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来年(2020年)4月1日から施行される改正民法の勉強をしていて、あれっ???と思ったことの第二弾です。まずは条文から。


(債務者の取立てその他の処分の権限等)
第423条の5 債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない。この場合においては、相手方も、被代位権利について、債務者に対して履行をすることを妨げられない。



この条文の趣旨については、法務省の立法担当者による筒井・松村編著「一問一答 民法(債権関係)改正」(商事法務)93頁から94頁にかけて次のように説明されています。長くなりますが以下引用。

「4 債務者の処分権限の制限の見直し
 旧法化の判例(大判昭和14年5月16日)は、債権者が代位行使に着手して、債務者にその事実を通知し、又は債務者がそのことを了知した場合には、債務者は被代位権利について取立てその他の処分をすることができないとしていた。また、下級審裁判例の中には、債務者による処分が制限されることを前提に、この場合には、相手方が債務者に対して債務の履行をすることもできないとするものがあった。
 しかし、債権者代位権は、債務者の責任財産を保全するため、債務者が自ら権利を行使しない場合に限って債権者に行使が認められるものであるから、債権者が代位行使に着手した後であっても債務者が自ら権利を行使するのであれば、それによって責任財産の保全という所期の目的を達成することができる。それにもかかわらず、債務者による処分を制限するのは、債務者の財産管理に対する過剰な介入である。また、債務者による取立てが制限された結果相手方が債務者に対して債務の履行をすることも禁止されると解した場合には、相手方は債権者代位権の要件が充足されているかを債務を履行する前に判断しなければならなくなるが、相手方は、その判断に必要な情報を有しているとは限らない。
 そこで、新法においては、債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者はその権利について取立てその他の処分をすることができ、相手方も債務者に対して履行をすることを妨げないとしている(新法第423条の5)。」


(私の感想)
 えっえっ!そうなの???私の実務的感覚としては、債権者代位権が行使される場面は、債務者がとてもお金に困窮しているときであり(いわゆる無資力)、方々からお金の督促をされているようなときなので、債務者のもとにお金が入ってくると、すぐに使われてしまうというものです。だから、従来の判例は、債権者が代位権行使に着手したときは、債務者に被代位権利の取立等をすることができないと解釈するとともに、債権者は相手方に対し、(債務者ではなくて)自分に支払えと請求できるようにしていたという理解なのです(注1)。つまり、債権者代位権が行使されているのに、債務者が被代位債権の取立等をすることを認めると、債務者の責任財産の保全という目的も実質的には達成されなくなるから、債務者の取り立てや、債務者への支払いを禁止していたと考えるのです。

 現実的に考えても、債権者代位権が行使された場合、債務者は相手方に「頼むから自分に払ってくれ。長い付き合いじゃないか。迷惑は絶対にかけない。」と頼むでしょう。で、その際に、新法第423条の5により確かに債務者に支払ってもOKということになると、相手方としては、(債権者代位権を行使してきた見知らぬ第三者ではなく)従来から付き合いがある債務者に心置きなく払えることになるのです。かくして、債権者代位権の実効性はおそろしく低下するでしょう。

 まぁ、そもそも債権者代位権は、債務者の無資力を立証するのが難しかったり、被代位権利を探索することが難しかったりして、実務上はあまり使われない制度なのですが、この第423条の5により、ますます使われなくなるのではないでしょうか???


(注1)この後者の点は、第423条の3で法定された。であれば、どうして前者について、反対のことを法定してしまったのか???

