2022年12月23日 日経新聞朝刊4頁
「有識者『国葬の基準難しい』」「法的根拠対象者・・・見解割れる」「国会の関与『必要』半数」
対象者の基準を策定するのは難しく、事例に応じ柔軟に判断すべきだとの主張が目立った。
(飛田コメント)
弁護士になって思うことは、裁判になったり、裁判になった後、解決までに裁判が長引くのは、法律の定める基準が曖昧な箇所です。例えば、今すぐに思いつく箇所としては、不法行為の違法性・過失の認定とか、借地借家法の「正当事由」の認定とか、労働法の解雇の正当理由の認定とか、公序良俗違反に該当するかの認定とかです。それに対して、交通事故の損害の算定とか離婚した場合の子供の養育費とかは、何も基準がなければいくらかを決めるにはかなり難しいし、時間がかかるかと思いますが、幸いなことに、実務上は赤い本基準とか裁判所の算定表が使われることがはっきりしていて、長引くということはあまりありません。
何が言いたいかというと、基準を曖昧にして、「事例に応じ柔軟な判断」できるようにすることは、もちろん適当な場合もありますが、結局、その基準に該当するのかを巡って議論が続くことになるので、あまり好ましいことではないように思うのです。弁護士的には仕事の種がなくなっておもしろみがなくなりますが、大体紛争が起こるのは基準が明確でない場合ですので、基準を作るのであれば明確にした方が良いのではないかと。
そういう意味で、私は「首相経験者は全員国葬とするルールを制定すべきだ」という有識者の一人の人の意見が最も良いように思いました。これだったら、与党・野党を問わず一致できるのではないでしょうか(どの党も首相を出す可能性はあるので)。中には、今の私たちの目から見てリスペクトできない首相経験者もいるかもしれませんが、そこは切り離して、元首相という地位に一定のリスペクトをするべきかと。皆さんはどう考えますか?
「有識者『国葬の基準難しい』」「法的根拠対象者・・・見解割れる」「国会の関与『必要』半数」
対象者の基準を策定するのは難しく、事例に応じ柔軟に判断すべきだとの主張が目立った。
(飛田コメント)
弁護士になって思うことは、裁判になったり、裁判になった後、解決までに裁判が長引くのは、法律の定める基準が曖昧な箇所です。例えば、今すぐに思いつく箇所としては、不法行為の違法性・過失の認定とか、借地借家法の「正当事由」の認定とか、労働法の解雇の正当理由の認定とか、公序良俗違反に該当するかの認定とかです。それに対して、交通事故の損害の算定とか離婚した場合の子供の養育費とかは、何も基準がなければいくらかを決めるにはかなり難しいし、時間がかかるかと思いますが、幸いなことに、実務上は赤い本基準とか裁判所の算定表が使われることがはっきりしていて、長引くということはあまりありません。
何が言いたいかというと、基準を曖昧にして、「事例に応じ柔軟な判断」できるようにすることは、もちろん適当な場合もありますが、結局、その基準に該当するのかを巡って議論が続くことになるので、あまり好ましいことではないように思うのです。弁護士的には仕事の種がなくなっておもしろみがなくなりますが、大体紛争が起こるのは基準が明確でない場合ですので、基準を作るのであれば明確にした方が良いのではないかと。
そういう意味で、私は「首相経験者は全員国葬とするルールを制定すべきだ」という有識者の一人の人の意見が最も良いように思いました。これだったら、与党・野党を問わず一致できるのではないでしょうか(どの党も首相を出す可能性はあるので)。中には、今の私たちの目から見てリスペクトできない首相経験者もいるかもしれませんが、そこは切り離して、元首相という地位に一定のリスペクトをするべきかと。皆さんはどう考えますか?