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先週、東名高速道路で、男が一家の乗った車の進行を妨害して追い越し車線に停車させたところ、後方からきたトラックが一家の乗った車に追突し、両親が死亡したという事故が話題になりました。
警察はこの男を過失運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)の容疑で逮捕したようですが、世間では、この行為は殺人なのでは?という声も強いようです。
しかし、刑法の解釈上、今回の事件に殺人罪を適用するのは難しいと思います。
では、なぜ今回の事件に殺人罪を適用することが難しいのでしょうか?以下、私見になりますが、少し考えてみたいと思います。

この問題を考えるにあたっては、まず殺人罪がどのような犯罪か考えてみます。
殺人罪とは、平たく言えば わざと人を殺す罪 のことを言います。
これだけを聞くと、わざと危険な追い越し車線に停車させる行為も、わざと人を殺した=殺人罪だと感じてしまいますよね。
しかし、殺人罪はそのような大雑把な要件で成立するわけではなく、殺人罪の成立には、①人が死ぬ現実的な危険性のある行為を②人が死んでもかまわないと考えつつやり、③その結果人が死亡したという事実が必要とされています。

これらの事実の中で今回特に問題になるのが、追い越し車線に停車させる行為が、①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たるか否かと、犯人が停車行為を②人が死んでもかまわないと考えつつやったか否かです。

まず、追い越し車線に停車させる行為が①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たるか否かですが、一般の人がその行為を見た場合に人が死ぬ可能性があると感じる場合には、その行為は①人が死ぬ現実的な危険性のある行為に当たると解釈されています。
今回の事件の場合、具体的な現場の状況が不明ですので、はっきりしたことは言えませんが、例えば、現場の交通量が多い、停車させた場所の見通しが悪い、スピードを出している車が多いといった事情があるのであれば、追い越し車線に停車させることによって死傷事故が発生することが予測できます。特に、追い越し車線は、走行車線の車を追い抜くための車線であって、スピードを出している車が多いでしょうから、そこに停車させる行為は、大きな事故に繋がる可能性が高い行為と言え、一般の人から見て人の死亡の危険を感じる行為に当たる可能性が高いといえるのではないかと思います。
したがって、今回の事件の場合も、具体的な状況によりますが、①の要件を満たす可能性はそれなりに高いものと思います。

もっとも、①の要件を満たしたとしても、犯人がそれを②人が死んでもかまわないと考えつつやったと言えるかどうかは問題です。
①の要件を満たす以上は、一般人から見て人が死ぬ可能性の高い行為をしているのだから、犯人も当然人が死んでもかまわないと思ってやっただろう、と思われるかもしれません。しかし、本件の場合、犯人自身も追い越し車線に自分の車を駐めているようであり、かつ、被害者の車を駐めさせた目的は被害者を車からおろして因縁を付けることだったように見受けられます。つまり、犯人は、追い越し車線に被害者の車を駐めさせた後、被害者が死なないことを前提に行動していますし、そもそも、追い越し車線に車を止めれば死傷事故が起きるかもしれないと考えていれば自分の車を追い越し車線に止めるという行為に出ることも考えづらいのではないかと思います。
したがって、本件の場合、犯人には、人が死んでもかまわないとまでは考えていなかったと受け取れる行動が見られるということで、②の要件を満たしていると言うのはなかなか難しいと考えられ、②の要件を満たさない以上は、殺人罪も成立しないという結論になる可能性が高いものと考えられます。

今回の事件については、殺人罪の他にも、危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条)を適用して重く処罰できないかという議論もあったようですが、成立要件との関係で、適用はなかなか難しそうです。
結果として、今回の事件の犯人には過失運転致死傷罪しか適用できないと思われ、社会的な非難の程度よりも刑事責任が軽いという印象がぬぐえません。

このような事態になったそもそもの原因は、法律を作るに当たってこのような事件類型が(おそらく)想定されていなかったところにあると思われます。
今回の事件を機に新しい犯罪類型の創設が検討されるかもしれませんので、今後の動きを注視していきたいと思います。

