今年(平成30年)の41日から、「無期転換ルール」が実施されるようになります。

「無期転換ルール」とは、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みによって、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。

このルールは労働契約法第18条で規定され、同条は平成2541日に施行されているのですが、経過措置によって、施行の日以後に締結した労働契約に適用されます。
そのため、実施されるのが最も早い方は、今年の41日にこのルールが適用されます。

今まで企業側としては、有期労働者を雇止めすることができたので、これが制限されるとなるとかなりの負担になります。
それでは、この無期転換ルールが、企業側にとってどのようなメリットがあるのかというと、厚生労働省のハンドブック(http://muki.mhlw.go.jp/policy/handbook_2017_3.pdf)によれば、

・長期的な視点に立って社員育成を実施することが可能になる

・会社の実務や事情等に精通する無期労働契約の社員を比較的容易に獲得できる

というメリットがあるとのことです。

しかし、無期転換ルールは、あくまでも労働者に無期転換への申込みを行う権利を認めたものなので、無期転換にするかどうかのイニシアチブは労働者側にあります。
そのため、上記の企業側のメリットはこじつけというか、結局メリットにはなっていないでしょう。

労働者としては、雇用の安定している無期労働契約に自分の意思で転換できるというのは大きなメリットです。しかし注意しなければならないのは、無期転換の申込みを行っても、あくまでも従前の有期労働契約の労働条件のうち、契約期間が無期になるだけですので、自動的に正社員と同様の待遇(給与、賞与、退職金等)になるわけではありません。

会社として注意しなければならないのは、無期転換した労働者に、会社のどの就業規則が適用されるのかをはっきりさせておかなければなりません。
通常は有期労働契約用の就業規則には定年を規定していない場合が多いので、仮に無期転換した労働者の適用される就業規則が、有期労働契約用の就業規則しかなかったとすると、会社は無期転換の労働者を、定年を過ぎても雇い続けなければなりません。

そのため、このような事態にならないように、定年だけでなくその他の労働条件についても、会社の運用に沿った内容を定めた無期転換用の就業規則を作成しておくことが望ましいでしょう。

人生100年時代です。
定年以降に有期労働契約を締結し、これが無期に転換した場合はどうするのか等、超高齢化社会を見据えて、就業規則等を用意しなければなりません。
実際に無期転換権を行使する労働者がどのくらいの人数・割合になるのかはまだ分かりませんが、今後の動向に注目したいと思います。