2023年1月25日 日経新聞朝刊47頁

「ソフトバンクG370億円申告漏れ」「M&A問われる税務処理」「法令、支出の線引き曖昧 企業の意思決定明確化重要」との見出しの記事から

一般的にM&A関連支出を巡る税務上との線引きは「意思決定」のタイミングにあるとされる。複数の専門家によると、実務では通常「取締役会などでM&Aの最終意思決定がある前は費用、あった後は取得価格」として扱う。だが最終意思決定前に事実上の決定がされていることもある。M&Aは個別性が強く、海外企業の買収などでは意思決定手続の複雑さはさらに増す。意思決定の時期にかかわらず、取引実行が前提となっていれば取得価格とすべきだという見方もある。


(飛田コメント)
 一般にM&Aにおけるデューデリは、M&Aをするか否かを調査するためのもので、その調査を踏まえて取締役会でM&Aをするかどうか(多くの場合が相手との具体的な契約交渉に入るかどうか)か決められるので、従来の基準からすれば費用になるのではないかと思います。「意思決定の時期にかかわらず、取引実行が前提となっていれば取得価格とすべきだ」との見解は理解できますが、「取引実行が前提となっていた」事実をどのような証拠から認定できるのか?
 裁判になった場合、税務当局側も大変なのではないかと思いました。