1022日(日)に衆議院議員選挙・最高裁裁判官国民審査が行われましたが、皆様は投票に行かれましたでしょうか。台風が上陸したせいか、投票率は53.68%で戦後2番目の低さだったそうです(私は台風の中、雨に濡れながらも投票に行きました。自慢できることではありませんが…)。

さて、今回の選挙では、個人的に法律的な部分に着目しており、それは選挙権の年齢が「18歳以上」に引き下げられてから初めて実施される総選挙であるという点です。
平成276月に公職選挙法が改正されて、今まで20歳以上であった選挙年齢が、18歳以上に引き下げられました。

これを受けて、民法の成年の対象年齢の取扱いも18歳への引き下げが議論されていますが、少なくとも裁判員の対象年齢は今までどおり「20歳以上」に維持されています。もっとも、この裁判員の年齢については、賛否両論あるようです。
個人的には、今回18歳以上に選挙権という民主主義の根幹を構成する権利が付与された以上、法的にも18歳以上は主権者として民主主義の担い手になったと考えます。裁判員として評議に加わるということも国政を決めることと重大性は異ならず、裁判員制度も民主主義の実現の一つだと考えれば、18歳以上であっても裁判員になれるようにするべきだと思います。(ちなみにアメリカの選挙権は18歳以上に付与されて、かつ裁判員よりも重責な陪審員になるのも18歳以上からになっています。)

さて、民法の成年の対象年齢の取扱いが18歳へ引下げられた場合、様々な影響があります。
未成年者は、法定代理人(多くは親)の同意なく契約を締結した場合には、その契約を取り消すことができます(民法第5条第1項、第2項)。この取消権は、事情がどうあれ取り消すことができるので、かなり強力な権利です。18歳が自分の締結した契約について責任を負うことになり、消費者トラブルの多い、サラ金、デジタルコンテンツやエステサービス等の契約を取り消すことができなくなります。この点は早い時期から法教育や消費者教育を行っていくしかないでしょう。

また、養育費の支払いを決める際に、今では成年の20歳を基準として、「20歳に達する日の属する月まで」と決めたりしましたが(大学進学を予定し「22歳」の場合もあります。)、今後18歳を基準にする場合が出てくるでしょう(養育費を支払う側からすれば18歳を基準にしたい)。

なお、民法で成年の対象年齢が下がったとしても、喫煙については「満20歳」にならないと認められません。というのも、未成年者喫煙禁止法は、喫煙できる者を、例えば「民法に規定する成年」と規定されておらず、「満20歳」(満二十年)と規定していますので、民法の成年が引き下がっても、連動して喫煙可能年齢も引き下げられるわけではありません。飲酒も同様の議論で、未成年者飲酒禁止法が定められていますが、飲酒可能年齢は「満20歳」(満二十年)と規定されています。

他には、男性は18歳、女性は16歳になると婚姻できますが、20歳未満だと父母の同意が必要になりますが(民法737条第1項)、成年が18歳に変更されると、18歳の男性が結婚する場合は、少なくとも男性側の父母の同意は不要になります。併せて女性の婚姻可能年齢も18歳に引き上げられるとの議論はありますが、現在の規定のままだと女性は16歳、17歳に結婚する場合には父母の同意が必要になりますが、18歳になれば父母の同意なく婚姻できるようになります。

選挙権が18歳以上に付与されるようになって、若者も国政だけでなく民主主義全体への関心が強くなればいいですね。今後も未成年者をめぐる法律の動きに注目したいと思います。

ビットコインですが、目下、ハードフォークがホットな話題となっています。

この記事を書いているのが平成291023日ですが、1024日には、ビットコインから、

 ビットコインゴールド

という通貨がハードフォークする予定です(なお、従前は1025日とされていましたが、公式サイトhttp://btcgpu.org/を見ると、24日に前倒しになっているようです。今後も変更の可能性があるので、気になる方は、最新のニュース等をご確認下さい。)。これは、Segwit2xのハードフォークとは別の話で、略称は、BTGなどと呼ばれています。

