(ライトニングネットワーク)に参加し、その中で、例えば

 AB 3BTC

 BA 5BTC

 AB 4BTC

とビットコイン取引を行い、これらをまとめて、最終的には、ブロックチェーン上に、

 AB 2BTC

と書き込む、といったもののようです。また、ライトニングネットワーク上で、

 ABC 1BTC

とビットコインが移動した際には、最終的に、ブロックチェーン上には、

 AC 1BTC

が書き込まれることとなります。ブロックチェーンへの書き込みが省エネ化できますので、少額かつ大量の送金を、高速かつ低コストで行うことが可能となるようです。あくまでイメージの話ですが、ビットコイン分野における交互計算や、中間省略登記、といったところでしょうか。

特に、1円以下の単位での課金が(手数料を考えても)現実的にできるようになるため、あらたなビジネスチャンス(例えば、ほんのちょっとしたサービスに、0.1円を課金する、など)が生まれるかもしれません。

また、ビットコインは、1秒あたりで計算すると、67取引/秒の処理能力であり、まだまだ、VISAなどのクレジットカードの処理能力には及ばないと言われていますが、ライトニングネットワークが普及すれば、状況は変わってくるかもしれません。

ただ、他方で、一部、ブロックチェーンに記載されない取引が生じることになりますので、技術的に安全性に問題がないか、十分な検討を要するように思います。

今後の発展に期待です。

・・・ちなみに、ビットコインの市場は、現在、「ビットコイン規制」といったワードには敏感に反応しますが、ライトニングネットワークの進展に関するニュースには、反応が薄いようです(現状で、ほぼ相場に影響を与えていないようです。)。この辺りも、今後、ライトニングネットワークの注目度が今まで以上に上がれば、状況は変わってくるかもしれませんね。

前回に引き続き、ビットコインの話題です。前回の記事を書いた後も、ビットコイン関連のニュースで幾つか気になるものがありました。

一つは、5月に入ってすぐ、ビットコインの発明者(=SatoshiNakamoto)だとして、オーストラリア男性が名乗りでたそうです。これまでも、ビットコインの作者は誰なのか、探り当てようとする動きはありましたが、今回はどうなのでしょうか。ちなみに、同男性は、「ナカモト」の名前は、日本人哲学者が由来であると言っているそうですが、「サトシ」の由来を明らかにしていないとのことです。微妙に気になります。

また、Vol.1でもご紹介した、いわゆるビットコイン関連法案ですが、525日、国会で可決されました。公布された後、1年以内に施行される予定です。

そして、なにより、飛田の方からも、既に本ブログにて告知させていただきましたが、弊所は、524日付けで、ブロックチェーン推進協会(BCCC)に加入致しました。
http://bccc.global/ja/articles/244.html

※この記事から読んだ方は、何のことだかさっぱり分からないかと思うので、簡単に説明しますと、「ブロックチェーン」とは、ビットコイン発祥の技術で、現在では他の分野にも広く応用が検討されているものです。また、「ブロックチェーン推進協会」とは、「日本国内におけるブロックチェーン技術の普及啓発、研究開発推進、関連投資の促進および海外のブロックチェーン団体との連携などを目的」とする団体で、Vol.2でもご紹介させていただきました。

と、いうことで、せっかくブロックチェーン推進協会に加入したこともあり、今回はブロックチェーンについて、前回とは違った角度から掘り下げてみようかと思います。

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●ブロックチェーンって何だ!?

 

前回に引き続き、今回もビットコインの話です。

今回は、ビットコインの内部で使われている「ブロックチェーン」という技術について分析してみたいと思います。

 

このブロックチェーンという技術、ビットコイン発祥の技術で、もともと、銀行などの第三者機関を介さずして、安全な取引を実現する仕組みとして考案されたものです。

 

しかし、現在ではビットコインにとどまらず、広く金融や技術の分野(FinTech:定義は様々ですが、金融=Financeと技術=Technologyの融合分野)で注目されています。直近の話題ですと、425日に、ブロックチェーン技術の普及を図るべく、マイクロソフトなど34社が「ブロックチェーン推進協会」という団体を立ち上げました。

また、427日には、名前が似ていますが、別団体の「日本ブロックチェーン協会」が立ち上がる予定とのことです。ちなみに、この記事を書いているのが426日です。

 

じゃあ、この「ブロックチェーン」って一体何なんなんでしょうか?

