報道によると、巨額の損失隠しが発覚したオリンパスで、4月20日に臨時株主総会が開催され、旧経営陣11名が退任し、半数以上を社外出身者が占める新取締役11名が選任されたとのことです。
この総会には、この件について社内で追及しようとして解任されてしまった元社長のマイケル・ウッドフォード氏も株主として出席し、解任理由について質問したところ、係争中であることを理由に会社側から回答を拒否されたため、総会決議無効の訴えを提起する可能性を示唆する場面があったり、取引銀行出身の2名の新取締役については、外国のファンドが反対したようであり賛成票が6割台と他の取締役に比べて低かったりしたこと等があったようですが、一応、損失隠しとは切り離された新経営陣が選任されたことで、この問題は一段落したということになるかと思います。
ところで、ここに来て、この問題をFACTAでいち早く取り上げて、問題発覚のきっかけを作ったジャーナリストの山口義正氏が『サムライと愚か者 暗闘 オリンパス事件』(講談社)という本を出し、また、ウッドフォード氏自身も『解任』(早川書房)という回想録を出しましたので、興味に駆られて読んでみました。
この2つの本から、私が関心を持った点は次のとおりです。
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