このビットコインゴールドが目指すところとしては、現状、専用に設計されたチップ(ASIC)を使って一部のマイナーのみにマイニングが集中している状況を回避し、より多くのネットワーク参加者がマイニングを行えるようシステムを修正し、非中央集権化を推し進めることにあるようです。

既に、各取引所も、対応を公表していますが、現状で、取引所によって、新たなBTGを付与する取引所、付与しない取引所が分かれていますので注意が必要です。

そして、11月に入ると、今度は、以前から言われていた

 Segwit2x

 のハードフォークが予定されています。こちらの方は、B2XS2Xなどと呼ばれています。この、Segwit2xですが、以前もお伝えしたとおり、取引台帳の1頁を物理的に大きくする、という修正になります。ただ、同じことは、既に、ビットコインキャッシュでやっているので、今、Segwit2xをハードフォークさせる意義は、以前より、薄まっているように感じます。

このように、ここに来て、ハードフォークが連続します。8月のビットコインキャッシュのハードフォークの際は、大きなトラブルが起きず、むしろ、ビットコインを持っていた人は、棚ぼた的にビットコインキャッシュを付与される、ということとなりました。そのためか、市場は、楽観的に捉えているようです。

ビットコイン価格も、ハードフォークによる新たな仮想通貨の付与を織り込んでか、

  1BTC = 68万円

まで高騰しています(平成291023日現在)。

ただ、一部、ネットメディア等でも指摘されていますが、今後も、味をしめてハードフォークが連続してしまうと、マズイのではないか、という懸念があります。

ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、目立ったトラブルはありませんでしたが、ハードフォーク自体、技術的にも、様々なリスクを伴うものなので、そうやすやすやっていいものでも無いように思います。

また、ビットコインキャッシュのハードフォークの際は、ビットコインから、ビットコインキャッシュが分岐した後、

  ・ビットコインキャッシュに数万円の価格が付き

  ・ビットコイン自体もその後値上がりした

ため、ある種、錬金術的なことを成功させたことになりました。しかし、今後のハードフォークで、市場が毎回同じように動くのか、という確証もありません。ハードフォークによって、ビットコイン価格が暴落するリスクは常につきまといます。

また、個人的には、派生したコインが、本当にその後永続的に存在するのか、という点も気になります。特に、支持者が少ないハードフォークの場合、ハードフォーク後、何らかの原因で、メジャーなマイナーや開発者が撤退してしまい、まともなネットワーク維持が困難になってしまう、という事態も考えられます。

取引所間で、ハードフォークの自主規制ルールのようなものができれば、不必要なハードフォークが防げるのかもしれませんが、取引所は世界中にできており、意思統一は難しいように思います。

今後、ハードフォーク絡みのニュースには、要注意です。

・・・と、目下のビックニュースに触れさせていただきましたが、それ以外にも、日々、ビットコインのニュースが報道されています。そのうち、私が気になったものでは、HISが都内38店舗で、ビットコイン決済の受付を開始したとのことです。

 

https://www.his-j.com/branch/bitcoin/index.html?cid=newsrelease20sep17_bitcoin_a 

 

ウェブサイトを見ると、ビットコイン決済限定のプランなども掲載されています。

旅行繋がりでは、既に、今年5月頃、LCCのピーチアビエーションが、年内にビットコイン決済を導入すると発表し、話題となっていました。

ビットコインは、仕組み上、決済が確定するまで10分以上要するため、即座に決済が完了しなくても良い取引に親和性があります。通販などもそうですが、旅行業界でも、決済から旅行までは、通常タイムラグがあるので、ビットコイン決済が導入しやすいのかもしれません。旅行業界でもビットコイン決済の導入が進んでゆくかもしれませんね。

1. 近況について

引き続き、ブロックチェーンの話題に触れてゆきたいと思います。自らビットコインと「法律問題」と題しておきながら、法律エッセンスが(少)ないように感じていますが、気にせず今回も技術的なことについて書こうと思います。
 