まずは、次の条文を読んでほしいと思います。これは、東京弁護士会内の最大派閥・法友会の若手弁護士の会である法友全期会の債権法改正特別委員会が『改正民法 不動産売買・賃貸借契約とモデル書式』という本の中で発表した土地建物売買契約書(例)の条文です。

 

(契約不適合責任)

第11条 買主は売主に対し、本件物件に下記(1)ないし(4)の瑕疵があるなど、本件物件が本契約の内容に適合しないものであった場合、相当の期間を定めて当該瑕疵の修補等、履行の追完を催告し、その期間内に履行がないときは、買主はその不適合の程度に応じて代金の減額を請求できる。この場合、減額する代金額は、当事者間での協議により決定するが、協議がまとまらない場合には、契約内容不適合がなければ本件物件が有したであろう価値に対して、本件物件の実際の価値との間で成立する比率に従って代金額を減額するものとする。

(1) 雨漏り

(2) シロアリの害

(3) 建物構造上主要な部位の腐蝕

(4) 給排水管(敷地内埋設給排水管を含む。)の故障

 なお、買主は売主に対し、本件物件について、前記瑕疵を発見したとき、すみやかにその瑕疵を通知して、修復に急を要する場合を除き売主に立ち会う機会を与えなければならない。

〔以下、省略〕

 

この契約書(例)の条文について違和感を感じないでしょうか?この違和感を感じるには202041日から施行される改正民法における瑕疵担保責任のことを知っておくことが必要です。

 

これまで、不動産(土地・建物)や中古動産(自動車・機械)などの特定物の売買については、その物自体を売却するという契約なのだから、その物自体を引き渡せば売主の責任は果たしたことになるが(いわゆる特定物ドグマ)、ただ、目的物に隠れた瑕疵(=通常有すべき品質・性能を欠くことがある)ときに売主に何も責任追及できないとすると買主に酷なので、瑕疵担保責任という責任を法律が特別に認めたのだ(法定責任説)と解されていたのです。

それに対し、改正民法では、いえいえ特定物であろうが、不特定物であろうが、売買の当事者は、その合意した一定の品質・性能を有する目的物を売買の対象にすることを意図していたのであるから、その意図した目的物が引き渡されなかったのであれば、契約上の責任が発生するのだ(契約責任説)という立場に立っています。つまり、瑕疵担保責任といっても、それは債務不履行責任と同じだというのです。

そこから、

1.これまでは「隠れた」瑕疵しか責任追及できなかったが、改正民法では、隠れていたか否かにかかわらず、目的物が契約に不適合なものであれば、債務の履行が行われたとは言えないので、売主に対して責任を追及できる。

2.これまでは、瑕疵担保責任は法定責任という前提があったため、そこにおける損害賠償は信頼利益(現実に発生した損害)のみが対象になると考えられていたが、改正民法では、通常の債務不履行と異ならないから、逸失利益(得べかりし利益)も対象になる。
などの違いが導かれるのです。

 

そして、ここが重要な点なのですが、「瑕疵」という用語は、国民一般からは理解しにくい用語ですし、従来から判例上「瑕疵」は「契約の内容に適合しないこと」と解釈されていたところ(最判平成22.6.1、最判平成25.3.22)、「瑕疵」という用語では、当事者が目的物上のキズを問題にしていなくとも客観的にキズがあれば売主に責任が発生するなどいう誤解を招くおそれもあるので、積極的に使わないとの決断がなされ、民法典からは一掃されてしまったのです(「一問一答 民法(債権関係)改正」(275頁)参照)。

 

ですから、上記の条文で、「本件物件に下記(1)ないし(4)の瑕疵があるなど」とか、「当該瑕疵の修補等、履行の追完を催告し」とか「前記瑕疵を発見したとき」とか、「瑕疵」という用語を使うのは、民法改正の趣旨をよくわかっていないと言わざるを得ないと思うのです。私としては「欠陥」とか「不適合」とかもっと現代的な言い回しにした方がいいと思います。


ただ、いずれにしても、改正民法は202041日から施行されますので、クライアントの皆様にとっては、契約書式の見直しが急務になりますね。

主に債権法部分が改正された新民法が令和2年(2020年)41日に施行されます。

 

現行の民法では、債権一般についての消滅時効の期間は10年ですが(第167条第1項)、債権の種類等によっては消滅時効の期間が3年や2年、あるいは1年と異なっており(第170条~174条)、非常に複雑なものとなっています。

 

今回の民法改正によって、これらの消滅時効の規定が整理され(第170条~174条が削除、5年の消滅時効を定めた商法第522条も削除)、新民法では、債権については原則として、

