タグ:ホワイトカラー・エグゼンプション


本日(2015年1月8日)の日本経済新聞朝刊1面のトップ記事に、『年収1075万円以上を対象 専門職 労働時間規制外す』とうい見出しで大々的に報道されておりました。


厚生労働省は7日、働く時間ではなく成果で賃金を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の制度案をまとめた。対象は年収1075万円以上の専門職に限り、週40時間を基本とする労働時間規制(3面きょうのことば)から外す。過労を防ぐために年104日の休日なども導入の条件にする。「岩盤」といわれる雇用規制を崩す第一歩をなる。


同省は16日に開く労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会にこれらの労働時間規制の改革案を示す。今後、与党との調整を経て労働基準法改正案を閣議決定し、26日召集の通常国会での成立と16年春めどの施行を目指す。


何度もこのブログでは触れているように、このホワイトカラー・エグゼンプションは、政府が導入しようとすると、マスコミ等から「残業代ゼロ法案」とか「過労死法案」などと批判されて、導入ができないという状態が続きました。

しかし、今回は、年収1075万円以上の専門職のみを対象とするということで、おそらく「残業代ゼロ法案」などという批判は全く的外れになるのではないかと思います(年収1075万円を稼ぐには、通常、残業をしただけでは足りず、自分の仕事に対して残業以上の付加価値を付けなければならないと思われるからです。)。また、報道によれば、「労使が①年104日の休日取得②1カ月間の在社時間などの上限③就業から翌日の始業までに一定時間の休息-のいずれかを選ぶ」という「働き過ぎを防ぐ対策」とセットで導入されるということであり、「過労死法案」という批判もあたらないものになると思われます。私は、この政府の施策については、硬直的な我が国の労働法制について、現実に即した柔軟な修正を加えるものとして、積極的に評価したいと思います。どのような法案になるのか注目ですね。

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昨日(2014年8月18日)の日経新聞朝刊1面の記事に、伊藤忠商事、三井物産、富士フィルム、ダイキン工業、日本精工、タカラトミーらの大手企業が、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入を検討を始めた旨の記事が出ていました。

ホワイトカラー・エクゼンプションは、事務職などのホワイトカラーの労働者を対象に、1日8時間、週40時間の労働時間を外す制度で、労働時間を基準に労働者を評価するのではなく、成果に応じて評価しようとすることを目的としています。

現在の制度は、かつて工場労働者が主流だったころに制度設計されたもので、現在のホワイトカラーの労働者のうち、専門職等の成果を出すことが求められる人々の制度としては適当なものではなくなっています。
そのため、何年も前から、このホワイトカラー・エクゼンプションの導入が検討されてきましたが、このブログでも何度か取り上げているとおり、これまで政府が導入しようとするたびごとに、「残業代ゼロ法案」などと批判され、結局導入が見送られてきました。
そのため、現在、政府は、年収1000万円以上の高度な専門職のみを対象として、この制度を導入することで、法案化を検討しています。
(ちなみに、私の基本的立場は、ホワイトカラー・エクゼンプション導入に「賛成」です。弁護士をしていると、時間をかけても良い成果がでない人と、時間をかけないでも良い成果を出す人がいて、その場合、今の制度だと前者の方が評価させるというおかしな結果が出てしまいます。)。

記事によると、政府は、2015年の通常国会で労働基準法の改正案を提出し、16年春の施行を目指しているとのことですが、具体的に会社で導入するには、労働組合との協議などに時間がかかるため、これら企業は、国の制度設計の完成を待たずに検討を始めているとのことです。

今度こそ、本当に導入されそうですね。

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