その前に、近況でございますが、弊所も会員になっているブロックチェーン推進協会(BCCC)で、6月29日、会員数が60社を超えたとしてプレスリリースされました。プレスリリースは、以下のURLに記載されております。当初の予定を上回る勢いで会員数が増加しているとのことでございます。

http://bccc.global/ja/articles/297.html

また、昨日(630日)は、BCCCの第一回総会が開かれましたので、弊所からは私が参加してまいりました。様々な業界・規模の会員が参加されており、ブロックチェーンの関心の幅の広さが伺えます。


その他、最近のニュースとしては、ビットコイン採掘時の供給量が半減する「半減期」が間もなく迫っております(なお、この記事を書いているのが2016年7月1日です。)。そのためか、ビットコインの相場がかなり変動していますね。半減期をまたいで、どのように価格が推移してゆくかも興味深いです。


2.
 イーサリアム

さて、前回のメルマガ以降、私の方では、アゴラ研究所で開催されている、ブロックチェーンのセミナーに参加しております(全3回で、最終回は7月です。最終回には、池田信夫氏も登壇される予定です。)。ブロックチェーンの発展や、近時の応用事例などに触れられて、非常に勉強になります。


中でも、Ethereum(イーサリアム)の話は、特に印象に残りました。これは、ブロックチェーン技術を応用したソフトウェアで、その機能の一つとして、なんと、ブロックチェーン上でソフトウェアを動かすことができるのです!!


なんじゃそりゃ??という方も多いかと思います。簡単に言うと、

  ①専用の言語でプログラムを組む

  ②それをブロックチェーン上に載せる

  ③ブロックチェーン上でそのプログラムを動作させる

ということができるのです。

これの何が凄いかというと、(皆が参加する)ブロックチェーンネットワークは、基本的に、何があっても止まらないので、「止まらないプログラム」が実現できるのです。


具体的に言えば、サーバーなど、1つのPCで動かしているプログラムは、停電や、災害、人為的ミスなどで、稀に、止まることも考えられます。しかし、ブロックチェーン上のプログラムは、ネットワークに参加しているコンピューターがそれぞれコピーをもち、どれか一台が壊れても、ネットワークは維持されます。ブロックチェーンは、「電源の切れないPC」などとも例えられ、イーサリアムでは、その「電源の切れないPC」上で、ソフトウェアを動かせるのです。これは、個人的にかなり凄いことだと思います。


また、ブロックチェーンは、改ざんが困難です。そのため、ブロックチェーン上でソフトウェアを動かせるのであれば、そのソフトウェアの改ざんも困難だと思います。


さらに、イーサリアムは、ビットコインと同様、仮想通貨の機能も有しています。本日(7月1日)時点では1(ETH)=1370円前後で取引されています。
 

これは何を意味するかというと、先ほどのプログラムの面と、仮想通貨の面を合わせると、プログラムで容易に仮想通貨を操作することが可能になるのです。例えば、ある条件が成立した時に、仮想通貨を、誰々に移動する、といったことが可能になり、もっと言えば、管理者不要で、資金管理・移動を、自動化することができるのです。


もっとも、あまり良くないニュースも届いています。イーサリアム上で動くプログラムの脆弱性をついて、多くの仮想通貨が、意図せず流出してしまったというのです。これは、イーサリアム自体の脆弱性ではないと思いますが、課題として残された点だと思います。


今後の改善・発展に期待したいです。

3.
 番外編:エミュレーター上で、Solidityのプログラムを動かしてみる

ちなみに、イーサリアム上では、プログラムが動く、ということで、早速、プログラムの作り方を調べてみました。イーサリアム上で動くプログラム言語は、いくつかあるようですが、有名なものでは、「Solidity」という言語がございます。


文法を調べてみましたが、かなりC++ライクです(配列がポインタのような扱いになっていて、「C」っぽいな、と思いました。細かな文法も、かなり、CやC++っぽいです。)。