①債権者が権利を行使することができることを知った時から5

又は

②権利を行使することができる時から10

で時効消滅すると定められました(新民法第166条第1項)。

 

現在のところ、残業代支払請求権や有給休暇の請求権等の労働債権は、民法の特別法である労働基準法によって、2年間の消滅時効にかかることになっていますが(第115条)、今回の民法改正に合わせて、今後労働基準法が改正され、この労働債権の消滅時効も5年間になる可能性があります。

この点に関しては、厚生労働省において「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」において検討されていますが、まだ結論が出ていないところです。

 

元々、給料の支払いに関する債権は、現行民法において、債権一般の消滅時効10年を修正して、短期消滅時効として1年と定められており(第174条第1号)、それでは短過ぎるということで、さらにこれを労働基準法によって2年間に延長したという経緯ですので(第115条)、2段階の修正がなされています。

このような経緯に加えて、今回の民法の消滅時効を整理した趣旨は、適用の誤りや規定の見落としの危険、また短期消滅時効の債権に類似する債権との間の不合理性等が指摘されていたため、消滅時効期間を統一して短期消滅時効を廃止したということです(筒井健夫編「民法(債権関係)改正」(商事法務)53頁)。

 

これらのことからすれば、労働債権に関しても区別せずに一律に(少なくとも)5年の消滅時効とするのが論理的な帰結であると思います。

労働債権の消滅時効が5年間となると、実務上大きく影響が出るのが、残業代支払請求権と、有給休暇の請求権です。

今までは残業代支払請求権が2年分だったのが、(単純に計算すると)2.5倍の金額となり、有給休暇の請求権も5年分になりますので、いきなり労働債権の消滅時効が5年となると、金額や対応面だけでなく、人事労務管理のシステムの改変も必要となり、企業側へは大きなインパクトとなります。

 

とはいえ今の世の中の流れは、確実に労働者保護に傾いてきていますので、民法の改正と合わせた令和2年(2020年)には間に合わないとしても、今後一定の経過措置を設けたうえで、労働債権の消滅時効も5年となるのではないかと予想しております。

この経過措置の間に、企業側としては、未払いの労働債権や有給休暇の精算等を行っていくことになろうかと思います。

 

良くも悪くも、我が国は外圧が無い限りドラスティックな改革が苦手ですので、なるべくソフトランディングな形として、経過措置を長めにとった上で、まずは大企業と中小企業とを分け、努力義務を混ぜ込みながら、徐々に改正を行っていくのだと思います。前記のとおり新民法は主観的な消滅時効(①)と客観的な消滅時効(②)の2つがありますので、この点については企業側に配慮して、分かりやすく、労働債権については「権利を行使することができる時から5年」となる可能性が高いのかなと予想しております。

フォローが遅くなってしまい申し訳ございませんが、民法(債権法関係)改正は、法制審議会で民法改正要綱案をまとめたところまで進んだようです。

2015年2月11日の日本経済新聞電子版より
法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は10日、契約ルールを定める債権関係規定(債権法)の民法改正要綱案をまとめた。〔中略〕法制審は24日に総会を開き、上川陽子法相に答申する。法務省は通常国会に民法改正案を提出する。


ということは、今年の1月26日から6月24日までの予定で開催されている「通常」国会に民法改正案が改正が提出され、順調にいけば成立する、ということになるのかしら?

民法(債権法関係)の改正というと、ずいぶん先のことと考えていましたが、いよいよ大詰めのようです。

8月27日の日経新聞朝刊の記事に、法務省の法制審議会民法(債権法)部会が、前日の26日に、債権法の改正原案をまとめたことが報道されています。法制審議会では、来年2月に法務大臣に正式に答申し、法務省は来年の通常国会に民法改正案を提出する方針とのことです。

法務省のHPをチェックしたところ、本日現在で、まだ26日の部会の資料や改正原案はアップされていないようです。日経の記事では、「長引く低金利やネット取引の普及などを踏まえ、消費者保護に軸足を置いて見直した。」ということで、次のような内容が紹介されています。

