少々前の記事ですが、201685日の朝日新聞DIGITALに「口座特定、裁判所主導へ 養育費や賠償金不払い対策」との見出しで、次のような記事が載っていました。

裁判などで確定した賠償金や子どもの養育費が不払いにならないように、支払い義務がある人の預貯金口座の情報を金融機関に明らかにさせる仕組みを法務省が導入する。裁判所による強制執行をしやすくする狙いがある。今秋にも、法相の諮問機関「法制審議会」に民事執行法の改正を諮る見通しで、2018年ごろの国会提出をめざす。

私は、かねてから、我が国の債権差押え制度、特に預貯金の差押えには、どこの支店に口座があるかまで調べなければならず(口座番号までは不要)、結局そこまで調べるのはかなりの時間と費用をかけなければならないので、悪い債権者は容易に差押えを免れることができて、裁判の実効性が確保できず、大問題であると訴えていました。記事では、養育費の問題が強調されていますが、民事裁判の判決全体の実効性を無にする大問題です。

ここにきて、ようやく法改正に動き出したということで、日本の民事制度にとっては朗報だと思います。

で、肝心の内容ですが、記事によると

法務省の見直し案では、債権者は、債務者が住む地域の地銀など口座がある可能性がある金融機関ごとに確認を裁判所に申し立てられる。裁判所は各金融機関に照会。口座がある場合はその金融機関の本店に対し、差し押さえる口座のある支店名や口座の種類、残高などを明らかにするよう命じる制度を新たに設ける。債権者にとっては、債務者が口座を持つ金融機関名が特定できなくても、見当がつけば足りることになる。

とのことです。

私としては、実効性があって、かつ、使い易い制度となることを切に切に願っています。

なお、記事によれば、現在の財産開示制度も見直しが図られるとのこと。

また、民事執行法には債務者を裁判所に呼び出し、自分の財産の情報を明らかにさせる手続きが定められているが、債務者が来ずに開示に応じないなど、実効性が課題となっていた。この手続きを経ずに差押えを申し立てるケースも多いことから、見直しでは、応じないときの制裁を強化し、現在の「30万円以下の過料」から、刑罰を科すことも検討する。

http://www.asahi.com/articles/ASJ845DC4J84UTIL02R.html

こちらも、本当に役立つ制度になることを願っています。 

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