 

ということで、技術が好きな血が騒ぎまして、ビットコインの原典である中本哲史氏の論文(Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System)にも目を通しつつ、色々調べてみました。

  

●ビットコインに使われているブロックチェーン技術

 

ブロックチェーン技術は、ビットコイン発祥の技術ですが、現在では様々な応用例があり、その定義も論者によってバラバラです。

 

なので、最初から、広く「ブロックチェーン技術」について調べてみても、イマイチ、はっきりとしたイメージがつかめません。そこで、ブロックチェーン技術の源流である「ビットコイン」に使われているブロックチェーン技術(+ブロックチェーン技術と関連するプルーフ・オブ・ワークという技術。)に絞って、分析してみることにします。

 

その概略は、次のとおりです。

  

①ブロックチェーンとは、これまでのビットコインの全取引を記録した「取引台帳」 のデータである。このブロックチェーンは、ビットコインのネットワーク上で、 皆が見れる状態で共有されている(但し、ビットコインの利用者個人は特定できない)。

 

 

②ブロックチェーンという名前の由来は、具体的には、複数のビットコイン取引をまとめたデータが、チェーン状に連なっていることから来ている(図で示すと以下のようなイメージ。)。なお、現在、約10分ごとに、1つのブロックが生成されている。

 

 (図1

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=[X+2番目のブロック]

         ・取引データ              ・取引データ           ・取引データ

 

 (例)

   例えば、以下の取引がブロックチェーンに記載されていれば、全世界中の人は、Cさんが現在1ビットコインを持っていることが分かる。

 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック](最新ブロック)

      ・取引データ              ・取引データ       

    ・AB1BTC支払       ・BC1BTC支払

 

 

 ③さらに具体的に言えば、各ブロックには、「前のブロックのデータ」に基づいて計算されるデータが、次のブロックに含まれている(下図のβやβ'。図は、非常 に簡略化したもの。)。例えば、下図のβ'というデータは、X目のブロックの データに「特別な計算」をして得られるデータ。

 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

   α:取引データ        α':取引データ

   β:X-1番目のブロック   β'X番目のブロック

     から計算された       から計算された

     データ             データ

 

 

④チェーンを追加するため、上記図でいうβやβ'を計算するには、大量の処理が必 要で時間がかかる。他方、検算(βが、X-1番目のデータから計算されたことや、β'X番目のデータから計算されたこと)は、誰でもすぐにできる。

 

⑤上記図でいうβ'は、X番目のブロックの内容が少しでも変わると、全く異なった値になる。そのため、X番目のブロックだけを改ざんされると、すぐにバレる。

 

⑥仮に、内容が異なるブロックチェーンのデータが流通した場合、ネットワーク上では、より長いチェーンが、有効とされる。

 

⑦当然、各取引は、電子署名技術により、セキュリティーが確保(なりすまし防止)される。

  

●ブロックチェーンが持つ意味

 

 以上のように、ブロックチェーンは、ビットコインにおいて、まずもって「取引台帳」なのですが、「銀行のような管理者不要」で、「安全な取引」が実現できる取引台帳といえます。その理由は、次のとおりです。 

 

() 二重譲渡等の防止

 

 まず、ビットコインでは、銀行のような管理者がいないので、相手が本当にビットコインを持っているか(持っていたとしても、既に使ってしまっていないか)、確認する必要があります。

特に、デジタルデータはコピーが容易ですから、一度使ってしまったコインのデータを再利用して、コインを二重譲渡(二重使用)する悪い人間が出てくるとも限りません。

 そこで、これを解決するのがブロックチェーン技術です。ブロックチェーンには、ビットコインが使用された最初の時点から現在に至るまで、延々と、取引記録がチェーン状に連なっています。そのため、ブロックチェーンを見れば、同じコインのデータを二重譲渡(二重譲渡)しようとしているか否かはすぐに分かりますので、これを防

止できます。

 例えば、下の例で、Bさんが、Cさんにビットコインを譲渡したにも関わらず、Dさんにもビットコインを二重譲渡しようと考えたとします。しかし、以下のブロックチェーンを見れば、BさんがビットコインをCさんにあげてしまったことは明らかなので、二重譲渡はできなくなります。

 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=
      ・AB1BTC      ・BC1BTC 

 

ただ、上の例で言えば、X+1番目のブロックができる以前の状態で、Bさんが、CさんとDさんに、同時にビットコインを譲渡した場合、一時的に二種類のブロックチェーンができ、二重譲渡状態となる可能性があります(ただ、この可能性自体、低いです。)。

 

(a)

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

    AB1BTC       BC1BTC
 

(b)

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

    AB1BTC       BD1BTC

 

 この場合は、前記⑥のルール(長いチェーンが生き残る)に従い、先に、X+2番目のブロックができた方が生き残ります。X+2番目ができなかったブロックチェーンは、破棄され、取引が事後的に取り消されることになります。