① 法定利率が5%の固定金利から、まず3%に、3年ごとに1%刻みで見直し、になる。
② 経営者以外の保証人は公証人が意思を確認しなければならない。
③ 短期消滅時効期間について、5年に統一。

④ 賃貸マンションの契約の保証人について、保証人が負う限度額の規定を義務づける。

⑤ 欠陥商品について、損害賠償や解除だけではなく、修理や代金減額も明記する。


ただ、当然のことながら、これだけではないでしょうし、私が注目していた①継続的契約の法理、②事情変更の原則及び③不安の抗弁という一般条項がどうなったかについても調べたいところですので(この記事をご参照ください。)、改正原案そのもののupが待たれますね。


昨日(2014年8月14日)の記事の続きですが、「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案の第二次案」をみると、中間試案のときに検討事項として盛り込まれていた
① 継続的契約の法理
② 事情変更の原則
③ 不安の抗弁
の3つの一般条項的な規定に関する記載がなくなっています。
私の読みが足りない可能性もありますので、速断はすべきではありませんが、どうやらこの3つの原則は民法に条文として盛り込まれることはなさそうです。
私は、民法上の一般条項としては、権利濫用、信義則、公序良俗だけで十分であり、この3つが民法に盛り込まれることは有害だと考えていたので(下記の過去のブログ記事をご参照いただければ幸いです。)、ちょっとほっとしました。

   記

① 継続的契約の法理に関する過去の記事
(なお、継続的契約の法理の主張が、だいたい筋悪の主張であることについては、この記事をご参照ください。)

② 事情変更の原則に関する過去の記事

③ 不安の抗弁に関する過去の記事

現在進められている民法(債権法関係)の改正については、2014年7月に「改正に関する要綱案」が出る予定でしたが、スケジュールに少々遅れが生じているようであり、引き続き、法務省の法制審議会 - 民法(債権関係)部会で審議がされています。

しかし、法務省のHPの法制審民法関係部会の該当箇所には、部会資料として、「要綱仮案の第二次案」が開示されていますので、なんとなく要綱案がどういうものになりそうなのかがわかります。

http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900225.html
(部会資料82-1「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案の第二次案【PDF】」参照)

この仮案の27頁の「6 保証人保護の方策の拡充 (1)個人保証の制限」の箇所を読んでみると、個人保証の扱いについて少々変更があったようです。
2013年5月に公表された中間試案のときは、経営者保証以外の個人保証は原則として無効とされる方向で議論が進められるのかと思っていましたが(このブログの従前の記事参照。)、どうやら、公正証書の作成を要件とすることで原則として有効とするようなのです。

さらに、公正証書の作成も必要としない例外(従来の議論では「経営者」)として、
(ア) 主たる債務者が法人その他の団体である場合のその理事、取締役、執行役またはこれらに準じる者
(イ) 主たる債務者が法人である場合のその総社員又は総株主の議決権の過半数を有する者
(ウ) 主たる債務者が個人である場合の主たる債務者と共同して事業を行う者又は主たる債務者の配偶者(主たる債務者が行う事業に従事している者に限る。)
が挙げられています(要綱仮案の第二次案28頁)。

中小企業では、取締役であっても、経営者でない人はたくさんいて、従来、そういう経営者でない取締役が会社債務について保証人とされて、とても過酷な事態が生じていたこともあって、今回の個人保証の原則的廃止(経営者のみ例外とする)という議論になったと理解しておりましたが、少々、議論が後退した感じはありますね。

民法(債権法改正)の今後のスケジュールとしては、法務省の法制審議会で、この要綱案が(仮案)ではなく、正式な案として間もなく完成し、さらに来年(2015年)2月に改正要綱を法務大臣に答申し、来年の通常国会に民法改正案が提出されるとのことです。
これからも、法曹関係者は、民法改正の議論から目が離せませんね。

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(本文とは関係ありませんが、また引き続きで恐縮でございますが、大坪和敏弁護士と私の共著の『倒産法の実務ガイドブック』です。昨日の記事のとおり、この本を教材にした講義も行いますので、是非、ご参加ください。)