また、インターネット上に、ブラウザ上で動作する「Solidity」言語のエミュレーターがあったので、早速HelloWorldのコードを入力し、色々いじってみました。
試しにif文なんかを打ちこんでみましたが、普通に使えますね。


if (nData == 3){return "Hello T&P World!!";}

送金処理と組み合わせれば、特定の条件が満たされた場合に、お金を送金する、という処理も、ちょっとプログラムを勉強すれば、誰でも簡単に実現できるのではないでしょうか。

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NPO法人派遣労働ネットワークによる2013年度「派遣スタッフアンケート集計結果報告」が発表されました。
このアンケート結果によると、2001年以降、派遣スタッフの賃金は年々低下し続けており、今回調査での時給額の全国平均は 1,179 円であるとのことでした。先月の月収の平均額は 17 万 4444 円、昨年の年収の平均額は 213万 340 円で、2011年に行われた前回調査より 14 万円近く低下しています。
派遣スタッフの 68%が年収 300 万円未満であり、32%が「生活は大変苦しい」と回答しています。
( http://haken-net.or.jp/modules/tinyd4/content/hsen_2013.pdf )

”派遣労働者保護”を明記した改正労働者派遣法の施行から1年が経過しますが、現実は厳しいようです。

本日は、こうした労働者派遣に関する豆知識をご紹介します。


【豆知識 71日目】(労働法)業務処理請負契約

業務処理を請け負って、労働者が発注元で就業することもある。派遣とは、①従事する仕事はあくまでも請け負った請負企業の業務である、②労働者に対する指揮命令は発注元ではなく請負企業が行う、という点で大きく異なるよ!

 

【豆知識 72日目】(労働法)偽装請負

派遣なのに、請負という形式を利用するのが「偽装請負」。X社がY社から業務を請け負い、X社の労働者AY社(事務所)で就労させる場合に、Aに対する指揮命令をX社自身ではなくY社が行っているケースが典型だね。もちろん、偽装請負は違法だからね!

 

【豆知識 73日目】(労働法)労働者派遣

労働者派遣とは、①自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、②他人の指揮命令を受けて、当該他人のために働かせることをいう(ただし、当該他人に対し、その労働者の雇用を約束させるものは含まない)。請負と派遣は、指揮命令の主体が異なるね!

 

【豆知識 74日目】(労働法)労働者派遣法による規制

派遣事業は、常時雇用する労働者のみを対象とする“特定”労働者派遣事業と、それ以外の“一般”労働者派遣事業がある。前者は「届出」が必要で、後者は「許可」を得なければならない。これらに違反すると、処罰の対象となってしまうよ!

 

【豆知識 75日目】(労働法)事業報告書・収支計算書の提出

派遣元事業主は、所定の「事業報告書」と「収支計算書」を厚生労働大臣へ(所轄の労働局を経由して)提出することが義務付けられている(法23条)。このフォーマット(様式)や提出期限も定められているよ(施行規則17条)! 

パートタイム労働法
厚生労働省ホームページに掲載されている、「パートタイム労働法の概要」と題するパンフレットからの抜粋です。「 http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/dl/tp0605-1i.pdf 」
この表にもあるように、例えば通常の労働者と同視すべき職務に就いているパートタイム労働者については、賃金・教育訓練・福利厚生の全ての点で、差別的取り扱いが禁止されています。

本日の豆知識でも、このパートタイム労働法について取り上げていますので、ぜひご参考にされてください。


【豆知識 66日目】(労働法)クーリング期間

一定の基準を満たす空白(クーリング)期間がある場合には、その前の契約期間は、通算契約期間に算入しない。いわば契約期間が“リセット”されるんだ。「基準」は、労働契約法182項及び厚生労働省令第148号で詳細に定められているよ!

 

【豆知識 67日目】(労働法)更新基準の明示

今年41日施行の労働基準法施行規則改正により、有期労働契約締結時に更新する場合があるときには更新基準を明示しなければならなくなったよ(告示レベルから法令レべルになった)!書面を交付して明示しなければならないから注意してね。

 

【豆知識 68日目】(労働法)パートタイム労働法

パートタイム労働者という言葉は様々な意味で使われるけど、いわゆるパートタイム労働法が適用されるのは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者…の1週間の所定労働時間に比し短い労働者」。呼称によって決まるわけではないよ!(例えば、自社では“アルバイト”だから、パートタイム労働者ではない、ということではない)

 

【豆知識 69日目】(労働法)パートタイム労働法による明示事項

パートタイム労働法は、労働基準法による明示事項に加えて、①昇給、②退職手当及び③賞与の有無を明示事項として義務づけている。方法は、原則として文書の交付だよ(労働者が希望した場合にはFAXやメールもOK)!