 ただ、このような事態が生じることは稀で、なおかつ、基本的に、分岐状態も長く続くものではないようなので、決済後、しばらく待って取引が取り消されなければ、その後、取り消される可能性は非常に低くなると思います。しかし、コンビニで飲み物を買う際の決済に、ビットコインを使おうとすると、コンビニ側は、商品を渡して数十分後に、ビットコインの支払が取り消されるリスクを負担することになります。

  

() 改ざん防止

 

 ブロックチェーンは、取引データの改ざんを防ぐ効果もあります。

 

 a. 例えば、悪意ある者が、X番目のブロック中の取引データを書き換えたとします。
 

-=-=-=[X番目のブロック]-=-=-=[X+1番目のブロック]-=-=-=

      α:取引データ      α:取引データ

         ↑

     ☆☆改ざん!☆☆

     β:X-1番目のブロック  β'X番目のブロック

       から計算された      から計算された

       データ            データ

 

 

 b. しかし、このままでは、④に書いたとおり、β'の情報を元に、X番目のブロックが改ざんされたと、誰もが容易に分かります。

 c. そこで、悪意ある者は、X+1番目のブロックも改ざんしようとします。
 d. しかし、そのためには、β'に代わるデータを計算しなければなりません。この計算には大量の処理が必要で、計算に時間がかかります。

 e. 悪意ある者が、X+1番目のブロックの改ざんを試みている間に、正規のブロックチェーンに、X+2番目のチェーンができてしまいます。

 f. そのため、改ざんされたブロックチェーンが、正規のブロックチェーンより長くなる可能性は非常に低くなります。

 g. そして、前記⑥のルール(長いチェーンが生き残る)の特徴より、短い方の、改ざんされたブロックチェーンは、破棄されます。

 

 さらに言えば、ビットコインのシステム上、正規のβやβ'といったデータを最初に計算した者には、ビットコインが発行されます。そのため、わざわざ、データを改ざんしてβ'を計算する労力を出すインセンティブは低くなります

 

() 取引台帳を更新する者の決定

 

ブロックチェーンの技術(と、前記③のβやβ'の計算には時間がかかるという仕組み)は、取引台帳を誰が更新するのか、という問題も解決します。

 

ビットコインは、管理者がいないネットワーク上のシステムで運用されているので、言ってみれば、誰もが平等です。その中で、誰が、取引履歴=ブロックチェーンを更新するか、ルールが無ければ混乱してしまいます。しかし、ブロックチェーンを更新する権限を特定の者に任せるのであれば、管理者のいないシステムという当初の目的が失われてしまいます。

 

そこで、ビットコインでは、前記③のβやβ'の計算を、世界中で、最も早く行った者が、ブロックチェーンに新たなブロックを追記できることとされています。前述のとおり、この計算を行った者には、ビットコインが新たに発行されますので、計算をするインセンティブがあります。また、この計算は、いわゆる総当り方式(例えば、1から1000まで、一つづつ計算式に数字を当てはめていき、意図した結果が出るかを検討するような方式)で行うため、今、この瞬間にも、世界中のコンピューターが、各々計算を続けています。これにより、管理者のいないシステムでありながら、(毎回、誰になるかわからないものの)特定の誰かが取引台帳を更新できることとなり、問題をクリアできます。

 

●最後に

以上、かなり大雑把なまとめになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。

 

この、「ブロックチェーン技術」ですが、現在、世界中の著名な金融機関が、こぞって研究をしています。ビットコインと金融機関は、水と油で、敵対する関係のようにも思いますが、金融機関としても、「ブロックチェーン技術」に関して言えば、多くのメリットがあるようです。例えば、ブロックチェーンの技術を応用し、独自コインの発行を検討したり、未公開株式の管理に応用できないかなども考えているようです。

また、ブロックチェーン技術は、P2P技術を利用しており、中央サーバーが不要となるため、銀行のインフラコスト削減にも利用できないか検討されているとのことです。

 

また、ブロックチェーン技術は、台帳の技術ですから、(当然、法改正が必要ですが)権利の公示方法として応用ができるかもしれません。例えば、特定の権利関係に関する公示方法として、ブロックチェーン技術が利用できれば、面白いように思います。国としても台帳管理コストは大幅に削減されますし、当事者も裁判所も、インターネットを通じて台帳を確認できるため、わざわざ登記事項証明書を取り寄せる、なんていう手間も必要もなくなるかもしれませんね。

 

今後の、「ブロックチェーン」技術の動向に、要注目です。

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