最近のテクノロジーの発展はめざましく、人工知能を使った資産運用や、スマートフォンを使った決済手続等も実現し、確実に世の中に広がってきています。

最近では、みずほ銀行がAIを企画部門や営業部門に導入し始めたというニュースがありましたが、金融業界に限らず、他の業種においても様々なテクノロジーが導入されてきています。

 

例えば、不動産業界では、不動産を売りたい個人と買いたい個人とを、インターネット上でマッチングするサービスを提供し始めています。ただし、不動産は高額な取引なので、実際に購入希望者は現地に行って内見をする必要があり、売主としては、面倒な内見を業者に頼みたいニーズがあるようです。

 

仮に内見を業者に頼むとすると、業者が購入希望者の内見に立ち会う行為は基本的に宅建業法22号の「媒介」行為にあたると解されるため、宅建士の資格を有した業者であることが要求され、買主に対して重要事項説明等が必要になります。

(※宅建業法22号の「媒介」とは、当事者の一方の依頼を受け、当事者間にあって宅地建物の売買、交換、貸借の契約を成立させるためにあっせん尽力するすべての事実行為を指称するものと解され、単に当事者間に契約を成立させることにとどまらず、契約成立に向けての賃借人等の募集、勧誘行為等は当然にこれに含まれるものと解するのが相当である。(東京高裁平成19214日判決参照))

 

現行制度では重要事項の説明は対面で行われることが前提となっていますが、現在国土交通省では、重要事項説明のIT化(スカイプなどを利用して重要事項説明を行う等)が検討されているようです(国土交通省「ITを活用した重要事項説明等に関する取組み」http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000092.html)。

 

内見の話に戻ると、近い将来、VR技術であたかも本当に内見に行ったかのように、家にいながら臨場感を持って不動産の内部を見ることができるようになるかもしれません。私はVRを体験したことがありますが、VRと分かっているのに(仮想の)高層ビルから地面を見下ろすと足がすくみました(それくらいリアルでした)。

 

内見のVR化が実現すれば、インターネット上で不動産売買契約や賃貸借契約を完結することができ、たとえ業者に勧誘などの何らかの「媒介」行為を頼んだとしても、重要事項説明をスカイプで受ければ、家にいながら契約が完結できるようになるかもしれません。遠方から不動産の購入や引越しを検討する場合には非常に便利なことでしょう。

 

単なる日用品の買物だけでなく、家の賃貸借や売買までも色々とIT化で便利になるのが楽しみです(運動不足がますます加速しそうです)。