 

【豆知識 70日目】(労働法)他企業労働者の利用

自社ではなく他企業の労働者を利用する方法としては、現行法上、①業務処理請負契約、②労働者派遣契約、③出向契約の3つが挙げられる。実体に適合しているかどうか(偽装されていないか)がよく問題になるね! 

無期転換
厚生労働省HPに掲載されている、「労働契約法改正のあらまし」と題するパンフレットからの抜粋です。
( http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet.pdf )

このパンフレットでも紹介されているように、昨年、有期労働契約について3つの新ルールが労働契約法に規定されました。
今日はその中から、有期労働契約の無期転換についての豆知識をお届けします。


【豆知識 61日目】(労働法)有期労働契約の上限(3)

①博士の学位を有する者、②公認会計士、医師、弁護士、税理士等の有資格者、③システムアナリスト試験等の合格者、④特許発明の発明者等、⑤一定の技術者等、⑥その他認定者等が高度の専門的知識等を有する者として指定されているよ。

 

【豆知識 62日目】 (労働法) 有期労働契約の下限

有期労働契約の期間の下限については、労働契約法が「必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのない」ように配慮することを定めているだけで、それ以上の具体的な規制はおかれていないんだ。

 

【豆知識 63日目】 (労働法) 無期労働契約への転換申込権

有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、自動的に無期労働契約へ転換するわけではなく、あくまでも労働者の選択(申込み)が前提!申込みがあった場合には、使用者(会社)側は拒否できず、承諾したことになるんだ。

 

【豆知識 64日目】 (労働法) 無期転換の場合の労働条件

転換後の労働条件については別段の定めがなければ、今までと同じ。別段の定めは、労働協約、就業規則や契約が挙げられるね。定年、退職、解雇、懲戒、休職、配転、賃金、労働時間について、事前に検討して設けておく必要があるね!

 

【豆知識 65日目】 (労働法) 転換申込権の発生

有期契約の通算期間が5年を超えて更新されると、転換申込権が発生する。この権利は、その後の更新期間ごとに発生する。5年を超えた最初の契約期間内に権利行使しなくても、次に更新された期間で再度権利が発生し、行使可能となるんだ! 

解雇予告手当
東京労働局HPに掲載されている、「しっかりマスター労働基準法・解雇編」と題する
パンフレットからの抜粋です。
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/seido/kijunhou/shikkari-master/pdf/kaiko.pdf ]

ここで解説されている解雇予告手当についてですが、
採用日から14日間経過後は、たとえ試用期間中であっても、解雇予告又は解雇予告
手当の支払が必要となります(労働基準法21条但書)。
試用期間中の場合であれば、解雇は自由、解雇予告も不要、というのは誤解ですのでご注意ください。

今日は、引き続き、試用期間中の解雇及び有期労働契約についての豆知識をご紹介します。


【豆知識 56日目】 (労働法) 試用期間中の解雇(2)

判例は、試用期間中の解雇と通常の解雇について、「全く同一に論ずることはできず、前者については、後者の場合よりも広い範囲における解雇の自由が認められてしかるべきもの」と判断しているんだ。(続く)

 

【豆知識 57日目】 (労働法) 試用期間中の解雇(3)

一般的には、試用期間中における勤務態度や能力を観察したうえで、従業員としての適格性を判断し、本採用するか否かを決定するよ。採用決定前から把握していた事実に基づく解雇は認められないと解されているから注意してね!