再び、(現在検討されている)民法改正のお話に戻ります。
 

結論からいうと、中間試案の方向性を推し進めると、個人保証を利用するのは事実上難しくなる、ということです。それが良いか、悪いかについては、我が国の経済の中で、個人保証が、金融取引や企業間取引の中でどれくらいの役割を果たしているのかという点に関するデータがないと一概にいうことはできませんが、いずれにしても、中間試案の方向性としては、個人保証については、かなり否定的であることは間違いないと思います。


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会議室テレビ


本文とは関係がありませんが、ウイズダム法律事務所の会議室のテレビです。地方のクライアント等とはこのテレビを利用してテレビ会議を行います。また会議室内でプレゼンを行う場合にも便利です。




今日も、民法改正について書いてみたいと思います。

中間試案の中で私が一番問題視しているのは、「第34 継続的契約」です。

これはどういうものかというと、

第 34 継続的契約

1 期間の定めのある契約の終了

(1) 期間の定めのある契約は,その期間の満了によって終了するものとする。

(2) 上記(1)にかかわらず,当事者の一方が契約の更新を申し入れた場合において,当該契約の趣旨,契約に定めた期間の長短,従前の更新の有無及びその経緯その他の事情に照らし,当該契約を存続させることにつき正当な事由があると認められるときは,当該契約は,従前と同一の条件で更新されたものとみなすものとする。ただし,その期間は,定めがないものとする。

(注)これらのような規定を設けない(解釈に委ねる)という考え方がある。

2 期間の定めのない契約の終了

(1) 期間の定めのない契約の当事者の一方は,相手方に対し,いつでも解約の申入れをすることができるものとする。

(2) 上記(1)の解約の申入れがされたときは,当該契約は,解約の申入れの日から相当な期間を経過することによって終了するものとする。この場合において,解約の申入れに相当な予告期間が付されていたときは,当該契約は,その予告期間を経過することによって終了するものとする。

(3) 上記(1)及び(2)にかかわらず,当事者の一方が解約の申入れをした場合において,当該契約の趣旨,契約の締結から解約の申入れまでの期間の長短,予告期間の有無その他の事情に照らし,当該契約を存続させることにつき正当な事由があると認められるときは,当該契約は,その解約の申入れによっては終了しないものとする。

(注)これらのような規定を設けない(解釈に委ねる)という考え方がある。

3 解除の効力

前記1(1)又は2(1)の契約を解除した場合には,その解除は,将来に向かってのみその効力を生ずるものとする。 

というものです。

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うなぎ

(本文とは関係ありませんが、セクレタリーズデイのお祝いに、弊事務所みんなで野田岩銀座店にいってまいりました。さすがに老舗のうなぎやさん。とても美味しかったです。)



昨日に続き、民法改正ネタで行きたいと思います。

中間試案の第33に「不安の抗弁権」というものがあります。現在の民法典には明文規定のない「不安の抗弁権」の明文化を図ろうというということです。

どういう条文になるかというと次のとおり。

33 不安の抗弁権

 双務契約の当事者のうち自己の債務を先に履行すべき義務を負う者は、相手方につき破産手続開始、再生手続開始又は更生手続開始の申立てがあったことその他の事由により、その反対給付である債権につき履行を得られないおそれがある場合において、その事由が次に掲げる要件のいずれかに該当するときは、その債務の履行を拒むことができるものとする。ただし、相手方が弁済の提供をし、又は相当の担保を供したときは、この限りでないものとする。

ア 契約締結後に生じたものであるときは、それが契約締結の時に予見することができなかったものであること

イ 契約締結時に既に生じていたものであるときは、契約締結の時に正当な理由により知ることができなかったものであること

(注)このような規定を設けないという考え方がある。また、再生手続又は更生手続が開始された後は、このような権利を行使することができないものとするという考え方がある。

 

しかし、私は、この「不安の抗弁権」の明文化にはとっても不安です。

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