 

【豆知識 58日目】 (労働法) 試用期間の長さ

試用期間の長さは、法律で上限が定められているわけではないけれど、3か月が一般的だよ。試用期間の延長は、何らの根拠なく一方的にすることはできないから注意してね。

 

【豆知識 59日目】 (労働法) 有期労働契約の上限(1)

有期労働契約の期間上限は、原則3年(例外5年)までとされている(労基法141項)。仮にこの制限に違反した場合には、当該契約の期間は3年(又は5年)に縮められることになるんだよ! [続く]

 

【豆知識 60日目】 (労働法) 有期労働契約の上限(2)

有期労働契約の上限が例外的に5年とされるのは、①一定の基準に該当する専門的知識等を有する労働者がその知識等を必要とする業務に就く場合、②満60歳以上の労働者の場合。①の一定の基準については、具体的に定められているよ。[続く] 

51~55内定取消

厚生労働省HPに掲載されている、「事業主の皆様へ ~新規学校卒業者
の採用内定取消し、入職時期繰下げ等の防止に向けて~」と題するパンフ
レットからの抜粋です。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/jakunensha07/dl/01b.pdf ]

 今日は、このような内定取消しの問題や試用期間に関する豆知識をご紹介します。



【豆知識 51日目】 (労働法) 違法な内定取消し

違法な内定取消しを行った場合、労働者に対する損害賠償義務が発生する。裁判例でも、損害賠償責任が認められたケースがあるから、内定取消しは慎重に判断してね!

 

【豆知識 52日目】 (労働法) 内定取消しの行政的規制

職業安定法施行規則は、新規学卒者の内定取消しの際の職安や学校長への通知義務や一定の場合の企業名の公表等を定めている。新規学卒者の内定取消しについては、職安法による規制があることに留意してね!

 

【豆知識 53日目】 (労働法) 賠償予定の禁止

労働基準法16条は、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めている。この条項と関連する問題としては、留学費用の返還等が挙げられるね。

 

【豆知識 54日目】 (労働法) 試用期間の法的性質

試用期間の法的性質についても、一般的には解約権付きの労働契約が既に成立していると理解されている。試用期間中に解雇する場合や本採用を拒否する場合は、解約権の行使が“適法か否か”が問題になるね。

 

【豆知識 55日目】 (労働法) 試用期間中の解雇(1)

試用期間中の解雇の適法性について、判例は「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許される」と判断しているよ。(続く) 

46~50労働条件明示(労基法)46~50労働条件(労契法)

厚生労働省HPに掲載されている、「労働契約締結時の労働条件の明示」/「労働契約法のポイント」と題する資料からの抜粋です。

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet10.pdf 
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/080218-1a.pdf ] 


今日は、この労働条件の明示義務に関する重要な豆知識をご紹介します。


【豆知識 46日目】 (労働法) 就業規則の「周知」って?

就業規則の効力の要件として「周知」があるけれど、この「周知」は、内容を知ることができる状態におくことであって、内容を個別的に認識させることではない。つまり、実際に個別の労働者が知っていることが必要というわけではないんだよ!

 

【豆知識 47日目】 (労働法) 労働条件の明示義務 Ⅰ

労働条件の明示義務(労基法151項)。明示すべき事項は、就業規則の必要記載事項(労基法89条)に①労働契約の期間、②時間外労働の有無、③休職に関する事項[定めをする場合]を付加したものとなっているよ(施行規則51項)。

 

【豆知識 48日目】 (労働法) 労働条件の明示義務 Ⅱ

一定の労働条件については、書面を交付して明示する義務があるけど(労基法151項、施行規則52項・3項)、就業規則を交付したうえで、前回の豆知識の①②の記載を含む労働契約書を交付すればクリアできるね。

 

【豆知識 49日目】 (労働法) 明示された労働条件が事実と異なる場合の即時解除権

労働契約締結の際に明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができる(労基法152項)。なかなか知られていない条項だね。

 

【豆知識 50日目】 (労働法) 採用内定の法的意味

あくまでも事実関係に則して判断することになるけれど、採用内定の段階で労働契約が成立するというのが一般的理解だよ。内定取消しの適法性も厳格に判断される傾向にあるんだ。


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